JP2555194Y2 - 流体継手 - Google Patents

流体継手

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JP2555194Y2
JP2555194Y2 JP8346091U JP8346091U JP2555194Y2 JP 2555194 Y2 JP2555194 Y2 JP 2555194Y2 JP 8346091 U JP8346091 U JP 8346091U JP 8346091 U JP8346091 U JP 8346091U JP 2555194 Y2 JP2555194 Y2 JP 2555194Y2
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俊男 播磨
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株式会社ユニシアジェックス
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、流体継手、特に、自動
車用内燃機関の冷却ファンを駆動するファンカップリン
グ装置等に用いて好適な流体継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の流体継手としては、例え
ば、特開昭57−163733号公報に記載されたもの
が知られている。
【0003】かかる流体継手は、作動室内に位置するフ
ァン駆動軸(駆動部材)側のロータとケーシング(従動
部材)との対向部に、ラビリンス溝を形成する対の突条
を設け、前記作動室に、開閉制御可能な流入通路と戻し
通路とを介して作動流体の貯留室を連通させ、更に、前
記ロータおよびケーシングを熱膨張率の異なる材料によ
って構成している。
【0004】そして、ラジエータ通過後の空気温度に応
じて流入通路の開閉制御を行うことにより、貯留室から
作動室への作動流体の流入量を調整して、ロータからケ
ーシングへの伝達トルクを可変とし、また戻し通路を通
して、作動室の作動流体を貯留室に戻すようにしてい
る。また、ロータおよびケーシングは、温度上昇に伴っ
てラビリンス溝を小さくするように熱膨張して、作動流
体の粘性の低下による作動流体の回転力伝達能力の低下
を補償するようになっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、一般の流体
継手にあっては、トルク伝達時にラビリンス溝内におい
て作動流体が発熱することになり、その発熱量は入力回
転数の上昇に伴って増大する。
【0006】ところが、上記従来の流体継手では、作動
流体の温度上昇時にラビリンス溝を小さくすることにな
るため、入力回転数が高いときに、作動流体の発熱量を
一層増大させて作動流体の劣化を招くおそれがあった。
【0007】本考案の目的は、作動流体の過度の発熱を
抑えて、その作動流体の劣化を防止することができる流
体継手を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案の流体継手は、相
対回転自在に配備された駆動部材と従動部材との対向部
位に、作動流体の作動室に位置してラビリンス溝を形成
する対の突部が設けられた流体継手において、前記駆動
部材および従動部材は、熱膨張率が異なる材料によって
構成され、かつ前記作動流体の温度上昇に伴う熱膨張差
によって前記作動流体による伝達トルクを減少させるよ
うに前記ラビリンス溝の形状を変化させるものであるこ
とを特徴とする。
【0009】
【作用】本考案の流体継手は、ラビリンス溝形成用の対
の突部が設けられた駆動部材および従動部材の熱膨張率
を異ならせ、そして作動流体の温度上昇に伴う両部材の
熱膨張差によって、作動流体による伝達トルクを減少さ
せるようにラビリンス溝の形状を変化させることによ
り、作動流体が高温となったときに、その作動流体の発
熱量を抑えて、作動流体の劣化を防止する。
【0010】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0011】図1から図3は、本考案の第1の実施例を
説明するための図である。本実施例は、自動車のファン
カップリングとしての適用例である。
【0012】本実施例において、1はVベルトプーリ等
が取付けられるフランジを備えた駆動部材たる駆動軸、
3は該駆動軸1にベアリング5を介して回転自在に支持
され、その外周に冷却ファンが取付けられる従動部材た
るハウジング、7は上記駆動軸1の前端に固着され、上
記ハウジング3内の後述する作動室9に収納配置された
ディスクである。上記ハウジング3は、上記ベアリング
5に直接軸受されるボディ部11と、該ボディ部11の
前端にカシメられて連結されたカバー部13とを備え、
内部は仕切板15によって前側の貯留室17と後側の上
記作動室9とに隔成されている。ディスク7とカバー部
13は、熱膨張率が異なる材料によって構成されてお
り、本実施例の場合は、前者の方が後者よりも熱膨張率
が大きくなっている。
【0013】上記ディスク7の外周端近傍部とカバー部
13の内端壁には、互いに所定間隙をもって噛合する複
数の環状突起7Aおよび13Aがそれぞれ形成されてお
り、両突起7Aおよび13A間にて複数状の環状のラビ
リンス溝が構成されている。そして、それのラビリンス
溝内にて、シリコンオイル等の作動流体の粘性抵抗を得
て流体継手として作用するようになっている。両突起7
Aおよび13Aの噛合状態は、作動流体の温度に対応す
るディスク7とカバー部13の熱膨張差によって、図2
(a)および(b)に示すように変化する。その噛合状
態の変化については作用と共に後述する。
【0014】ディスク7側の環状突起7Aは、ディスク
7の周方向に沿う90°間隔の4箇所7Bが放射状に切
欠かれており、その切欠き箇所7Bを通って、遠心力を
受けた作動流体がディスク7の外周端側に流動するよう
になっている。また、ディスク7には、その周方向に沿
う60°間隔の6箇所に円孔7Dが設けられている。
【0015】一方、上記カバー部13には、貯留室17
と作動室9とを連通する屈曲状の供給通路19および戻
し通路21が設けられ、後者の戻し通路21の作動室9
側開口端の周方向片側には、突起23が設けられてい
る。この突起23は、上記ディスク7の側端面との間で
ポンプ機構を構成している。
【0016】さらに、上記仕切板15には、貯留室17
と作動室9とを連通する第1,第2および第3の連通孔
24,25および26が形成されている。また、貯留室
17および作動室9の内部は、サブプレート41および
プラグプレート42によって仕切られている。サブプレ
ート41は、供給通路19と第3の連通孔26とを連通
させ、かつ戻し通路21を貯留室17を介して第1およ
び第2の連通孔24および25に連通させるように、貯
留室17の内部を仕切っている。一方、プラグプレート
42は、第2および第3の連通孔25および26を連通
させるように、仕切板15に取付けられている。これに
より、貯留室17内の作動流体が作動室9内に流入する
ための通路として、第1の連通孔24を通る第1の通路
と、第2,第3の連通路25,26および供給通路19
を通る第2の通路とが形成されている。
【0017】そして、カバー部13の略中央に、外側の
渦巻状バイメタル27の中心端が固定された回転軸29
が軸受され、また、この回転軸29の内端部には、上記
第1および第2の連通孔24および25を開閉するバル
ブプレート31が支持されている。渦巻状バイメタル2
7は、その外周端がカバー部13の定位置に固定されて
おり、図示しないラジエータを通過した空気の温度を感
知し、その温度に応じて、回転軸29をバルブプレート
31と共に回動させるようになっている。
【0018】次に、作用について説明する。
【0019】本実施例のファンカップリングは、バイメ
タル27付近の雰囲気温度、および作動流体の温度に応
じて、伝達トルクを制御する。
【0020】まず、バイメタル27付近の雰囲気温度が
低いエンジン始動直後等においては、バルブプレート3
1がバイメタル27の作用により第1および第2の連通
孔24および25を閉塞して作動流体の循環を実質上停
止させる。その際、ラビリンス溝内に残留していた作動
流体は、遠心力により切欠き箇所7Bを通ってディスク
7の外方へ流動し、前述したポンプ機構により戻し通路
21を経て貯留室17内に送り出される。この結果、ラ
ビリンス溝内に残留していた作動流体は、エンジンの始
動と同時に排出され、ハウジング3は冷却ファンと共に
低速回転する。
【0021】次いで、バイメタル27付近の雰囲気温度
が上昇した場合には、バルブプレート31が第1および
第2の連通孔24および25を徐々に開成し、貯留室1
7内の作動流体が連通孔25から作動室9内に流入する
ことになる。そして、この流入量に応じた駆動トルクが
発生し、ハウジング3、ひいては冷却ファンが高速回転
する。
【0022】一方、作動流体の温度が低いときには、図
2(a)に示すように、カバー部13側の環状突起13
Aに対して、ディスク7側の環状突起7Aが径方向内方
側(矢印A2方向側)に片寄った状態で噛合している。
したがって、径方向において隣接する2つの環状突起1
3A,13Aを基準とした場合、その2つの環状突起1
3A,13Aの間の隙間W0 に位置するディスク7側の
環状突起7Aは、径方向内方側に片寄って、その径方向
内方側の環状突起13Aとの間の隙間W1 を径方向外方
側(矢印A1方向側)の環状突起13Aとの間の隙間W
2 よりも小さくする。この結果、小さな隙間W1 におい
て大きな伝達トルクが発生する。
【0023】次いで、入力回転数が上昇する自動車の高
速走行時等において、入力回転数の上昇に伴って作動流
体が高温となった場合には、その作動流体の温度に応じ
て、ディスク7が径方向外方側に比較的大きく熱膨張す
る。したがって、隣接する環状突起13A,13Aの間
の隙間W0 内において、径方向内方側の隙間W1 が漸次
大きくなる。そして、作動流体が最大温度となったとき
は、図2(b)に示すように、隣接する環状突起13
A,13Aの中央に環状突起7Aが位置して、隙間W1
およびW2 が等しくなる。この結果、入力回転数の上昇
に伴う作動流体の温度上昇に応じて伝達トルクが減少
し、ハウジング3ひいては冷却ファンの出力回転数が低
下して、作動流体の発熱量が減少する。したがって、作
動流体の温度上昇が抑えられて、その作動流体の劣化が
防止されることになる。
【0024】図3中の実線B1およびB2は、入力回転
数に対する作動流体の温度変化および出力回転数の関係
を示し、本実施例の場合は、隙間W1 が大きくなり始め
る時点Pから作動流体の温度と出力回転数が低下する。
同図3中の点線C1およびC2は、ディスク7とカバー
部13とを同じ熱膨張率の材料によって構成した従来の
ファンカップリングの特性を示し、入力回転数に応じて
作動流体の温度が上昇するため、その作動流体が劣化す
るおそれがある。なお、この従来例において、入力回転
数が所定以上に上昇したときに出力回転数が減少する理
由は、作動流体の温度上昇に伴う粘性の低下にある。
【0025】ところで、本実施例においては、作動流体
の温度上昇を抑えるために冷却ファンの回転数を低下さ
せるため、ラジエータの温度上昇が懸念される。しか
し、作動流体の温度は、入力回転数が上昇したとき、つ
まりエンジンの回転数が上昇する自動車の高速走行時等
において上昇することになるため、ラジエータは自動車
高速走行時の車速風によって冷却されることになり問題
はない。
【0026】図4(a)および(b)は、本考案の第2
の実施例を説明するための図であり、本実施例の場合
は、前述した第1の実施例とは逆に、カバー部13の方
がディスク7よりも熱膨張率が大きく、かつカバー部1
3側の環状突起13Aに対して、ディスク7側の環状突
起7Aが径方向外方側(矢印A1方向側)に片寄った状
態で噛合している。そして、作動流体の低温時は、図4
(a)に示すように、径方向において隣接する2つの環
状突起13A,13Aを基準とした場合、径方向外方側
の隙間W2 が径方向内方側(矢印A2方向側)の隙間W
1 よりも小さくなる。一方、入力回転数の上昇に伴って
作動流体が高温となった場合には、その作動流体の温度
に応じて、カバー部13が径方向外方側に比較的大きく
熱膨張して、隣接する環状突起13A,13Aの間の隙
間W0 内において、径方向内方側の隙間W2 が漸次大き
くなる。そして、作動流体が最大温度となったときは、
図4(b)に示すように、隣接する環状突起13A,1
3Aの中央に環状突起7Aが位置して、隙間W1 および
2 が略等しくなる。
【0027】したがって、前述した第1実施例の場合と
同様に、入力回転数の上昇に伴う作動流体の温度上昇に
応じて伝達トルクが減少し、ハウジング3ひいては冷却
ファンの出力回転数が低下して、作動流体の発熱量が減
少する。したがって、作動流体の温度上昇が抑えられ
て、その作動流体の劣化が防止されることになる。
【0028】なお、ラビリンス溝の形状や形成数は任意
であり、要は、作動流体の温度上昇に伴うディスク7と
カバー部13との熱膨張差によって、作動流体による伝
達トルクを小さくするようにラビリンス溝の形状を変化
できればよい。
【0029】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の流体継手
は、ラビリンス溝形成用の対の突部が設けられた駆動部
材および従動部材の熱膨張率を異ならせ、そして作動流
体の温度上昇に伴う両部材の熱膨張差によって、作動流
体による伝達トルクを減少させるようにラビリンス溝の
形状を変化させる構成であるから、作動流体が高温とな
ったときに、その作動流体の発熱量を抑えて、作動流体
の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例を示す縦断面図である。
【図2】図2(a)および(b)は、それぞれ図1のI
I円部の異なる動作状態を示す拡大断面図である。
【図3】図1に示す流体継手の作動特性の説明図であ
る。
【図4】図4(a)および(b)は、本考案の第2の実
施例を示す図2(a)および(b)と同様の図である。
【符号の説明】
1 駆動軸(駆動部材) 3 ハウジング(従動部材) 7 ディスク 7A 環状突起(突部) 9 作動室 11 ボディ部 13 カバー部 13A 環状突起(突部) 17 貯留室 19 供給通路 21 戻し通路

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対回転自在に配備された駆動部材と従
    動部材との対向部位に、作動流体の作動室に位置してラ
    ビリンス溝を形成する対の突部が設けられた流体継手に
    おいて、 前記駆動部材および従動部材は、熱膨張率が異なる材料
    によって構成され、かつ前記作動流体の温度上昇に伴う
    熱膨張差によって前記作動流体による伝達トルクを減少
    させるように前記ラビリンス溝の形状を変化させるもの
    であることを特徴とする流体継手。
  2. 【請求項2】 前記駆動部材と前記従動部材との対向部
    位の一方側に、径方向において隣接する対の第1突部を
    設け、 前記対向部位の他方側に、前記対の第1突部の間に位置
    しかつ該対の第1突部との間にて径方向内側および径方
    向外側の対のラビリンス溝を形成する第2突部を設け、 前記対のラビリンス溝の一方側は、他方側のラビリンス
    溝よりも溝幅が小さくかつ温度上昇に伴って徐々に溝幅
    が拡大するものであることを特徴とする請求項1に記載
    の流体継手。
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