JP2556930Y2 - 給油管の切替弁装置 - Google Patents

給油管の切替弁装置

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JP2556930Y2
JP2556930Y2 JP10475891U JP10475891U JP2556930Y2 JP 2556930 Y2 JP2556930 Y2 JP 2556930Y2 JP 10475891 U JP10475891 U JP 10475891U JP 10475891 U JP10475891 U JP 10475891U JP 2556930 Y2 JP2556930 Y2 JP 2556930Y2
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switching valve
valve
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伸之 戸田
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば自動車用燃料タ
ンクの発生ガスを直接大気へ放出することのない給油管
の切替弁装置に係わり、さらに詳しくは、切替弁装置の
切替弁を閉止弁の開閉に伴い非接触機構で駆動できるよ
うにした給油管の切替弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などに用いられる燃料タンクへの
給油時に、給油管の給油口から燃料タンク内のガスが大
気中に放出されることを防止するために、給油管の給油
口にシール装置が装着された給油管が開発されている。
ガソリンなどの燃料は揮発性が高いので、燃料タンク内
を完全に密閉式にすると温度変化や燃料消費によって燃
料タンク内の圧力が変化し、燃料の吸引に支障をきたし
たり、あるいは逆に燃料が押し出されたりする。そこ
で、燃料タンク内をベント通路を介してキャニスタ(水
分に影響されずに炭化水素類を吸着して蒸発損失を防止
するための吸着用活性炭)へ連通させ、燃料タンク内を
一定の圧力に維持する必要がある。ところが、給油時に
おいては、給油燃料を急激に燃料タンクに供給するた
め、キャニスタへのベント通路の流路断面積が小さい
と、燃料タンク内の圧力が急速に上昇して燃料が円滑に
供給されないことがある。
【0003】そこで、キャニスタへのベント通路の流路
断面積を大きくし、給油時においては、燃料タンク内の
ガスを、この流路断面積の大きなベント通路を介してキ
ャニスタへ導くようにすることが考えられる。ところ
が、このように、ベント通路の流路断面積を大きくする
と、給油時以外においては燃料の蒸発量を助長すること
になり好ましくない。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】そこで、燃料タンクか
らのベント通路を複数にして、給油時とそれ以外の時と
で、ベント通路の流路を切替弁で切り替えるように構成
した給油管の切替弁装置が開発されつつある。このよう
な給油管の切替弁装置では、給油管の給油口に設けられ
た閉止弁の回動動作に同期して切替弁を動作させるよう
にしてある。
【0005】ところが、このような給油管の切替弁装置
では、閉止弁の回動に同期して切替弁を動作させるため
に、閉止弁の回動を切替弁の作動に変換するための変換
機構が必要であるが、この変換機構が構造的に複雑であ
るため、良好に動作せず、切り替えの機構に問題があっ
た。
【0006】本考案の目的は、このような従来技術の問
題点に鑑みてなされたものであり、給油管の閉止弁の動
きに同期して動作する給油管の切替弁装置において、切
り替え動作がスムーズかつ確実であり、騒音が少ない給
油管の切替弁装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の給油管の切替弁装置は、閉止弁の開閉動に
したがって燃料タンク内からキャニスタへの連通状態を
選択的に切り替える切替弁と、前記切替弁を作動する駆
動体に設けられた従動マグネットと、前記閉止弁の開閉
動にともなって前記駆動体の従動マグネットを非接触状
態で吸引ないし反発することにより、駆動体を移動させ
る駆動マグネットとを有する。
【0008】
【作用】給油時においては、給油ノズルを挿入して閉止
弁を開き燃料タンク内に燃料を供給するが、閉止弁の開
閉動にともなって閉止弁に取り付けた駆動マグネットも
移動し、切替弁の駆動体側に取り付けた従動マグネット
を吸引または反発する。この吸引力または反発力によ
り、切替弁が移動し、この移動によって燃料タンク内と
キャニスタとの連通状態が切り替わる。
【0009】このように、閉止弁の開閉動にともなって
切替弁を作動させるにあたり、本考案においては、閉止
弁側と切替弁側とに異なる磁極(または同極性の磁極)
のマグネットをそれぞれ設けて非接触によって作動を行
うように構成しているため、閉止弁から切替弁に作用す
る力が偏荷重となることもなく、切替弁を円滑に作動さ
せることができる。また、本考案では、切替弁の移動量
が閉止弁の回動ストロークによってさほど影響されるこ
とがないため、閉止弁等の構成部品の製造誤差により、
あるいは給油ノズルの挿入具合によって切替弁の移動量
が変わることもない。したがって、2つのベント通路の
切り替えを確実に行うことができる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本考案の一実施例に係る給油管の切替弁
装置を示す断面図、図2は同実施例の給油管の切替弁装
置に給油ノズルを挿入した状態を示す断面図である。
【0011】図1,2に示すように、本実施例に係る給
油管40を構成するフィラーチューブ5の内部には、給
油ノズルを案内するためのガイド1を有している。ガイ
ド1は、たとえば合成樹脂あるいは金属で構成され、フ
ィラーチューブ5の給油口側に嵌着されている。このガ
イド1には、給油ノズルが給油口5aに差し込まれた場
合の給油口隙間のシールを行うパッキン3が装着してあ
る。このパッキン3により、給油管40の内部と外気と
が遮断され、給油時にガスが大気中に逃げるのを防止す
ることができる。給油口5aから供給された燃料は、給
油管40の内部に形成してある主通路8を通して燃料タ
ンク6内に導入されるようになっている。
【0012】フィラーチューブ5の給油口側端部には、
フィラーネック23を介して燃料キャップ(図示せず)
を取り付けてある。本実施例では、燃料の蒸発をより抑
止するために閉止弁2を設けている。この閉止弁2は、
フィラーチューブ5に軸支されて回動自在となってお
り、給油ノズル4が給油口5aに差し込まれない状態に
おいて、ガイド1に取り付けられたパッキン3に圧接す
ることにより、給油管40の内部ガスを密閉するように
なっている。
【0013】この閉止弁2は、捩りバネ7によって給油
口5aを閉塞する方向にばね付勢されており、給油ノズ
ル4を挿入すると、この捩りバネ7の弾性力に抗して閉
止弁2が開くことになるが、給油ノズル4を引き戻すと
捩りバネ7の弾性力によって再び閉止弁2がパッキン3
に圧接して給油管40の内部ガスを密閉するようになっ
ている。
【0014】本実施例に係る給油管の切り替え装置にお
いては、フィラーチューブ5の給油口側に、燃料タンク
6に通じる主通路8以外に、キャニスタ連通路9、第1
ベント通路10、および第2ベント通路11を設けてあ
り、各状況に応じて燃料タンク6内とキャニスタとの連
通状態を切り替えるようにしている。
【0015】このうちキャニスタ連通路9は、燃料タン
ク6に通じる主通路8と常時連通している。
【0016】一方、第1ベント通路10と第2ベント通
路11に関しては、第2ベント通路11は第1ベント通
路10に比べて通路の内径を大きく形成しており、流路
断面積が異なるように構成されている。フィラーチュー
ブ5に挿入して嵌合されたスリーブ12には、これら第
1ベント通路10と第2ベント通路11とを選択的に開
閉する切替弁14が駆動体13に支持されて取り付けら
れている。切替弁14は、コイルバネ16によって第2
ベント通路11に通じる通孔15を閉塞する方向に押圧
されており、この通孔15が閉じた状態(閉弁)におい
ては、主通路8と第1ベント通路10とが通孔21,2
2を介して連通し、密閉された燃料タンク6内のガス
が、この第1ベント通路10を介して主通路8に至り、
キャニスタ連通路9からキャニスタへ逃される。
【0017】本実施例の切替弁装置においては、駆動体
13の基端に従動マグネット24を取り付け、一方、閉
止弁2の回動軸に駆動体側の従動マグネット24と異な
る磁極に着磁された駆動マグネット25を取り付けてい
る。例えば、駆動体側の従動マグネット24をN極とし
たときは閉止弁側の駆動マグネット25をS極とし、逆
に駆動体側の従動マグネット24をS極としたときは閉
止弁側の駆動マグネット25をN極としている。
【0018】閉止弁側の駆動マグネット25は、閉止弁
2が給油口を開いたときに、駆動体13の軸方向に添っ
て駆動体側の従動マグネット24と対向し(図2参
照)、一方、閉止弁2が給油口を閉じたときには駆動体
側の従動マグネット24から極力離して両マグネット2
4,25の吸引力がコイルバネ16の弾性力よりも小さ
くなるように取り付ける。また、これら両マグネット2
4,25の取り付け位置については、閉止弁2の回動に
ともなって両マグネットが干渉しないようにも配慮して
いる。
【0019】これらマグネット24,25により、フィ
ラーチューブ5に給油ノズル4を挿入して閉止弁2を開
くと、閉止弁側に取り付けた駆動マグネット25も閉止
弁2の回動にともなって回動し、駆動体側に取り付けた
従動マグネット24を吸引して当該駆動体13をコイル
バネ16の弾性力に抗して引っ張ることになる。
【0020】また、前述した駆動体13の中央には補助
切替弁19を取り付けており、駆動体13の先端に取り
付けた切替弁14が通孔15を閉じている状態では通孔
22を開放して第1ベント通路10と主通路8とを連通
し、一方、切替弁14が通孔15を開放するにしたがっ
て通孔22を閉塞するように作用する。
【0021】なお、図中、「20」は給油時における燃
料のあふれを逃すための非常用逃し弁であって、コイル
バネ26により開口27を閉じる方向にばね付勢されて
いる。このコイルバネ26が設けられた領域28は外気
と連通している。コイルバネ26は、主通路8内に給油
があふれた時の非常時の場合に、逃し弁22を開放する
ようにバネ定数が設定されている。
【0022】次に作用を説明する。
【0023】給油時においては、給油ノズル4をフィラ
ーチューブ5に挿入して閉止弁2を開き燃料タンク6内
に燃料を供給するが、閉止弁2の回動にともなって閉止
弁2に取り付けた駆動マグネット25も回動し、駆動体
側に取り付けた従動マグネット24を吸引する。この吸
引力は、図2に示す状態においてはコイルバネ16の弾
性力よりも大きく設定されているため駆動体13を図中
右側に引張るように作用する。
【0024】この駆動体13の移動によって通孔15が
開き、これと同時に補助切替弁19が通孔22を閉塞す
る。これによって第2ベント通路11が通孔21を介し
て主通路8と連通することになり、その結果、給油時に
燃料タンク6内へ急激に燃料を供給しても、燃料タンク
6内のガスは第2ベント通路11を通って通孔15から
主通路8に導かれ、燃料タンク6内が減圧されて燃料の
供給を円滑に行うことができる。なお、この主通路8に
導かれた気化燃料を含んだ空気はキャニスタ連通路9を
介してキャニスタに導かれる。
【0025】一方、給油時以外においては、燃料の蒸発
量を極力抑制する必要があるため、内径が小さく(流路
断面積が小さく)形成された第1ベント通路10と主通
路8とを連通させるように切り替える。すなわち、図1
に示すように、給油ノズル4を引き戻して燃料キャップ
を装着すると、閉止弁2が捩りバネ7によってパッキン
3に当接する。これと同時に閉止弁側に取り付けた駆動
マグネット25も回動して駆動体側に取り付けた従動マ
グネット24から離間し、両マグネット24,25の吸
引力がコイルバネ16の弾性力よりも小さくなって駆動
体13は図中左側に移動する。これにより、通孔15が
切替弁14によって閉塞され、同時に通孔22が開放
し、その結果、第1ベント通路10と主通路8とが連通
することになる。このように燃料タンク6内が密閉状態
の場合には、流路断面積が小さく形成された第1ベント
通路10と主通路8とを連通させ、燃料タンク内の圧力
を調整すると共に、燃料の蒸発量を極力抑制するように
している。なお、主通路8に導かれたガスはキャニスタ
連通路9を介してキャニスタに導かれる。
【0026】特に本実施例の切替弁装置においては、閉
止弁2の回動にともなって駆動体13を作動させるにあ
たり、閉止弁側と駆動体側とに異なる磁極のマグネット
をそれぞれ設けて非接触によって作動を行うように構成
しているため、閉止弁から駆動体に作用する力が偏荷重
となることもなく、駆動体を円滑に作動させることがで
きる。また、本実施例の切替弁装置は、駆動体の移動量
が閉止弁の回動ストロークによってさほど影響されるこ
とがないため、コイルバネや閉止弁の製造誤差により、
あるいは給油ノズルの挿入具合によって駆動体の移動量
が変わることもない。したがって、第1ベント通路と第
2ベント通路との切り替えを確実に行うことができる。
【0027】なお、本考案は上述した実施例のみに限定
されることなく種々に改変することが可能である。例え
ば、上述した実施例では第1ベント通路を第2ベント通
路より流路断面積を小さく形成した具体例にて本考案を
説明したが、これとは逆の給油管構造にも本考案を適用
することができる。また、これら各通路を複数にするこ
ともできる。さらに、上述した実施例では、マグネット
の吸引力を利用して切替弁を作動させるようにしたが、
マグネットの反発力を利用して切替弁を作動させるよう
に構成しても良い。また、本考案では、たとえば図3に
示すように、通孔21から主通路8を通さずに、直接キ
ャニスタへ導くように配管することもできる。
【0028】
【考案の効果】本考案の給油管の切替弁装置では、閉止
弁の開閉動に応じてキャニスタへの複数の通路の連通状
態を切り替えるにあたり、その切替弁を作動させる駆動
体と閉止弁とをマグネットによって非接触で吸引または
反発するように構成しているため、閉止弁から駆動体に
作用する力が偏荷重となることもなく、駆動体によって
駆動される切替弁を円滑に作動させることができる。し
かも、摺動部が少なくなり、磨耗を減少させることがで
き、耐久性を向上させることができる。また、応答性も
良くなる。さらに、駆動体の移動量が閉止弁の回動スト
ロークによってさほど影響されることがないため、構成
部品の製造誤差により、あるいは給油ノズルの挿入具合
によって駆動体(切替弁)の移動量が変わることもな
い。したがって、通路の切り替えを確実に行うことがで
き、キャニスタへの排気を確実に行うことができる。そ
の結果、燃料タンク内のガスが大気中にそのまま放出さ
れることがなく、公害問題を効率的に解消することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案の一実施例に係る給油口の切替弁
装置を示す断面図である。
【図2】図2は同実施例の給油口の切替弁装置に給油ノ
ズルを挿入した状態を示す断面図である。
【図3】本考案の他の実施例に係る給油口の切替弁装置
を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ガイド、2…閉止弁、3…シールパッキン、 4…
給油ノズル、5…フィラーチューブ、 5a…給油口、
6…燃料タンク、7…掟りバネ、8…主通路、9…キャ
ニスタ連通路10…第1ベント通路、11…第2ベント
通路、12…スリーブ、13…駆動体、14…切替弁、
15…通孔、16…コイルバネ、 17,18…領
域、19…補助切替弁、20…逃し弁、21,22…通
孔、 23…フィラーネック、24…従動マグネッ
ト、25…駆動マグネット、26…コイルバネ、27…
開口、 28…領域。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンク(6)に通じる主通路(8)
    を有すると共に、この主通路(8)の給油口を開閉する
    閉止弁(2)を有する給油管(40)に取り付けられる
    給油管の切替弁装置において、 前記閉止弁(2)の開閉動にしたがって燃料タンク
    (6)内からキャニスタへの連通状態を選択的に切り替
    える切替弁(14)と、 前記切替弁(14)を作動する駆動体(13)に設けら
    れた従動マグネット(24)と、 前記閉止弁(2)の開閉動にともなって前記駆動体(1
    3)の従動マグネット(14)を非接触状態で吸引ない
    し反発することにより、駆動体(13)を移動させる駆
    動マグネット(25)とを有する給油管の切替弁装置。
JP10475891U 1991-11-26 1991-11-26 給油管の切替弁装置 Expired - Lifetime JP2556930Y2 (ja)

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