JP2548347Y2 - ロードセル - Google Patents

ロードセル

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JP2548347Y2
JP2548347Y2 JP9953891U JP9953891U JP2548347Y2 JP 2548347 Y2 JP2548347 Y2 JP 2548347Y2 JP 9953891 U JP9953891 U JP 9953891U JP 9953891 U JP9953891 U JP 9953891U JP 2548347 Y2 JP2548347 Y2 JP 2548347Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ロードセルの出力の高
精度な温度補正を実現するロードセルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のロードセルの一例が図3に示され
ている。このロードセル51は、厚肉ブロック状のロー
ドセル本体52のほぼ中央部に起歪検出用孔53が設け
られ、この起歪検出用孔53によりロードセル本体52
の両側に荷重に対して柔軟に変形する4箇所の起歪部5
4が形成されている。これら起歪部54それぞれにはス
トレインゲージ55が貼着されている。これらストレイ
ンゲージ55は図4に示されているようなロードセルブ
リッジ回路を構成し、このロードセルブリッジ回路によ
りロードセル51にかけられる荷重に比例した抵抗変化
による出力電圧eo がロードセル51の出力として出力
される。なお、図中ei は、このロードセルブリッジ回
路の入力電圧(励磁電圧)である。
【0003】一般に、ロードセル51の出力は温度変化
に対して変動する。すなわち、このロードセル51を使
用する環境における周囲温度が上昇すれば、ロードセル
本体52を構成する金属の特質上、このロードセル51
の出力電圧eo は実際の出力電圧よりも大きな値とな
る。そこで、ロードセル51の出力の周囲温度の変化に
対する補正を行うために、図5に示されているように、
前記周囲温度の上昇に伴って抵抗値が上昇するような出
力温度補償用抵抗56,56を前記ロードセルブリッジ
回路の励磁電圧ei に対して設けて、ロードセル51の
周囲温度が上昇する際に前記ロードセルブリッジ回路へ
印加する励磁電圧ei を低くさせる技術が提案されてい
る。この技術によれば、ロードセル51の前記周囲温度
に対する出力電圧eo の変動が相殺され、この出力電圧
o は所望の性能内に納まるように補正される。
【0004】なお、ロードセルの出力を高精度に補正す
るには、出力温度補償用抵抗がストレインゲージと温度
とに対して同一の挙動を示す必要があるため、この出力
温度補償用抵抗をロードセル本体におけるストレインゲ
ージと同一の場所に設置するのが好ましい。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前述さ
れたロードセル51においてストレインゲージ55が貼
着される起歪部54は、肉厚(図3においてAで示
す。)が非常に薄い形状構造とされているため、この起
歪部54に出力温度補償用抵抗56を設置しようとする
とロードセル51の荷重検出に支障をきたすという問題
点がある。
【0006】この問題点を解決するために、図6(a)
に示されているように、出力温度補償用抵抗56aをロ
ードセル本体52aにおけるストレインゲージ55と離
れた別の部分、すなわちロードセル本体52aの上面の
一端部に設置したロードセル51aが提案されている。
【0007】しかしながら、このロードセル51aは、
出力温度補償用抵抗56aの設置位置がストレインゲー
ジ55と離れているため、このロードセル51aを使用
する環境における温度分布が一定でないと、これらスト
レインゲージ55と出力温度補償用抵抗56aとの出力
に前記温度分布による誤差が生じて、ロードセル51a
の出力に誤差を生じるという問題点がある。さらに、こ
のロードセル51aにおいて、ストレインゲージ55が
貼着される起歪部54は、肉厚が非常に薄い形状構造と
され、出力温度補償用抵抗56aが設置されるロードセ
ル本体52aは厚肉ブロック状の形状構造とされてい
る。このため、このロードセル51aを使用する環境に
おける周囲温度が過渡的に変化すると、これら起歪部5
4とロードセル本体52aとの熱伝達速度の差によりス
トレインゲージ55の出力温度補償用抵抗56aに対す
る応答差が生じて、このロードセル51aの出力に誤差
を生じるという問題点がある。
【0008】これらの問題点を解決するために、図6
(b)に示されているようなロードセル51bが提案さ
れている。このロードセル51bは、出力温度補償用抵
抗56bがロードセル本体52bの両側におけるストレ
インゲージ55,55間それぞれに設置されている。こ
のロードセル51bによれば、出力温度補償用抵抗56
bはストレインゲージ55の近傍に設置されているた
め、これら出力温度補償用抵抗56bとストレインゲー
ジ55との周囲温度はほぼ同一となる。したがって、ロ
ードセル51bを使用する環境における温度分布が一定
でない場合でも、ストレインゲージ55と出力温度補償
用抵抗56bとの出力に前記温度分布による誤差を生じ
るのが抑止される。
【0009】しかしながら、このロードセル51bは、
ストレインゲージ55が貼着される起歪部54は、肉厚
が非常に薄い形状構造とされ、出力温度補償用抵抗56
bが設置されているロードセル本体52bは、肉厚(図
6(b)においてBで示す。)が厚い形状構造とされて
いるため、やはりストレインゲージ55の出力温度補償
用抵抗56bに対する応答差が生じて、このロードセル
51bの出力に誤差を生じるという問題点がある。
【0010】本考案は、以上のような問題点に鑑みてな
されたものであって、ロードセルを使用する環境におけ
る周囲温度の過渡的な変化により、このロードセルの出
力に誤差が生じるのを抑止することができるロードセル
を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案によるロードセル
は、ロードセル本体におけるストレインゲージが貼着さ
れる起歪部の近傍のそのロードセル本体に、前記起歪部
と形状構造が類似してその起歪部とほぼ同一の断面形状
を有し、出力温度補償用抵抗が設置される出力温度補償
用抵抗設置部を設けることを特徴とする。
【0012】
【作用】本考案によるロードセルは、起歪部の近傍に出
力温度補償用抵抗設置部が設けられているため、これら
起歪部と出力温度補償用抵抗設置部との周囲温度はほぼ
同一となる。したがって、ロードセルを使用する環境に
おける温度分布が一定でない場合でも、ストレインゲー
ジと出力温度補償用抵抗との出力に前記温度分布による
誤差を生じるのが抑止される。また、出力温度補償用抵
抗設置部は、前記起歪部と形状構造が類似してその起歪
部とほぼ同一の断面形状を有するため、ロードセル本体
における起歪部と出力温度補償用抵抗設置部との温度変
化はほぼ同一となる。したがって、このロードセルを使
用する環境における周囲温度が過渡的に変化しても、こ
れら起歪部と出力温度補償用抵抗設置部との熱伝達速度
の差がないため、ストレインゲージの出力温度補償用抵
抗に対する応答差が生じなくなり、ロードセルの出力に
誤差を生じるのが抑止される。
【0013】
【実施例】以下、実施例を図面に基づいて説明する。本
考案によるロードセルの一実施例が図1に示されてい
る。このロードセル11は、ロードセル本体12のほぼ
中央部に起歪検出用孔13が設けられ、この起歪検出用
孔13によりロードセル本体12に4箇所の起歪部14
a,14a;14b,14bと2箇所の出力温度補償用
抵抗設置部15a,15bとが形成されている。これら
起歪部14a,14bそれぞれにはストレインゲージ1
6a,16bが貼着され、出力温度補償用抵抗設置部1
5a,15bそれぞれにおけるロードセル本体12の側
面に出力温度補償用抵抗17a,17bが設置されてい
る。
【0014】このように構成されたロードセル11は、
出力温度補償用抵抗17a,17bがストレインゲージ
16a,16bの近傍に設けられているため、このロー
ドセル11を使用する環境における温度分布が一定でな
い場合でも、ストレインゲージ16a,16bと出力温
度補償用抵抗17a,17bとの出力に前記温度分布に
よる誤差を生じるのが抑止される。したがって、ロード
セル11の出力に誤差を生じるのが抑止される。また、
出力温度補償用抵抗設置部15a,15bは起歪部14
a,14bと形状構造が類似してそれら起歪部14a,
14bの断面形状とほぼ同一の断面形状を有しているた
め、これら起歪部14a,14bと出力温度補償用抵抗
設置部15a,15bとの温度変化はほぼ同一となる。
したがって、このロードセル11を使用する環境におけ
る周囲温度が過渡的に変化しても、ストレインゲージ1
6a,16bの出力温度補償用抵抗17a,17bに対
する応答差が生じなくなるため、ロードセル11の出力
に誤差を生じるのが抑止される。この結果、このロード
セル11の出力の高精度な温度補正を実現することがで
きる。
【0015】本考案の別の実施例のロードセルが図2に
示されている。図2(a)に示されているロードセル2
1は、ロードセル本体22のほぼ中央部に起歪検出用孔
23が設けられ、この起歪検出用孔23によりロードセ
ル本体22に4箇所の起歪部24a,24a;24b,
24bが形成されている。これら起歪部24a,24b
それぞれにストレインゲージ25a,25bが貼着され
ている。また、起歪部24a,24a間および起歪部2
4b,24b間それぞれにおけるロードセル本体22の
側面の近傍に貫通孔26a,26bが設けられることに
より、これら貫通孔26a,26bとロードセル本体2
2の側面との間に出力温度補償用抵抗設置部27a,2
7bが形成され、これら出力温度補償用抵抗設置部27
a,27bそれぞれにおけるロードセル本体22の側面
に出力温度補償用抵抗28a,28bが設置されてい
る。
【0016】また、例えばロードセル本体の起歪部に貼
着されるストレインゲージ間の間隔が狭く、この間隔に
出力温度補償用抵抗を設置することができない際には、
ロードセルの形状を図2(b)に示されているような形
状とすることもできる。このロードセル31は、ロード
セル本体32のほぼ中央部に起歪検出用孔33が設けら
れ、この起歪検出用孔33によりロードセル本体32に
4箇所の起歪部34a,34a;34b,34bが形成
されている。これら起歪部34a,34bそれぞれにス
トレインゲージ35a,35bが貼着されている。ま
た、ロードセル本体32の中央部における起歪検出用孔
33の近傍に貫通孔36が設けられることにより、この
貫通孔36と起歪検出用孔33との間に出力温度補償用
抵抗設置部37が形成され、この出力温度補償用抵抗設
置部37における起歪検出用孔33の壁面に出力温度補
償用抵抗38が設置されている。
【0017】これらロードセル21,31は、前述され
たロードセル11と同様に出力温度補償用抵抗がストレ
インゲージの近傍に設置され、また、出力温度補償用抵
抗設置部は起歪部と形状構造が類似してその起歪部とほ
ぼ同一の断面形状を有しているため、出力に誤差を生じ
るのが抑止され、これらロードセル21,31の出力の
高精度な温度補正を実現することができる。
【0018】なお、前述されたロードセル11,21,
31における出力温度補償用抵抗設置部15a,15
b;27a,27b;37の形状構造を起歪部14a,
14b;24a,24b;34a,34bの形状構造に
対して意図的に変更することにより、ストレインゲージ
16a,16b;25a,25b;35a,35bの出
力温度補償用抵抗17a,17b;28a,28b;3
8に対する応答差を制御することができ、これによりロ
ードセル11,21,31の出力を制御することができ
る。
【0019】
【考案の効果】以上に説明したように、本考案によるロ
ードセルはそのロードセルを使用する環境における周囲
温度の過渡的な変化により、このロードセルの出力に誤
差が生じるのを抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例のロードセルの正面図であ
る。
【図2】本考案の別の実施例のロードセルの正面図であ
る。
【図3】従来のロードセルの正面図である。
【図4】従来のロードセルにおけるストレインゲージに
より構成されるロードセルブリッジ回路の回路図であ
る。
【図5】従来のロードセルにおけるストレインゲージに
より構成されるロードセルブリッジ回路において出力温
度補償用抵抗が励磁電圧側に設置されるロードセルブリ
ッジ回路の回路図である。
【図6】出力温度補償用抵抗が設置される従来のロード
セルの正面図である。
【符号の説明】
11,21,31,51,51a,51b ロードセル 12,22,32,52,52a,52b ロードセル
本体 13,23,33,53 起歪検出用孔 14a,14b,24a,24b,34a,34b,5
4 起歪部 15a,15b,27a,27b,37 出力温度補償
用抵抗設置部 16a,16b,25a,25b,35a,35b,5
5 ストレインゲージ 17a,17b,28a,28b,38,56,56
a,56b 出力温度補償用抵抗

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロードセル本体におけるストレインゲー
    ジが貼着される起歪部の近傍のそのロードセル本体に、
    前記起歪部と形状構造が類似してその起歪部とほぼ同一
    の断面形状を有し、出力温度補償用抵抗が設置される出
    力温度補償用抵抗設置部を設けることを特徴とするロー
    ドセル。
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JP5174343B2 (ja) * 2006-12-12 2013-04-03 本田技研工業株式会社 力覚センサ用チップ
JP5790205B2 (ja) * 2011-06-29 2015-10-07 シンフォニアテクノロジー株式会社 トルクセンサ

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