JPH04304252A

JPH04304252A - 難燃性電気絶縁組成物

Info

Publication number: JPH04304252A
Application number: JP3094710A
Authority: JP
Inventors: Yasuaki Yamamoto; 康彰山本; Akihiro Hori; 彰弘堀; Masami Tanmachi; 正美反町
Original assignee: Hitachi Cable Ltd
Current assignee: Hitachi Cable Ltd
Priority date: 1991-04-01
Filing date: 1991-04-01
Publication date: 1992-10-27
Anticipated expiration: 2011-12-04
Also published as: JP2560679B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は難燃性電気絶縁組成物、
特に難燃性ポリオレフィン電気絶縁組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】難燃化剤をポリオレフィンに添加するこ
とにより、ポリオレフィン絶縁材料を難燃性とすること
が行われている。ポリエチレン等のポリオレフィンは、
絶縁体として絶縁抵抗、絶縁耐力、誘電率、耐水性、耐
湿性、耐溶剤性、耐薬品性等多くの点で優れているので
、電線・ケーブルの絶縁被膜として広く用いられている
が、燃焼し易く、火源から電線・ケーブルを伝わって火
災が拡がることがしばしばあるため、難燃性にすること
が要求されている。特に、民生用電気機器、車両、船舶
、航空機、工場、高層ビル、トンネル等に使用する電線
・ケーブルでは難燃性を強く要求される。

【０００３】難燃性とするためにポリオレフィンに添加
する難燃化剤として、ハロゲン含有有機化合物が広く用
いられているが、火災時に有毒ガスや大量の煙を発生す
るため、最近では、このような欠点のない、水酸化アル
ミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を用い
た無機系難燃化剤が用いられるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、金属水酸化物
は、ポリオレフィン中に多量に添加しないと、最近の電
線ケーブル各種規格（例えばＩＥＥＥ規格３８３）で要
求される高度の難燃性を得ることができない。ところが
、ポリオレフィンに金属水酸化物を多量に添加すると、
絶縁材料の成形加工に困難に生じ、絶縁体やシースの引
張特性等の機械的特性を著しく悪化させる。

【０００５】それ故、本発明の目的は、電線・ケーブル
等に用いる絶縁材料に要求される機械的特性を満足し、
かつすぐれた難燃性を有する電気絶縁組成物を実現する
ことである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、電線・ケー
ブル等に用いる絶縁材料に要求される機械的特性を満足
し、かつすぐれた難燃性を有する電気絶縁組成物を実現
するため、エチレン酢酸ビニル共重合体を含むポリオレ
フィンから成る電気絶縁組成物に難燃化剤として、ポリ
オレフィン１００重量部に対し水酸化マグネシウムおよ
び焼成アルミン酸カルシウムを合計１００重量部以上、
しかも水酸化マグネシウムと焼成アルミン酸カルシウム
の重量比が９０：１０乃至５０：５０の範囲になるよう
に、添加する。

【０００７】本発明の絶縁組成物を構成するポリオレフ
ィンは、エチレン酢酸ビニル共重合体を含む。エチレン
酢酸ビニル共重合体のほか、ポリエチレン、エチレンプ
ロピレン共重合体（他の重合成分を含んでもよい）、エ
チレンメチルアクリレート共重合体、エチレンエチルア
クリレート共重合体、エチレンブテン共重合体（他の重
合成分、例えばブタジエンを、含んでもよい）等を含ん
でもよい。３種以上のポリオレフィンを用いてもよい。エチレン酢酸ビニル共重合体は、ポリオレフィン中少な
くとも１０重量％含まれることが好ましい。

【０００８】水酸化マグネシウムは、凝集、強靱性、耐
水性等の点から、０．１乃至５μｍの範囲の平均粒子径
をもつものが好ましく、また脂肪酸、脂肪酸金属塩、シ
ランカプリング剤、チタネートカプリング剤等で表面処
理されることが好ましい。

【０００９】焼成アルミン酸カルシウムは、アルミン酸
カルシウムを温度４００℃以上で焼成したもので、水酸
化マグネシウムと同様の表面処理がされていることが好
ましい。平均粒子径は０．１乃至５μｍの範囲が好まし
い。

【００１０】水酸化マグネシウムと焼成アルミン酸カル
シウムは、ポリオレフィン１００重量部に対し合計１０
０重量部以上加えることが必要である。そうでないと、
充分な難燃性を得ることができない。しかし、多過ぎる
と機械的特性（強靱性、加工性を含む）を損なうので、
３００重量部以下とするのが好ましい。水酸化マグネシ
ウムと焼成アルミン酸カルシウムの重量比は、９０：１
０乃至５０：５０の範囲になるようにしないと、十分な
難燃性が得られない。

【００１１】本発明の絶縁組成物は熱可塑性であり、成
形して用いられるが、そのまま成形してもよく、またポ
リオレフィンを架橋してもよい（部分架橋後成形または
成形後架橋）。架橋には、有機過酸化物の添加、電子線
照射、シラングラフト水架橋等のいずれを用いてもよい
。有機過酸化物としては、ジクミルペルオキシド（ｄｉ
ｃｕｍｙｌ　ｐｅｒｏｘｉｄｅ）　、３−ビス（ｔ−ブ
チルペルオキシイソプロピル）ベンゼン等が好適である
。

【００１２】本発明の絶縁組成物は、ポリオレフィン１
００重量部に対し１重量部以上のホスファゼン化合物、
例えば、プロポキシホスファゼンオリゴマ、フェノキシ
ホスファゼンオリゴマ、アミノホスファゼンオリゴマ等
を含んでもよい。

【００１３】本発明の絶縁組成物はさらに、架橋剤、架
橋助剤、酸化防止剤、軟化剤、滑剤、着色剤、カーボン
ブラック等を含んでもよい。

【００１４】

【作用】本発明の難燃性電気絶縁組成物は、難燃化剤と
して水酸化マグネシウムとともに焼成アルミン酸カルシ
ウムを用いることにより、水酸化マグネシウムを機械的
特性が悪化するほど多量に添加しなくても、すぐれた難
燃性を得ることができる。焼成アルミン酸カルシウムの
共存による難燃性の向上の作用機構ははっきりしないが
、示差走査熱量計により求めた水酸化マグネシウムと焼
成アルミン酸カルシウムの混合物の吸熱ピークは、水酸
化マグネシウム単独の場合より約５０℃高温側にあり、
これと関連があるように思われる。以下、実施例により
本発明をさらに詳細に説明する。

【００１５】

【実施例１〜４】表１に示す組成の絶縁組成物を調製し
た（単位は重量部）　。混練には１２インチロールを用
いた。エチレン酢酸ビニルコポリマーは酢酸ビニル成分
２５重量％を含みメルトインデックス（１９０℃）１．
０のもの、エチレンエチルアクリレートコポリマーはエ
チルアクリレート成分２０重量％を含みメルトインデッ
クス（１９０℃）１．０のもの、エチレンプロピレンゴ
ムはエチレン８０モル％とプロピレン２０モル％の共重
合体で、ムーニ粘度ＭＬ１＋４　（１００℃）が４０、
沃素価（ＥＮＢ）２０のもの、エチレンブテンコポリマ
ーはエチレン成分８０モル％、メルトインデックス（１
９０℃）３．０のものである。水酸化マグネシウムは平
均粒子径１μｍで、オレイン酸処理したもの、焼成アル
ミン酸カルシウムは平均粒子径１μｍで、６００℃２４
時間焼成し、ステアリン酸処理したものである。

【００１６】

【００１７】各組成物を用いて下記のようにケーブルを
製作し、引張特性と難燃性を評価した。４０ｍｍ押出機
（Ｌ／Ｄは２２）を用いて、外径１．８ｍｍの導体の外
周に紙セパレータ（厚さ１０μｍ）を縦添えしながら１
．１　μｍの厚さに押出被覆した。実施例１，３，４に
ついては、押出被覆後圧力１．５ＭＰａの水蒸気中で３
分間加熱して、架橋を行った。引張特性と難燃性の評価
は、次のように行った。（１）　引張特性ケーブルの伸線およびセパレータを取り除き、ＪＩＳダ
ンベル３００５に準拠して、引張速度５００ｍｍ／分で
引張試験を行った。（２）　難燃性ＵＬ４４に準拠した垂直燃焼試験を行い、燃焼時間が６
０秒以内のものを合格、６０秒を超えるものを不合格と
した。引張特性と難燃性を評価した結果を、組成ととも
に表１に示す。

【００１８】各組成物とも１２ＭＰａ以上の引張強さと
、４００％前後の伸びを示し、難燃性の試験結果は合格
であった。

【００１９】

【比較例１〜４】比較のため、表２に示す本発明外の組
成の絶縁組成物を調製した。調製方法、評価方法は実施
例１〜４と同じである。評価結果を、組成とともに表２
に示す。

【００２０】

【００２１】表２から明らかなように、水酸化マグネシ
ウムと焼成アルミン酸カルシウムの合計を、ポリオレフ
ィン１００重量部に対し８０重量部にした比較例１は、
引張強さでは実施例１より若干優れるが、難燃性は不合
格である。充分な難燃性を得るためには、ポリオレフィ
ン１００重量部に対し合計８０重量部では不足なことを
示している。水酸化マグネシウム３０重量部に対し１０
０重量部の焼成アルミン酸カルシウムを用いた比較例２
は、難燃性が劣るだけでなく、引張強度も伸びも低下し
ている。この結果は、水酸化マグネシウムより多い焼成
アルミン酸カルシウムを用いると、機械的特性が悪くな
ることを示している。

【００２２】また、水酸化マグネシウム１００重量部に
対し１０重量部の焼成アルミン酸カルシウムを用いた比
較例３、および水酸化マグネシウムのみを用いた比較例
４（従来例に相当）は、難燃性が劣る。ポリオレフィン
１００重量部に対し難燃化剤を合計１００重量部以上含
んでいても、水酸化マグネシウムに対する焼成アルミン
酸カルシウムの重量比が９０：１０より小さくなると、
満足な難燃性が得られないことを示している。

【００２３】

【発明の効果】本発明の難燃性電気絶縁組成物は、電線
・ケーブル等の絶縁体に要求される機械的特性を具え、
かつすぐれた難燃性を有する。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　エチレン酢酸ビニル共重合体を含むポ
リオレフィンから成る難燃性電気絶縁組成物において、
ポリオレフィン１００重量部に対し水酸化マグネシウム
および焼成アルミン酸カルシウムを合計１００重量部以
上含み、前記金属水酸化物と前記焼成アルミン酸カルシ
ウムの重量比が９０：１０乃至５０：５０の範囲にある
ようにしたことを特徴とする、難燃性電気絶縁組成物。