JP2557385Y2 - フロアーヒンジ - Google Patents
フロアーヒンジInfo
- Publication number
- JP2557385Y2 JP2557385Y2 JP10912991U JP10912991U JP2557385Y2 JP 2557385 Y2 JP2557385 Y2 JP 2557385Y2 JP 10912991 U JP10912991 U JP 10912991U JP 10912991 U JP10912991 U JP 10912991U JP 2557385 Y2 JP2557385 Y2 JP 2557385Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- back check
- piston
- door
- check
- cylinder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Closing And Opening Devices For Wings, And Checks For Wings (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、扉の開扉回動力をピス
トンの直線運動に変換するように入力し、開扉動作によ
り復帰用ばねを蓄勢するようにピストンを往動し、復帰
用ばねの蓄勢復帰力によりピストンを復動させるととも
に、所要開扉角度から最大開扉角度までの範囲におい
て、ゆっくりとした開扉を保障するとともに、所要の大
きさ以下の開扉力を作用させて急速に開扉しようとする
ときはピストンの往動をロックし、所要の大きさ以上の
開扉力を作用させて急速に開扉しようとするときはピス
トンの復動を許すバックチェック機能を備えたフロアー
ヒンジに関する。
トンの直線運動に変換するように入力し、開扉動作によ
り復帰用ばねを蓄勢するようにピストンを往動し、復帰
用ばねの蓄勢復帰力によりピストンを復動させるととも
に、所要開扉角度から最大開扉角度までの範囲におい
て、ゆっくりとした開扉を保障するとともに、所要の大
きさ以下の開扉力を作用させて急速に開扉しようとする
ときはピストンの往動をロックし、所要の大きさ以上の
開扉力を作用させて急速に開扉しようとするときはピス
トンの復動を許すバックチェック機能を備えたフロアー
ヒンジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、扉が全開状態からディレイドアク
ション−第一速閉扉動作−第二速閉扉動作−ラッチング
アクションの四速変化を伴う閉扉動作を行わせるよう
に、ピストンに四速変化を伴う復動を行わせる機能を有
するとともに、所要開扉角度から全開角度までの間、緩
速な開扉動作を許すように、ピストンにバックチェック
力を作用させるフロアーヒンジとして、実開平3−20
680号がある。実開平3−20680号の実施例のフ
ロアーヒンジは、ピストン後部室の作動油のピストン前
部室への流通を保障する第一油通路にバックチェック調
整弁とラッチングアクション調整弁を設けているととも
に、ピストン前部室の作動油のピストン後部室への流通
を保障する第二油通路にディレイドアクション調整弁と
第一速調整弁と第二速調整弁を設けている。
ション−第一速閉扉動作−第二速閉扉動作−ラッチング
アクションの四速変化を伴う閉扉動作を行わせるよう
に、ピストンに四速変化を伴う復動を行わせる機能を有
するとともに、所要開扉角度から全開角度までの間、緩
速な開扉動作を許すように、ピストンにバックチェック
力を作用させるフロアーヒンジとして、実開平3−20
680号がある。実開平3−20680号の実施例のフ
ロアーヒンジは、ピストン後部室の作動油のピストン前
部室への流通を保障する第一油通路にバックチェック調
整弁とラッチングアクション調整弁を設けているととも
に、ピストン前部室の作動油のピストン後部室への流通
を保障する第二油通路にディレイドアクション調整弁と
第一速調整弁と第二速調整弁を設けている。
【0003】実願平3−20680号の実施例のフロア
ーヒンジは、バックチェック調整弁を調整してバックチ
ェック力を大きくしゆっくりと開扉できる開扉速度を遅
くすると、強風などによる超急激な開扉があったときに
ケース本体等のフロアーヒンジ構成部品やドア部材(フ
ロアーヒンジの出力軸に連結するアームの取着されてい
る部分)が破損する可能性がある。また、シール部の破
損を回避するために安全機構を設けようとすると、ピス
トンに対して設けなければならず、ピストンが大型化す
るとともに、構造が複雑になり加工が煩雑になるという
問題点があった。
ーヒンジは、バックチェック調整弁を調整してバックチ
ェック力を大きくしゆっくりと開扉できる開扉速度を遅
くすると、強風などによる超急激な開扉があったときに
ケース本体等のフロアーヒンジ構成部品やドア部材(フ
ロアーヒンジの出力軸に連結するアームの取着されてい
る部分)が破損する可能性がある。また、シール部の破
損を回避するために安全機構を設けようとすると、ピス
トンに対して設けなければならず、ピストンが大型化す
るとともに、構造が複雑になり加工が煩雑になるという
問題点があった。
【0004】本考案は、上述した点に鑑み案出したもの
で、所要開扉角度から最大開扉角度までの範囲におい
て、ゆっくりとした開扉を保障するとともに、所要の大
きさ以下の開扉力を作用させて急速に開扉しようとする
ときはピストンの往動をロックし、所要の大きさ以上の
開扉力を作用させて急速に開扉しようとするときはピス
トンの往動を徐々に許すバックチェック機能を備えたフ
ロアーヒンジを提供すること目的としている。
で、所要開扉角度から最大開扉角度までの範囲におい
て、ゆっくりとした開扉を保障するとともに、所要の大
きさ以下の開扉力を作用させて急速に開扉しようとする
ときはピストンの往動をロックし、所要の大きさ以上の
開扉力を作用させて急速に開扉しようとするときはピス
トンの往動を徐々に許すバックチェック機能を備えたフ
ロアーヒンジを提供すること目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願第一の考案は、上記
の課題を解決するための手段として、扉と連結され該扉
の回転軸となる出力軸1と、該出力軸1に回動−直動運
動変換機構Aにより連結されていて、開扉動作による前
記出力軸1の回動により直線移動されて復帰用スプリン
グ2を蓄勢し、該復帰用スプリング2の蓄勢復帰力によ
りピストン3が復動して前記出力軸1に閉扉方向の回動
力を伝達するようになっており、所要開扉角度から全開
角度までの開扉状態では開扉速度を遅らせるバックチェ
ック機能を備えているフロアーヒンジにおいて、前記バ
ックチェック装置は、前記ピストン3と反対側にピスト
ン後部室5と連通するバックチェックシリンダ19bが
形成され、該バックチェックシリンダ19bにバックチ
ェックピストン16が摺嵌され、該バックチェックピス
トン16がバックチェックシリンダ19b内に設けたバ
ックチェックスプリング17によって出力軸1の方向へ
付勢され、バックチェックピストン16にバックチェッ
ク用油通路33が穿設され、該バックチェック用油通路
33に、バックチェックピストン16が急速に引退され
バックチェックシリンダ19bの圧力がピストン後部室
5の圧力よりも急速に高くなるときに閉弁するバックチ
ェック用逆止弁34が配されており、バックチェックシ
リンダ19b壁内に、バックチェックシリンダ19bと
ピストン後部室5とを連通するバックチェック用バイパ
ス路35が穿設され、該バックチェック用バイパス路3
5には、バックチェックシリンダ19bの圧力が一定圧
力以上になるときに開弁する調整可能なバックチェック
安全弁36、または外部から調整可能なバックチェック
調整弁が配され、前記の所要開扉角度から最大開扉角度
の範囲で、回動−直線運動機構Aがバックチェックピス
トン16に当接するようになっていることを特徴とする
フロアーヒンジを提供するものである。
の課題を解決するための手段として、扉と連結され該扉
の回転軸となる出力軸1と、該出力軸1に回動−直動運
動変換機構Aにより連結されていて、開扉動作による前
記出力軸1の回動により直線移動されて復帰用スプリン
グ2を蓄勢し、該復帰用スプリング2の蓄勢復帰力によ
りピストン3が復動して前記出力軸1に閉扉方向の回動
力を伝達するようになっており、所要開扉角度から全開
角度までの開扉状態では開扉速度を遅らせるバックチェ
ック機能を備えているフロアーヒンジにおいて、前記バ
ックチェック装置は、前記ピストン3と反対側にピスト
ン後部室5と連通するバックチェックシリンダ19bが
形成され、該バックチェックシリンダ19bにバックチ
ェックピストン16が摺嵌され、該バックチェックピス
トン16がバックチェックシリンダ19b内に設けたバ
ックチェックスプリング17によって出力軸1の方向へ
付勢され、バックチェックピストン16にバックチェッ
ク用油通路33が穿設され、該バックチェック用油通路
33に、バックチェックピストン16が急速に引退され
バックチェックシリンダ19bの圧力がピストン後部室
5の圧力よりも急速に高くなるときに閉弁するバックチ
ェック用逆止弁34が配されており、バックチェックシ
リンダ19b壁内に、バックチェックシリンダ19bと
ピストン後部室5とを連通するバックチェック用バイパ
ス路35が穿設され、該バックチェック用バイパス路3
5には、バックチェックシリンダ19bの圧力が一定圧
力以上になるときに開弁する調整可能なバックチェック
安全弁36、または外部から調整可能なバックチェック
調整弁が配され、前記の所要開扉角度から最大開扉角度
の範囲で、回動−直線運動機構Aがバックチェックピス
トン16に当接するようになっていることを特徴とする
フロアーヒンジを提供するものである。
【0006】
【作用】今、扉を全閉状態から開いていくと、出力軸1
が回動し回動−直動運動変換機構Aによりピストン3が
復帰用スプリング2を圧縮しながらピストン後部室5方
向へ往動していき、扉は予め設定された最大開扉角度
(例えば120度)に開かれる。そして、所要開扉角度
(例えば75度)から最大開扉角度までの開扉状態で
は、回動−直動運動変換機構Aがバックチェックスプリ
ング17の付勢を受けるバックチェックピストン16に
当接する。そして、扉をゆっくり開く場合には、バック
チェック用逆止弁34が開のままとなり、バックチェッ
クシリンダ19bの作動油がピストン後部室5へ流動で
き、バックチェックピストン16がバックチェックスプ
リング17を圧縮して引退することができるから、ピス
トン3の復動が保障され最大開扉角度に開かれる。扉を
速く開けようとする場合には、バックチェックシリンダ
19bの作動油の圧力が急速に高まってバックチェック
用逆止弁34が閉となり、このためバックチェックピス
トン16が引退せずピストン3の往動が停止し、もって
開扉動作が停止し扉急速全開を回避する。さらに強風に
より扉が全開方向に強く煽られるときには、バックチェ
ック安全弁36または図示しないバックチェック調整弁
を有するバックチェック油圧制御回路Cによってバック
チェックシリンダ19bの作動油のピストン後部室5へ
逃がすことにより、バックチェックピストン16がゆっ
くり引退することを保障し出力軸1と扉の固定部の負担
を回避する。
が回動し回動−直動運動変換機構Aによりピストン3が
復帰用スプリング2を圧縮しながらピストン後部室5方
向へ往動していき、扉は予め設定された最大開扉角度
(例えば120度)に開かれる。そして、所要開扉角度
(例えば75度)から最大開扉角度までの開扉状態で
は、回動−直動運動変換機構Aがバックチェックスプリ
ング17の付勢を受けるバックチェックピストン16に
当接する。そして、扉をゆっくり開く場合には、バック
チェック用逆止弁34が開のままとなり、バックチェッ
クシリンダ19bの作動油がピストン後部室5へ流動で
き、バックチェックピストン16がバックチェックスプ
リング17を圧縮して引退することができるから、ピス
トン3の復動が保障され最大開扉角度に開かれる。扉を
速く開けようとする場合には、バックチェックシリンダ
19bの作動油の圧力が急速に高まってバックチェック
用逆止弁34が閉となり、このためバックチェックピス
トン16が引退せずピストン3の往動が停止し、もって
開扉動作が停止し扉急速全開を回避する。さらに強風に
より扉が全開方向に強く煽られるときには、バックチェ
ック安全弁36または図示しないバックチェック調整弁
を有するバックチェック油圧制御回路Cによってバック
チェックシリンダ19bの作動油のピストン後部室5へ
逃がすことにより、バックチェックピストン16がゆっ
くり引退することを保障し出力軸1と扉の固定部の負担
を回避する。
【0007】
【実施例】以下、本考案のフロアーヒンジの実施例を図
面を参照して説明する。このフロアーヒンジは、左開
き、右開き、左右両開きのいずれの扉にも適用される。
このフロアーヒンジは、扉と連結され該扉の回転軸とな
る出力軸1と、該出力軸1にカム機構を利用した回動−
直動運動変換機構Aにより連結されるピストン3を有
し、開扉動作による出力軸1の回動によりピストン3が
往動されて復帰用スプリング2を蓄勢し、該復帰用スプ
リング2の蓄勢復帰力によりピストン3が復動して回動
−直線運動機構Aを介して出力軸1に閉扉回動力を伝達
するように構成されており、開扉角度75度ないし12
0度の開扉動作範囲(図2(b)から図2(a)に到る
開扉動作過程)では、回動−直動運動変換機構Aがバッ
クチェックスプリング17の付勢を受けるバックチェッ
クピストン16に当接し、扉をゆっくり開く場合には、
バックチェックピストン16がバックチェックスプリン
グ17を圧縮して引退することができるから、ピストン
3の往動が保障され最大開扉角度に開かれるようになっ
ているとともに、扉を速く開けようとする場合には、バ
ックチェックピストン16が引退せず開扉動作が停止し
て扉急速全開を回避するようになっており、さらに強風
により扉が全開方向に強く煽られるときには、バックチ
ェック安全弁36またはバックチェック調整弁を有する
バックチェック油圧制御回路Cによってバックチェック
シリンダ19bの作動油をピストン後部室5へ逃がすこ
とにより、バックチェックピストン16のゆっくりとし
た引退を保障し出力軸1と扉の固定部の負担を回避する
ように構成されているとともに、閉扉動作時のピストン
移動速度が、油圧制御回路Bによってピストン前部室4
の作動油のピストン後部室5への流通量をコントロール
することにより、最大開扉角度120度ないし開扉角度
75度の閉扉動作範囲(図2(a)から図2(b)に到
る閉扉動作過程)では微速な閉扉動作を行うディレイド
アクション、次いで開扉角度75度ないし25度の閉扉
動作範囲(図2(b)から図2(c)に到る閉扉動作過
程)では高速な閉扉動作を行う第一速閉扉動作、次いで
開扉角度25度ないし5度の閉扉動作範囲(図2(c)
から図2(d)に到る閉扉動作過程)では緩速な閉扉動
作を行う第二速閉扉動作、次いで全閉間際の開扉角度5
度ないし0度の閉扉動作範囲(図2(d)から図2
(e)に到る閉扉動作過程)では高速な閉扉動作を行い
扉閉鎖するラッチングアクションの動作順序で速度制御
されるように構成されている。
面を参照して説明する。このフロアーヒンジは、左開
き、右開き、左右両開きのいずれの扉にも適用される。
このフロアーヒンジは、扉と連結され該扉の回転軸とな
る出力軸1と、該出力軸1にカム機構を利用した回動−
直動運動変換機構Aにより連結されるピストン3を有
し、開扉動作による出力軸1の回動によりピストン3が
往動されて復帰用スプリング2を蓄勢し、該復帰用スプ
リング2の蓄勢復帰力によりピストン3が復動して回動
−直線運動機構Aを介して出力軸1に閉扉回動力を伝達
するように構成されており、開扉角度75度ないし12
0度の開扉動作範囲(図2(b)から図2(a)に到る
開扉動作過程)では、回動−直動運動変換機構Aがバッ
クチェックスプリング17の付勢を受けるバックチェッ
クピストン16に当接し、扉をゆっくり開く場合には、
バックチェックピストン16がバックチェックスプリン
グ17を圧縮して引退することができるから、ピストン
3の往動が保障され最大開扉角度に開かれるようになっ
ているとともに、扉を速く開けようとする場合には、バ
ックチェックピストン16が引退せず開扉動作が停止し
て扉急速全開を回避するようになっており、さらに強風
により扉が全開方向に強く煽られるときには、バックチ
ェック安全弁36またはバックチェック調整弁を有する
バックチェック油圧制御回路Cによってバックチェック
シリンダ19bの作動油をピストン後部室5へ逃がすこ
とにより、バックチェックピストン16のゆっくりとし
た引退を保障し出力軸1と扉の固定部の負担を回避する
ように構成されているとともに、閉扉動作時のピストン
移動速度が、油圧制御回路Bによってピストン前部室4
の作動油のピストン後部室5への流通量をコントロール
することにより、最大開扉角度120度ないし開扉角度
75度の閉扉動作範囲(図2(a)から図2(b)に到
る閉扉動作過程)では微速な閉扉動作を行うディレイド
アクション、次いで開扉角度75度ないし25度の閉扉
動作範囲(図2(b)から図2(c)に到る閉扉動作過
程)では高速な閉扉動作を行う第一速閉扉動作、次いで
開扉角度25度ないし5度の閉扉動作範囲(図2(c)
から図2(d)に到る閉扉動作過程)では緩速な閉扉動
作を行う第二速閉扉動作、次いで全閉間際の開扉角度5
度ないし0度の閉扉動作範囲(図2(d)から図2
(e)に到る閉扉動作過程)では高速な閉扉動作を行い
扉閉鎖するラッチングアクションの動作順序で速度制御
されるように構成されている。
【0008】このフロアーヒンジは本体ケース19を備
えている。該本体ケース19は、横長で図において右端
側にシリンダヘッド20で液密に閉塞されたシリンダ1
9a、左端側にバックチェックシリンダヘッド21で液
密に閉塞されたバックチェックシリンダ19bを有する
偏平な筒状に形成され、さらにバックチェックシリンダ
19bに偏った上部に開口を有し、該開口が出力軸1が
突出した状態に蓋板22で液密に閉塞されている。シリ
ンダ19aにピストン3が収容され、バックチェックシ
リンダ19bにバックチェックピストン16が収容さ
れ、ピストン3とシリンダヘッドとの間がピストン前部
室4とされ、ピストン後部室5がバックチェックピスト
ン16の所まで連通している。出力軸1は、本体ケース
19の底部に設けられた軸受18と蓋板22に設けられ
た軸受23によって支持されており、本体ケース19内
に木の葉状のカム24が固着されている。出力軸1は、
外端が図示しない扉の下端に固着された図示しないアー
ムレバーに嵌着されている。該カム24は、上側揺動板
25と下側揺動板26に挟まれており、上側揺動板25
と下側揺動板26は、間に三個のカムフォロアー27,
28,29を枢支しているとともに、ピストン3側の端
部で連結棒30の基端を挟んで止めねじ38により固定
されており、連結棒30は、先端が、ピストン3の後面
に形成された凹部に嵌入されピストン3周面の外方から
ピストンピン37が嵌入され連結されている。カム24
は、頂点をピストン3の方向に向けかつ扉の全閉時に該
頂点が本体ケース19の長手方向に一致するように設け
られ、前記三個のカムフォロアー27,28,29の
中、二個のカムフォロアー27,28は、カム24に対
しバックチェックピストン16寄りに位置し扉の全閉時
にカム24の最小径の両肩部に接触するように設けら
れ、残り一個のカムフォロアー29は、カム24に対し
ピストン3寄りに所要離間して設けられている。従っ
て、出力軸1を左(または右へ)回動させてカム24を
一体に回動すると、バックチェックピストン16寄りの
二個のカムフォロアー27,28の中の一方27(また
は28)が、該カム24に接触してバックチェックピス
トン16の方向へ押され、ピストン3が復帰用スプリン
グ2の付勢に抗してバックチェックピストン16の方向
へ往動するようになっている。このように、出力軸1の
回転をピストン3の直動に変換する,カムとカムフォロ
アーを利用した回動−直動運動変換機構Aが構成されて
いる。復帰用スプリング2は、連結棒30を取り囲むよ
うにピストン後部室5に収容され、扉の全閉状態に対応
するように位置するピストン3と本体ケース19内の段
部19cとを突っ張るように取り付けられている。バッ
クチェックピストン16は、バックチェックシリンダ1
9bに圧縮状態に収容されたバックチェックスプリング
17によって付勢されている。本体ケース19の下側揺
動板26の下側の底部に開口が設けられ、該開口縁の下
向きの段部に、ダイヤフラムパッキン31が当てがわ
れ、コップ型プラグ32で螺締めされ液密に密閉されて
いる。ダイヤフラムパッキン31は、ピストン後部室5
の作動油が温度上昇によって膨張したときなどに、凹む
ことにより本体ケース19のシール部の破損を回避する
ように機能する。
えている。該本体ケース19は、横長で図において右端
側にシリンダヘッド20で液密に閉塞されたシリンダ1
9a、左端側にバックチェックシリンダヘッド21で液
密に閉塞されたバックチェックシリンダ19bを有する
偏平な筒状に形成され、さらにバックチェックシリンダ
19bに偏った上部に開口を有し、該開口が出力軸1が
突出した状態に蓋板22で液密に閉塞されている。シリ
ンダ19aにピストン3が収容され、バックチェックシ
リンダ19bにバックチェックピストン16が収容さ
れ、ピストン3とシリンダヘッドとの間がピストン前部
室4とされ、ピストン後部室5がバックチェックピスト
ン16の所まで連通している。出力軸1は、本体ケース
19の底部に設けられた軸受18と蓋板22に設けられ
た軸受23によって支持されており、本体ケース19内
に木の葉状のカム24が固着されている。出力軸1は、
外端が図示しない扉の下端に固着された図示しないアー
ムレバーに嵌着されている。該カム24は、上側揺動板
25と下側揺動板26に挟まれており、上側揺動板25
と下側揺動板26は、間に三個のカムフォロアー27,
28,29を枢支しているとともに、ピストン3側の端
部で連結棒30の基端を挟んで止めねじ38により固定
されており、連結棒30は、先端が、ピストン3の後面
に形成された凹部に嵌入されピストン3周面の外方から
ピストンピン37が嵌入され連結されている。カム24
は、頂点をピストン3の方向に向けかつ扉の全閉時に該
頂点が本体ケース19の長手方向に一致するように設け
られ、前記三個のカムフォロアー27,28,29の
中、二個のカムフォロアー27,28は、カム24に対
しバックチェックピストン16寄りに位置し扉の全閉時
にカム24の最小径の両肩部に接触するように設けら
れ、残り一個のカムフォロアー29は、カム24に対し
ピストン3寄りに所要離間して設けられている。従っ
て、出力軸1を左(または右へ)回動させてカム24を
一体に回動すると、バックチェックピストン16寄りの
二個のカムフォロアー27,28の中の一方27(また
は28)が、該カム24に接触してバックチェックピス
トン16の方向へ押され、ピストン3が復帰用スプリン
グ2の付勢に抗してバックチェックピストン16の方向
へ往動するようになっている。このように、出力軸1の
回転をピストン3の直動に変換する,カムとカムフォロ
アーを利用した回動−直動運動変換機構Aが構成されて
いる。復帰用スプリング2は、連結棒30を取り囲むよ
うにピストン後部室5に収容され、扉の全閉状態に対応
するように位置するピストン3と本体ケース19内の段
部19cとを突っ張るように取り付けられている。バッ
クチェックピストン16は、バックチェックシリンダ1
9bに圧縮状態に収容されたバックチェックスプリング
17によって付勢されている。本体ケース19の下側揺
動板26の下側の底部に開口が設けられ、該開口縁の下
向きの段部に、ダイヤフラムパッキン31が当てがわ
れ、コップ型プラグ32で螺締めされ液密に密閉されて
いる。ダイヤフラムパッキン31は、ピストン後部室5
の作動油が温度上昇によって膨張したときなどに、凹む
ことにより本体ケース19のシール部の破損を回避する
ように機能する。
【0009】油圧制御回路Bは、ピストン3にピストン
前部室4とピストン後部室5とを連通するように穿設さ
れ逆止弁6が所要位置に配され開扉動作を保障する第一
油通路7と、シリンダ壁内に所要の多岐路形状に穿設さ
れディレイドアクション(図2(a)から図2(b)に
到る最大開扉角度120度ないし開扉角度75度の閉扉
動作過程)及び第一速閉扉動作(図2(b)から図2
(c)に到る開扉角度75度ないし25度の閉扉動作過
程)を保障する第二油通路11と、シリンダ壁内に所要
の多岐路形状に穿設され第二速閉扉動作(図2(c)か
ら図2(d)に到る開扉角度25度ないし5度の閉扉動
作過程)及びラッチングアクション(図2(d)から図
2(e)に到る開扉角度5度ないし0度の閉扉動作過
程)を保障する第三油通路15とを有している。
前部室4とピストン後部室5とを連通するように穿設さ
れ逆止弁6が所要位置に配され開扉動作を保障する第一
油通路7と、シリンダ壁内に所要の多岐路形状に穿設さ
れディレイドアクション(図2(a)から図2(b)に
到る最大開扉角度120度ないし開扉角度75度の閉扉
動作過程)及び第一速閉扉動作(図2(b)から図2
(c)に到る開扉角度75度ないし25度の閉扉動作過
程)を保障する第二油通路11と、シリンダ壁内に所要
の多岐路形状に穿設され第二速閉扉動作(図2(c)か
ら図2(d)に到る開扉角度25度ないし5度の閉扉動
作過程)及びラッチングアクション(図2(d)から図
2(e)に到る開扉角度5度ないし0度の閉扉動作過
程)を保障する第三油通路15とを有している。
【0010】第一油通路7内に配される逆止弁6は、開
扉動作時におけるピストン後部室5の作動油の圧力の高
まりで弁体6aが弁座から離れ、ピストン後部室5の作
動油のピストン前部室4への流通を許し閉扉動作時には
逆方向の流通を停止するように機能する。
扉動作時におけるピストン後部室5の作動油の圧力の高
まりで弁体6aが弁座から離れ、ピストン後部室5の作
動油のピストン前部室4への流通を許し閉扉動作時には
逆方向の流通を停止するように機能する。
【0011】第二油通路11は、シリンダ壁内に主通路
11aと四つの枝通路11b,11c,11d,11e
からなる多岐路形状に穿設されていて、かつピストン前
部室4の所要位置に枝通路11b,11cの油口a,b
が臨み、またピストン後部室5の所要位置に枝通路11
d,11eの油口a’,b’が臨んでいて、開扉角度が
120度ないし75度のディレイドアクション時にあっ
ては、油口aとa’が連通し、油口b’がピストン3で
閉じられ油口bとb’が不通状態になり、また開扉角度
が75度ないし25度の第一速閉扉動作時にあっては、
油口bとb’が連通し、油口aがピストン3で閉じられ
油口aとa’が不通状態になる。油口a’に臨んで外部
より調整可能にディレイドアクション調整弁9が設けら
れ、また油口bに臨んで外部より調整可能に第一速調整
弁10が設けられ、ディレイドアクション調整弁9と第
一速調整弁10が互いに干渉しないように分配されてい
る。ディレイドアクション調整弁9は、絞り度を所要大
きく調整され、第一速調整弁10は、絞り度を小さく調
整されている。
11aと四つの枝通路11b,11c,11d,11e
からなる多岐路形状に穿設されていて、かつピストン前
部室4の所要位置に枝通路11b,11cの油口a,b
が臨み、またピストン後部室5の所要位置に枝通路11
d,11eの油口a’,b’が臨んでいて、開扉角度が
120度ないし75度のディレイドアクション時にあっ
ては、油口aとa’が連通し、油口b’がピストン3で
閉じられ油口bとb’が不通状態になり、また開扉角度
が75度ないし25度の第一速閉扉動作時にあっては、
油口bとb’が連通し、油口aがピストン3で閉じられ
油口aとa’が不通状態になる。油口a’に臨んで外部
より調整可能にディレイドアクション調整弁9が設けら
れ、また油口bに臨んで外部より調整可能に第一速調整
弁10が設けられ、ディレイドアクション調整弁9と第
一速調整弁10が互いに干渉しないように分配されてい
る。ディレイドアクション調整弁9は、絞り度を所要大
きく調整され、第一速調整弁10は、絞り度を小さく調
整されている。
【0012】第三油通路15は、シリンダ壁内に第二速
閉扉動作時及びラッチングアクション時に第二油通路1
1と同様に、シリンダ壁内に主通路15aと四つの枝通
路15b,15c,15d,15eからなる多岐路形状
に第二油通路11よりもシリンダヘッドよりにずれて穿
設されていて、かつピストン前部室4の所要位置に枝通
路15b,15cの油口c,dが臨み、またピストン後
部室5の所要位置に枝通路15d,15eの油口c’,
d’が臨んでいて、開扉角度が25度ないし5度の第二
速閉扉動作時にあっては、油口cとc’が連通し、油口
d’がピストン3で閉じられ油口dとd’が不通状態に
なり、また開扉角度が5度ないし0度のラッチングアク
ション時にあっては、油口dとd’が連通し、油口cが
ピストン3で閉じられ油口cとc’が不通状態になる。
油口c’に臨んで外部より調整可能に第二速調整弁13
が設けられ、また油口dに臨んで外部より調整可能にラ
ッチングアクション調整弁14が設けられ、第二速調整
弁13とラッチングアクション調整弁14が互いに干渉
しないように分配されている。第二速調整弁13は、絞
り度を所要大きく調整され、ラッチングアクション調整
弁14は、絞り度を小さく調整されている。
閉扉動作時及びラッチングアクション時に第二油通路1
1と同様に、シリンダ壁内に主通路15aと四つの枝通
路15b,15c,15d,15eからなる多岐路形状
に第二油通路11よりもシリンダヘッドよりにずれて穿
設されていて、かつピストン前部室4の所要位置に枝通
路15b,15cの油口c,dが臨み、またピストン後
部室5の所要位置に枝通路15d,15eの油口c’,
d’が臨んでいて、開扉角度が25度ないし5度の第二
速閉扉動作時にあっては、油口cとc’が連通し、油口
d’がピストン3で閉じられ油口dとd’が不通状態に
なり、また開扉角度が5度ないし0度のラッチングアク
ション時にあっては、油口dとd’が連通し、油口cが
ピストン3で閉じられ油口cとc’が不通状態になる。
油口c’に臨んで外部より調整可能に第二速調整弁13
が設けられ、また油口dに臨んで外部より調整可能にラ
ッチングアクション調整弁14が設けられ、第二速調整
弁13とラッチングアクション調整弁14が互いに干渉
しないように分配されている。第二速調整弁13は、絞
り度を所要大きく調整され、ラッチングアクション調整
弁14は、絞り度を小さく調整されている。
【0013】バックチェックシリンダ19bにはバック
チェックピストン16が摺嵌され、該バックチェックピ
ストン16がバックチェックシリンダ19b内に設けた
バックチェックスプリング17によって出力軸1の方向
へ付勢されている。バックチェックピストン16にはバ
ックチェック用油通路33が穿設され、該バックチェッ
ク用油通路33にバックチェック用逆止弁34が配され
ている。バックチェック用逆止弁34は、バックチェッ
クシリンダ19bの圧力がピストン後部室5の圧力より
も高くなるときに、弁体が弁座に着座して閉弁し、バッ
クチェックシリンダ19b内の作動油のピストン後部室
5への流動を停止するように機能し、かつバックチェッ
クシリンダ19bの圧力とピストン後部室5の圧力が均
衡するときは、弁体が弁座から離れ開弁しバックチェッ
クシリンダ19b内の作動油のピストン後部室5への流
動を許し、バックチェックピストン16の引退を保障す
る。バックチェックシリンダ19b壁内には、バックチ
ェック用バイパス路35が穿設され、該バックチェック
用バイパス路35にはバックチェック安全弁36が配さ
れている。該バックチェック安全弁36は、外部からの
ねじ回し操作により調整可能なねじ栓36aにより圧縮
されたコイルばね36bの付勢により、球状の弁体36
cが弁座に着座してバックチェック用バイパス路35を
閉じかつバックチェックシリンダ19bの圧力が一定圧
力以上になるときは開弁するように設けられている。な
お、バックチェック安全弁36に変えて第一速調整弁1
0と同一構造のバックチェック調整弁を設けてもよい。
チェックピストン16が摺嵌され、該バックチェックピ
ストン16がバックチェックシリンダ19b内に設けた
バックチェックスプリング17によって出力軸1の方向
へ付勢されている。バックチェックピストン16にはバ
ックチェック用油通路33が穿設され、該バックチェッ
ク用油通路33にバックチェック用逆止弁34が配され
ている。バックチェック用逆止弁34は、バックチェッ
クシリンダ19bの圧力がピストン後部室5の圧力より
も高くなるときに、弁体が弁座に着座して閉弁し、バッ
クチェックシリンダ19b内の作動油のピストン後部室
5への流動を停止するように機能し、かつバックチェッ
クシリンダ19bの圧力とピストン後部室5の圧力が均
衡するときは、弁体が弁座から離れ開弁しバックチェッ
クシリンダ19b内の作動油のピストン後部室5への流
動を許し、バックチェックピストン16の引退を保障す
る。バックチェックシリンダ19b壁内には、バックチ
ェック用バイパス路35が穿設され、該バックチェック
用バイパス路35にはバックチェック安全弁36が配さ
れている。該バックチェック安全弁36は、外部からの
ねじ回し操作により調整可能なねじ栓36aにより圧縮
されたコイルばね36bの付勢により、球状の弁体36
cが弁座に着座してバックチェック用バイパス路35を
閉じかつバックチェックシリンダ19bの圧力が一定圧
力以上になるときは開弁するように設けられている。な
お、バックチェック安全弁36に変えて第一速調整弁1
0と同一構造のバックチェック調整弁を設けてもよい。
【0014】次に、上記のように構成した実施例のフロ
アーヒンジの作動を説明する。今、扉を全閉状態から開
いていくと、出力軸1が回動し回動−直線運動機構Aに
よりピストン3が復帰用スプリング2を圧縮しながらピ
ストン後部室5方向へ往動していき、扉は予め設定され
た最大開扉角度(例えば120度)に開かれる。このと
き、第一油通路7内の逆止弁6は、ピストン後部室5に
充填されている作動油の圧力の高まりで押し開かれるの
で、該ピストン後部室5に充填されている作動油が第一
油通路7を流通してピストン前部室4へ移動し、ピスト
ン3のピストン後部室5方向への移動を保障することに
なる。上記の場合、開扉角度が75度までは、上側揺動
板25及び下側揺動板26がバックチェックピストン1
6に対して非接触であり、バックチェックシリンダ19
b内には、バックチェックピストン16に穿設されたバ
ックチェック用油通路33を通じてピストン後部室5の
圧力が伝わる。開扉角度75度に開扉されると、上側揺
動板25及び下側揺動板26がバックチェックスプリン
グ17の付勢を受けるバックチェックピストン16を該
バックチェックスプリング17の付勢に抗して押動開始
する。この場合、扉をゆっくり開く場合には、バックチ
ェック用逆止弁34が開のままとなり、バックチェック
シリンダ19bの作動油がバックチェック用油通路3
3、バックチェック用逆止弁34を通りピストン後部室
5へ流動でき、バックチェックピストン16がバックチ
ェックスプリング17を圧縮して引退することができる
から、ピストン3の復動が保障され最大開扉角度に開か
れる。また、開扉速度を速くすると、バックチェックピ
ストン16の引退速度が速くなることに素早く反応する
ように、バックチェックシリンダ19b内の作動油の圧
力が高まってバックチェックピストン16に備えたバッ
クチェック用逆止弁34が閉じることになる。このた
め、バックチェックシリンダ19b内の作動油の圧力で
バックチェックピストン16が引退しなくなるので、ピ
ストン3が復動停止し、開扉動作が停止し、もって扉急
速全開を回避して扉に備えたガラスその他の部位の損傷
を回避することができる。引続き、ゆっくりと開扉しよ
うとすると、バックチェックシリンダ19b内の作動油
の圧力とピストン後部室5内の作動油の圧力がバランス
して再びバックチェック用逆止弁34が開いてバックチ
ェックピストン16の引退を保障することになる。そし
て、バックチェック状態において、超急激な開扉を行お
うとしたり、強風で扉が全開する方向に煽られるような
場合は、バックチェックピストン16の引退速度が速く
なることに素早く反応するように、バックチェックシリ
ンダ19b内の作動油の圧力が高まってバックチェック
ピストン16に備えたバックチェック用逆止弁34が閉
じる。そして、バックチェックシリンダ19b内の作動
油の圧力が一定値を越えると、バックチェックシリンダ
19b内の作動油がバックチェック安全弁36に作用
し、該バックチェック安全弁36が、開いたり閉じたり
するポンピングを行って、バックチェックシリンダ19
b内の作動油を、バックチェックシリンダ19b壁内に
穿設されたバックチェック用バイパス路35を通ってピ
ストン後部室5へ逃がすことになり、バックチェック用
逆止弁34が閉じているにもかかわらず、バックチェッ
クピストン16のゆっくりとした引退を保障して、バッ
クチェック力を減少し出力軸1と扉の固定部の負担を回
避することができ、ヒンジケース等のフロアヒンジ構成
部品やドア部材の破損を回避することができる。なお、
バックチェック安全弁36に変えてバックチェック調整
弁を設けるときは、該バックチェック調整弁の絞り度を
大きくしておく。すると、バックチェック状態におい
て、扉が全開する方向に煽られバックチェックピストン
16の引退速度が速くなると、バックチェック調整弁の
絞り度が大きいので、バックチェックシリンダ19b内
の作動油の圧力の高まりによってバックチェック用逆止
弁34が閉じ、それ以後、バックチェックシリンダ19
b内の作動油をバックチェック調整弁の絞り部を通して
ピストン後部室5へ逃がしバックチェックピストン16
の引退を保障する。
アーヒンジの作動を説明する。今、扉を全閉状態から開
いていくと、出力軸1が回動し回動−直線運動機構Aに
よりピストン3が復帰用スプリング2を圧縮しながらピ
ストン後部室5方向へ往動していき、扉は予め設定され
た最大開扉角度(例えば120度)に開かれる。このと
き、第一油通路7内の逆止弁6は、ピストン後部室5に
充填されている作動油の圧力の高まりで押し開かれるの
で、該ピストン後部室5に充填されている作動油が第一
油通路7を流通してピストン前部室4へ移動し、ピスト
ン3のピストン後部室5方向への移動を保障することに
なる。上記の場合、開扉角度が75度までは、上側揺動
板25及び下側揺動板26がバックチェックピストン1
6に対して非接触であり、バックチェックシリンダ19
b内には、バックチェックピストン16に穿設されたバ
ックチェック用油通路33を通じてピストン後部室5の
圧力が伝わる。開扉角度75度に開扉されると、上側揺
動板25及び下側揺動板26がバックチェックスプリン
グ17の付勢を受けるバックチェックピストン16を該
バックチェックスプリング17の付勢に抗して押動開始
する。この場合、扉をゆっくり開く場合には、バックチ
ェック用逆止弁34が開のままとなり、バックチェック
シリンダ19bの作動油がバックチェック用油通路3
3、バックチェック用逆止弁34を通りピストン後部室
5へ流動でき、バックチェックピストン16がバックチ
ェックスプリング17を圧縮して引退することができる
から、ピストン3の復動が保障され最大開扉角度に開か
れる。また、開扉速度を速くすると、バックチェックピ
ストン16の引退速度が速くなることに素早く反応する
ように、バックチェックシリンダ19b内の作動油の圧
力が高まってバックチェックピストン16に備えたバッ
クチェック用逆止弁34が閉じることになる。このた
め、バックチェックシリンダ19b内の作動油の圧力で
バックチェックピストン16が引退しなくなるので、ピ
ストン3が復動停止し、開扉動作が停止し、もって扉急
速全開を回避して扉に備えたガラスその他の部位の損傷
を回避することができる。引続き、ゆっくりと開扉しよ
うとすると、バックチェックシリンダ19b内の作動油
の圧力とピストン後部室5内の作動油の圧力がバランス
して再びバックチェック用逆止弁34が開いてバックチ
ェックピストン16の引退を保障することになる。そし
て、バックチェック状態において、超急激な開扉を行お
うとしたり、強風で扉が全開する方向に煽られるような
場合は、バックチェックピストン16の引退速度が速く
なることに素早く反応するように、バックチェックシリ
ンダ19b内の作動油の圧力が高まってバックチェック
ピストン16に備えたバックチェック用逆止弁34が閉
じる。そして、バックチェックシリンダ19b内の作動
油の圧力が一定値を越えると、バックチェックシリンダ
19b内の作動油がバックチェック安全弁36に作用
し、該バックチェック安全弁36が、開いたり閉じたり
するポンピングを行って、バックチェックシリンダ19
b内の作動油を、バックチェックシリンダ19b壁内に
穿設されたバックチェック用バイパス路35を通ってピ
ストン後部室5へ逃がすことになり、バックチェック用
逆止弁34が閉じているにもかかわらず、バックチェッ
クピストン16のゆっくりとした引退を保障して、バッ
クチェック力を減少し出力軸1と扉の固定部の負担を回
避することができ、ヒンジケース等のフロアヒンジ構成
部品やドア部材の破損を回避することができる。なお、
バックチェック安全弁36に変えてバックチェック調整
弁を設けるときは、該バックチェック調整弁の絞り度を
大きくしておく。すると、バックチェック状態におい
て、扉が全開する方向に煽られバックチェックピストン
16の引退速度が速くなると、バックチェック調整弁の
絞り度が大きいので、バックチェックシリンダ19b内
の作動油の圧力の高まりによってバックチェック用逆止
弁34が閉じ、それ以後、バックチェックシリンダ19
b内の作動油をバックチェック調整弁の絞り部を通して
ピストン後部室5へ逃がしバックチェックピストン16
の引退を保障する。
【0015】次に、扉が最大開扉角度に開かれた状態か
ら開扉力が解かれると、復帰用スプリング2の蓄勢復帰
力によりピストン3が復動されていく。このとき、第一
油通路7内の逆止弁6は、ピストン前部室4に充填され
ている作動油の圧力の高まりで閉じられる。そして、ピ
ストン前部室4の作動油は、ディレイドアクション時
(開扉角度が例えば120度から75度までの区間)に
あっては第二油通路11の油口a,a’間のみが連通状
態となるので、油口aより第二油通路11内に入り油口
a’に臨んで設けられた絞り度を所要大きく調整される
ディレイドアクション調整弁9を通って油口a’よりピ
ストン後部室5へ流動することができ、次いで、第一速
閉扉動作時(開扉角度が例えば75度から25度までの
区間)にあっては第二油通路11の油口b,b’間のみ
が連通状態となるので、油口bより第二油通路11内に
入り油口bに臨んで設けられた絞り度を所要小さく調整
される第一速調整弁10を通って第二油通路11の油口
b’よりピストン後部室5へ流動することができ、次い
で第二速閉扉動作時(開扉角度が例えば25度から5度
までの区間)にあっては第三油通路15の油口c,c’
間のみが連通状態となるので、油口cより第三油通路1
5内に入り油口c’に臨んで設けられた絞り度を所要大
きく調整される第二速調整弁13を通って油口c’より
ピストン前部室4へ流動することができ、最後にラッチ
ングアクション時(開扉角度が例えば5度から0度まで
の区間)にあっては油口dより第三油通路15内に入り
油口dに臨んで設けられた絞り度を小さく調整されるラ
ッチングアクション調整弁14を通って油口d’よりピ
ストン前部室4へ流動することができる。このため、ピ
ストン3の復動は、ディレイドアクション調整弁9、第
一速調整弁10、第二速調整弁13またはラッチングア
クション調整弁14のそれぞれの絞り度に対応した四速
となって、回動−直線運動機構Aを介して出力軸1の変
速復帰回動となるように伝わり、このため、扉は、速度
が小さいディレイドアクション−速度が大きい第一速閉
扉動作−速度が小さい第二速閉扉動作−速度が大きいラ
ッチングアクションの各動作を順次に行うことになる。
ら開扉力が解かれると、復帰用スプリング2の蓄勢復帰
力によりピストン3が復動されていく。このとき、第一
油通路7内の逆止弁6は、ピストン前部室4に充填され
ている作動油の圧力の高まりで閉じられる。そして、ピ
ストン前部室4の作動油は、ディレイドアクション時
(開扉角度が例えば120度から75度までの区間)に
あっては第二油通路11の油口a,a’間のみが連通状
態となるので、油口aより第二油通路11内に入り油口
a’に臨んで設けられた絞り度を所要大きく調整される
ディレイドアクション調整弁9を通って油口a’よりピ
ストン後部室5へ流動することができ、次いで、第一速
閉扉動作時(開扉角度が例えば75度から25度までの
区間)にあっては第二油通路11の油口b,b’間のみ
が連通状態となるので、油口bより第二油通路11内に
入り油口bに臨んで設けられた絞り度を所要小さく調整
される第一速調整弁10を通って第二油通路11の油口
b’よりピストン後部室5へ流動することができ、次い
で第二速閉扉動作時(開扉角度が例えば25度から5度
までの区間)にあっては第三油通路15の油口c,c’
間のみが連通状態となるので、油口cより第三油通路1
5内に入り油口c’に臨んで設けられた絞り度を所要大
きく調整される第二速調整弁13を通って油口c’より
ピストン前部室4へ流動することができ、最後にラッチ
ングアクション時(開扉角度が例えば5度から0度まで
の区間)にあっては油口dより第三油通路15内に入り
油口dに臨んで設けられた絞り度を小さく調整されるラ
ッチングアクション調整弁14を通って油口d’よりピ
ストン前部室4へ流動することができる。このため、ピ
ストン3の復動は、ディレイドアクション調整弁9、第
一速調整弁10、第二速調整弁13またはラッチングア
クション調整弁14のそれぞれの絞り度に対応した四速
となって、回動−直線運動機構Aを介して出力軸1の変
速復帰回動となるように伝わり、このため、扉は、速度
が小さいディレイドアクション−速度が大きい第一速閉
扉動作−速度が小さい第二速閉扉動作−速度が大きいラ
ッチングアクションの各動作を順次に行うことになる。
【0016】
【考案の効果】以上説明してきたように、本考案のフロ
アーヒンジによれば、所要開扉角度から最大開扉角度ま
での範囲で回動−直線運動機構がバックチェックピスト
ンに当接するようになっており、扉をゆっくり開く場合
には、バックチェック用逆止弁が開のままとなりバック
チェックシリンダの作動油がピストン後部室へ逃げるこ
とができるから、バックチェックピストンが引退しバッ
クチェックスプリングの力に抗して往動して最大開扉角
度に開扉することができ、扉を速く開けようとする場合
には、バックチェック用逆止弁が閉となりバックチェッ
クシリンダの作動油がピストン後部室へ逃げることがで
きなくなりバックチェックピストンが引退しないので、
ピストンが往動できず開扉動作が停止し、もって扉急速
全開を回避して扉に備えたガラスその他の部位の損傷を
回避することができ、さらに強風により扉が全開方向に
強く煽られるときには、バックチェック安全弁が開とな
りバックチェックシリンダの作動油のピストン後部室へ
逃げるので、バックチェックピストンの引退が保障さ
れ、出力軸と扉の固定部の負担を回避することができ、
ヒンジケース等のフロアヒンジ構成部品やドア部材の破
損を回避することができる。
アーヒンジによれば、所要開扉角度から最大開扉角度ま
での範囲で回動−直線運動機構がバックチェックピスト
ンに当接するようになっており、扉をゆっくり開く場合
には、バックチェック用逆止弁が開のままとなりバック
チェックシリンダの作動油がピストン後部室へ逃げるこ
とができるから、バックチェックピストンが引退しバッ
クチェックスプリングの力に抗して往動して最大開扉角
度に開扉することができ、扉を速く開けようとする場合
には、バックチェック用逆止弁が閉となりバックチェッ
クシリンダの作動油がピストン後部室へ逃げることがで
きなくなりバックチェックピストンが引退しないので、
ピストンが往動できず開扉動作が停止し、もって扉急速
全開を回避して扉に備えたガラスその他の部位の損傷を
回避することができ、さらに強風により扉が全開方向に
強く煽られるときには、バックチェック安全弁が開とな
りバックチェックシリンダの作動油のピストン後部室へ
逃げるので、バックチェックピストンの引退が保障さ
れ、出力軸と扉の固定部の負担を回避することができ、
ヒンジケース等のフロアヒンジ構成部品やドア部材の破
損を回避することができる。
【図1】(a)は、本考案の実施例に係るフロアーヒン
ジの水平断面した平面図、(b)は、縦断正面図。
ジの水平断面した平面図、(b)は、縦断正面図。
【図2】(a)は、開扉角度120度(扉全開状態時=
ディレイドアクション開始時)のときの水平断面した平
面図、(b)は、開扉角度75度(第一速閉扉動作開始
時=開扉方向へはバックチェック開始時)のときの水平
断面した平面図、(c)は、開扉角度25度(第二速閉
扉動作)のときの水平断面した平面図、(d)は、開扉
角度5度(ラッチングアクション開始時)のときの水平
断面した平面図(e)は、全閉状態にのときの水平断面
した平面図。
ディレイドアクション開始時)のときの水平断面した平
面図、(b)は、開扉角度75度(第一速閉扉動作開始
時=開扉方向へはバックチェック開始時)のときの水平
断面した平面図、(c)は、開扉角度25度(第二速閉
扉動作)のときの水平断面した平面図、(d)は、開扉
角度5度(ラッチングアクション開始時)のときの水平
断面した平面図(e)は、全閉状態にのときの水平断面
した平面図。
【図3】図1(a)における III−III 断面図。
【図4】図1(a)におけるIV−IV断面図。
【図5】図1(a)におけるV−V断面図。
【図6】図1(a)におけるVI−VI断面図。
【図7】図1(a)におけるVII −VII 断面図。
1 出力軸 A 回動−直動運動変換機構 2 復帰用スプリング 3 ピストン 4 ピストン前部室 5 ピストン後部室 16 バックチェックピストン 17 バックチェックスプリング 19b バックチェックシリンダ 33 バックチェック用油通路 34 バックチェック用逆止弁 35 バックチェック用バイパス路 36 バックチェック安全弁
Claims (1)
- 【請求項1】 扉と連結され該扉の回転軸となる出力軸
と、該出力軸に回動−直動運動変換機構により連結され
ていて、開扉動作による前記出力軸の回動により直線移
動されて復帰用スプリングを蓄勢し、該復帰用スプリン
グの蓄勢復帰力によりピストンが復動して前記出力軸に
閉扉方向の回動力を伝達するようになっており、所要開
扉角度から全開角度までの開扉状態では開扉速度を遅ら
せるバックチェック機能を備えているフロアーヒンジに
おいて、前記バックチェック装置は、前記ピストンと反
対側にピストン後部室と連通するバックチェックシリン
ダが形成され、該バックチェックシリンダにバックチェ
ックピストンが摺嵌され、該バックチェックピストンが
バックチェックシリンダ内に設けたバックチェックスプ
リングによって出力軸の方向へ付勢され、バックチェッ
クピストンにバックチェック用油通路が穿設され、該バ
ックチェック用油通路に、バックチェックピストンが急
速に引退されバックチェックシリンダの圧力がピストン
後部室の圧力よりも急速に高くなるときに閉弁するバッ
クチェック用逆止弁が配されており、バックチェックシ
リンダ壁内に、バックチェックシリンダとピストン後部
室とを連通するバックチェック用バイパス路が穿設さ
れ、該バックチェック用バイパス路には、バックチェッ
クシリンダの圧力が一定圧力以上になるときに開弁する
調整可能なバックチェック安全弁、または外部から調整
可能なバックチェック調整弁が配され、前記の所要開扉
角度から最大開扉角度の範囲で、回動−直線運動機構が
バックチェックピストンに当接するようになっているこ
とを特徴とするフロアーヒンジ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10912991U JP2557385Y2 (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | フロアーヒンジ |
EP92310782A EP0545624B1 (en) | 1991-11-29 | 1992-11-25 | Floor hinge |
DE69217008T DE69217008T2 (de) | 1991-11-29 | 1992-11-25 | Fussbodentürschliesser |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10912991U JP2557385Y2 (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | フロアーヒンジ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0549984U JPH0549984U (ja) | 1993-07-02 |
JP2557385Y2 true JP2557385Y2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=14502314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10912991U Expired - Fee Related JP2557385Y2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-12-10 | フロアーヒンジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2557385Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101553824B1 (ko) * | 2013-10-24 | 2015-09-17 | 삼화정밀 주식회사 | 컴팩트 플로어 힌지 |
-
1991
- 1991-12-10 JP JP10912991U patent/JP2557385Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0549984U (ja) | 1993-07-02 |
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