JP2556634Y2 - パーキングブレーキ機構付きディスクブレーキ - Google Patents

パーキングブレーキ機構付きディスクブレーキ

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JP2556634Y2
JP2556634Y2 JP1991068399U JP6839991U JP2556634Y2 JP 2556634 Y2 JP2556634 Y2 JP 2556634Y2 JP 1991068399 U JP1991068399 U JP 1991068399U JP 6839991 U JP6839991 U JP 6839991U JP 2556634 Y2 JP2556634 Y2 JP 2556634Y2
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昌彦 中嶋
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Hosei Brake Industry Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はパーキングブレーキ機構
付きディスクブレーキに関し、特に、ピストン,アジャ
ストナットが螺合されたアジャストボルト,およびパー
キングブレーキ操作力が入力される可動部材がシリンダ
ボア内に軸方向に沿って設けられるとともに、アジャス
トボルトの一端部と可動部材との間にコーンクラッチが
形成され、そのアジャストボルトの回転に基づいてパー
キングブレーキ操作ストロークを自動調節する形式のパ
ーキングブレーキ機構付きディスクブレーキに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】シリンダ部に形成されたシリンダボア内
に一方向への突出し可能に嵌合された有底円筒状のピス
トンと、そのピストン内に軸心回りの回転不能に設けら
れたアジャストナットと、常にはそのアジャストナット
をそのピストンと一体的に移動させる連動手段と、一端
部側に雄ねじ部を有するとともに他端部側に第1テーパ
面を有し、その雄ねじ部がそのピストン内に挿入され且
つそのアジャストナットに軸方向において所定の間隙を
有する状態で螺合されたアジャストボルトと、そのアジ
ャストボルトの他端部と軸方向に対向するようにその軸
方向の移動可能かつ軸心回りの回転不能に前記シリンダ
ボア内に設けられ、そのアジャストボルトの前記第1テ
ーパ面とテーパ嵌合可能な第2テーパ面を有する可動部
材と、そのアジャストボルトをその可動部材に接近する
方向へ付勢して常には前記第1テーパ面と前記第2テー
パ面とをテーパ嵌合させる付勢手段とを備え、パーキン
グブレーキ操作部材からの操作力が前記可動部材,アジ
ャストボルト,およびアジャストナットを介して前記ピ
ストンに伝達されると、そのピストンが突き出されてパ
ーキングブレーキを作動させる一方、前記シリンダボア
内の液圧によりそのピストンが突き出されるサービスブ
レーキ時に前記所定の間隙を超えて前記アジャストナッ
トがそのピストンと共に移動させられると、前記付勢手
段の付勢力に抗して前記アジャストボルトが前記可動部
材から離間させられ、前記第1テーパ面と前記第2テー
パ面とが非嵌合になるとともに、その付勢手段によりア
ジャストボルトが可動部材側へ付勢されることによりア
ジャストボルトがアジャストナットに対して一方向へ回
転しながら可動部材側へ移動させられ、これにより前記
パーキングブレーキ操作部材の操作ストロークを自動調
節する形式のパーキングブレーキ機構付きディスクブレ
ーキが知られている。
【0003】たとえば、特公昭63−35857号公報
に記載されたもの(以下、前者のディスクブレーキとい
う)や、本出願人が先に出願して公開された実開平1−
53644号公報に記載されたもの(以下、後者のディ
スクブレーキという)がそれである。前者のディスクブ
レーキにおいては、上記可動部材のシリンダボア底部と
対向する面に突設された回止めピンがそのシリンダボア
底部に形成された有底穴内に挿し込まれることにより、
可動部材の軸心回りの回転が阻止されるようになってい
る。また、後者のディスクブレーキにおいては、可動部
材のテーパ状内周面(第2テーパ面)が形成された一端
部側に径方向に延び且つ両端において開口するキー溝が
形成されており、シリンダボアの内周面に取り付けられ
たキープレートがそのキー溝内に配置されることによ
り、可動部材の軸心回りの回転が阻止されるようになっ
ている。可動部材の軸心回りの回転が阻止されていない
と、パーキングブレーキ操作時においてアジャストボル
トが可動部材と共に調節方向と反対の方向へ回転させら
れてパーキングブレーキ操作ストロークが増大するおそ
れがあるからである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ディスクブレーキにおいては、回止めピンおよび有底穴
の径の寸法公差だけでなく回止めピンおよび有底穴の同
軸度などを考慮して回止めピンと有底穴との間の径方向
のがたつきを比較的大きく設定する必要があるため、そ
のがたつきに起因してパーキングブレーキ操作ストロー
クが不要に大きくなる場合があった。また、シリンダボ
アの奥深い底部に有底穴を加工しなければならないこと
から、加工時にドリルが比較的大きく振れたり折損した
りするおそれがあり、これにより、有底穴の加工を容易
に為し難いとともに有底穴の加工精度を充分に確保し難
いという問題があった。
【0005】一方、後者のディスクブレーキにおいて
は、キー溝の存在により、パーキングブレーキ操作時に
可動部材のテーパ状内周面(第2テーパ面)が形成され
た部分が外周側へ開いて、パーキングブレーキ操作スト
ロークが不要に大きくなるおそれがあるとともに、キー
プレートと可動部材のキー溝との間のがたつきに加えて
キープレートのシリンダボア内周面への取付けがたが存
在すると、パーキングブレーキ操作ストロークが一層大
きくなることが避け難い。
【0006】本考案は以上の事情を背景として為された
ものであって、その目的とするところは、ピストン,ア
ジャストナットが螺合されたアジャストボルト,および
パーキングブレーキ操作力が入力される可動部材がシリ
ンダボア内に軸方向に沿って設けられるとともに、アジ
ャストボルトの一端部と可動部材との間にコーンクラッ
チが形成され、そのアジャストボルトの回転に基づいて
パーキングブレーキ操作ストロークを自動調節する形式
のパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキにおい
て、可動部材の軸心回りの回転を阻止するための回止め
手段の加工を容易に為し得かつその回止め手段の加工精
度を確保し得るとともに、可動部材の軸心回りの回転お
よびテーパ状内周面(第2テーパ面)の開きを好適に防
止し得てパーキングブレーキ操作ストロークが不要に大
きくなるのを好適に防止し得るパーキングブレーキ機構
付きディスクブレーキを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本考案の要旨とするところは、シリンダ部に形成され
たシリンダボア内に一方向への突出し可能に嵌合された
有底円筒状のピストンと、そのピストン内に軸心回りの
回転不能に設けられたアジャストナットと、常にはその
アジャストナットをそのピストンと一体的に移動させる
連動手段と、一端部側に雄ねじ部を有するとともに他端
部側に第1テーパ面を有し、その雄ねじ部がそのピスト
ン内に挿入され且つそのアジャストナットに軸方向にお
いて所定の間隙を有する状態で螺合されたアジャストボ
ルトと、そのアジャストボルトの他端部と軸方向に対向
するようにその軸方向の移動可能かつ軸心回りの回転不
能に前記シリンダボア内に設けられ、そのアジャストボ
ルトの前記第1テーパ面とテーパ嵌合可能な第2テーパ
面を有する可動部材と、そのアジャストボルトをその可
動部材に接近する方向へ付勢して常には前記第1テーパ
面と前記第2テーパ面とをテーパ嵌合させる付勢手段と
を備え、パーキングブレーキ操作部材からの操作力が前
記可動部材,アジャストボルト,およびアジャストナッ
トを介して前記ピストンに伝達されると、そのピストン
が突き出されてパーキングブレーキを作動させる一方、
前記シリンダボア内の液圧によりそのピストンが突き出
されるサービスブレーキ時に前記所定の間隙を超えて前
記アジャストナットがそのピストンと共に移動させられ
ると、前記付勢手段の付勢力に抗して前記アジャストボ
ルトが前記可動部材から離間させられ、前記第1テーパ
面と前記第2テーパ面とが非嵌合になるとともに、その
付勢手段によりアジャストボルトが可動部材側へ付勢さ
れることによりアジャストボルトがアジャストナットに
対して一方向へ回転しながら可動部材側へ移動させら
れ、これにより前記パーキングブレーキ操作部材の操作
ストロークを自動調節する形式のパーキングブレーキ機
構付きディスクブレーキであって、(a) 前記可動部材の
外周面に設けられ、その可動部材の軸心と平行な方向に
延びる係合溝と、(b) 前記シリンダ部に設けられ、その
シリンダ部の外表面から前記シリンダボアの前記可動部
材が配設された内周面に貫通する貫通穴と、(c) その貫
通穴に一体的に取り付けられて前記シリンダボアの内周
面から前記可動部材の係合溝内へ突き出し、その係合溝
の内壁との係合に基づいてその可動部材の軸心回りの回
転を阻止するための回止めピンとを含むことにある。
【0008】
【作用および考案の効果】このようにすれば、可動部材
の外周面に軸心と平行な方向に延びる係合溝が設けられ
ているとともに、シリンダ部の外表面からシリンダボア
の可動部材が配設された内周面に貫通する貫通穴がシリ
ンダ部に設けられており、その貫通穴にシリンダボアの
内周面から可動部材の係合溝内へ突き出すように回止め
ピンが一体的に取り付けられることにより、その回止め
ピンの突出端部と係合溝の内壁との係合に基づいて可動
部材の軸心回りの回転が阻止される。この場合におい
て、可動部材の外周面に設けられた係合溝にその可動部
材の外周側から回止めピンが挿し入れられることとなる
ので、可動部材のシリンダボア底部と対向する面に突設
された回止めピンをシリンダボア底部に設けられた有底
穴内に挿し入れる場合において回止めピンと有底穴との
同軸度を考慮するように、回止めピンと係合溝との同軸
度を考慮する必要がない。これにより、係合溝と回止め
ピンとの間の係合溝幅方向のがたつきを充分に小さくす
ることができ、しかも、その係合溝と回止めピンとの間
の係合溝幅方向のがたつき以外の部材間のがたつきによ
って可動部材が軸心回りに回転させられることはないこ
とから、可動部材の軸心回りの回転を好適に防止し得て
パーキングブレーキ操作ストロークが不要に大きくなる
のを好適に防止し得る。
【0009】また、可動部材の第2テーパ面がテーパ状
内周面である場合、その第2テーパ面が形成された部分
に径方向の両端において開口するキー溝を設けたりする
必要がないため、パーキングブレーキ操作時に可動部材
のテーパ状内周面(第2テーパ面)が外周側へ開いてパ
ーキングブレーキ操作ストロークが不要に大きくなるの
を好適に防止し得る。
【0010】また、回止めピンが挿し入れられる係合溝
は可動部材の外周面に加工され且つ回止めピンが一体的
に取り付けられる貫通穴はシリンダ部の外表面から加工
することができるため、回止めピンが挿し入れられる有
底穴をシリンダボアの奥深い底部に形成したりする従来
の場合に比べて、可動部材の軸心回りの回転を阻止する
ための回止め手段の加工を容易に為し得るとともにその
回止め手段の加工精度を好適に確保し得る。
【0011】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0012】図1は本考案が適用されたパーキングブレ
ーキ機構付きディスクブレーキの要部を示す図であっ
て、車輪と共に回転可能に設けられたディスクロータ1
0の外周部にはキャリパ12が跨設されており、そのキ
ャリパ12は図示しない非回転部材に固定された支持部
材14に一対のスライドピン(図示せず)等を介してデ
ィスクロータ10の軸心と平行な方向の移動可能に支持
されている。キャリパ12は、第1シリンダボア16を
有し、その第1シリンダボア16内に全体として有底円
筒状を成すピストン18が軸心回りの回転不能な状態で
一方向の突出し可能に嵌合されたシリンダ部20と、そ
のシリンダ部20のピストン18の突出し方向と反対側
の端部においてシリンダ部20に一体に設けられた突出
部22と、シリンダ部20のピストン18突出し方向の
端部から一体に延び出してディスクロータ10を間にし
てシリンダ部20と対向する二股状の爪部24とを備え
ている。キャリパ12の内側、すなわちピストン18と
爪部24との間には、一対のパッド26,28がディス
クロータ10を挟んだ状態で配設されており、それらパ
ッド26,28は前記支持部材14によりディスクロー
タ10の軸心と平行な方向の移動可能に支持されてい
る。
【0013】上記ピストン18の内部には、全体として
円筒状を成し、一端部側外周面に外向きフランジ30を
有するアジャストナット32がその外向きフランジ30
がピストン18の底部側に位置する状態で、ピストン1
8に対する軸方向の相対移動可能かつ軸心回りの相対回
転不能に設けられている。アジャストナット32の外向
きフランジ30とピストン18の内周面との間には、そ
のピストン18の内周面に嵌め付けられた止め輪34お
よび座金36を介してスプリング38が予圧状態で設け
られており、アジャストナット32はこのスプリング3
8の付勢力に従ってピストン18の底部に押し付けられ
ている。
【0014】上記シリンダ部20の内部には、更に、第
1シリンダボア16と同心に第2シリンダボア40およ
び第3シリンダボア42が順次形成されており、第1シ
リンダボア16,第2シリンダボア40,第3シリンダ
ボア42の順で径が小さくされている。これらの3つの
シリンダボア16,40,42内にはアジャストボルト
44が配設されている。アジャストボルト44は、雄ね
じ部46と、その雄ねじ部46より大径の嵌合部48
と、その嵌合部48より更に大径であって且つ雄ねじ部
46から離隔する程径が小さくなるテーパ状外周面50
を有する頭部52とを備えており、雄ねじ部46がアジ
ャストナット32に軸方向において所定の間隙を有する
状態で螺合されている。
【0015】上記第3シリンダボア42内には、軸心方
向の一端部側にテーパ状内周面54を有し且つ他端部側
に係合凹所56を有する可動部材58が軸心方向の移動
可能に嵌合されている。可動部材58の外周面には、第
3シリンダボア42側の端面から軸方向中間部まで可動
部材58の軸心と平行な方向に沿って延びる係合溝59
が形成されているとともに、シリンダ部20の第3シリ
ンダボア42に対応する位置には、シリンダ部20の
表面から第3シリンダボア42の内周面に貫通する雌ね
じ穴60が形成されている。そして、シリンダ部20の
外側から止めねじ61が雌ねじ穴60に締め付けられる
ことにより、図1および図2に示すように、第3シリン
ダボア42の内周面から突き出させられた止めねじ61
の先端部が可動部材58の係合溝59内に、その係合溝
59の幅方向において僅かな間隙を有し且つ係合溝59
の長手方向の移動可能な状態で挿し入れられている。本
実施例においては、上記雌ねじ穴60が貫通穴に相当す
るとともに、上記止めねじ61が回止めピンに相当し、
上記第1シリンダボア16,第2シリンダボア40,お
よび第3シリンダボア42がクレームにおけるシリンダ
ボアを構成する。なお、図2においては、便宜上、第3
シリンダボア42の内周面と可動部材58の外周面との
間の間隙は実際より大きく描かれている。
【0016】上記第1シリンダボア16と第2シリンダ
ボア40との間の内周面に止め輪62により一方向の移
動不能に取り付けられた座金64とアジャストボルト4
4の嵌合部48との間には、一対の座金66,68に挟
まれたスラストベアリング70を介してスプリング72
が予圧状態で設けられており、これにより、スプリング
72の付勢力に従ってアジャストボルト44がピストン
18底部側と反対側へ付勢されて、アジャストボルト4
4のテーパ状外周面50が可動部材58のテーパ状内周
面54に押し付けられるようになっている。アジャスト
ボルト44のテーパ状外周面50は第1テーパ面に相当
し、可動部材58のテーパ状内周面54は第2テーパ面
に相当する。なお、上記スプリング72のばね定数は上
記スプリング38のばね定数より小さくされている。
【0017】上記突出部22の内部には、第3シリンダ
ボア42等の軸心と直角な方向に延びる取付穴74が第
3シリンダボア42の底部と連通する状態で設けられて
おり、その取付穴74内にはカム軸76がニードルベア
リング78を介して軸心回りの回転可能に設けられてい
る。カム軸76の一端部であって突出部22の外側に位
置する部分には、図示しないパーキングブレーキ操作部
材からパーキングケーブル79を介してパーキングブレ
ーキ操作力が伝達されるレバー部材80が相対回転不能
に取り付けられている。カム軸76の外周面の長手方向
中間部には偏心した位置を底部とする係合切欠82が形
成されており、その係合切欠82の底部と可動部材58
の係合凹所56の底部との間にはトグル84が設けられ
ている。なお、86は、ピストン18の外周面と第1シ
リンダボア16の内周面との間を液密にシールするとと
もにピストン18の戻し作用を為すピストンシールであ
り、88はダストブーツである。
【0018】上記第2シリンダボア40の内周面とアジ
ャストボルト44の嵌合部48の外周面との間には、環
状の隔壁部材90が、止め環62および座金64と第2
シリンダボア40および第3シリンダボア42間の段付
面とにより第2シリンダボア40に対する軸方向の相対
移動が規制された状態で且つアジャストボルト44に対
して軸方向の相対移動可能に嵌合されており、隔壁部材
90と第2シリンダボア40の内周面およびアジャスト
ボルト44の嵌合部48の外周面との間はOリング94
およびカップシール98にて液密に封止されている。こ
れにより、隔壁部材90を間にして、アジャストボルト
44の雄ねじ部46やピストン18等が設けられた第1
シリンダボア16内に液圧室100が形成されていると
ともに、アジャストボルト44の頭部52や可動部材5
8等が設けられた第3シリンダボア42内に大気圧室1
02が形成されており、液圧室100内にブレーキ液圧
が供給されたときには、その液圧に応じた可動部材58
側への推力がアジャストボルト44に作用させられるよ
うになっている。
【0019】次に、上記パーキングブレーキ機構付きデ
ィスクブレーキの作動を説明する。まず、パーキングブ
レーキ操作時においては、レバー部材80によりカム軸
76が図1において右回りに回転させられると、カム軸
76によりトグル84が図1において左側へ押動され、
そのトグル84に生じた推力が可動部材58,アジャス
トボルト44,およびアジャストナット32を介してピ
ストン18に伝達されてピストン18が突き出される。
これにより、一方のパッド28がディスクロータ10に
押し付けられるとともに、その反力でキャリパ12がピ
ストン18の突出し方向と反対方向へ移動させられて他
方のパッド26がディスクロータ10に押し付けられる
ことによりパーキングブレーキが作動させられる。
【0020】上記ディスクブレーキのサービスブレーキ
操作時においては、液圧室100内に供給されたブレー
キ液圧によりピストン18が突き出されて上記の場合と
同様にして制動が行われる。このとき、ピストン18の
外周面とピストンシール86との間に相対的な滑りを生
じないピストン18の予め定められた移動範囲内の突出
し時においては、アジャストナット32がスプリング3
8によりピストン18の底部に押し付けられた状態でピ
ストン18と一体的に作動させられるとともに、アジャ
ストナット32とアジャストボルト44との間の前記軸
方向の間隙(がたつき)によりアジャストナット32と
アジャストボルト44との間には軸力が作用しない。一
方、ブレーキ液圧が予め定められた一定圧よりも低くて
そのブレーキ液圧およびスプリング72によるアジャス
トボルト44に対するピストン18底部側と反対側への
付勢力がスプリング38の付勢力より小さい場合におい
て、パッド26,28の磨耗によりピストン18が前記
予め定められた移動範囲を超えて突き出されてピストン
18の外周面とピストンシール86との間に相対的な滑
りを生じた場合には、アジャストナット32とアジャス
トボルト44との間に軸力が生じてアジャストボルト4
4がブレーキ液圧およびスプリング72の付勢力に抗し
てピストン18底部側へ移動させられ、これにより、ア
ジャストボルト44のテーパ状外周面50が可動部材5
8のテーパ状内周面54から離れて、テーパ状外周面5
0がテーパ状内周面54とテーパ嵌合するまでアジャス
トボルト44がブレーキ液圧およびスプリング72の付
勢力に従って一方向へ回転させられることにより、レバ
ー部材80の回動量ひいては前記パーキングブレーキ操
作部材の操作ストロークが自動的に調節されるようにな
っている。この実施例では、上記スプリング38が連動
手段に相当し、液圧室100に供給されるブレーキ液圧
およびスプリング72が付勢手段に相当する。
【0021】また、ブレーキ液圧が過大となると、パッ
ド26,28の磨耗に拘らずキャリパ12の変形等に起
因してピストン18が前記予め定められた移動範囲を超
えて突き出される場合があるが、ブレーキ液圧が大きく
なって前記予め定められた一定圧を超えると、そのブレ
ーキ液圧およびスプリング72によるアジャストボルト
44に対するピストン18底部側と反対側への付勢力が
スプリング38の付勢力より大きくなって、ピストン1
8の突出しに伴ってスプリング38が圧縮されつつアジ
ャストナット32がピストン18の底部から離れ且つア
ジャストボルト44のテーパ状外周面50が可動部材5
8のテーパ状内周面54に強く押し付けられることによ
り、それらテーパ状外周面50とテーパ状内周面54と
の間の摩擦力に基づいてアジャストボルト44の回転が
阻止されてパーキングブレーキ操作部材の操作ストロー
クのオーバアジャストが防止されるようになっている。
【0022】このように本実施例によれば、可動部材5
8の外周面に設けられた係合溝59にその可動部材58
の外周側からシリンダ部20に一体的に取り付けられた
止めねじ61の先端部が挿し入れられることにより可動
部材58の軸心回りの回転が阻止されるので、可動部材
のシリンダボア底部と対向する面に突設された回止めピ
ンをシリンダボア底部に設けられた有底穴内に挿し入れ
る従来の場合において回止めピンと有底穴との同軸度を
考慮するように、回止めピン61および係合溝59の同
軸度を考慮する必要がない。これにより、係合溝59と
止めねじ61との間の係合溝59幅方向のがたつきを充
分に小さくすることができ、しかも、その係合溝59と
止めねじ61との間の係合溝59幅方向のがたつき以外
の部材間のがたつきによって可動部材58が軸心回りに
回転させられることはないことから、可動部材58の軸
心回りの回転を好適に防止することができて、パーキン
グブレーキ操作ストロークが不要に大きくなるのを好適
に防止することができる。
【0023】また、本実施例によれば、可動部材58の
テーパ状内周面54が形成された端部に径方向の両端に
おいて開口するキー溝を設けたりする必要がないため、
パーキングブレーキ操作時に可動部材58のテーパ状内
周面54が外周側へ開いてパーキングブレーキ操作スト
ロークが不要に大きくなるのを好適に防止することがで
きる。
【0024】また、本実施例によれば、止めねじ61の
先端部が挿し入れられる係合溝59は可動部材58の外
周面に加工され且つ止めねじ61が締め付けられる雌ね
じ穴60はシリンダ部20の外表面から加工されるた
め、回止めピンが挿し入れられる有底穴をシリンダボア
の奥深い底部に形成したりする従来の場合に比べてドリ
ル等の加工工具の剛性が好適に得られることから、係合
溝59および雌ねじ穴60の加工を容易に行うことがで
きるとともにそれらの加工精度を好適に確保することが
できる。
【0025】また、本実施例によれば、止めねじ61が
螺合される雌ねじ穴60は第3シリンダボア42の内周
面の底部側からシリンダ部20の外側へ開口させられて
いるので、アジャストボルト44の嵌合部48の外周面
に嵌合された隔壁部材90を第3シリンダボア42内に
組み付ける際に、止めねじ61を緩めておけば、大気圧
室102内の空気が雌ねじ穴60から外部へ排出されて
大気圧室102内の圧力上昇が防止されるため、組付け
作業を容易に為し得る利点がある。
【0026】また、本実施例によれば、アジャストボル
ト44と可動部材58との間のテーパ嵌合部分が大気圧
室102に設けられているので、かかるテーパ嵌合部分
が液圧室に設けられる場合に比べて、液圧室100内の
エア抜き性が一層向上する。この場合において、液圧室
100および大気圧室102を形成するためのシリンダ
部20内の分割は、シリンダボア内周面に環状突出部を
突設したりすることなく、第2シリンダボア40の内周
面とアジャストボルト44の嵌合部48の外周面との間
に隔壁部材90を嵌合することにより行われるため、デ
ィスクブレーキの組立て時においては可動部材58をピ
ストン18と同様に第1シリンダボア16の開口側から
組み付けることができる。これにより、可動部材58を
第3シリンダボア42に嵌合するためにその第3シリン
ダボア42の第2シリンダボア40と反対側の端部を開
口させる必要がなく、第3シリンダボア42内に形成さ
れた大気圧室102すなわちその大気圧室102内に配
設されるアジャストボルト44と可動部材58とのテー
パ嵌合部分をシリンダボア底部側に設けることができる
ことから、ダストブーツ等を設けたりしなくても前記テ
ーパ嵌合部分への泥水等の侵入を確実に防止することが
できる。
【0027】また、本実施例によれば、シリンダボア1
6,40,42は軸心方向の一方の側(第1シリンダボ
ア16の開口側)から加工されることとなるため、隔壁
部材90と同様に機能する環状突出部をシリンダボアの
内周面に形成するためにそのシリンダボアを軸心方向両
側から加工する場合に比べて、シリンダボア16,4
0,42を容易に加工することができる。
【0028】次に、本考案の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において前述の実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】図3においては、パーキングケーブルブラ
ケット104をシリンダ部20に固定するためのボルト
106が前記止めねじ61と同様に機能する回止めピン
を兼ねている。このようにすれば、部品点数を増大させ
ることなく前述の実施例と同様の効果が得られる。
【0030】また、前記実施例では、シリンダ部20に
設けられた雌ねじ穴60に止めねじ61が螺合により一
体的に取り付けられているが、必ずしもその必要はな
く、たとえば図4に示すように、シリンダ部20に設け
られた貫通穴108に円柱状の回止めピン110を圧入
してもよい。
【0031】以上、本考案の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本考案はその他の態様においても適用され
る。
【0032】たとえば、前記実施例では、可動部材58
の外周面には軸方向一端面において開口する係合溝59
が形成されているが、必ずしもその必要はなく、たとえ
ば、軸方向両端において共に開口あるいは閉塞するよう
に係合溝を形成することも可能である。
【0033】また、前記実施例では、可動部材58は第
3シリンダボア42の内周面に僅かな間隙を有して嵌合
されているが、第3シリンダボア42内にその内周面と
の間に比較的大きな間隙を有して収容されていても差し
支えない。
【0034】また、前記実施例では、アジャストボルト
44のテーパ状外周面50と可動部材58のテーパ状内
周面54との間のテーパ嵌合部分(コーンクラッチ)が
大気圧室102に設けられ且つパーキングブレーキ操作
ストロークのオーバアジャスト防止機能を備えたパーキ
ングブレーキ機構付きディスクブレーキに本考案が適用
された場合について説明したが、本考案は、アジャスト
ボルトと可動部材との間のコーンクラッチが液圧室に設
けられたパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキ
やパーキングブレーキ操作ストロークのオーバアジャス
ト防止機能を備えていないパーキングブレーキ機構付き
ディスクブレーキにおいても適用し得ることは勿論であ
る。
【0035】その他、本考案はその趣旨を逸脱しない範
囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案が適用されたパーキングブレーキ機構付
きディスクブレーキの一例を示す図であって、要部を示
す断面図である。
【図2】図1のII−II視断面を拡大して示す図であ
る。
【図3】本考案の他の例を示す図であって、図1の要部
に対応する図である。
【図4】本考案の更に他の例を示す図であって、図1の
要部に対応する図である。
【符号の説明】
{16 第1シリンダボア,40 第2シリンダボア,
42 第3シリンダボア}シリンダボア 18 ピストン 20 シリンダ部 32 アジャストナット38 スプリング(連動手段) 44 アジャストボルト 46 雄ねじ部 50 テーパ状外周面(第1テーパ面) 54 テーパ状内周面(第2テーパ面) 58 可動部材 59 係合溝 60 雌ねじ穴(貫通穴) 61 止めねじ(回止めピン)72 スプリング(付勢手段) 106 ボルト(回止めピン) 108 貫通穴 110 回止めピン

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ部に形成されたシリンダボア内
    に一方向への突出し可能に嵌合された有底円筒状のピス
    トンと、該ピストン内に軸心回りの回転不能に設けられ
    たアジャストナットと、常には該アジャストナットを該
    ピストンと一体的に移動させる連動手段と、一端部側に
    雄ねじ部を有するとともに他端部側に第1テーパ面を有
    し、該雄ねじ部が該ピストン内に挿入され且つ該アジャ
    ストナットに軸方向において所定の間隙を有する状態で
    螺合されたアジャストボルトと、該アジャストボルトの
    他端部と軸方向に対向するように該軸方向の移動可能か
    つ軸心回りの回転不能に前記シリンダボア内に設けら
    れ、該アジャストボルトの前記第1テーパ面とテーパ嵌
    合可能な第2テーパ面を有する可動部材と、該アジャス
    トボルトを該可動部材に接近する方向へ付勢して常には
    前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とをテーパ嵌合さ
    せる付勢手段とを備え、パーキングブレーキ操作部材か
    らの操作力が前記可動部材,アジャストボルト,および
    アジャストナットを介して前記ピストンに伝達される
    、該ピストンが突き出されてパーキングブレーキを作
    動させる一方、前記シリンダボア内の液圧により該ピス
    トンが突き出されるサービスブレーキ時に前記所定の間
    隙を超えて前記アジャストナットが該ピストンと共に移
    動させられると、前記付勢手段の付勢力に抗して前記ア
    ジャストボルトが前記可動部材から離間させられ、前記
    第1テーパ面と前記第2テーパ面とが非嵌合になるとと
    もに、該付勢手段により該アジャストボルトが該可動部
    材側へ付勢されることにより該アジャストボルトが該ア
    ジャストナットに対して一方向へ回転しながら該可動部
    材側へ移動させられ、これにより前記パーキングブレー
    キ操作部材の操作ストロークを自動調節する形式のパー
    キングブレーキ機構付きディスクブレーキであって、 前記可動部材の外周面に設けられ、該可動部材の軸心と
    平行な方向に延びる係合溝と、 前記シリンダ部に設けられ、該シリンダ部の外表面から
    前記シリンダボアの前記可動部材が配設された内周面に
    貫通する貫通穴と、 該貫通穴に一体的に取り付けられて前記シリンダボアの
    内周面から前記可動部材の係合溝内へ突き出し、該係合
    溝の内壁との係合に基づいて該可動部材の軸心回りの回
    転を阻止するための回止めピンとを含むことを特徴とす
    るパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキ。
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