JP2556638Y2 - パーキングブレーキ機構付きディスクブレーキ - Google Patents
パーキングブレーキ機構付きディスクブレーキInfo
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- JP2556638Y2 JP2556638Y2 JP7104291U JP7104291U JP2556638Y2 JP 2556638 Y2 JP2556638 Y2 JP 2556638Y2 JP 7104291 U JP7104291 U JP 7104291U JP 7104291 U JP7104291 U JP 7104291U JP 2556638 Y2 JP2556638 Y2 JP 2556638Y2
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- piston
- movable member
- peripheral surface
- cylinder bore
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はパーキングブレーキ機構
付きディスクブレーキに関し、特に、ピストン,アジャ
ストナットが螺合されたアジャストボルト,およびパー
キングブレーキ操作力が入力される可動部材がシリンダ
ボア内に軸方向に沿って設けられるとともに、アジャス
トボルトの一端部と可動部材との間にコーンクラッチが
形成され、そのアジャストボルトの回転に基づいてパー
キングブレーキ操作ストロークを自動調節する形式のパ
ーキングブレーキ機構付きディスクブレーキに関するも
のである。
付きディスクブレーキに関し、特に、ピストン,アジャ
ストナットが螺合されたアジャストボルト,およびパー
キングブレーキ操作力が入力される可動部材がシリンダ
ボア内に軸方向に沿って設けられるとともに、アジャス
トボルトの一端部と可動部材との間にコーンクラッチが
形成され、そのアジャストボルトの回転に基づいてパー
キングブレーキ操作ストロークを自動調節する形式のパ
ーキングブレーキ機構付きディスクブレーキに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】シリンダ部に形成されたシリンダボア内
に一方向への突出し可能に嵌合された有底円筒状のピス
トンと、そのピストン内に軸心回りの回転不能に設けら
れたアジャストナットと、常にはそのアジャストナット
をそのピストンと一体的に移動させる連動手段と、一端
部側に雄ねじ部を有するとともに他端部側に第1テーパ
面を有し、その雄ねじ部がそのピストン内に挿入され且
つそのアジャストナットに軸方向において所定の間隙を
有する状態で螺合されたアジャストボルトと、そのアジ
ャストボルトの他端部と軸方向に対向するようにその軸
方向の移動可能かつ軸心回りの回転不能に前記シリンダ
ボア内に設けられ、そのアジャストボルトの前記第1テ
ーパ面とテーパ嵌合可能な第2テーパ面を有する可動部
材と、そのアジャストボルトをその可動部材に接近する
方向へ付勢して常には前記第1テーパ面と前記第2テー
パ面とをテーパ嵌合させる付勢手段とを備え、パーキン
グブレーキ操作部材からの操作力が前記可動部材,アジ
ャストボルト,およびアジャストナットを介して前記ピ
ストンに伝達されると、そのピストンが突き出されてパ
ーキングブレーキを作動させるとともに、前記第1テー
パ面と前記第2テーパ面とのテーパ嵌合によりその操作
力による前記アジャストボルトの回転が阻止される一
方、前記シリンダボア内の液圧によりそのピストンが突
き出されるサービスブレーキ時に前記所定の間隙を超え
て前記アジャストナットがそのピストンと共に移動させ
られると、前記付勢手段の付勢力に抗して前記アジャス
トボルトが前記可動部材から離間させられ、前記第1テ
ーパ面と前記第2テーパ面とが非嵌合になるとともに、
その付勢手段によりアジャストボルトが可動部材側へ付
勢されることによりアジャストボルトがアジャストナッ
トに対して一方向へ回転しながら可動部材側へ移動させ
られ、これにより前記パーキングブレーキ操作部材の操
作ストロークを自動調節する形式のパーキングブレーキ
機構付きディスクブレーキが知られている。
に一方向への突出し可能に嵌合された有底円筒状のピス
トンと、そのピストン内に軸心回りの回転不能に設けら
れたアジャストナットと、常にはそのアジャストナット
をそのピストンと一体的に移動させる連動手段と、一端
部側に雄ねじ部を有するとともに他端部側に第1テーパ
面を有し、その雄ねじ部がそのピストン内に挿入され且
つそのアジャストナットに軸方向において所定の間隙を
有する状態で螺合されたアジャストボルトと、そのアジ
ャストボルトの他端部と軸方向に対向するようにその軸
方向の移動可能かつ軸心回りの回転不能に前記シリンダ
ボア内に設けられ、そのアジャストボルトの前記第1テ
ーパ面とテーパ嵌合可能な第2テーパ面を有する可動部
材と、そのアジャストボルトをその可動部材に接近する
方向へ付勢して常には前記第1テーパ面と前記第2テー
パ面とをテーパ嵌合させる付勢手段とを備え、パーキン
グブレーキ操作部材からの操作力が前記可動部材,アジ
ャストボルト,およびアジャストナットを介して前記ピ
ストンに伝達されると、そのピストンが突き出されてパ
ーキングブレーキを作動させるとともに、前記第1テー
パ面と前記第2テーパ面とのテーパ嵌合によりその操作
力による前記アジャストボルトの回転が阻止される一
方、前記シリンダボア内の液圧によりそのピストンが突
き出されるサービスブレーキ時に前記所定の間隙を超え
て前記アジャストナットがそのピストンと共に移動させ
られると、前記付勢手段の付勢力に抗して前記アジャス
トボルトが前記可動部材から離間させられ、前記第1テ
ーパ面と前記第2テーパ面とが非嵌合になるとともに、
その付勢手段によりアジャストボルトが可動部材側へ付
勢されることによりアジャストボルトがアジャストナッ
トに対して一方向へ回転しながら可動部材側へ移動させ
られ、これにより前記パーキングブレーキ操作部材の操
作ストロークを自動調節する形式のパーキングブレーキ
機構付きディスクブレーキが知られている。
【0003】たとえば、特公昭63−35857号公報
(以下、前者のディスクブレーキという)や、本出願人
が先に出願して公開された実開平1−53644号公報
に記載されたもの(以下、後者のディスクブレーキとい
う)がそれである。前者のディスクブレーキにおいて
は、上記可動部材のシリンダボア底部と対向する面に突
設された回止めピンがそのシリンダボア底部に形成され
た有底穴内に所定の遊びを有して挿し込まれることによ
り、軸方向の移動が可能な状態で可動部材の軸心回りの
回転が阻止されるようになっている。また、後者のディ
スクブレーキにおいては、可動部材のテーパ状内周面
(第2テーパ面)が形成された一端部側に径方向に延び
且つ両端において開口するキー溝が形成されており、シ
リンダボアの内周面に取り付けられたキープレートがそ
のキー溝内に配置されることにより、可動部材の軸心回
りの回転が阻止されるようになっている。可動部材の軸
心回りの回転が阻止されていないと、パーキングブレー
キ操作時においてアジャストボルトが可動部材と共に調
節方向と反対の方向へ回転させられてパーキングブレー
キ操作ストロークが増大するおそれがあるからである。
(以下、前者のディスクブレーキという)や、本出願人
が先に出願して公開された実開平1−53644号公報
に記載されたもの(以下、後者のディスクブレーキとい
う)がそれである。前者のディスクブレーキにおいて
は、上記可動部材のシリンダボア底部と対向する面に突
設された回止めピンがそのシリンダボア底部に形成され
た有底穴内に所定の遊びを有して挿し込まれることによ
り、軸方向の移動が可能な状態で可動部材の軸心回りの
回転が阻止されるようになっている。また、後者のディ
スクブレーキにおいては、可動部材のテーパ状内周面
(第2テーパ面)が形成された一端部側に径方向に延び
且つ両端において開口するキー溝が形成されており、シ
リンダボアの内周面に取り付けられたキープレートがそ
のキー溝内に配置されることにより、可動部材の軸心回
りの回転が阻止されるようになっている。可動部材の軸
心回りの回転が阻止されていないと、パーキングブレー
キ操作時においてアジャストボルトが可動部材と共に調
節方向と反対の方向へ回転させられてパーキングブレー
キ操作ストロークが増大するおそれがあるからである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ディスクブレーキにおいては、シリンダボアの奥深い底
部に有底穴を加工しなければならず、加工時にドリルが
比較的大きく振れたり折損したりするおそれがあるた
め、シリンダ部の加工作業が面倒となるという問題があ
った。また、後者のディスクブレーキにおいては、キー
溝の存在により、パーキングブレーキ操作時に可動部材
のテーパ状内周面(第2テーパ面)が形成された部分が
外周側へ開いて、パーキングブレーキ操作ストロークが
不要に大きくなるおそれがあるとともに、キープレート
と可動部材のキー溝との間のがたつきに加えてキープレ
ートのシリンダボア内周面への取付けがたが存在する
と、パーキングブレーキ操作ストロークが一層大きくな
ることが避け難い。
ディスクブレーキにおいては、シリンダボアの奥深い底
部に有底穴を加工しなければならず、加工時にドリルが
比較的大きく振れたり折損したりするおそれがあるた
め、シリンダ部の加工作業が面倒となるという問題があ
った。また、後者のディスクブレーキにおいては、キー
溝の存在により、パーキングブレーキ操作時に可動部材
のテーパ状内周面(第2テーパ面)が形成された部分が
外周側へ開いて、パーキングブレーキ操作ストロークが
不要に大きくなるおそれがあるとともに、キープレート
と可動部材のキー溝との間のがたつきに加えてキープレ
ートのシリンダボア内周面への取付けがたが存在する
と、パーキングブレーキ操作ストロークが一層大きくな
ることが避け難い。
【0005】本考案は以上の事情を背景として為された
ものであって、その目的とするところは、前記のような
形式のパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキに
おいて、シリンダ部の加工作業を面倒にしたりパーキン
グブレーキ操作ストロークを不要に増大させたりするこ
となく可動部材の軸心回りの回転を好適に阻止し得るパ
ーキングブレーキ機構付きディスクブレーキを提供する
ことにある。
ものであって、その目的とするところは、前記のような
形式のパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキに
おいて、シリンダ部の加工作業を面倒にしたりパーキン
グブレーキ操作ストロークを不要に増大させたりするこ
となく可動部材の軸心回りの回転を好適に阻止し得るパ
ーキングブレーキ機構付きディスクブレーキを提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本考案の要旨とするところは、シリンダ部に形成され
たシリンダボア内に一方向への突出し可能に嵌合された
有底円筒状のピストンと、そのピストン内に軸心回りの
回転不能に設けられたアジャストナットと、常にはその
アジャストナットをそのピストンと一体的に移動させる
連動手段と、一端部側に雄ねじ部を有するとともに他端
部側に第1テーパ面を有し、その雄ねじ部がそのピスト
ン内に挿入され且つそのアジャストナットに軸方向にお
いて所定の間隙を有する状態で螺合されたアジャストボ
ルトと、そのアジャストボルトの他端部と軸方向に対向
するようにその軸方向の移動可能かつ軸心回りの回転不
能に前記シリンダボア内に設けられ、そのアジャストボ
ルトの前記第1テーパ面とテーパ嵌合可能な第2テーパ
面を有する可動部材と、そのアジャストボルトをその可
動部材に接近する方向へ付勢して常には前記第1テーパ
面と前記第2テーパ面とをテーパ嵌合させる付勢手段と
を備え、パーキングブレーキ操作部材からの操作力が前
記可動部材,アジャストボルト,およびアジャストナッ
トを介して前記ピストンに伝達されると、そのピストン
が突き出されてパーキングブレーキを作動させるととも
に、前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とのテーパ嵌
合によりその操作力による前記アジャストボルトの回転
が阻止される一方、前記シリンダボア内の液圧によりそ
のピストンが突き出されるサービスブレーキ時に前記所
定の間隙を超えて前記アジャストナットがそのピストン
と共に移動させられると、前記付勢手段の付勢力に抗し
て前記アジャストボルトが前記可動部材から離間させら
れ、前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とが非嵌合に
なるとともに、その付勢手段によりアジャストボルトが
可動部材側へ付勢されることによりアジャストボルトが
アジャストナットに対して一方向へ回転しながら可動部
材側へ移動させられ、これにより前記パーキングブレー
キ操作部材の操作ストロークを自動調節する形式のパー
キングブレーキ機構付きディスクブレーキであって、
(a) 環状を成して外周面に複数の突条歯を有し、その突
条歯において前記シリンダボアの内周面に圧入により固
定される環状部材と、(b) 前記可動部材に設けられ、前
記環状部材の内周面に軸方向の移動可能に嵌合される嵌
合部と、(c) 前記環状部材の内周面および前記可動部材
の嵌合部の外周面に設けられ、それら環状部材および可
動部材の軸心回りの相対回転を阻止する回止め手段とを
含むことにある。
の本考案の要旨とするところは、シリンダ部に形成され
たシリンダボア内に一方向への突出し可能に嵌合された
有底円筒状のピストンと、そのピストン内に軸心回りの
回転不能に設けられたアジャストナットと、常にはその
アジャストナットをそのピストンと一体的に移動させる
連動手段と、一端部側に雄ねじ部を有するとともに他端
部側に第1テーパ面を有し、その雄ねじ部がそのピスト
ン内に挿入され且つそのアジャストナットに軸方向にお
いて所定の間隙を有する状態で螺合されたアジャストボ
ルトと、そのアジャストボルトの他端部と軸方向に対向
するようにその軸方向の移動可能かつ軸心回りの回転不
能に前記シリンダボア内に設けられ、そのアジャストボ
ルトの前記第1テーパ面とテーパ嵌合可能な第2テーパ
面を有する可動部材と、そのアジャストボルトをその可
動部材に接近する方向へ付勢して常には前記第1テーパ
面と前記第2テーパ面とをテーパ嵌合させる付勢手段と
を備え、パーキングブレーキ操作部材からの操作力が前
記可動部材,アジャストボルト,およびアジャストナッ
トを介して前記ピストンに伝達されると、そのピストン
が突き出されてパーキングブレーキを作動させるととも
に、前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とのテーパ嵌
合によりその操作力による前記アジャストボルトの回転
が阻止される一方、前記シリンダボア内の液圧によりそ
のピストンが突き出されるサービスブレーキ時に前記所
定の間隙を超えて前記アジャストナットがそのピストン
と共に移動させられると、前記付勢手段の付勢力に抗し
て前記アジャストボルトが前記可動部材から離間させら
れ、前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とが非嵌合に
なるとともに、その付勢手段によりアジャストボルトが
可動部材側へ付勢されることによりアジャストボルトが
アジャストナットに対して一方向へ回転しながら可動部
材側へ移動させられ、これにより前記パーキングブレー
キ操作部材の操作ストロークを自動調節する形式のパー
キングブレーキ機構付きディスクブレーキであって、
(a) 環状を成して外周面に複数の突条歯を有し、その突
条歯において前記シリンダボアの内周面に圧入により固
定される環状部材と、(b) 前記可動部材に設けられ、前
記環状部材の内周面に軸方向の移動可能に嵌合される嵌
合部と、(c) 前記環状部材の内周面および前記可動部材
の嵌合部の外周面に設けられ、それら環状部材および可
動部材の軸心回りの相対回転を阻止する回止め手段とを
含むことにある。
【0007】
【作用および考案の効果】このようにすれば、外周面に
複数の突条歯を有する環状部材が、その突条歯において
シリンダボアの内周面に圧入されて突条歯がシリンダボ
アの内周面に喰い込んだ状態で固定されるとともに、可
動部材に設けられた嵌合部が環状部材の内周面に軸方向
の移動可能に嵌合されて、環状部材の内周面および可動
部材の嵌合部の外周面に設けられた回止め手段によりそ
れら環状部材および可動部材の軸心回りの相対回転が阻
止されることにより、可動部材の軸心回りの回転が阻止
されるので、従来のように回止め手段としての有底穴を
シリンダボアの底部に加工する作業が不要となることか
ら、シリンダ部の加工作業を一層容易とし得る一方、環
状部材は圧入によりシリンダボア内周面に固定されて環
状部材の取付けがたが存在しないことから、パーキング
ブレーキ操作ストロークが不要に大きくなるのを好適に
防止し得る。可動部材の第2テーパ面がテーパ状内周面
である場合、その第2テーパ面が形成された部分に径方
向の両端において開口するキー溝を設けたりする必要が
ないため、パーキングブレーキ操作時に可動部材のテー
パ状内周面(第2テーパ面)が外周側へ開いてパーキン
グブレーキ操作ストロークが不要に大きくなることも防
止される。
複数の突条歯を有する環状部材が、その突条歯において
シリンダボアの内周面に圧入されて突条歯がシリンダボ
アの内周面に喰い込んだ状態で固定されるとともに、可
動部材に設けられた嵌合部が環状部材の内周面に軸方向
の移動可能に嵌合されて、環状部材の内周面および可動
部材の嵌合部の外周面に設けられた回止め手段によりそ
れら環状部材および可動部材の軸心回りの相対回転が阻
止されることにより、可動部材の軸心回りの回転が阻止
されるので、従来のように回止め手段としての有底穴を
シリンダボアの底部に加工する作業が不要となることか
ら、シリンダ部の加工作業を一層容易とし得る一方、環
状部材は圧入によりシリンダボア内周面に固定されて環
状部材の取付けがたが存在しないことから、パーキング
ブレーキ操作ストロークが不要に大きくなるのを好適に
防止し得る。可動部材の第2テーパ面がテーパ状内周面
である場合、その第2テーパ面が形成された部分に径方
向の両端において開口するキー溝を設けたりする必要が
ないため、パーキングブレーキ操作時に可動部材のテー
パ状内周面(第2テーパ面)が外周側へ開いてパーキン
グブレーキ操作ストロークが不要に大きくなることも防
止される。
【0008】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
細に説明する。
【0009】図1は本考案が適用されたパーキングブレ
ーキ機構付きディスクブレーキの要部を示す図であっ
て、車輪と共に回転可能に設けられたディスクロータ1
0の外周部にはキャリパ12が跨設されており、そのキ
ャリパ12は図示しない非回転部材に固定された支持部
材14に一対のスライドピン(図示せず)等を介してデ
ィスクロータ10の軸心と平行な方向の移動可能に支持
されている。キャリパ12は、第1シリンダボア16を
有し、その第1シリンダボア16内に全体として有底円
筒状を成すピストン18が軸心回りの回転不能な状態で
一方向の突出し可能に嵌合されたシリンダ部20と、そ
のシリンダ部20のピストン18の突出し方向と反対側
の端部においてシリンダ部20に一体に設けられた突出
部22と、シリンダ部20のピストン18突出し方向の
端部から一体に延び出してディスクロータ10を間にし
てシリンダ部20と対向する二股状の爪部24とを備え
ている。キャリパ12の内側、すなわちピストン18と
爪部24との間には、一対のパッド26,28がディス
クロータ10を挟んだ状態で配設されており、それらパ
ッド26,28は前記支持部材14によりディスクロー
タ10の軸心と平行な方向の移動可能に支持されてい
る。
ーキ機構付きディスクブレーキの要部を示す図であっ
て、車輪と共に回転可能に設けられたディスクロータ1
0の外周部にはキャリパ12が跨設されており、そのキ
ャリパ12は図示しない非回転部材に固定された支持部
材14に一対のスライドピン(図示せず)等を介してデ
ィスクロータ10の軸心と平行な方向の移動可能に支持
されている。キャリパ12は、第1シリンダボア16を
有し、その第1シリンダボア16内に全体として有底円
筒状を成すピストン18が軸心回りの回転不能な状態で
一方向の突出し可能に嵌合されたシリンダ部20と、そ
のシリンダ部20のピストン18の突出し方向と反対側
の端部においてシリンダ部20に一体に設けられた突出
部22と、シリンダ部20のピストン18突出し方向の
端部から一体に延び出してディスクロータ10を間にし
てシリンダ部20と対向する二股状の爪部24とを備え
ている。キャリパ12の内側、すなわちピストン18と
爪部24との間には、一対のパッド26,28がディス
クロータ10を挟んだ状態で配設されており、それらパ
ッド26,28は前記支持部材14によりディスクロー
タ10の軸心と平行な方向の移動可能に支持されてい
る。
【0010】上記ピストン18の内部には、全体として
円筒状を成し、一端部側外周面に外向きフランジ30を
有するアジャストナット32がその外向きフランジ30
がピストン18の底部側に位置する状態で、ピストン1
8に対する軸方向の相対移動可能かつ軸心回りの相対回
転不能に設けられている。アジャストナット32の外向
きフランジ30とピストン18の内周面との間には、そ
のピストン18の内周面に嵌め付けられた止め輪34お
よび座金36を介してスプリング38が予圧状態で設け
られており、アジャストナット32はこのスプリング3
8の付勢力に従ってピストン18の底部に押し付けられ
ている。
円筒状を成し、一端部側外周面に外向きフランジ30を
有するアジャストナット32がその外向きフランジ30
がピストン18の底部側に位置する状態で、ピストン1
8に対する軸方向の相対移動可能かつ軸心回りの相対回
転不能に設けられている。アジャストナット32の外向
きフランジ30とピストン18の内周面との間には、そ
のピストン18の内周面に嵌め付けられた止め輪34お
よび座金36を介してスプリング38が予圧状態で設け
られており、アジャストナット32はこのスプリング3
8の付勢力に従ってピストン18の底部に押し付けられ
ている。
【0011】上記シリンダ部20の内部には、更に、第
1シリンダボア16と同心に第2シリンダボア40およ
び第3シリンダボア42が順次形成されており、第1シ
リンダボア16,第2シリンダボア40,第3シリンダ
ボア42の順で径が小さくされている。第1シリンダボ
ア16および第2シリンダボア40内にはアジャストボ
ルト44が配設されている。アジャストボルト44は、
雄ねじ部46と、雄ねじ部46側と反対側の端部から所
定距離雄ねじ部46側に位置する部分から外周側へ突き
出すフランジ部48とを備えており、雄ねじ部46がア
ジャストナット32に軸方向において所定の間隙を有す
る状態で螺合されている。フランジ部48の外周面に
は、雄ねじ部46から離隔する程径が小さくなるテーパ
状外周面50が形成されている。
1シリンダボア16と同心に第2シリンダボア40およ
び第3シリンダボア42が順次形成されており、第1シ
リンダボア16,第2シリンダボア40,第3シリンダ
ボア42の順で径が小さくされている。第1シリンダボ
ア16および第2シリンダボア40内にはアジャストボ
ルト44が配設されている。アジャストボルト44は、
雄ねじ部46と、雄ねじ部46側と反対側の端部から所
定距離雄ねじ部46側に位置する部分から外周側へ突き
出すフランジ部48とを備えており、雄ねじ部46がア
ジャストナット32に軸方向において所定の間隙を有す
る状態で螺合されている。フランジ部48の外周面に
は、雄ねじ部46から離隔する程径が小さくなるテーパ
状外周面50が形成されている。
【0012】上記第2シリンダボア40および第3シリ
ンダボア42内には可動部材52が配設されている。可
動部材52は、図1および図3に示すように、大径部5
4と、六角状外周面55を有する六角形状部56と、小
径部58とを軸方向に順次備えており、大径部54およ
び六角形状部56が第2シリンダボア40内に位置する
状態で小径部58において第3シリンダボア42に摺動
可能かつ液密に嵌合されている。可動部材52の大径部
54側の端面には、小径部58側へ向かう程径が小さく
なり且つ前記アジャストボルト44のフランジ部48の
テーパ状外周面50とテーパ嵌合可能なテーパ状内周面
60を備えたテーパ穴62が形成されているとともに、
小径部58側の端面には係合凹所64が形成されてい
る。また、可動部材52内には、テーパ穴62の底部に
有底穴66が設けられているとともに、その有底穴66
と係合凹所64とを連通させる連通孔68が設けられて
いる。可動部材52のテーパ状内周面60にはアジャス
トボルト44のフランジ部48のテーパ状外周面50が
テーパ嵌合されており、有底穴66にはアジャストボル
ト44の雄ねじ部46側と反対側の端部が摺動可能かつ
気密に嵌合されている。アジャストボルト44の雄ねじ
部46側と反対側の端面には連通孔68を介して大気圧
が作用させられるようになっており、これにより、第1
シリンダボア16および第2シリンダボア40内にブレ
ーキ液圧が供給されたときには、その液圧に応じた可動
部材52側への推力がアジャストボルト44に作用させ
られるようになっている。アジャストボルト44のテー
パ状外周面50は第1テーパ面に相当し、可動部材52
のテーパ状内周面60は第2テーパ面に相当する。
ンダボア42内には可動部材52が配設されている。可
動部材52は、図1および図3に示すように、大径部5
4と、六角状外周面55を有する六角形状部56と、小
径部58とを軸方向に順次備えており、大径部54およ
び六角形状部56が第2シリンダボア40内に位置する
状態で小径部58において第3シリンダボア42に摺動
可能かつ液密に嵌合されている。可動部材52の大径部
54側の端面には、小径部58側へ向かう程径が小さく
なり且つ前記アジャストボルト44のフランジ部48の
テーパ状外周面50とテーパ嵌合可能なテーパ状内周面
60を備えたテーパ穴62が形成されているとともに、
小径部58側の端面には係合凹所64が形成されてい
る。また、可動部材52内には、テーパ穴62の底部に
有底穴66が設けられているとともに、その有底穴66
と係合凹所64とを連通させる連通孔68が設けられて
いる。可動部材52のテーパ状内周面60にはアジャス
トボルト44のフランジ部48のテーパ状外周面50が
テーパ嵌合されており、有底穴66にはアジャストボル
ト44の雄ねじ部46側と反対側の端部が摺動可能かつ
気密に嵌合されている。アジャストボルト44の雄ねじ
部46側と反対側の端面には連通孔68を介して大気圧
が作用させられるようになっており、これにより、第1
シリンダボア16および第2シリンダボア40内にブレ
ーキ液圧が供給されたときには、その液圧に応じた可動
部材52側への推力がアジャストボルト44に作用させ
られるようになっている。アジャストボルト44のテー
パ状外周面50は第1テーパ面に相当し、可動部材52
のテーパ状内周面60は第2テーパ面に相当する。
【0013】上記第1シリンダボア16の内周面であっ
て第2シリンダボア40側の端部に位置する部分には、
全体として円筒状を成す座金70が止め輪72により軸
方向の移動不能に取り付けられており、アジャストボル
ト44のフランジ部48と座金70との間には、スラス
トベアリング74および座金76を介してスプリング7
8が予圧状態で設けられている。これにより、スプリン
グ78の付勢力に従ってアジャストボルト44がピスト
ン18底部側と反対側へ付勢されて、アジャストボルト
44のテーパ状外周面50が可動部材52のテーパ状内
周面60に押し付けられるようになっている。なお、ス
プリング78のばね定数は前記スプリング38のばね定
数より小さくされている。
て第2シリンダボア40側の端部に位置する部分には、
全体として円筒状を成す座金70が止め輪72により軸
方向の移動不能に取り付けられており、アジャストボル
ト44のフランジ部48と座金70との間には、スラス
トベアリング74および座金76を介してスプリング7
8が予圧状態で設けられている。これにより、スプリン
グ78の付勢力に従ってアジャストボルト44がピスト
ン18底部側と反対側へ付勢されて、アジャストボルト
44のテーパ状外周面50が可動部材52のテーパ状内
周面60に押し付けられるようになっている。なお、ス
プリング78のばね定数は前記スプリング38のばね定
数より小さくされている。
【0014】上記突出部22の内部には、第3シリンダ
ボア42等の軸心と直角な方向に延びる取付穴80が第
3シリンダボア42と連通する状態で設けられており、
その取付穴80内にはカム軸82がニードルベアリング
84を介して軸心回りの回転可能に設けられている。カ
ム軸82の一端部であって突出部22の外側に位置する
部分には、図示しないパーキングブレーキ操作部材から
のパーキングブレーキ操作力が伝達されるレバー部材
(図示せず)が相対回転不能に取り付けられている。カ
ム軸82の外周面の長手方向中間部には偏心した位置を
底部とする係合切欠88が形成されており、その係合切
欠88の底部と可動部材52の係合凹所64の底部との
間にはトグル90が設けられている。
ボア42等の軸心と直角な方向に延びる取付穴80が第
3シリンダボア42と連通する状態で設けられており、
その取付穴80内にはカム軸82がニードルベアリング
84を介して軸心回りの回転可能に設けられている。カ
ム軸82の一端部であって突出部22の外側に位置する
部分には、図示しないパーキングブレーキ操作部材から
のパーキングブレーキ操作力が伝達されるレバー部材
(図示せず)が相対回転不能に取り付けられている。カ
ム軸82の外周面の長手方向中間部には偏心した位置を
底部とする係合切欠88が形成されており、その係合切
欠88の底部と可動部材52の係合凹所64の底部との
間にはトグル90が設けられている。
【0015】上記第2シリンダボア40の内周面には、
図2に示す環状部材92が圧入により固定されている。
環状部材92の外周面には三角歯形のセレーション94
が全周に亘って形成されており、環状部材92はそのセ
レーション94において第2シリンダボア40の内周面
に圧入されている。環状部材92の内周側には可動部材
52の六角形状部56と嵌合可能な六角穴96が形成さ
れており、その六角穴96に可動部材52の六角形状部
56が摺動可能に嵌合されることにより、可動部材52
の軸心回りの回転が阻止されている。なお、図2におい
て、セレーション94は簡略化して描かれている。ま
た、図1において、98は、ピストン18の外周面と第
1シリンダボア16の内周面との間を液密にシールする
とともにピストン18の戻し作用を為すピストンシール
である。本実施例においては、上記第1シリンダボア1
6,第2シリンダボア40,および第3シリンダボア4
2がシリンダボアを構成し、上記六角形状部56が嵌合
部を、上記セレーション94が突条歯をそれぞれ構成し
ている。また、本実施例においては、上記六角状外周面
55および六角穴96が回止め手段に相当する。
図2に示す環状部材92が圧入により固定されている。
環状部材92の外周面には三角歯形のセレーション94
が全周に亘って形成されており、環状部材92はそのセ
レーション94において第2シリンダボア40の内周面
に圧入されている。環状部材92の内周側には可動部材
52の六角形状部56と嵌合可能な六角穴96が形成さ
れており、その六角穴96に可動部材52の六角形状部
56が摺動可能に嵌合されることにより、可動部材52
の軸心回りの回転が阻止されている。なお、図2におい
て、セレーション94は簡略化して描かれている。ま
た、図1において、98は、ピストン18の外周面と第
1シリンダボア16の内周面との間を液密にシールする
とともにピストン18の戻し作用を為すピストンシール
である。本実施例においては、上記第1シリンダボア1
6,第2シリンダボア40,および第3シリンダボア4
2がシリンダボアを構成し、上記六角形状部56が嵌合
部を、上記セレーション94が突条歯をそれぞれ構成し
ている。また、本実施例においては、上記六角状外周面
55および六角穴96が回止め手段に相当する。
【0016】次に、上記パーキングブレーキ機構付きデ
ィスクブレーキの作動を説明する。まず、パーキングブ
レーキ操作時においては、カム軸82が図1において右
回りに回転させられると、カム軸82によりトグル90
が図1において左側へ押動され、そのトグル90に生じ
た推力が可動部材52,アジャストボルト44,および
アジャストナット32を介してピストン18に伝達され
てピストン18が突き出される。これにより、一方のパ
ッド28がディスクロータ10に押し付けられるととも
に、その反力でキャリパ12がピストン18の突出し方
向と反対方向へ移動させられて他方のパッド26がディ
スクロータ10に押し付けられることによりパーキング
ブレーキが作動させられる。このとき、可動部材52の
六角形状部56と第2シリンダボア40の内周面に固定
された環状部材92の六角穴96との嵌合に基づいて可
動部材52の軸心回りの回転が阻止されているため、パ
ーキングブレーキ操作時においてアジャストボルト44
が可動部材52と共に調節方向(後述の一方向)と反対
の方向へ回転させられてパーキングブレーキ操作ストロ
ークが増大することが防止される。
ィスクブレーキの作動を説明する。まず、パーキングブ
レーキ操作時においては、カム軸82が図1において右
回りに回転させられると、カム軸82によりトグル90
が図1において左側へ押動され、そのトグル90に生じ
た推力が可動部材52,アジャストボルト44,および
アジャストナット32を介してピストン18に伝達され
てピストン18が突き出される。これにより、一方のパ
ッド28がディスクロータ10に押し付けられるととも
に、その反力でキャリパ12がピストン18の突出し方
向と反対方向へ移動させられて他方のパッド26がディ
スクロータ10に押し付けられることによりパーキング
ブレーキが作動させられる。このとき、可動部材52の
六角形状部56と第2シリンダボア40の内周面に固定
された環状部材92の六角穴96との嵌合に基づいて可
動部材52の軸心回りの回転が阻止されているため、パ
ーキングブレーキ操作時においてアジャストボルト44
が可動部材52と共に調節方向(後述の一方向)と反対
の方向へ回転させられてパーキングブレーキ操作ストロ
ークが増大することが防止される。
【0017】上記ディスクブレーキのサービスブレーキ
操作時においては、ブレーキ液圧によりピストン18が
突き出されて上記の場合と同様にして制動が行われる。
このとき、ピストン18の外周面とピストンシール98
との間に相対的な滑りを生じないピストン18の予め定
められた移動範囲内の突出し時においては、アジャスト
ナット32がスプリング38によりピストン18の底部
に押し付けられた状態でピストン18と一体的に作動さ
せられるとともに、アジャストナット32とアジャスト
ボルト44との間の前記軸方向の間隙(がたつき)によ
りアジャストナット32とアジャストボルト44との間
には軸力が作用しない。一方、ブレーキ液圧が予め定め
られた一定圧よりも低くてそのブレーキ液圧およびスプ
リング78によるアジャストボルト44に対するピスト
ン18底部側と反対側への付勢力がスプリング38の付
勢力より小さい場合において、パッド26,28の磨耗
によりピストン18が前記予め定められた移動範囲を超
えて突き出されてピストン18の外周面とピストンシー
ル98との間に相対的な滑りを生じた場合には、アジャ
ストナット32とアジャストボルト44との間に軸力が
生じてアジャストボルト44がブレーキ液圧およびスプ
リング78の付勢力に抗してピストン18底部側へ移動
させられ、これにより、アジャストボルト44のテーパ
状外周面50が可動部材52のテーパ状内周面60から
離れて、テーパ状外周面50がテーパ状内周面60とテ
ーパ嵌合するまでアジャストボルト44がブレーキ液圧
およびスプリング78の付勢力に従って一方向へ回転さ
せられることにより、レバー部材86の回動量ひいては
前記パーキングブレーキ操作部材の操作ストロークが自
動的に調節されるようになっている。この実施例では、
上記スプリング38が連動手段に相当し、ブレーキ液圧
およびスプリング78が付勢手段に相当する。
操作時においては、ブレーキ液圧によりピストン18が
突き出されて上記の場合と同様にして制動が行われる。
このとき、ピストン18の外周面とピストンシール98
との間に相対的な滑りを生じないピストン18の予め定
められた移動範囲内の突出し時においては、アジャスト
ナット32がスプリング38によりピストン18の底部
に押し付けられた状態でピストン18と一体的に作動さ
せられるとともに、アジャストナット32とアジャスト
ボルト44との間の前記軸方向の間隙(がたつき)によ
りアジャストナット32とアジャストボルト44との間
には軸力が作用しない。一方、ブレーキ液圧が予め定め
られた一定圧よりも低くてそのブレーキ液圧およびスプ
リング78によるアジャストボルト44に対するピスト
ン18底部側と反対側への付勢力がスプリング38の付
勢力より小さい場合において、パッド26,28の磨耗
によりピストン18が前記予め定められた移動範囲を超
えて突き出されてピストン18の外周面とピストンシー
ル98との間に相対的な滑りを生じた場合には、アジャ
ストナット32とアジャストボルト44との間に軸力が
生じてアジャストボルト44がブレーキ液圧およびスプ
リング78の付勢力に抗してピストン18底部側へ移動
させられ、これにより、アジャストボルト44のテーパ
状外周面50が可動部材52のテーパ状内周面60から
離れて、テーパ状外周面50がテーパ状内周面60とテ
ーパ嵌合するまでアジャストボルト44がブレーキ液圧
およびスプリング78の付勢力に従って一方向へ回転さ
せられることにより、レバー部材86の回動量ひいては
前記パーキングブレーキ操作部材の操作ストロークが自
動的に調節されるようになっている。この実施例では、
上記スプリング38が連動手段に相当し、ブレーキ液圧
およびスプリング78が付勢手段に相当する。
【0018】また、ブレーキ液圧が過大となると、パッ
ド26,28の磨耗に拘らずキャリパ12の変形等に起
因してピストン18が前記予め定められた移動範囲を超
えて突き出される場合があるが、ブレーキ液圧が大きく
なって前記予め定められた一定圧を超えると、そのブレ
ーキ液圧およびスプリング78によるアジャストボルト
44に対するピストン18底部側と反対側への付勢力が
スプリング38の付勢力より大きくなって、ピストン1
8の突出しに伴ってスプリング38が圧縮されつつアジ
ャストナット32がピストン18の底部から離れ且つア
ジャストボルト44のテーパ状外周面50が可動部材5
2のテーパ状内周面60に強く押し付けられることによ
り、それらテーパ状外周面50とテーパ状内周面60と
の間の摩擦力に基づいてアジャストボルト44の回転が
阻止されてパーキングブレーキ操作部材の操作ストロー
クのオーバアジャストが防止されるようになっている。
ド26,28の磨耗に拘らずキャリパ12の変形等に起
因してピストン18が前記予め定められた移動範囲を超
えて突き出される場合があるが、ブレーキ液圧が大きく
なって前記予め定められた一定圧を超えると、そのブレ
ーキ液圧およびスプリング78によるアジャストボルト
44に対するピストン18底部側と反対側への付勢力が
スプリング38の付勢力より大きくなって、ピストン1
8の突出しに伴ってスプリング38が圧縮されつつアジ
ャストナット32がピストン18の底部から離れ且つア
ジャストボルト44のテーパ状外周面50が可動部材5
2のテーパ状内周面60に強く押し付けられることによ
り、それらテーパ状外周面50とテーパ状内周面60と
の間の摩擦力に基づいてアジャストボルト44の回転が
阻止されてパーキングブレーキ操作部材の操作ストロー
クのオーバアジャストが防止されるようになっている。
【0019】このように本実施例によれば、環状部材9
2がその外周面に形成されたセレーション94において
第2シリンダボア40の内周面に圧入により固定されて
いる。この場合において、第2シリンダボア40の径は
ピストン18が嵌合される第1シリンダボア16の径よ
り小さくされているので、第2シリンダボア40への環
状部材92の圧入により第1シリンダボア16の内周面
が傷付けられることが防止される。そして、可動部材5
2の六角形状部56が環状部材92の六角穴96に摺動
可能に嵌合されることにより、その可動部材52の軸心
回りの回転が阻止されるので、従来のように回止め手段
としての有底穴をシリンダボアの奥深い底部に加工する
作業が不要となってその有底穴の加工時にドリルが大き
く振れたり折損したりする問題が解消されることから、
キャリパ12のシリンダ部20の加工作業が一層容易と
なる一方、従来のように可動部材のテーパ状内周面が形
成された部分に径方向の両端において開口するキー溝を
設けたりする必要がなくてパーキングブレーキ操作時に
可動部材52のテーパ状内周面60が外周側へ開くこと
が回避されるとともに、環状部材92は圧入により第2
シリンダボア40の内周面に固定されて環状部材92の
取付けがたが存在しないことから、パーキングブレーキ
操作ストロークが不要に大きくなることが好適に防止さ
れる。
2がその外周面に形成されたセレーション94において
第2シリンダボア40の内周面に圧入により固定されて
いる。この場合において、第2シリンダボア40の径は
ピストン18が嵌合される第1シリンダボア16の径よ
り小さくされているので、第2シリンダボア40への環
状部材92の圧入により第1シリンダボア16の内周面
が傷付けられることが防止される。そして、可動部材5
2の六角形状部56が環状部材92の六角穴96に摺動
可能に嵌合されることにより、その可動部材52の軸心
回りの回転が阻止されるので、従来のように回止め手段
としての有底穴をシリンダボアの奥深い底部に加工する
作業が不要となってその有底穴の加工時にドリルが大き
く振れたり折損したりする問題が解消されることから、
キャリパ12のシリンダ部20の加工作業が一層容易と
なる一方、従来のように可動部材のテーパ状内周面が形
成された部分に径方向の両端において開口するキー溝を
設けたりする必要がなくてパーキングブレーキ操作時に
可動部材52のテーパ状内周面60が外周側へ開くこと
が回避されるとともに、環状部材92は圧入により第2
シリンダボア40の内周面に固定されて環状部材92の
取付けがたが存在しないことから、パーキングブレーキ
操作ストロークが不要に大きくなることが好適に防止さ
れる。
【0020】以上、本考案の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本考案はその他の態様においても適用され
る。
説明したが、本考案はその他の態様においても適用され
る。
【0021】たとえば、前記実施例では、環状部材92
の外周面にはセレーション94が全周に亘って形成され
ているが、周方向の所定間隔毎に少なくとも2個以上の
突条歯が形成されておれば本考案の効果を得ることがで
きる。
の外周面にはセレーション94が全周に亘って形成され
ているが、周方向の所定間隔毎に少なくとも2個以上の
突条歯が形成されておれば本考案の効果を得ることがで
きる。
【0022】また、前記実施例では、可動部材の嵌合部
は六角形状部54にて構成されており、回止め手段はそ
の六角形状部54の六角状外周面55と環状部材92の
六角穴96にて構成されているが、必ずしもその必要は
なく、たとえば、可動部材の嵌合部を六角以外の矩形状
部や楕円形状部にて構成し且つ環状部材にそれら矩形状
部や楕円形状部と嵌合可能な矩形穴や楕円穴を形成する
ようにしてもよいし、あるいは、可動部材の嵌合部を円
形状部にて構成してその可動部材の嵌合部の外周面およ
び環状部材の内周面の一方にキーを設け且つそれらの他
方にそのキーが軸方向の移動可能に嵌合されるキー溝を
設けるようにしてもよい。
は六角形状部54にて構成されており、回止め手段はそ
の六角形状部54の六角状外周面55と環状部材92の
六角穴96にて構成されているが、必ずしもその必要は
なく、たとえば、可動部材の嵌合部を六角以外の矩形状
部や楕円形状部にて構成し且つ環状部材にそれら矩形状
部や楕円形状部と嵌合可能な矩形穴や楕円穴を形成する
ようにしてもよいし、あるいは、可動部材の嵌合部を円
形状部にて構成してその可動部材の嵌合部の外周面およ
び環状部材の内周面の一方にキーを設け且つそれらの他
方にそのキーが軸方向の移動可能に嵌合されるキー溝を
設けるようにしてもよい。
【0023】また、前記実施例では、ピストン18が嵌
合される第1シリンタボア16より径が小さい第2シリ
ンダボア40の内周面に環状部材92が圧入されている
が、可動部材がシリンダボア内にピストン側と反対側か
ら圧入できるように構成されている場合には、ピストン
が嵌合されるシリンダボアの内周面に環状部材を圧入す
ることもできる。
合される第1シリンタボア16より径が小さい第2シリ
ンダボア40の内周面に環状部材92が圧入されている
が、可動部材がシリンダボア内にピストン側と反対側か
ら圧入できるように構成されている場合には、ピストン
が嵌合されるシリンダボアの内周面に環状部材を圧入す
ることもできる。
【0024】また、前記実施例では、パーキングブレー
キ操作ストロークのオーバアジャスト防止機能を備えた
パーキングブレーキ機構付きディスクブレーキに本考案
が適用された場合について説明したが、パーキングブレ
ーキ操作ストロークのオーバアジャスト防止機能を備え
ていないパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキ
においても本考案を適用し得ることは勿論である。
キ操作ストロークのオーバアジャスト防止機能を備えた
パーキングブレーキ機構付きディスクブレーキに本考案
が適用された場合について説明したが、パーキングブレ
ーキ操作ストロークのオーバアジャスト防止機能を備え
ていないパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキ
においても本考案を適用し得ることは勿論である。
【0025】その他、本考案はその趣旨を逸脱しない範
囲において種々変更が加えられ得るものである。
囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図1】本考案が適用されたパーキングブレーキ機構付
きディスクブレーキの一例を示す図であって、要部を示
す断面図である。
きディスクブレーキの一例を示す図であって、要部を示
す断面図である。
【図2】図1の環状部材92の斜視図であって、拡大し
て示す図である。
て示す図である。
【図3】図1の可動部材52をトグル90側から見た図
であって、拡大して示す図である。
であって、拡大して示す図である。
{16 第1シリンダボア,40 第2シリンダボア,
42 第3シリンダボア}シリンダボア 18 ピストン 20 シリンダ部 32 アジャストナット38 スプリング(連動手段) 44 アジャストボルト 46 雄ねじ部 50 テーパ状外周面(第1テーパ面) 52 可動部材 {55 六角状外周面,96 六角穴}回止め手段 56 六角形状部(嵌合部) 60 テーパ状内周面(第2テーパ面)78 スプリング(付勢手段) 92 環状部材 94 セレーション(突条歯)
42 第3シリンダボア}シリンダボア 18 ピストン 20 シリンダ部 32 アジャストナット38 スプリング(連動手段) 44 アジャストボルト 46 雄ねじ部 50 テーパ状外周面(第1テーパ面) 52 可動部材 {55 六角状外周面,96 六角穴}回止め手段 56 六角形状部(嵌合部) 60 テーパ状内周面(第2テーパ面)78 スプリング(付勢手段) 92 環状部材 94 セレーション(突条歯)
Claims (1)
- 【請求項1】 シリンダ部に形成されたシリンダボア内
に一方向への突出し可能に嵌合された有底円筒状のピス
トンと、該ピストン内に軸心回りの回転不能に設けられ
たアジャストナットと、常には該アジャストナットを該
ピストンと一体的に移動させる連動手段と、一端部側に
雄ねじ部を有するとともに他端部側に第1テーパ面を有
し、該雄ねじ部が該ピストン内に挿入され且つ該アジャ
ストナットに軸方向において所定の間隙を有する状態で
螺合されたアジャストボルトと、該アジャストボルトの
他端部と軸方向に対向するように該軸方向の移動可能か
つ軸心回りの回転不能に前記シリンダボア内に設けら
れ、該アジャストボルトの前記第1テーパ面とテーパ嵌
合可能な第2テーパ面を有する可動部材と、該アジャス
トボルトを該可動部材に接近する方向へ付勢して常には
前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とをテーパ嵌合さ
せる付勢手段とを備え、パーキングブレーキ操作部材か
らの操作力が前記可動部材,アジャストボルト,および
アジャストナットを介して前記ピストンに伝達される
と、該ピストンが突き出されてパーキングブレーキを作
動させるとともに、前記第1テーパ面と前記第2テーパ
面とのテーパ嵌合により該操作力による前記アジャスト
ボルトの回転が阻止される一方、前記シリンダボア内の
液圧により該ピストンが突き出されるサービスブレーキ
時に前記所定の間隙を超えて前記アジャストナットが該
ピストンと共に移動させられると、前記付勢手段の付勢
力に抗して前記アジャストボルトが前記可動部材から離
間させられ、前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とが
非嵌合になるとともに、該付勢手段により該アジャスト
ボルトが該可動部材側へ付勢されることにより該アジャ
ストボルトが該アジャストナットに対して一方向へ回転
しながら該可動部材側へ移動させられ、これにより前記
パーキングブレーキ操作部材の操作ストロークを自動調
節する形式のパーキングブレーキ機構付きディスクブレ
ーキであって、 環状を成して外周面に複数の突条歯を有し、該突条歯に
おいて前記シリンダボアの内周面に圧入により固定され
る環状部材と、 前記可動部材に設けられ、前記環状部材の内周面に軸方
向の移動可能に嵌合される嵌合部と、 前記環状部材の内周面および前記可動部材の嵌合部の外
周面に設けられ、該環状部材および可動部材の軸心回り
の相対回転を阻止する回止め手段とを含むことを特徴と
するパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7104291U JP2556638Y2 (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | パーキングブレーキ機構付きディスクブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7104291U JP2556638Y2 (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | パーキングブレーキ機構付きディスクブレーキ |
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JPH0514681U JPH0514681U (ja) | 1993-02-26 |
JP2556638Y2 true JP2556638Y2 (ja) | 1997-12-08 |
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-
1991
- 1991-08-09 JP JP7104291U patent/JP2556638Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0514681U (ja) | 1993-02-26 |
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