JP2555143Y2 - 輸液装置 - Google Patents

輸液装置

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JP2555143Y2
JP2555143Y2 JP1991050111U JP5011191U JP2555143Y2 JP 2555143 Y2 JP2555143 Y2 JP 2555143Y2 JP 1991050111 U JP1991050111 U JP 1991050111U JP 5011191 U JP5011191 U JP 5011191U JP 2555143 Y2 JP2555143 Y2 JP 2555143Y2
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清典 岡田
貢 稲葉
誠三 砂子
治 高畑
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藤沢薬品工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、輸液装置に関し、更
に詳しくは点滴注射に用いられる輸液装置(容器)に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より病院等の医療機関においては、
バイアル等の容器に入った粉末薬剤あるいは凍結乾燥薬
剤を溶解して輸液として点滴注射に用いるが、この際
に、上記薬剤の入った容器とその薬剤の溶解液の入った
容器とを両頭針あるいは連結管等の接続用具を用いて接
続し、溶解液を薬剤の入った容器に移し、薬剤を溶解し
ている。
【0003】ところがこの操作は繁雑で手間がかかる上
に、外気中で薬剤の入った容器に接続用の穴をあける操
作を行うので、中の薬剤が汚染される可能性がある。
【0004】そこで上記のような問題を解決したものと
して、特表昭61−501129号公報に示されるよう
な輸液装置(容器)が提案されている。
【0005】この輸液装置は図2に示されているよう
に、薬剤容器であるバイアル(101)を収容するカプ
セル(102)と、薬剤取出口を有する溶解液の入った
可撓性容器(103)とが、チューブ(104)で接続
されたものである。そしてチューブ(104)内には、
バイアル(101)側に中空の穿刺針(105)が取り
つけられ、可撓性容器(103)側に破断部材(10
6)が取りつけられている。前記破断部材(106)は
チューブ(104)内の通路を閉じており、液体の流通
を阻止している。
【0006】使用に関しては、カプセル(102)上部
のキャップ(107)を指で押してバイアル(101)
を押し下げ、穿刺針(105)でバイアル(101)の
ゴム栓(108)を貫き可撓性容器(103)とバイア
ル(101)とをまず連結する。ついで、チューブ(1
04)内の前記破断部材(106)を手で折り曲げ、そ
れによりチューブ(104)内の通路を開通させ、薬剤
と溶解液とを混合するようになっている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、輸液装
置において薬剤容器と溶解液の入った可撓性容器とを連
通して混合する点に関しては、改良されたとはいうもの
の、穿刺針(105)によってバイアル(101)のゴ
ム栓(108)を刺通したのち、破断部材(106)を
手で折って通路を開けなければならず、まだかなり手間
を要するものである。また破断部材(106)の折れ方
が不完全な場合には、液が通りにくく、溶解に時間がか
かるという問題がある。更に部品点数が多いのでコスト
が高くなるという問題もあった。
【0008】この考案はこのような問題に鑑みなされた
もので、薬剤容器と溶解液や希釈液(以下、溶解液とい
う)の容器との連通を簡単な構成で確実かつ容易にし、
連通後の薬剤と溶解液の混合を短時間で行うことがで
き、しかもコストが安い輸液装置を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】この考案は、内
部に溶解液又は希釈液が収納された可撓性液体容器と、
内部に薬剤が収納された可撓性薬剤容器と、この薬剤容
器及び液体容器を連通させる連通部とからなり、この連
通部が、薬剤容器と液体容器のいずれか一方の容器に通
じる第1連通路と、他方の容器に通じ、前記第1連通路
内に超音波接着又は熱溶着によって嵌着された第2連通
路と、この第2連通路を閉塞する、前記他方の容器と一
体に形成された膜体と、この膜体の一部と一体に前記一
方の容器内へ突出して形成され、前記一方の容器を介し
て外部からの付勢操作により前記膜体を破り薬剤容器と
液体容器とを連通し得る突出片とからなる輸液装置であ
る。
【0010】すなわち、この考案は、薬剤容器と液体容
器とを連結して特定の膜体で区画し、且つその膜体の一
部に一体に突出片を一方の容器内へ突出形成させ可撓性
のその容器を介して外部から突出片を付勢する(たお
す、引張る又はねじる)と、膜体を破って両容器の内部
を連通させることができ、それによって薬剤と溶解液ま
たは希釈液とを混合し、輸液を調整できる。
【0011】要するに、薬剤容器内に位置する突出片を
容器外から付勢するという単純な操作だけで、確実に輸
液を調製できるわけである。
【0012】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づきこの考案を詳
述する。なお、これによってこの考案が限定されるもの
ではない。
【0013】まず、図1において輸液装置(容器)
(1)は、内部に溶解液が滅菌状態で収納された可撓性
液体容器(以下、バッグという)(3)と、内部に固体
状の薬剤が滅菌状態で収納された可撓性薬剤容器(5)
と、この薬剤容器及びバッグ(3)を連通させる連通部
(2)とを備えている。なお、(6)はバッグ(3)の
下部(図1において)に一体に設けられた吊り具、
(7)は薬剤容器(5)の上部(図1において)に設け
られた輸液取出口である。
【0014】バッグ(3)は、吊り具(6)と共に軟質
の塩化ビニル樹脂やポリオレフィン系樹脂、エチレン酢
酸ビニル共重合体などの可撓性に富む材料で形成された
容器である。なおポリオレフィン系樹脂、特に軟質のポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂は耐薬品性に優
れ、溶解液中への溶出物も少ないので好ましい。バッグ
(3)に入れられる溶解液としては、例えば生理食塩
水、5%ブドウ糖液、注射用蒸留水のほか、各種の電解
質を含む溶液が用いられる。
【0015】薬剤容器(5)もバッグ(3)と同様、可
撓性に富む材料で形成され、内部には固体状の薬剤が入
れられている。薬剤容器(5)に入れられる薬剤の一例
としては抗生物質、抗腫瘍剤、抗漬瘍剤がある。抗生物
質としては、セファゾリンナトリウム、セフチゾキシム
ナトリウム、塩酸セフォチアム、塩酸セフメノキシム、
セファセトリルナトリウム、セファマンドールナトリウ
ム、セファロリジン、セファタキシムナトリウム、セフ
ァテタンナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフ
スロジンナトリウム、セフテゾールナトリウム、セフピ
ラミドナトリウム、セフメタゾールナトリウム、セフロ
キシムナトリウムなどのセフェム系抗生物質、またアン
ピシリンナトリウム、カルペニシリンナトリウム、スル
ベニシリンナトリウム、チカルシリンナトリウム、チカ
ルシリンナトリウムなどのペニシリン系抗生物質があ
る。抗腫瘍剤としては、マイトマイシンC、フルオロウ
ラシル、テガフール、シタラビンなどがある。抗漬瘍剤
としてはファモチジン、塩酸ラニチジン、シメチジンな
どがある。
【0016】連通部(2)は、薬剤容器(5)の内部に
通じる第1連通路(8)と、バッグ(3)の内部に通
じ、第1連通路(8)内に嵌着(超音波接着、又は熱溶
着)された第2連通路(9)と、この第2連通路の路端
を閉塞する膜体(10)と、この膜体の一部と一体に薬
剤容器(5)内へ突出状態で形成された板状突出片(1
1)とから主としてなる。なお、膜体(10)の肉厚は
例えば0.1〜0.5mmである。
【0017】次に以上の構成からなる輸液装置(1)の
使用方法を説明する。図1において、薬剤容器(5)を
介して外部から突出片を付勢操作する(たおす、引張る
又はねじる)と、膜体(10)が破れ、それによって、
薬剤容器(5)内とバッグ(3)内とが連通状態とな
る。かくしてバッグ(3)に断続的な圧縮を加えること
によって、バッグ(3)内の溶解液を薬剤容器(5)へ
往復移動させ、薬剤容器(5)中の薬剤を溶解し、均一
な輸液が輸液装置(1)、つまり薬剤容器(5)とバッ
グ(3)との連結容器内に得られる。
【0018】以上のごとく、輸液装置(1)は、部品点
数が少ないのでコストが安く、しかも輸液の調製が単に
薬剤容器を介して外部から突出片(11)を付勢するだ
けで行われるので簡単であり、かつ短時間に行える。な
お、以上の実施例では液体容器の連通路が薬剤容器のそ
れ内に超音波接着又は熱溶着によって嵌着され、膜体及
び突出片の形成対象になっているが、逆に薬剤容器の連
通路が液体容器のそれ内に超音波接着又は熱溶着によっ
嵌着され、膜体及び突出片の形成対象になってもよ
い。
【0019】
【考案の効果】この考案によれば、容易にかつ極めて確
実な連通が得られ、しかも部品点数が少なくコストも安
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の1つの実施例を示す縦断面図であ
る。
【図2】従来例を示す一部断面を含む正面図である。
【符号の説明】
1 輸液装置 2 連通部 3 バッグ(可撓性液体容器) 5 薬剤容器 8 第1連通路 9 第2連通路 10 膜体 11 突出片

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に溶解液又は希釈液が収納された可
    撓性液体容器と、内部に薬剤が収納された可撓性薬剤容
    器と、この薬剤容器及び液体容器を連通させる連通部と
    からなり、 この連通部が、薬剤容器と液体容器のいずれか一方の容
    器に通じる第1連通路と、他方の容器に通じ、前記第1
    連通路内に超音波接着又は熱溶着によって嵌着された第
    2連通路と、この第2連通路を閉塞する、前記他方の容
    器と一体に形成された膜体と、この膜体の一部と一体に
    前記一方の容器内へ突出して形成され、前記一方の容器
    を介して外部からの付勢操作により前記膜体を破り薬剤
    容器と液体容器とを連通し得る突出片とからなる輸液装
    置。
  2. 【請求項2】 連通部が、薬剤容器に通じる第1連通路
    と、液体容器に通じ、前記第1連通路内に嵌着された第
    2連通路と、この第2連通路を閉塞する、液体容器と一
    体に形成された膜体と、この膜体の一部と一体に薬剤容
    器内へ突出して形成され、薬剤容器を介して外部からの
    付勢操作により前記膜体を破り薬剤容器と液体容器とを
    連通し得る突出片とからなる請求項1の輸液装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP3025851B2 (ja) * 1991-04-30 2000-03-27 武田薬品工業株式会社 個別密封容器に収容した2種薬剤の無菌保持混合装置

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JPH055139U (ja) 1993-01-26

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