JP2555599Y2 - 電磁平衡式電子秤 - Google Patents

電磁平衡式電子秤

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JP2555599Y2 JP7976391U JP7976391U JP2555599Y2 JP 2555599 Y2 JP2555599 Y2 JP 2555599Y2 JP 7976391 U JP7976391 U JP 7976391U JP 7976391 U JP7976391 U JP 7976391U JP 2555599 Y2 JP2555599 Y2 JP 2555599Y2
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吉一 長根
伸光 谷口
秀行 村山
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株式会社エー・アンド・デイ
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は電磁平衡式の電子秤に係
り、特に温度変化による特性変化の大きい電子(電気)
部品を使用している電磁平衡式電子秤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子天秤と通称される電磁平衡式電子秤
ではA/D変換用回路、機構制御回路、理論回路にI
C、抵抗、コンデンサ等の電子部品や電気部品(以下両
者を纏めて「電子部品」と言う)が用いられている。こ
れらの電子部品の中には温度変化が生じてもその特性が
比較的安定しており、温度変化があっても電子秤の性能
に影響を与えない部品と、温度変化にかなり敏感で、温
度変化により電子秤の性能に影響を与える部品とが含ま
れている。例えば電磁コイルに基準電圧を供給する電子
品であるツェナダイオードは温度変化に敏感で、周囲の
温度と自身の温度ドリフトによって特性が変化する。こ
の結果自身の温度変化によって荷重検出値が異なり測定
誤差を招く要因となっている。
【0003】このような温度変化に敏感な部品、即ち温
度特性変化の大きな部品の特性変化に起因する電子天秤
の感度変化を防止するためには次のような手段が考えら
れる。即ち、(1)電子天秤内の温度を一定にする構
成、(2)電子天秤内の多点で温度を測定し各点に於け
る測定温度に基づいて電子部品の特性を補正する構成、
(3)温度特性変化の小さい部品のみで回路を形成する
構成、(4)安定した熱を出力する加熱装置を設置して
温度特性変化の大きい電子部品を一定した温度環境下に
配置する構成等である。しかしこれらの手段は何れも難
点がある。例えば(1)の構成は電磁部が比較的大きな
熱量を有する等の理由により実現困難であり、(2)は
制御が複雑となる。また(3)は電子部品のコスト高を
招き、さらに(4)は加熱装置を特別に設置するためや
はりコスト高となり、かつ加熱用のエネルギーを消費す
るため電子天秤の運転コストも上昇する。
【考案が解決しようとする課題】
【0004】上述の(4)の変形例とも言うべき構成と
して、加熱源を特別の装置に求めず、電磁平衡用の電磁
部を利用することにより、温度特性変化の大きな電子部
品の特性を安定させる構成が実公昭63−7877号と
して提案されている。
【0005】図5はこの構成を示す。ボビンに対してコ
イルが巻き廻されている電磁石部51を収納するように
構成された永久磁石装置50の鉄心に対して空洞54が
穿設され、この空洞54内には温度特性変化の大きな電
子部品52、例えばツェナダイオードと、電子部品配置
部の温度を測定する温度センサ53が配置されている。
永久磁石装置50および電磁石部51等から成る電磁平
衡部は発熱量が比較的大きく、永久磁石装置50内に収
納されている電子部品52はこの電磁平衡部の温度に支
配される。このため電子部品52の配置されている部分
の温度を温度センサ53で測定し、測定温度に基づいて
電子部品52の温度特性を補正するように構成されてい
る。
【0006】以上の構成とすることより温度特性変化の
大きな電子部品の特性の補正を安価にかつかなり正確に
実施することが可能となるが、この構成のみでは問題の
解決には必ずしも十分ではない。即ち、永久磁石装置5
0の鉄心に対して穿設された空洞54内に電子部品52
が収納される構成とされており、かつ空洞54の穿設対
象である鉄心の大きさにより空洞54の容量は自ずと制
限されるため、空洞内54に配置される電子部品の点数
はかなり制限され、温度特性変化の大きな電子部品の全
てを空洞51内に収容することは事実上不可能である。
特に最近の電子天秤の小型化、薄型化傾向により電磁部
も小型化・薄型化してきており、これに伴い空洞54の
容量はより一層小さくせざるを得ないのが実情である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、荷重検出に使
用される電子部品のうち、温度特性変化の大きな電子部
品をまとめて一定温度下に置くことを目的とするもので
あり、これらの電子部品をまとめてモジュール化し、か
つこのモジュール化した電子部品は電磁平衡部の一部と
熱的に一体化するよう配置されたことを特徴とする。
【0008】
【実施例】以下本考案の実施例を図面を参考に具体的に
説明する。
【0009】図1は第1の実施例を示す。1は梁部材、
2はこの梁部材1に対向位置するように配置された浮
枠、3は上部副桿、4は上部副桿3に対して平行に配置
された下部副桿であり、これら梁部材1、浮枠2、上下
の副桿3、4はそれぞれ板ばね5により接続されて一体
化され、全体としてロバーバル機構を構成する。6は一
端が浮枠2に接続されるアームであり、他端には秤量皿
8が取り付けられるようになっている。また9はビーム
であり、板ばね等から形成される支点10を中心として
揺動するよう構成され、一端は吊りバンドと通称される
接続体11により浮枠2に接続されている。12はこの
ビームに接続された電磁石部であって、ビーム9に直接
接続するボビン12aと、このボビン12aに対して巻
き廻されたコイル12bとから構成されている。
【0010】13は永久磁石装置であるヨーク、14は
このヨーク13内に配置固定された永久磁石であり、前
記電磁石部12とこの永久磁石装置により電磁平衡部3
1を構成する。この構成において秤量皿8に負荷された
秤量物の荷重によるビームの変位を位置センサ30で検
知し、この変位を補正するようコイル12bに対して補
償電流を出力することにより出力した電流から秤量物の
重量を演算する。
【0011】以上の構成の電子天秤に対し、温度特性変
化が高く、温度補正を行わないとその特性の変化により
電子秤に測定誤差を生るような部品、例えばコイル12
bに基準電圧を供給するツェナダイオード、このツェナ
ダイオードよりも温度特性変化の大きい抵抗は一つの基
板に取り付けられてモジュール化される。このモジュー
ルは熱伝導性の良好な材料、例えばアルミニウムからな
るケース内に収納される。
【0012】図2はモジュールの収納状態を示し、基板
14に対しては温度特性変化の大きな電子部品15が取
り付けられることにより全体として一体的なモジュール
が構成され、このモジュールがケース16内に収納され
る。18は基板14の表面または裏面に配置される温度
センサである。図示の構成では温度センサは一つだけ示
されているが、ケース16の内部スペースは十分にある
ので設置個数を一つに限る必要はなく、基板14の各所
に複数個の温度センサを配置するようにしてもよい。
【0013】ケース16は上ケース16aと、上ケース
16aに対向するように取り付けられる下ケース16b
とからなっており、ケース16内に前記モジュールを密
閉して収容するように構成されている。またケース16
の上下のケース16a、16bは熱伝導性の良好なアル
ミニウムにより形成されている。
【0014】一方ヨーク13の上部にはこのヨーク13
に密着してリング部材17が設けられ、前記ビーム9は
このリング部材17を挿通して配置されている。なおリ
ング部材17をヨーク13と別個に形成せず、全体を一
つのヨークとして一体形成するようにしてもよい。リン
グ部材17の上端部には蓋部材19が配置され、この蓋
部材19により、電磁石部12を収容するヨーク13内
部はビーム9の挿通部を除いて密閉される。なお蓋部材
19自体も鉄系金属またはアルミニウム等、熱伝導率の
高い材料により形成されている。
【0015】蓋部材19に対しては前記ケース16が密
着配置され、かつその周縁部はボルト等の固定手段によ
り固定される。即ち上部のケース16a、16bの周縁
部には複数本のボルト20が挿通され、このボルト2
0、20・・・はスペーサリング21、21・・・を介
してリング部材17と螺合することによりケース16を
蓋部材19に密着固定する。この構成によりケース16
およびこのケース16に収容されているモジュールはヨ
ーク13側と熱的に接続され、電磁平衡部31の発生す
る熱により加熱保持される。
【0016】なお、これら電子部品自体による温度ドリ
フトもあるが、この温度ドリフトに比較して電磁平衡部
31で発生する熱は遙に大きいので実際にはこの温度ド
リフトは無視することができ、前記温度センサ18の検
知温度に基づいて正確な温度補正を行うことが可能であ
る。また、ケース16はヨーク13の直径とほぼ等しい
径を有する大きさとすることができるためケース内部の
空間は十分あり、温度特性変化の大きな電子部品は全て
このケース16内に収納することが可能である。またケ
ース16内に伝熱性の高いペーストを充填することによ
り熱伝導性をより高めることも可能である。なお、本願
考案とは別にケース16を用いず温度特性変化の大き
な電子部品のモジュールを有する基板14を蓋部材19
に直接密着配置する構成とすれば、ケース16による場
合に比較してモジュール部分の温度の安定度は劣るもの
の、ある程度目的を達成すること可能と考えられる。
【0017】図3は第2の実施例を示す。この実施例で
は電子天秤で使用する電子部品のうち、ツェナダイオー
ド等の温度特性変化により測定値への影響が大きな電子
部品と、荷重伝達機構に於けるA/D変換回路構成用の
電子部品等、温度特性変化にによる測定値への影響が中
程度の電子部品と、制御回路構成用の電子部品等のよう
に温度特性変化が小さい電子部品とのグループに分け、
それぞれのグループの電子部品毎にそれぞれモジュール
化する。このうち温度特性変化の大きな電子部品からな
るモジュールは前記実施例1の如くケース16内に収納
し、温度特性変化が中程度の電子部品からなるモジュー
ル22はケース16の上ケース16aに密着配置され
る。更に温度特性変化の小さい電子部品からなるモジュ
ール23はケース16の背後に立設配置される。これに
より電子天秤に用いられる電子部品の殆どが電磁平衡部
31近傍に集中的に配置され装置全体のコンパクト化が
図られるとともに、電子部品の交換等の修理も行い易く
なる。
【0018】温度特性変化の大きな電子部品のモジュー
ルは図1の如く電磁平衡部31と熱的に一体化され、ま
た温度特性変化が中程度の電子部品のモジュール22は
電磁部と熱的に一体化はされてはいないものの、電磁部
の熱に支配される状態となる。従って温度特性変化の中
程度の電子部品についても永久磁石の温度に基づいて温
度補正を行い電子天秤の感度をより一層適切に補正する
ことが可能となる。
【0019】図4は温度特性変化の大きな電子部品から
なるモジュールを収納したケース16がヨーク13の底
部に配置されるようにした構成を示す。この構成では図
1ないし図3に示す構成に比較して電子部品の交換等の
修理作業はやや行いずらいが、リング部材17等を介さ
ず、ヨーク13に対して直接前記モジーュルを密着配置
することが可能となるため、電子部品の電磁平衡部31
に対する熱的一体性はより完全なものとなる。
【0020】更に図示しないが、電子部品のモジュール
を構成する基板を可撓性を有するフレキシブル基板と
し、このフレキシブル基板による電子部品モジュール
を、曲面を成すヨーク13の側面に密着するよう構成す
ることも可能である。
【0021】
【考案の効果】本考案は以上に説明した如く、少なくと
も温度特性変化の大きな電子部品をまとめてモジュール
化し、かつこの電子部品モジーュルは電磁平衡部に対
し、この電磁平衡部と熱的に一体化するよう近接配置さ
れた構成としたので、電子部品の配置空間を大きく設定
することができ、熱的な一体化が必要な電子部品の全て
を配置することが可能となる。
【0022】また電子部品はモジュール化して集中的に
配置されているので電子部品の交換等の修理作業の実施
が容易である。
【0023】更に電磁部を構成する部材に対しては開口
の穿設等、特別の加工を行う必要がないため電子天秤の
製造単価を上昇させる心配がなく経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例を示す電子天秤の構成図
である。
【図2】図1に示すケースの断面図である。
【図3】本考案の第2の実施例を示す電磁部の断面図で
ある。
【図4】本考案の第3の実施例を示す電子天秤電磁部の
断面図である。
【図5】従来の構成を示す電子天秤電磁部の断面図であ
る。
【符号の説明】
9 ビーム 12 電磁石部 12a ボビン 12b コイル 13 ヨーク 14 永久磁石 15 電子部品 16 ケース 18 温度センサ 22 中程度の温度特性変化を有する電子部品のモジュ
ール 23 温度特性変化の小さな電子部品のモジュール 31 電磁平衡部
フロントページの続き (72)考案者 村山 秀行 埼玉県北本市朝日1丁目243番地 株式 会社エー・アンド・デイ開発・技術セン ター内 (56)参考文献 実開 昭61−205035(JP,U) 実公 昭63−7877(JP,Y2)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石とこの永久磁石に近接配置され
    た電磁石とから成る電磁平衡部を有し、荷重による電磁
    石の変位を補正して荷重を検出する電磁平衡式電子秤に
    おいて、荷重検出に使用する電子部品のうち温度特性変
    化の大きな電子部品を熱伝導率の大きな材料で形成され
    たケース内に収容すると共に、このケースを前記電磁平
    衡部に対し熱的に一体化するよう近接配置したことを
    特徴とする電磁平衡式電子秤。
  2. 【請求項2】 前記ケースは電磁平衡部の一部を構成す
    るヨークの上部に配置された蓋部材に密着配置されたこ
    とを特徴とする請求項1記載の電磁平衡式電子秤。
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