JP2556193B2 - 中枢性疾患治療剤 - Google Patents

中枢性疾患治療剤

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は中枢性疾患治療剤に関する。
従来の技術 近年、老齢人口の増加と共に老人性痴呆症の患者数は
ますます増加する傾向にあり、社会的にも非常に重要な
問題となってきている。すなわち、1)患者数が増加の
一途をたどっていること、2)発症の原因が不明であ
り、的確な治療薬または治療法がなく難治であること、
などの理由により多くの関心を集めている。
老人性痴呆の臨床症状は場所、時間、人に対する見当
識障害や記憶障害に加え、意欲低下、情緒障害、うつ的
症状や行動異常などであり、それは多岐にわたってい
る。これまでの老人性痴呆の治療薬としては、向精神薬
(主として抗不安薬、抗うつ薬)、脳循環代謝改善薬な
どが繁用されているが、必ずしも満足できる効果は得ら
れていない。
また、小脳脊髄変性症に関してはサイロトロピン遊離
ホルモン(TRH)が有効であるとの報告はあるが(祖父
江逸郎:臨床神経、17:791−799,1977)投与量も多く、
連日の投与を必要とし、必ずしも満足できる効果は得ら
れていない。さらに、多くの副作用が発現する。
発明が解決しようとする課題 老人性痴呆や小脳脊髄変性症はその原因が不明のため
に的確な治療薬または治療方法がなく、中枢神経系の機
能異常であるとして、脳内の代謝あるいは神経伝達機能
の調整剤が用いられてはいるが、諸症状とくに記憶障害
の改善には結び付いていない。一般に薬物は血液脳関門
を通過しにくく、はっきりした効果をえるには多くの投
与量を必要とする。このため、脳以外の組織に作用し、
副作用が避けにくい。それゆえ、副作用が少なく、か
つ、僅かの投与量で有効性を発揮する薬物が求められて
きた。
本発明者らは、TRHおよびそのアナログを含有する徐
放性製剤について検討を加えて来たが(EP−A−O25672
6公報参照)、これらの徐放製剤により極微量の投与で
痴呆モデル動物の病状が顕著に改善、治療され、また脳
機能を賦活するという知見を得た。これにもとづいてさ
らに研究した結果、本発明を完成した。
課題を解決するための手段 本発明は、TRH作用を有するオリゴペプチドを投与後
持続的に体内に放出しうる老人性痴呆もしくは小脳脊髄
変性症治療用オリゴペプチド含有製剤を提供するもので
ある。
上記TRH作用を有するオリゴペプチドとして、例えば
[式中、Xは4,5または6員複素環基を、Yはイミダゾ
ール−4−イル,4−ヒドロキシフェニルまたはイソプロ
ピルを、R1,R2は同一または異なって水素もしくは低級
アルキルを、R3は水素または置換基を有していてもよい
アラルキルを、Zはメチレンまたは硫黄原子を示す]で
表わされる化合物が挙げられる。
Xで示される4,5,6員複素環基は窒素,酸素または
(および)硫黄原子を有していてもよく、例えば などが挙げられる。
R1およびR2で表わされる低級アルキルとしては、C1-3
アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピ
ル)が挙げられる。
R3で表わされる置換基を有していてもよいアラルキル
としては、フェニルC1-2アルキルなど例えば3,4−ジヒ
ドロキシフェニルエチルが挙げられる。
化合物(I)は2〜4のアミノ酸または誘導体もしく
は類似体からなる場合が好ましい。
化合物(I)に包含される化合物として、ピロGlu−H
is−ProNH2(TRH),α−ブチロラクトンカルボニル−H
is−ProNH2(DN−1417),オロチル−His−ProNH2(CG
−3509),2−メチルテトラヒドロチアジン−3−オン−
5−イルカルボニル−His−ProNH2(CG−3703),ピロG
lu−Tyr−ProNH2(Ro102928),ピロGlu−His−ProNH
(3,4−ジヒドロキシフェニルエチル)(Ro109430),
ピロGlu−His−(3,4−ジヒドロキシフェニルエチルア
ミノカルボニル)(Ro108802),ピロ−2−アミノアジ
ピル−His−チアゾリジン−4−カルボアミド(MK−77
1),ピロ−2−アミノアジピル−Leu−ProNH2(RGH−2
202),ピロGlu−His−(3−モノメチル)ProNH2(RX7
4355),ピロGlu−His−(3,3−ジメチル)ProNH2(RX7
7368),アゼチジノン−4−イルカルボニル−His−Pro
NH2(YM−14673)など[これらの化合物の性状について
はニューロファーマコロジー(Neuropharmocology),2
0,947−957(1981)および同誌,23,339−348(198
4),ブレーン・リサーチ・レビュー(Brain Research
Reviews),,389−403(1982),ブレーン・リサー
チ(Brain Research),486,228−235(1989),アルツ
ナイム・フォルシュング(Arzneim Forsch./Drug Re
s.),39,297−298(1989),EP−A−123,444公報参
照]が挙げられる。
とりわけ化合物(I)としてTRH,DN−1417,CG−3509
が好ましい。
上記化合物は遊離体でも、あるいはその塩でもよい。
とりわけ、遊離体またはpKa4以上の弱酸の塩が好まし
い。
本発明における上記オリゴペプチドを含有し、それら
を持続的に放出する製剤としては通常の徐放性製剤であ
ればよく、その形態、投与ルートには関係なく用いるこ
とができる。通常1週間以上の放出期間を有する徐放性
製剤を用いるが、1回の投与では1週間以上持続的に薬
物を放出しなくともそれらを頻回投与することで同様の
効果が得られれば、そのような製剤でもよい。しかし、
1回の投与では少なくとも24時間以上の持続的な放出を
する製剤が好ましく、より好ましくは1回の投与で2日
以上の持続的な放出をする製剤がよい。
このように持続的にTRHまたはその活性をもつ物質を
放出する製剤としては注射剤または埋め込み剤が挙げら
れる。薬物を高分子マトリックス中に分散した埋め込み
剤、それらを粉砕するかあるいは初めからマイクロスフ
ェアーもしくはマイクロカプセルとした注射剤が一般的
な製剤である。使用する高分子としては生体内分解性あ
るいは生体内溶解性のものがよく、(1)ポリ乳酸、ポ
リ乳酸・グリコール酸、ポリシアノアクリレート、ポリ
カプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリリンゴ酸、
ポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ポリオルソカーボネート、
無水マレイン酸系共重合物等の合成高分子、(2)アル
ブミン、ポリアミノ酸、コラーゲン、ゼラチン等の蛋白
質、(3)ポリアクリルスターチ、分解性スターチ、デ
キストラン、およびその誘導体、メチルセルロース、エ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アセ
チルセルロース、ニトロセルロース等の糖類等が挙げら
れる。
これらの徐放性製剤の製造方法としては通常用いられ
る方法でよい。薬物は高分子マトリックス中に均一に分
散あるいは溶解したものがよく、薬物および高分子を適
当な溶剤に均一に溶解し、溶剤を除去して成形した埋め
込み剤を調製する方法、あるいは薬物の水溶液を高分子
の非水溶媒を均一に混合または乳化し、溶媒および水を
除去した埋め込み剤を調製する方法が挙げられる。これ
らの埋め込み剤を粉砕して注射剤を調製することもでき
る。マイクロスフェアーの調製方法は相分離法、液中乾
燥法(溶媒除去法)、コアセルベーション法等の調製方
法が挙げられる。他の徐放性製剤としては経皮投与剤が
挙げられる。経皮投与剤としてはいわゆるパッチ剤ある
いは軟膏剤いずれもよいが、パッチ剤の方が長期間持続
的に薬物を放出するには好ましい。経皮投与剤は従来か
ら報告されている方法で調製される。使用される製剤基
剤としては、TRHまたはその活性をもつ物質を溶解また
は分散させやすい。プロピレングリコール、ソルビトー
ル液、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価ア
ルコール類、オリーブ油等の植物油、スクワレン、ラノ
リン等の動物油、流動パラフィン、ワセリン等の鉱物
油、その他の油脂、脂肪酸エステル等が用いられる。こ
のとき、経皮吸収の促進剤を使用してもよい。促進剤と
しては脂肪アルコール、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪
属モノアミン、エイゾン、等が挙げられる。
薬物の投与量は薬物の活性の度合いによって異なる
が、基本的な投与形態を1週間の徐放剤とした場合、1
回の投与量が0.35〜35mg(0.007〜0.7mg/kg体重)で十
分な効果が期待できる。後の実験結果に示すように、こ
のような持続的な剤形とすることで投与量は水溶液の連
日投与よりも低減できかつ、水溶液の連日投与では得ら
れなかった有効性が得られた。この場合1回の投与量が
0.05〜5mg(0.001〜0.1mg/kg体重)でも十分な効果が期
待できる。一般的にTRHの水溶液の連日投与では1回の
投与量が1〜4mgを1日2回投与されているので、1週
間の投与量としては14〜56mg(0.28〜1.12mg/kg体重)
に相当し、この投与量では副作用が多数出現し、かつ効
果も必ずしも満足できるものではなかったと報告されて
いる(高人田直彦他、“神経ペプチドの基礎と臨床”
(祖父江逸郎編),厚生省新薬開発研究出版、266頁〜2
72頁,1986年;祖父江逸郎、神経内科治療(4),303
〜309(1986))本発明のように投与量が低減すれば副
作用も当然低減することが期待できる。
製剤中の薬物含量はとくに規定はなく、持続的に長期
間にわたり放出すれば含量の高いほど好ましい。一般に
徐放性製剤は投与初期(0.5〜24時間)に含有している
薬物をその後の放出量に比較して、より多く放出する
(初期バーストと称される)。この初期バーストが多い
と副作用を引き起こすことが懸念され、投与6時間まで
の放出量は3mg以下とするのが好ましい。このため製剤
中の薬物含量は好ましくは0.1〜50%(w/w)、より好ま
しくは1〜20%(w/w)で用いられる。
本発明においては乳酸および(または)グリコール酸
のホモポリマーまたはコポリマーを用いてマイクロスフ
ェアー(マイクロカプセルとも称する)とし、水に懸濁
させて皮下投与することにより優れた活性を得ることが
できる。
作用および実施例 以下に、本発明を実験例および実施例によりさらに具
体的に説明するが、これらが本発明の範囲を制限するも
のでないことは言うまでもない。
実験例1 シクロヘキシイミドを投与し、健忘状態となったマウ
スに実施例2の製剤およびTRH水溶液を投与して治療効
果を比較した。
(実験方法) 雄性マウス(C57BL系、5週令)を用い、蛋白合成阻
害薬シクロヘキシイミド(60mg/kg)を皮下投与して誘
発される記憶障害モデルを作製した。記憶障害は受動的
回避学習試験法を用いて評価した。すなわち、明暗2室
からなる装置を用い、最初は明室にマウスを入れ、マウ
スが暗所を好む習性を利用し、暗室に移動したときその
2室の間のドアーを締め、電気ショックを床から与える
(獲得試行)。この獲得試行の30分前にシクロヘキシイ
ミドを投与した。その翌日、再びマウスを明室に入れ、
暗室へ移行するまでの時間を測定した(テスト試行)。
正常マウスは前日の電気ショックをよく記憶していたが
シクロヘキシイミド投与マウスはそれを想起できず、短
潜時で再び暗室へ移動した。この記憶障害に対する実施
例2のTRHマイクロカプセルをTRHとして0.008,0.04,0.2
mg/kg/dayの投与量でテスト試行9日前に1回皮下投与
した。また、比較のためTRHの水溶液を0.2mg/kg/dayの
投与量で毎日1回9日間連続皮下投与した。この両群に
ついて受動的回避学習試験を行った。
(結果) 表−1に示すように正常マウスのテスト試行時の潜時
は300秒(観察時間5分)であったのに対し、シクロヘ
キシイミド処置群の潜時は著しく短縮し平均17.4秒であ
った。この健忘に対しTRHマイクロカプセル持続性製剤
投与群では投与量に比例した改善が認められ、潜時は延
長した。0.04mg/kg/day以上の投与で統計的に有意差を
認めた。一方、TRH水溶液の連日皮下投与群ではTRHとし
て0.2mg/kg/day投与にもかかわらず潜時は全く延長され
なかった。
以上のように、TRHを持続的に放出する製剤は本健忘
症モデルの記憶障害に対し、極めて少量で有効性を示す
ことが判明した。
実験例2 ペントバルビタール睡眠短縮作用(脳機能賦活作用) (実験方法) 試料としては実施例2のTRHマイクロカプセル持続性
製剤を用いた。
(1)TRHマイクロカプセルの投与:実施例2のTRHマイ
クロカプセルを水性分散媒に分散し、TRHとして0.05,0.
2,0.5mg/kg/dayの投与量で雄性ラット(JCL:Wistar、7
週令)の背部皮下に注射した。その後、4,11,18,25日に
ペントバルビタール30mg/kgを尾静脈内に投与し、立ち
直り反射(righting reflex)の消失時間を睡眠時間と
して測定した。対照群には分散媒を投与した。
(2)TRH水溶液の投与:TRH酒石酸塩水溶液をTRHとして
3,10,20,50mg/kgを上記と同様のラット皮下に投与し、
立ち直り反射の消失時間を測定した。対照群には生理食
塩液を投与した。
(結果) 表−2、3に示すようにTRHマイクロカプセル持続性
製剤を投与した場合、0.05,0.2mg/kg/day投与では投与
4,11日後、0.5mg/kg/day投与では投与4,11,18日後にお
いて有意な睡眠時間の短縮が認められた。薬物の放出が
終了した25日後にはこれらの作用は消失した。一方、TR
H酒石酸塩水溶液の投与では用量依存的に睡眠時間は短
縮され、10mg/kg以上の用量で有意の作用が認められ
た。以上の結果から、TRHマイクロカプセル持続性製剤
は極めて低用量でペントバルビタールによる睡眠時間を
短縮し、最小有効量で比較すると水溶液投与の約1/200
の用量で作用が発現した。
実験例3 老化促進モデルマウス(SAM)のプラス迷路における
低不安様行動(警戒心低下)に対する作用 (実験方法) 8カ月令雄性SAM−R/1(正常対照マウス)およびSAM
−P/8(老化促進マウス)のプラス迷路における探索行
動におよぼすTRHの作用を実施例2で得たマイクロカプ
セル持続性製剤を水性分散媒に分散しての単回皮下投与
またはTRH水溶液の反復皮下投与で検討し、両者の作用
を比較した。実験はマイクロカプセル製剤の作用と水溶
液反復投与の作用の2度にわけてそれぞれ別々のマウス
を一群10匹づつ使用し、実施した。
マイクロカプセルは0.05,0.2mg/kg/dayの投与量を背
側頚部皮下に投与した。SAM−R/1対照群およびSAM−P/8
対照群には分散媒を皮下投与した。一方、TRH水溶液は
0.05,0.2mg/kgを毎日午前10〜11時の間に背側頚部に皮
下投与した。対照群には生理食塩液を投与した。なお、
プラス迷路実験はマイクロカプセルおよび反復投与開始
6日後に水溶液投与の30分後に実施した。
高架式プラス迷路装置は床から50cmの高さに設置され
た十字型の4本のアーム(10×50cm)からなり、向かい
合う2本のアームは中央プラットホーム側を除く3面を
高さ50cmの壁で囲まれた遮蔽アームで、他の2本は全く
壁のない開放アームとした。マウスを中央のプラットホ
ームに置いた後、5分間の探索行動を観察し、遮蔽アー
ムへの進入回数を測定した。
(結果) 表−4に示すように、分散媒または生理食塩液を投与
したSAM−P/8対照群はSAM−R/1対照群に比べ有意な開放
アーム進入率の増加を示した。この進入率の増加は持続
性マイクロカプセルの0.05,0.2mg/kg/day投与により有
意かつ著明に抑制された。一方、水溶液の反復投与では
有意な作用は認められず、高用量投与群でわずかに抑制
の傾向が認められる程度であった。SAM−P/8における開
放アーム進入率の増大はP/8系における不安低下(警戒
心の低下)によるものと推定され、この不安低下様行動
はTRH持続性製剤の投与により著明に緩解されることが
明らかとなった。
実験例4 Rolling mouse Nagoya(遺伝性運動失調モデル動
物)における作用 (実験方法) Rolling mouse Nagoya(雄10匹、雌5匹、体重15.5
〜34.0g)を用いた。実施例2のTRHマイクロカプセルを
TRHとして0.05,0.2mg/kg/dayの用量で水性分散媒に分散
して皮下投与した。投与後、2,9および16日にマウスを
高さ10cm、直径5cmの金属性円筒にのせ、その上に滞留
する時間を3分おきに4回測定し、その平均値を求め
た。対照群には分散媒のみを投与した。また、比較とし
てTRH酒石酸塩水溶液をTRHとして3,10mg/kgを単回皮下
投与し、投与後10分から3分おきに4回測定し、その平
均値を求めた。
(結果) 表−5に示すように、TRHマイクロカプセルの0.05mg/
kg/day投与では投与後2日において、また0.2mg/kg/day
投与では投与後2および9日においてそれぞれ対照群に
比し有意な滞留時間の延長が認められた。この作用は薬
物放出の終了した16日後には消失した。TRH酒石酸塩水
溶液の投与の結果を表−6に示す。用いた2用量でいず
れも有意な滞留時間の延長が認められたが、TRHマイク
ロカプセルの約60倍の用量を要した。
実施例1 TRH250mgを水0.625mlに溶解した(A液)。ポリ乳酸
グリコール酸(乳酸/グリコール酸=75/25、重量平均
分子量14000、以下PLGA(75/25)−14000のように表示
する)5gを塩化メチレン6.25mlに溶解する(B液)。A
液をB液に小型ホモジナイザー(ポリトロン、キネマチ
カ社、スイス)で撹拌しつつ加えW/Oエマルジョンを得
た。これを18℃に冷却した後、18℃の0.25%ポリビニル
アルコール(PVA)水溶液1250ml中に注入し、タービン
ホモミキサーを使用してW/O/Wエマルションとした。こ
の後、W/O/Wエマルション液を緩く撹拌しつつ塩化メチ
レンを揮散させ、内部のW/Oエマルションを固化させた
のち、遠心分離機で固形分を捕集し、TRHを封入したマ
イクロカプセルを得た。これをさらに凍結乾燥し、脱溶
媒および脱水がより完全に行なわれた粉末を得た(取込
み率100%<)。得られたマイクロカプセルのin vitro
およびラット皮下に投与した後のin vivoにおけるTRHの
放出性(溶出液中または投与部位に残存するマイクロカ
プセル中の薬物残存量を測定)を検討した。その結果を
表−7に示す。マイクロカプセルからTRHはin vitro,in
vivoともに4週にわたる持続した放出を示した。
実施例2 実施例1と同様な方法でPLGA(75/25)−14000の替わ
りにPLGA(75/25)−10000を用いて2週間にわたりTRH
を放出する持続性マイクロカプセル製剤を得た(取込み
率100%<)。
実施例3 実施例1と同様の方法でTRHに替わりCG−3509を用い
て4週間にわたりCG−3509を放出する持続性マイクロカ
プセル製剤を得た(取込み率94.5%)。
実施例4 PLGA(75/25)−10000の50mgをジオキサン1mlに溶解
し、TRHの10mgを溶解した50μの水溶液を添加した。
混懸液が得られた。これをトレーに流し込み、窒素気流
下で溶媒を揮散させた。得られたフィルムを減圧乾燥し
て残存する溶媒および水を完全に留去し、2週間にわた
りTRHを持続性に放出するフィルム状製剤が得られた
(取込み率100%)。
実施例5 実施例4で得たフィルムを粉砕して170メッシュのふ
るいで篩過し、約2週間にわたりTRHを放出する微粒子
製剤を得た。
実施例6 TRH酒石酸塩1.0mgをプロピレングリコール170mgおよ
びオレイン酸30mgの混液に溶解し、これを厚さ2mm多孔
質セラミックスに吸収させた。この片面をアルミフォイ
ルで覆い24時間持続的にTRHを経皮的に体内に吸収させ
る製剤を得た。
発明の効果 本発明の徐放性製剤は、極微量のオリゴペプチドによ
って、老人性痴呆および小脳脊髄変性症に著効を示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−234029(JP,A) 特開 昭64−25728(JP,A) 特開 平1−157920(JP,A) 特開 昭63−233926(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】TRH作用を有するオリゴペプチドを投与後
    持続的に体内に放出しうる老人性痴呆もしくは小脳脊髄
    変性症治療用オリゴペプチド含有製剤。
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