JP2555974B2 - 量子井戸半導体レーザ - Google Patents

量子井戸半導体レーザ

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JP2555974B2 JP7908494A JP7908494A JP2555974B2 JP 2555974 B2 JP2555974 B2 JP 2555974B2 JP 7908494 A JP7908494 A JP 7908494A JP 7908494 A JP7908494 A JP 7908494A JP 2555974 B2 JP2555974 B2 JP 2555974B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発振閾電流値を低減す
る多重量子井戸構造活性層の半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体レーザは分子線成長法(以
下MBE法と略す)や有機金属気相結晶成長法(以下M
OVPE法と略す)により形成され、この成長法の特質
故に、非常に薄い半導体層からなる多重量子井戸(以下
MQWと略す)構造活性層を有する半導体レーザ(以下
MQWレーザと略す)が容易に作製されている。MQW
レーザは量子効果により注入キャリア当たりの利得が増
大するため、レーザの発振閾値の低減に有効である。こ
のMQWレーザは、一般的に図1に示すようなMQW活
性層をp型クラッド層とn型クラッド層で挟みんだダブ
ルヘテロ構造がとられ、そのMQW構造は図4に示すよ
うな厚さ一様の、バンドギャップエネルギーの小さいウ
エル層とバンドギャップエネルギーの大きいバリア層と
からで構成されている。このダブルヘテロ構造に電極を
通して電圧を印加することにより、p型クラッド層から
MQW活性層にホールが注入され、n型クラッド層から
MQW活性層に電子が注入され、MQW活性層内で電子
とホールが再結合することによりレーザ発光が起こる。
【0003】上述した構造において、ウエル数が多い場
合やウエル層−バンド層間の価電子帯不連続ΔEvが大
きい場合には、ホールの有効質量が大きいためホールが
バリア層を超える確率が小さくなり、p型クラッド層よ
りのウエル層のみに局在してしまう。このようなことが
起こると、多数あるウエル層の内一部のウエル層のみで
しか利得が得られず、そのほかのウエル層が損失になっ
てしまうため、閾値が上昇し微分量子効率が低下する欠
点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の欠点を克服する
ために、バリア層を薄くすることも考えられるがこの場
合、有効質量の小さい電子のウエル層への閉じ込めが不
十分になり、結果的に量子効果が低減しレーザの発振閾
値が上昇するという欠点がある。本発明の目的は、量子
効果を維持しながら、ホールのウエルへの注入を向上さ
せることにより、発振閾値の小さく微分量子効率の大き
いMQWレーザを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めの本発明の半導体レーザは、p型クラッド層とn型ク
ラッド層に挟まれた、少なくともウエル層とバリア層と
からなる多重量子井戸構造活性層において、前記バリア
層一層の中に、厚さ5nm以上の領域と厚さ3nm以下の領
域とが存在することを特徴としている。
【0006】
【作用】以下に本発明の原理について図面を用いて説明
する。
【0007】本発明の多重量子井戸構造の一例の断面図
を図2に示す。この図ではウエル層の数は4であり、バ
リア層の数は3である。本発明の特徴はバリア層の厚さ
が一様ではなく、厚さが5nm以上の厚い領域と、厚さが
3nm以下の薄い領域が存在することである。バリア層の
厚さが3nm以下の領域を通してホールはウエル層間を容
易に移動できる。ウエル層間を移動したホールは、ウエ
ル層内では高い障壁がないため、バリア層の厚さが5nm
以上の領域にまで速やかに拡散する。すなわち各ウエル
層すべての領域にホールは均一に注入される。電子は有
効質量が小さくバリア層を超えることが容易であるた
め、MQW内での分布は、主にホールのクーロン力に支
配され、ホールとほぼ同じ分布となる。従ってホールが
均一に注入されれば電子も均一に注入される。このよう
にして各ウエル層に均一に注入された電子やホールは、
バリア層の厚さが5nm以上の領域において強く閉じ込め
られ量子効果が顕著に現れる。以上のようにして電子や
ホールがMQW全体に均一に注入されすべてのウエル層
がレーザ発振に寄与し、さらに量子効果を維持すること
により発振閾値の低減や微分量子効率の向上が実現され
る。
【0008】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0009】図1は本発明の一実施例を示す半導体レー
ザの斜視図であり、図2は本発明の実施例の半導体レー
ザを共振器軸に垂直な面で切断したときのMQW構造活
性層部分の断面図である。図3はこの半導体レーザの製
作工程図である。以下、AlGaInP系可視光半導体
レーザを例として説明する。
【0010】本実施例の製作においては、まず一回目の
減圧MOVPE法による成長で、n型GaAs基板1上
に、n型(Al0.7 Ga0.3 0.5 In0.5 Pクラッド
層2(厚さ1μm )、Ga0.5 In0.5 P(厚さ10n
m)ウエル層と(Al0.5 Ga0.5 0.5 In0.5
(厚い領域の厚さ5nm、薄い領域の厚さ3nm)バリア層
からなるウエル数10の量子井戸構造活性層3、p型
(Al0.7 Ga0.3 0.5 In0.5 Pクラッド層4(厚
さ1μm )、p型Ga0.5 In0.5 P層5、p型GaA
sキャップ層6を順次形成した(図3(a))。
【0011】成長条件は、温度660℃、圧力70to
rr、V/III=1500である。原料としては、ト
リメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルガリウ
ム(TEGa)、トリメチルインジウム(TMIn)、
ホスフィン(PH3 )、アルシン(AsH3 )、n型ド
ーパントとしてジシラン(Si2 6 )、p型ドーパン
トとしてジメチルジンク(DMZn)を用いた。ただし
バリア層の厚さを一層内で変化させるために、基板は
(001)から[110]方向に6゜傾いた面方位の基
板を用い、バリア層成長時にはV/III=200と低
くした。このような成長条件の基ではステップバンチン
グ(マルチステップ)成長となり一層内で厚さが変化し
(特願平5−38245号参考)、図2の構造となる。
【0012】こうして成長したウエハにフォトリソグラ
フィにより幅5μm のストライプ状のSiO2 マスク9
を形成した(図3(b))。次にこのSiO2 マスク9
を用いてp型(Al0.7 Ga0.3 0.5 In0.5 Pクラ
ッド層4の途中までメサ状にエッチングした(図3
(c))。
【0013】さらに同じマスク9を用いた2回目のMO
VPE成長によりSiドープGaAs層8を選択的にメ
サ部両脇に埋め込んだ(図3(d))。そしてSiO2
マスク9を除去し(図3(e))、3回目のMOVPE
成長によりp型GaAsコンタクト層7を形成した(図
3(f))。この後、電極を形成し、劈開してレーザ光
放射端面を形成して図1に示す量子井戸半導体レーザが
完成した。
【0014】このようにして製作した本発明の半導体レ
ーザと、バリア層の厚さが3nmまたは5nmで均一である
従来のレーザとを比較したところ、発振閾電流は、それ
ぞれ40mAと47mA、60mAであり、微分量子効
率は、それぞれ0.75、0.7、0.5であった。従
来に比べ本発明の半導体レーザは発振閾電流値が低く、
微分量子効率が向上した。
【0015】なお、上記実施例においてはAlGaIn
P系可視光半導体レーザの場合について説明したが、本
発明は、AlGaAs系、GaInPAs系、GaSb
系、GaN系などのIII−V族化合物半導体やII−
VI系半導体など材料を問わず半導体レーザに適用でき
ることは勿論である。
【0016】
【発明の効果】本発明により、発振閾電流値が低く微分
量子効率の高い量子井戸半導体レーザが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザの斜視図である。
【図2】本発明の半導体レーザのMQW活性層部分の断
面図である。
【図3】半導体レーザの製造工程図である。
【図4】従来の半導体レーザのMQW活性層部分の断面
図である。
【符号の説明】
1 n型GaAs基板 2 n型AlGaInPクラッド層 3 GaInP/AlGaInP多重量子井戸構造活性
層 4 p型AlGaInPクラッド層 5 p型GaInP層 6 p型GaAsキャップ層 7 p型GaAsコンタクト層 8 n型GaAs電流狭窄層 9 SiO2 10 GaInPウエル層 11 AlGaInPバリア層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】p型クラッド層とn型クラッド層に挟まれ
    た、ウエル層とバリア層とを有する多重量子井戸構造活
    性層において、前記バリア層一層の中に、厚さ5nm以上
    の領域と厚さ3nm以下の領域が存在することを特徴とす
    る量子井戸半導体レーザ。
  2. 【請求項2】基板は(001)面から[110]方向に
    6°傾いた面方位のGaAs基板であり、活性層はGa
    InPウェル層とAlGaInPバリア層の量子井戸構
    造であることを特徴とする請求項1記載の量子井戸半導
    体レーザ。
JP7908494A 1994-04-19 1994-04-19 量子井戸半導体レーザ Expired - Lifetime JP2555974B2 (ja)

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