JP2556568Y2 - 流体継手 - Google Patents

流体継手

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JP2556568Y2
JP2556568Y2 JP5090591U JP5090591U JP2556568Y2 JP 2556568 Y2 JP2556568 Y2 JP 2556568Y2 JP 5090591 U JP5090591 U JP 5090591U JP 5090591 U JP5090591 U JP 5090591U JP 2556568 Y2 JP2556568 Y2 JP 2556568Y2
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working fluid
labyrinth groove
working
coupling
chamber
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JP5090591U
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JPH053661U (ja
Inventor
泰史 桧山
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株式会社ユニシアジェックス
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、流体継手、特に、自動
車用内燃機関の冷却ファンを駆動するファンカップリン
グ装置等に用いて好適な流体継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の流体継手としては、例え
ば、実公昭59−39218号に記載されたものが知ら
れている。
【0003】かかる流体継手は、作動室内に位置するフ
ァン駆動軸(駆動部材)側のロータとカップリングハウ
ジング(従動部材)との対向部に、ラビリンス溝を形成
する対の突条を設け、前記作動室に、開閉制御可能な流
入通路と戻し通路とを介して作動流体の貯留室を連通さ
せ、更に、前記対の突条に、ラビリンス溝を部分的に狭
小なものとする油かき要素を設けている。
【0004】そして、ラジエータ通過後の空気温度に応
じて流入通路の開閉制御を行うことにより、貯留室から
作動室への作動流体の流入量を調整して、ロータからカ
ップリングハウジングへの伝達トルクを可変とし、また
戻し通路を通して、作動室内の作動流体を貯留室内に戻
すようにしている。また、油かき要素は、流入通路が閉
じられたエンジンの始動時等において、ラビリンス溝内
に残留する作動流体をかき取って、トルクの伝達をほぼ
完全に遮断するようになっている。つまり、この油かき
要素は、ラビリンス溝内に残留する作動流体によってト
ルクが不要に伝達されることを防止するものであり、そ
の不要なトルク伝達によるカップリングハウジングの回
転は連れ回りと称されて、エンジンの始動時等における
暖機特性を悪化させる原因となる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところが、油かき要素
は、ラビリンス溝を部分的に狭くすることになるため、
その分、摩擦抵抗が増大してエンジンの馬力損失を招く
と共に、長時間の機関停止後の再始動時に、ラビリンス
溝内に残留する作動流体の流動抵抗が増して、カップリ
ングハウジングの連れ回りが生じてしまうという問題が
あった。しかも、ラビリンス溝を形成する突条に、油か
き要素を付設しなければならないため、構造が複雑とな
り、製造工程の複雑化を招来するという問題もあった。
【0006】本考案の目的は、動力の損失を招くことな
く、ラビリンス溝内の作動流体の残留に起因する従動部
材の連れ回りを確実に防止することができ、しかも構造
が簡単な流体継手を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案の流体継手は、相
対回転自在に配備された駆動部材と従動部材との対向部
位に、作動流体の作動室内に位置してラビリンス溝を形
成する対の突部が設けられ、前記作動室に、開閉制御可
能な作動流体の供給通路と戻し通路とを介して作動流体
の貯留室が連通された流体継手において、前記対の突部
の少なくとも一方の基端部分にスリットを形成したこと
を特徴とする。
【0008】
【作用】本考案の流体継手は、作動室内にてラビリンス
溝を形成する駆動部材側および従動部材側の対の突部の
内、少なくとも一方側の突部の基端部分にスリットを設
けたことにより、駆動部材の回転開始時に、作動室内に
残留していた作動流体を前記スリットを通して遠心力に
よりラビリンス溝の外へ速やかに排出する。
【0009】この結果、動力の損失を招くことなく、ラ
ビリンス溝内の作動流体の残留に起因する従動部材の連
れ回りを確実に防止し、例えば、本考案の流体継手を自
動車のファンカップリングとして用いた場合には、エン
ジンの馬力損失を招くことなく、エンジンの始動時等に
おける暖気特性を向上させることになる。
【0010】更に、ラビリンス溝を形成する突部にスリ
ットを設けるだけでよいため、構造の簡素化を可能とす
る。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本考案の一実施例を詳
細に説明する。本実施例は、自動車のファンカップリン
グとしての適用例である。
【0012】図において、1はVベルトプーリ等が取付
けられるフランジを備えた駆動部材たる駆動軸、3は該
駆動軸1にベアリング5を介して回転自在に支持され、
その外周に冷却ファンが取付けられる従動部材たるハウ
ジング、7は上記駆動軸1の前端に固着され、上記ハウ
ジング3内の後述する作動室9に収納配置されたディス
クである。上記ハウジング3は、上記ベアリング5に直
接軸受されるボディ部11と、該ボディ部11の前端に
カシメられて連結されたカバー部13とを備え、内部は
仕切板15によって前側の貯留室17と後側の上記作動
室9とに隔成されている。
【0013】そして、上記ディスク7の外周端近傍部と
カバー部13の内端壁には、互いに所定間隙をもって噛
合する複数の環状突起7Aおよび13Aがそれぞれ形成
されており、両突起7Aおよび13A間でラビリンス溝
を構成し、シリコンオイル等の作動流体の粘性抵抗を得
て流体継手として作用するようになっている。
【0014】ディスク7側の環状突起7Aは、ディスク
7の周方向に沿う90°間隔の4箇所7Bが放射状に切
欠かれており、その切欠き箇所7Bを通って、遠心力を
受けた作動流体がディスク7の外周端側に流動するよう
になっている。更に、環状突起7Aの基端部分、つまり
ディスク7との結合部分には、複数のスリット7Cが形
成されている。本例の場合は、ディスク7の周方向に沿
う45°間隔の8箇所にスリット7Cが形成されてい
る。これらのスリット7Cは、例えば切削等の加工法に
よって形成されている。また、ディスク7には、その周
方向に沿う60°間隔の6箇所に円孔7Dが設けられて
いる。
【0015】一方、上記カバー部13には、貯留室17
と作動室9とを連通する屈曲状の供給通路19および戻
し通路21が設けられ、後者の戻し通路21の作動室9
側開口端の周方向片側には、突起23が設けられてい
る。この突起23は、上記ディスク7の側端面との間で
ポンプ機構を構成している。
【0016】さらに、上記仕切板15には、貯留室17
と作動室9とを連通する第1,第2および第3の連通孔
24,25および26が形成されている。また、貯留室
17および作動室9の内部は、サブプレート41および
プラグプレート42によって仕切られている。サブプレ
ート41は、供給通路19と第3の連通孔26とを連通
させ、かつ戻し通路21を貯留室17を介して第1およ
び第2の連通孔24および25に連通させるように、貯
留室17の内部を仕切っている。一方、プラグプレート
42は、第2および第3の連通孔25および26を連通
させるように、仕切板15に取付けられている。これに
より、貯留室17内の作動流体が作動室9内に流入する
ための通路として、第1の連通孔24を通る第1の通路
と、第2,第3の連通路25,26および供給通路19
を通る第2の通路とが形成されている。
【0017】そして、カバー部13の略中央に、外側の
渦巻状バイメタル27の中心端が固定された回転軸29
が軸受され、また、この回転軸29の内端部には、上記
第1および第2の連通孔24および25を開閉するバル
ブプレート31が支持されている。渦巻状バイメタル2
7は、その外周端がカバー部13の定位置に固定されて
おり、図示しないラジエータを通過した空気の温度を感
知し、その温度に応じて、回転軸29をバルブプレート
31と共に回動させるようになっている。
【0018】次に、作用について説明する。
【0019】まず、エンジンの始動直後等、すなわちエ
ンジンによって駆動される駆動軸1の回転開始の直後等
において、バイメタル27付近の雰囲気温度が低い場合
には、バルブプレート31がバイメタル27の作用によ
り第1および第2の連通孔24および25を閉塞して作
動流体の循環を実質上停止させる。その際、ラビリンス
溝内に残留していた作動流体は、遠心力によりスリット
7Cを通ってディスク7の外方へ流動し、前述したポン
プ機構により戻し通路21を経て貯留室17内に送り出
される。この結果、ラビリンス溝内に残留していた作動
流体は、エンジンの始動と同時に速やかに排出され、そ
の残留していた作動流体によるハウジング3の連れ回り
がなくなり、そのハウジング3は、必要以上に高速回転
することなく、冷却ファンと共に低速回転する。したが
って、エンジンの始動時における暖機特性が向上するこ
とになる。
【0020】次いで、バイメタル27付近の雰囲気温度
が上昇してくると、バルブプレート31が第1および第
2の連通孔24および25を徐々に開成し、貯留室17
内の作動流体が連通孔25から作動室9内に流入するこ
とになる。そして、この流入量に応じた駆動トルクが発
生し、ハウジング3、ひいては冷却ファンが高速回転す
る。その際、ラビリンス溝に供給される作動流体は、遠
心力によりスリット7Cを通ってディスク7の外周部側
のラビリンス溝内に導かれることになる。そのディスク
7の外周部側に位置するラビリンス溝は効率良くトルク
を伝達するため、結局、ハウジング3、ひいては冷却フ
ァンの回転速度が充分に高くなって、エンジンの冷却効
率が向上することになる。
【0021】なお、スリット7Cの高さH(図4参
照)、長さ、形状あるいは形成数などは、種々の条件に
応じて適宜変更する。例えば、環状突起7Aの全周中に
おける複数のスリット7Cの長さの合計は、環状突起7
Aの全周の1/4〜1/2程度とすることが好ましい。
また、スリット7Cは、環状突起7A側と共に、あるい
は環状突起7A側に代えて、カバー部13の環状突起1
3A側に設けてもよい。
【0022】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の流体継手
は、作動室内にてラビリンス溝を形成する駆動部材側お
よび従動部材側の対の突部の内、少なくとも一方側の突
部の基端部分にスリットを設けた構成であるから、駆動
部材の回転開始時に、作動室内に残留していた作動流体
を前記のスリットを通して遠心力によりラビリンス溝の
外へ速やかに排出することができる。
【0023】この結果、動力の損失を招くことなく、ラ
ビリンス溝内の作動流体の残留に起因する従動部材の連
れ回りを確実に防止することができる。したがって、例
えば、本考案の流体継手を自動車のファンカップリング
として用いた場合には、エンジンの馬力損失を招くこと
なく、エンジンの始動時等における暖気特性を向上させ
ることができる。
【0024】しかも、ラビリンス溝を形成する突部にス
リットを設けるだけでよいため、構造が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1に示すディスクの平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 駆動軸(駆動部材) 3 ハウジング(従動部材) 7 ディスク 7A 環状突起 7C スリット 9 作動室 11 ボディ部 13 カバー部 13A 環状突起 17 貯留室 19 供給通路 21 戻し通路

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対回転自在に配備された駆動部材と従
    動部材との対向部位に、作動流体の作動室内に位置して
    ラビリンス溝を形成する対の突部が設けられ、前記作動
    室に、開閉制御可能な作動流体の供給通路と戻し通路と
    を介して作動流体の貯留室が連通された流体継手におい
    て、 前記対の突部の少なくとも一方の基端部分にスリットを
    形成したことを特徴とする流体継手。
JP5090591U 1991-07-02 1991-07-02 流体継手 Expired - Lifetime JP2556568Y2 (ja)

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JPH053661U JPH053661U (ja) 1993-01-19
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