JP2557224B2 - コ−テイング用粉末状難燃性ポリオレフイン組成物 - Google Patents

コ−テイング用粉末状難燃性ポリオレフイン組成物

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JP2557224B2
JP2557224B2 JP62052813A JP5281387A JP2557224B2 JP 2557224 B2 JP2557224 B2 JP 2557224B2 JP 62052813 A JP62052813 A JP 62052813A JP 5281387 A JP5281387 A JP 5281387A JP 2557224 B2 JP2557224 B2 JP 2557224B2
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達郎 岡野
耕二 古田
高士 桝田
勉 成田
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野)(従来の技術) 本発明は金属の表面をポリオレフィンでコーティング
して得られた製品の表面難燃化処理に関する。詳しく
は、流動浸漬法または静電塗装法等の粉体塗装法により
金属の表面をコーティングする際、それに適した粉末状
の難燃性ポリオレフィン組成物に関する。
従来、ポリオレフィンの難燃化技術については種々、
検討され、多数の難燃剤やその組み合わせが知られてい
る。例えば、難燃性ポリオレフィン樹脂組成物について
は特公昭61−60857、特公昭62−181,62−182,62−183,
等が知られており、何れも難燃剤の一構成成分として、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機系の
難燃剤を含む技術を開示している。
回転成型用難燃性ポリエチレンについては、特開昭60
−38447が公知であり熱重量分析機による5%重量減少
温度が200℃以上の難燃剤を用いる方法を開示してい
る。また難燃剤として、ハロゲン化合物とアンチモン化
合物の組合せは公知であり、その他にも種々の化合物の
組合せによるプラスチックの難燃化技術が提示されてい
る。しかしながらこれらの技術はいずれも押出し被覆や
成型用に限られており、前述の金属の表面コーテンィン
グに用いられる粉末ポリオレフィンについては難燃化技
術もしくは、その組成物については未だ知られておら
ず、ポリエチレン(以下PEと略す。)酸変性PE、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(以下EVAと略す。)、酸変性E
VA、エチレン−アクリル酸共重合体(以下EAAと略
す。)及びポリプロピレン等のポリオレフィンは、単に
粉末化して種々の金属製品のコーティングに使用されて
いるのみであった。
しかし、近年種々の用途において難燃化の要望は高ま
って来ており、例えば通信ケーブルの被覆に用いられて
いるプラスチックはもちろんのこと、それを支持あるい
は固定するプラスチックコーティングされた金具にまで
及んで来ている。特にマンホール、トンネル等の洞道内
では、地下ケーブルに一度着火するとその消火が困難で
あることから、地下ケーブルの支持に用いるすべてのプ
ラスチック製品もしくはプラスチックでコーティングさ
れた製品に難燃化処理を施すことが望まれている。
また、地下ケーブルの支持用金具以外にも、自動車の
エンジンルーム内ワイヤーハーネスの留金、建築用ある
いは電気部品用として使用される、プラスチックコーテ
ィングされた製品にも、防災上の見地から難燃化処理が
求められている。
(発明が解決しようとする問題点) 現在市販されている難燃剤は多数あり、ポリオレフィ
ンの用途および要求される難燃度に応じてそれぞれ使い
分けられている。しかしながら本発明の目的であるプラ
スチックコーティングの被膜の難燃化処理に用いる場
合、溶融混練、ペレタイズ、粉砕、を経てコーティング
されるため、それぞれの工程で支障を来さないもの、及
び表面被膜の平滑性を阻害しないものを選ばねばならな
い。
例えば無機系難燃剤の中の水酸化マグネシウム、炭酸
マグネシウムを用いた場合、難燃効果を得るためにはポ
リオレフィン100重量部に対し、40〜60重量部の大量を
用いなければならず、機械粉砕により目的粒度の粉体を
得ることが困難で、かつコーティングできても被膜形成
能が不充分で実用にはほど遠いという欠点を有する。
またそれ以外の公知の難燃剤についても、難燃効果は
あるものの、溶融混練した後、機械粉砕によりコーティ
ングに適した粒度のものを工業的に得ることができな
い、あるいは粉砕できても塗装品の表面が平滑に仕上ら
ない等コーティング用の粉末状難燃性ポリオレフィン組
成物は従来知られていない。
(問題点を解決するための手段) さらにまた、流動浸漬法、静電塗装法等でコーティン
グする際、使用される粉末状難燃性ポリオレフィン組成
物には、 (1)粉末ポリオレフィン中に難燃剤を均一に混合され
ていなければならない。
(2)機械粉砕により各コーティング方法に適した粒度
まで粉砕されていなければならない。
(3)コーティングされた被膜が均一で、しかも表面が
平滑でなければならない。
(4)難燃剤にブリード性があってはならない。
等の諸性能も同時に満足させることが要求される。
本発明者らは前記の様々な条件を満足し、かつ難燃性
のすぐれた粉末状のポリオレフィン組成物を得るべく検
討した結果、難燃剤としてハロゲン化合物とアンチモン
化合物の混合物を用い、さらに添加物として高級アルコ
ールの金属セッケンと低分子量ポリエチレンの混合物ま
たは、多価アルコールの脂肪酸エステルと低分子量ポリ
エチレンの混合物、あるいは脂肪酸アミドと低分子量ポ
リエチレンの混合物を用いれば所期の目的を達成できる
ことを見出した。
すなわち、上記の混合物を添加剤として用いると、難
燃剤成分のポリオレフィン中への分散性が向上し、かつ
粉砕工程で粉体塗装に適した粒度への粉末化が容易にな
るのは当然のこと、さらに、流動浸漬法、静電塗装法等
で金属の表面をコーティングした際、均一な厚みの、し
かも表面が平滑でツヤのある難燃性被膜が形成できるこ
とを見出し本発明を完成させたものである。
次に本願発明の実施態様について説明する。先ず、 (1)ペレット状のポリオレフィン。
(2)ハロゲン化合物とアンチモン化合物の混合物。
(3)脂肪族高級アルコールの金属セッケン、多価アル
コールの脂肪酸エステルまたは脂肪酸アミドと低分子量
ポリエチレンの混合物。
の三者を予備混合し、次いで、バンバリーミキサー、押
出機等の混練機を用いて、140〜170℃で溶融混練し、ペ
レットを得る。
この際、難燃剤として用いるハロゲン化合物とアンチ
モン化合物の混合物の量は、ポリオレフィン100重量部
に対して5〜20重量部であり、好ましくは7〜15重量部
である。添加量が5重量部より少ないと難燃効果が得ら
れず、また20重量部を超えると難燃効果は十分である
が、機械粉砕及び、コーティングが困難となり実用可能
な被膜が形成できなくなる。アンチモン化合物はハロゲ
ン化合物の助剤として用いるためハロゲン化合物の20〜
50重量%混合するのが適当である。
また上記(3)の混合物の添加量はポリオレフィン10
0重量部に対して0.5〜3重量部が適当である。0.5重量
部より少ないと、均一でしかも平滑性のある被膜は得ら
れず、添加の効果はみられない。また3重量部を超える
と、被膜特性の向上に効果はみられるものの、難燃性を
低下させるため好ましくない。またこの時、脂肪族高級
アルコールの金属セッケン、多価アルコールの脂肪酸エ
ステルまたは脂肪酸アミドと低分子量ポリエチレンを同
時に用いることが必須要件であり、それぞれを単独で用
いても効果はみられない。またその混合率は低分子量ポ
リエチレンに対して脂肪族高級アルコールの金属セッケ
ン、多価アルコールの脂肪酸エステルまたは脂肪酸アミ
ドを5〜60重量%用いると好適な結果が得られる。
ポリオレフィンは特に限定されるものではないが、特
にPE、酸変性PE、EVA、酸変性EVA、EAA、ポリプロピレ
ン等を用いると、良好なコーティング特性ならびに難燃
性を持つポリオレフィン組成物が得られる。ハロゲン化
合物としては臭素化ビスフェノールA誘導体、臭素化ポ
リフェニル等の多臭素化芳香族炭化水素、テトラブロム
エタン、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩素
化ジフェニル等が例示され、アンチモンに化合物として
は、三酸化アンチモン、酒石酸アンチモンカリ等が好適
に用いられる。
低分子量ポリエチレンとしては分子量1,000〜10,000
のものが好適に用いられるが、就中、分子量4,000〜6,0
00のワックス状のポリエチレンが好ましい。一部酢酸ビ
ニル、エチレン−アクリル酸を共重合させたワックス状
のポリエチレンも低分子量ポリエチレンの中に含まれ
る。脂肪族高級アルコールの金属セッケンとしてはステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
アルミニウム等のステアリン酸の金属塩、ラウリン酸亜
鉛、ラウリン酸カルシウム等のラウリン酸の金属塩があ
り、また多価アルコールの脂肪酸エステルとしては、ペ
ンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパ
ルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレート
等が例示される。脂肪酸アミドとしては、オレイン酸ア
ミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド等が例
示される。
このようにして、溶融混練されペレット化された難燃
性ポリオレフィン組成物は常温機械粉砕法により粉砕
し、その粒度を流動浸漬法または静電塗装法による金属
の表面コーティングに適した平均粒径20〜400μmの範
囲に調節される。溶融混練時に顔料を添加すれば着色も
可能で、通常は着色して金属の表面コーティングに使用
される。もちろん通常用いられる耐候安定剤、酸化防止
剤、光安定剤等の併用もさしつかえない。
(実施例) 以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1−6 第1表に示すポリオレフィンと難燃剤、添加剤を予備
混合後、押出機を使用し、溶融混練し、ペレットを得
た。これらのペレットを常温機械粉砕し、平均粒径200
μm(イ)および120μm(ロ)の粉粉末状難燃性ポリ
オレフィン組成物を得た。(イ)の粉末を用いて、流動
浸漬法により、また(ロ)の粉末を用いて静電塗装法に
より金属の表面をコーティングした。コーティング条件
ならびに得られた被膜の表面状態を第2表、第3表に示
す。
比較例1〜6 第4表に示すポリオレフィンと難燃剤、添加剤を予備
混合し、さらに溶融混練してペレットを得た。これらの
ペレットを実施例1〜6と同じ方法で粉砕し、平均粒径
200μmの粉末状難燃性ポリオレフィン組成物を得た。
この粉末を用いて流動浸漬法により金属の表面をコーテ
ィングした。その結果を第5表に示した。
(発明の効果) 従来、各種成型用ポリオレフィン組成物の難燃化につ
いては、多数の先行技術が知られており、各種のポリオ
レフィンと難燃剤の組合わせが公知である。しかしなが
ら金属の表面コーティングに適した粉末状ポリオレフィ
ンの難燃化については未だ知られていない。本発明の方
法によって配合し、溶融混練後、粉砕して得られた粉末
状難燃性ポリオレフィン組成物は、本来の被膜形成能を
保ちながらすぐれた難燃性を有するものであり、防災上
の見地からその工業的価値は非常に大である。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン100重量部にハロゲン化合
    物と該ハロゲン化合物に対し20〜50重量%のアンチモン
    化合物の混合物5〜20重量部及び脂肪族高級アルコール
    の金属セッケン、多価アルコールの脂肪酸エステル、脂
    肪酸アミドからなる群より選ばれた1種と低分子量ポリ
    エチレンの混合物0.5〜3重量部を配合してなることを
    特徴とするコーティング用粉末状難燃性ポリオレフィン
    組成物。
  2. 【請求項2】ポリオレフィンがポリエチレン、酸変性ポ
    リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
    −アクリル酸共重合体、ポリプロピレンからなる群より
    選ばれた1種である特許請求の範囲(1)記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】ハロゲン化合物が多臭素化芳香族炭化水素
    である特許請求の範囲(1)記載の組成物。
  4. 【請求項4】多臭素化芳香族炭化水素が臭素化ビスフェ
    ノールA誘導体である特許請求の範囲(3)記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】アンチモン化合物が三酸化アンチモンであ
    る特許請求の範囲(1)記載の組成物。
  6. 【請求項6】脂肪族高級アルコールの金属セッケンがス
    テアリン酸の金属塩である特許請求の範囲(1)記載の
    組成物。
  7. 【請求項7】ステアリン酸の金属塩がステアリン酸亜
    鉛、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸アルミ
    ニウムである特許請求の範囲(6)記載の組成物。
  8. 【請求項8】多価アルコールの脂肪酸エステルがペンタ
    エリスリットモノステアレートである特許請求の範囲
    (1)記載の組成物。
  9. 【請求項9】低分子量ポリエチレンが分子量1,000〜10,
    000のものである特許請求の範囲(1)記載の組成物。
  10. 【請求項10】平均粒径が20〜400μmである特許請求
    の範囲(1)記載の組成物。
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