JP2554730B2 - 位置及び運動を検知するためのシステム及び方法 - Google Patents

位置及び運動を検知するためのシステム及び方法

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Description

【発明の詳細な説明】 背景 1. 発明の分野 本発明は、検知器デバイスに関し、より詳細には、多
自由度にある物体の位置及び/又は運動を検知するため
の新規なシステム及び方法に関する。
2. 先行技術 電気及び電気機械システムの作動において、物体の位
置、運動及び/又は配向を検出且つ/又は連続的に監視
することがしばしば必要であり又は好ましい。斯かる検
知及び/又は監視は、実際、多くの斯かるシステムの適
切な作動にとって必須である。
例えば、圧力ゲージ及び歪ゲージは共通的に物体の位
置を圧力又は歪の指示として利用している。斯かるゲー
ジは経験している圧力又は歪に従ってたわむ膜又は他の
部材を含み得る。従って、ゲージは圧力又は歪が正確に
測定できるようにするためにこの膜又は他の部材の位置
を検出するための何らかの手段を必ず含んでいなければ
ならない。
同様に、加速度計及びジャイロスコープは一般的に何
らかの内部部材の位置、運動、及び/又は配向を利用し
て加速度と並びに配向の変化を検出且つ測定している。
例えば、加速度計は、加速度計が加速を経験すると必ず
特定の位置から変位する部材を含み得る。斯かる場合、
加速度計は又、加速の大きさ及び方向を決定する元とな
り得る物体の変位の大きさ及び方向を検出するための手
段を必要とする。
ある従来のレコードプレーヤも運動を検知するための
特定の型のデバイスを含んでいなければならない。レコ
ードプレーヤの針がレコードの溝に沿って移動すると、
針はレコードに記憶されている音に従って振動する。斯
くして、レコードプレーヤの針の振動を可聴音に変換で
きるようにこの振動を検出するために特定の型のデバイ
スが必要となる。
ロボット工学の分野及び義肢の開発における最近の技
術的成長によって種々の型の検知器の需要が更に強くな
ってきた。例えば、ロボット又は義肢が物体に接触した
ことあるいは「接触している」ことを指示するのに検知
器がしばしば使用される。多くの場合、検知器は又、物
体に適用されている圧力の大きさを検出できることが望
ましい。加うるに、ロボット又は義肢の種々の構成部品
の各々の位置及び配向を監視するのに検知器がしばしば
使用される。これらの検知器の全てから得られる情報は
次に、特定の型の制御システムに与えられる。
上記に概略したような応用における使用に好適な検知
器を提供しようとして、当業者は位置及び/又は運動を
検知するための多数の異なった種類のデバイスを開発し
てきた。幾つかの最も共通の型のデバイスが以下に一般
的に述べられている。
初期の位置検知器の大部分は多く機械的であり、斯か
るデバイスが依然として今日も広く使用されている。機
械的検知器デバイスにおいて、その位置及び運動が検知
される物体は通常、指針、ダイアル、又は他の特定の型
の視覚指示器に物理的に接続されている。斯くして、物
体の運動は、指針又はダイアルに機械的に伝達される。
次に、指針又はダイアルの位置及び運動が周期的に観察
され、これにより物体の位置及び/又は運動が決定され
る。
機械的検知器デバイスは多くの応用に適切であるが、
斯かるデバイスの「出力」は一般的に視覚的に認知しな
ければならない故、斯かるデバイスはオートメションに
はあまり適していない。従って、当業者は、これに代わ
って特定の種類の電気的出力を供給する多数の検知器デ
バイスを開発してきた。
電気的出力を供給するある比較的単純な検知器デバイ
スは、その位置及び/又は運動が検知される物体に特定
の方法で結合されているコンデンサを含む。このコンデ
ンサは通常、物体の運動によってコンデンサのプレート
の正味電荷が変化するように物体に結合されている。例
えば、物体はコンデンサの平行プレートの一方に接続せ
しめることができ、一方、コンデンサの他方のプレート
は固定されたままにし、コンデンサの2枚のプレート間
の電圧は一定に保たれる。斯くして、物体の運動によっ
て、コンデンサのプレート間の距離及び、その結果、コ
ンデンサプレートの各々の正味電荷が両方共変化する。
次に、公知の高インピーダンス増幅及び同調回路を用い
て、正味電荷の斯かる変化を検知且つ監視することがで
きる。
電気的出力を供給する他の先行技術検知器デバイス
は、光学を用いて物体の位置及び/又は運動を検出す
る。斯かる光学検知器デバイスは、多数の異なった構成
を有する。
例えば、ある光学検知器は、その位置が検知される物
体に取り付けられているかあるいは物体から反射する光
源を含み得る。このデバイスは又、1つ又はそれ以上の
感光部品、例えば、光電池、フォトダイオード、側面効
果フォトダイオード、又は特定の種類の光導電シート又
は層を含む。これらの感光部品は、検知される物体から
発する又は反射される光と相互作用するべく物体の回り
に適当に配置される。次に、これらの感光部品の電気的
出力応答を用いて、物体の位置及び/又は運動の指示を
行う。
先行技術の光学検知器デバイスは又、干渉計として構
成され得る。基本的に、干渉計は、相互作用する光波か
ら生じる位相/振幅関係を検出することにより高度の精
度をもって距離の変化を測定するのに使用できるデバイ
スである。
例えば、干渉性の光源から発する光は2つのビームに
分裂し得る。一方のビームはその位置が検知される物体
に取り付けられている鏡から反射し、他方のビームは静
止鏡から反射する。2つのビームは次に、単一ビームに
再合成される。再合成されたビームはこれら2つのビー
ムが別々に進行した相対的距離に依存する特定の位相/
振幅特性を有する。次に、上記で認識されたような感光
部品を用いて再合成されたビームにおける斯かる位相/
振幅特性を検出するが、感光部品の出力は物体位置の如
何なる変化も指示する。
先行技術のデバイスの中には、位置を検出且つ監視す
るために放射性検知器を含むデバイスもあった。加速度
計を構成するある斯かるデバイスにおいて、放射性球が
チャンバの中に配置されている。この球から発する放射
性粒子はスリットシステムの背部に定位されている一対
の感ベータ線ダイオードによって検出される。このダイ
オードにおけるベータ線の強度を用いてチャンバ内の球
の位置を指示する。
位置及び/又は運動を検出するために、レーダ及びソ
ナー技術も先行技術において広く用いられている。斯か
る技術を用いて、ラジオ波又は音波が先ず物体に向けて
伝達する。物体から反射されるラジオ波又は音波は次
に、物体の位置及び/又は運動を決定するために分析さ
れる。
市販されている先行技術の検知器デバイスの精巧化及
び数にも拘らず、先行技術のデバイス及び方法は、多数
の不都合を被っている。
例えば、先行技術の検知器デバイスは、一般的に例え
ば唯1つの自由度にある物体の位置、運動、及び/又は
配向の検出に限定されている。即ち、先行技術のデバイ
ス及び方法は、唯1つの次元、例えば、特定の線に沿っ
た位置及び運動の検知に限定されている。その結果、多
自由度にある運動を検出(例えば、3次元空間の物体の
位置を固定)するべく、先行技術のデバイス及び方法を
用いるために、多数の検知器の物体の回りの空間的な種
々の位置への配置を許容する扱いにくい高価な支持構造
体が一般的に要求される。
大抵の先行技術検知器デバイスは又、比較的複雑であ
り且つ適切に機能するために手の込んだ支持システムを
必要とする。このことは、上記の光学検知器デバイスの
場合に特に真である。先行技術のデバイス及び方法の複
雑性によって斯かるデバイス及び方法が機能低下を起こ
す可能性が高まる。斯かる複雑性によって又、斯かる先
行技術のデバイスを製造し且つ使用する経費が有意に増
加する。
加うるに、先行技術デバイスは一般的にかなり大型で
ある。しかしながら、多くの場合、非常に小型である検
知器デバイスを使用することが望ましい。これは、例え
ば、ロボット光学及び義肢の分野の場合に特にあてはま
る。これらの応用分野において、これらの検知器デバイ
スの大きさ寸法はしばしば有意な不都合であり、ロボッ
ト工学及び義肢の効果的な開発及び作動を有意に妨害し
得る。
上記の先行技術検知器デバイスの別の不都合は、これ
らが半導体と関連して用いられるのにあまり適していな
いということである。光は半導体の性能特性を変えるこ
とは周知である。それ故、半導体技術が先行技術の検知
器デバイスと結び付いて用いられる場合、半導体エレメ
ントを光に対する露出から保護するために潜在的に高価
で冗長な遮蔽を一般的に提供しなければならない。
更に、検知器デバイスを特定の型の集積回路と関連し
て使用することがしばしば望ましいが、先行技術の検知
器デバイスは一般的に従来の集積回路と共に用いられよ
うにはあまり適合されていない。大抵の先行技術の検知
器デバイスは、従来の集積回路技術を用いて製造するこ
とができない。それ故、斯かる検知器デバイスは、集積
回路と直接関連して容易に製造することができないが、
別々に製造して、その後、所望の集積回路に接続しなけ
ればならない。その結果、先行技術の検知器デバイスを
集積回路と関連して製造及び組立する経費が有意に増加
する。
発明の簡単な要約及び目的 前記に鑑みると、本発明の主目的は、多自由度にある
物体の位置及び/又は運動を検知するためのシステム及
び方法を提供することにある。
本発明の目的は、構成及び使用が単純且つ安価である
位置検知器システム及び方法を提供することでもある。
本発明の更なる目的は、非常に小さな規模で製造され
且つ用いられ得る位置検知器システムを提供することに
ある。
本発明の更に別の目的は、半導体及び従来の集積回路
と関連して製造及び使用するように容易に適合される位
置検知器システムを提供することにある。
又、本発明の目的は、共通の不純物、例えば、塩化ナ
トリウム(NaCl)の存在に不当に影響されない位置検知
器システムを提供することにある。
上記の目的に合わせて、本発明は、多自由度にある物
体の位置及び運動を検知することができる且つ従来の集
積回路(IC)技術を用いて極端に小さな規模で製造でき
る検知器システム及び方法を意図している。
本発明の検知器システムは、少なくとも1つの電界効
果トランジスタ(FET)を含む。このFETには、FETのチ
ャンネル領域に隣接しているがチャンネル領域から絶縁
している導通ゲートが配設されているのが好ましい。FE
Tの性能特性がゲートの不純物による汚染の結果として
変化しないように、FETの導通ゲートは必要に応じて絶
縁材によって実質的に完全に包囲され得る。
その位置及び/又は運動が検出される物体は先ず、電
界が物体から発生するように準備される。その後、FET
が物体の近辺に持ち込まれる。物体から発生される電界
はFETのチャンネル領域を流れる電流の大きさを変える
べく、FETのゲート及び/又はチャンネル領域と相互作
用する。チャンネル領域を流れる電流は次に検出され
て、FETのチャンネル領域に対する物体の位置及び運動
についての情報を得るのに用いられる。複数の実質的に
共面のFETを物体の近辺に配置せしめることにより、任
意の所望の数の自由度にある物体の位置及び/又は運動
を検出且つ監視できるため有意義である。
本発明のこれら及び他の目的並びに特徴は、添付図面
と結び合わせて、以下の説明並びに添付されている請求
の範囲から更に詳細に明白となる。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明の位置検知器システムの1つの好ま
しい実施例の斜視図である。
第2A図は、第1図の線2A−2Aに沿って取られた且つ検
知されている物体から発生する電界との検知器デバイス
の相互作用を示す第1図の実施例の断面図である。
第2B図は、検知されている物体が検知器デバイスに近
ずいている第2A図に類似の断面図である。
第3図は、本発明の位置検知器システムの第2の好ま
しい実施例を示す第2A図に類似の断面図である。
第4図は、本発明の位置検知器システムの第3の好ま
しい実施例の断面図である。
第5図は、第4図の断面線5−5に沿って取られた第
4図の実施例の平面図である。
第6図は、本発明の位置検知器システムと関連して用
いられ得る電流検出回路の1つの好ましい実施例を示す
略図である。
第7図は、多自由度にある物体の位置及び運動を検出
するための検知器システムの1つの好ましい実施例の斜
視図である。
第8図は、多自由度にある物体の位置及び運動を検出
するための検知器システムの第2の好ましい実施例の斜
視図である。
第9図は、多自由度にある物体の位置及び運動を検出
するための検知器システムの第3の好ましい実施例の斜
視図である。
第10図は、多自由度にある物体の位置及び運動を検出
するための検知器システムの第4の好ましい実施例の斜
視図である。
第11図は、本発明の範囲内の位置検知器システムを含
む圧力変換器の側面図である。
第12図は、第11図の線12−12に沿って取られた第11図
の圧力変換器の断面図である。
第13図は、本発明の範囲内の位置検知器システムを含
む変換器デバイスの斜視図である。
第14図は、第13図の線14−14に沿って取られた第13図
の変換器の断面図である。
第15図は、本発明の範囲内の位置検知器システムを含
むステレオレコードプレーヤピックアップシステムの斜
視図である。
第15A図は、第15図のピックアップシステムの端面図
である。
好ましい実施例の詳細な説明 本発明の諸成分は、この中の図面に全体的に述べられ
且つ説明されているように、広範囲の種類の異なった構
成に配置且つ設計され得ることが容易に了解されよう。
斯くして、本発明の位置検知器システム及び方法のこの
好ましい実施例の以下のより詳細な説明は、第1図乃至
第15A図に表されているように、請求のように、本発明
の範囲を限定するように意図されておらず、単に本発明
のこの好ましい実施例を表すだけである。
本発明のこの好ましい実施例は、類似の部品が類似の
数字で示され通している。図面を参考すると最も良く理
解されよう。
1. 一般的な論述 本発明の位置検知器の1つの好ましい実施例が第1図
に示されている。図示のごとく、この位置検知器は、物
体20及びデバイス110(以後、「FET」と呼ぶ)を含んで
いる。
その位置及び/又は運動が検出されうる物体20は、物
体20から電界が発生するように形成又は製造される。斯
かる電界は、それぞれ第2A図及び2B図の線14及び16によ
って略示されている。
FET110は、物体20から発生する電界と相互作用する導
通ゲート140を含む。ゲート140と電界との相互作用の度
合が測定され、FET110に対する物体20の位置及び/又は
運動についての情報を得るのに用いられる。
ここで第2A図及び2B図について述べると、FET110は、
それぞれドレイン及びソース領域と呼ばれる2つの導通
領域132及び134を含んでいる。ドレイン領域132及びソ
ース領域134は、これも導通している狭チャンネル領域1
36によって分離されている。ドレイン領域132及びソー
ス領域134は通常、異なった電位に維持され、これによ
り、チャンネル領域136を通してドレイン領域132とソー
ス領域134の間の電流が流れる。
物体20から発生する電界がFET110のゲート140と相互
作用すると、電荷がゲート140の表面に誘起される。斯
かる表面電荷はFET110のチャンネル領域136の誘電率を
変え、ドレイン領域132とソース領域134の間を流れる電
流の大きさに影響する。
FET110の領域132、134、及び136内の可動電荷キャリ
ヤは正又は負に帯電され得る。斯かる電荷キャリヤが、
例えば、負に帯電されると、物体20から発生する電界
は、負の正味電荷を物体20内にあるいはその表面上に置
くことによって生成し得る。斯かる場合、電界14(第2A
図を参照せよ)がFET110のゲート140と相互作用する
と、負の電荷が隣接のチャンネル136であるゲート140の
表面上に誘起される。ゲート140上の負の表面電荷はFET
110のチャンネル領域136内の負の電荷キャリヤを反発
し、これによりチャンネル領域136の導通を少なくす
る。更に、チャンネル領域136内に得られる電荷キャリ
ヤが少なくなる結果、物体20がFET110の近辺に無い場合
よりも少ない電流がFET110のドレイン領域132とソース
領域134が流れる。
第2B図は、物体20がFET110により近く配置された時に
生じるものを示している。図示のごとく、電流16はここ
でFET110のゲート140とより密に相互作用する。その結
果、FET110のゲート140の上に誘起される表面電荷の大
きさが大きくなり、これによりチャンネル領域136内の
負の電荷キャリヤの増大した反発を生じる。それ故、FE
T110のドレイン領域132とソース領域134の間を流れる電
流は、物体20が第2A図に図示されているように配置され
た場合よりも第2B図に図示されているように配置された
時に少なくなる。
従って、FET110のドレイン領域132とソース領域134の
間を流れる電流を監視することによって、FET110に対し
て相対的な物体20の位置を検出及び/又は連続的に監視
し得る。更に、以下に続く論述からより明白となるよう
に、物体20の近辺に配置されている複数のFET110を用い
ることにより、任意の所望の自由度にある物体20の位置
及び運動を積極的に決定且つ監視することが可能とな
る。
システムの作動を表す数学式を検査することにより、
本発明の位置検知器システムの作動及び使用の更なる理
解を得ることが出来る。斯かる式の検査は又、物体20の
位置についての情報を得るためにFET110のドレイン領域
132とソース領域134の間を流れる電流の大きさを如何に
用いるかを示す。従って、1つの単純化された場合の関
連の式の簡単な導出が以下に与えられる。
従来の使用において、FETのソース領域とドレイン領
域の間の電流は、FETのゲートに電圧を適用することに
より変化する。斯くして、例えば、FETのチャンネル領
域が実質的に矩形の場合、FETのソース領域とドレイン
領域の間を流れる電流(Id)は以下の式によって近似さ
れる。
ID=μ(W/L)C′ox(VG−Vth(VB))(VD−VS
(1) ここで、 μ=チャンネルにおける電子の移動度 (cm2/ボルト−秒) W=チャンネル幅(cm) L=チャンネル長さ(cm) C′ox=金属酸化物半導体(「MOS」)キャパシタンス
(ファラッド/cm2) VG=ゲート電圧(ボルト) Vth=しきい電圧(ボルト) VB=体(基板)電圧(ボルト) VD=ドレイン電圧(ボルト) VS=ソース電圧(ボルト) 式(1)における式「C′ox(VG−Vth(VB))」は、
当業者にはゲートに適用されている電圧(VG)に関連す
るFETのゲート上の表面電荷密度を表すものとして認識
されよう。しかしながら、第1図のFET110の場合、ゲー
ト140上の表面電荷密度は電圧(VG)をゲート140に適用
しても変化しない。その代わり、ゲート140上の電圧(V
G)は、ゲート140上の初期表面電荷密度を説明するのに
用いられる。FET110のゲート140上の表面電荷密度は次
にゲート140上に付加的な表面電荷を誘導すべくゲート1
40と相互作用する電界14(第2A図)によって変化する。
前記に合わせて、FET110の作動は電界14によってゲー
ト140上に誘導される表面電荷密度を表す付加的な項を
含むべく式(1)を修正することによりより正確に特徴
付けられる。問題の使用範囲では注目すべきように、一
次方程式である修正された式は以下の通りである。
ID=μ(W/L)[Q′ind+C′ox(VG −Vth(VB))〕(VD−VS) (2) ここで、 Q′ind=ゲートに誘導された表面電荷(クーロン/c
m2) 式(2)は以下のように単純化できる。
ID=I0 D+μ(W/L)(VD−VS)・Q′ind (3) ここで、 I0 D=外部電界が無い時のソース−ドレイン電流電界14
によってゲート140の表面に誘導される電荷(Q′ind
の大きさはもちろん電界14の特定の構成に依存する。
例えば、電界が電荷の無限線によって生成する場合、
電界(E)は以下の式によって表される。
E=λ/2πr (4) ここで、 λ=線電荷密度(クーロン/cm) r=電荷の線から距離(cm) 斯かる場合、電荷の線に実質的に平行な導通面に誘導さ
れる表面電荷密度( ind)は以下のように表すことが
できる。
σind=−λh/π(h2+y2) (5) ここで、 h=導通面の上の線の高さ(cm) y=導通面に沿った線からの横方向距離(cm) 幅W及び長さLを有する導通面の矩形領域に誘導され
る全表面電荷(Qind)は、以下のように式(5)を用い
て計算することができる。
Q′ind=−(2λL/π)tan-1(W/2h) (7) 導通面の矩形領域に誘導される平均表面電荷密度は全
電荷表面密度(Qind)を矩形領域の面積(WL)で割った
ものに等しい。斯くして、式(7)から計算される平均
表面電荷密度(Q′ind)は以下の通りである。
Q′ind=−(2λ/Wπ)tan-1(W/2h) (8) 式(8)をここで式(3)と合成すると電荷の無限線
がFET110の近辺に位置す場合にFET110のドレイン領域13
2とソース領域134の間を流れるであろう電流の式を得る
ことができる。合成された式は以下の通りである。
ID=I0 D−〔2μλ(VD −VS)/πL〕tan-1(W/2h) (9) 式(9)を用いて、FET110のチャンネル領域136上の
電荷の線の高さをFET110のドレイン領域132とソース領
域134の間を流れる電流(ID)の測定値から計算するこ
とができる。同様の式を他の電界構成に対しても導くこ
とができる。
2. FET検知器構成 本発明のFET位置検知器は多数の異なった幾何構成の
任意の構成を有し得る。選択された特定の構成は位置検
知器システムの全体が置かれる特定の応用に、大分、依
存する。本発明の範囲内の位置検知器システムのための
1つの好ましいFET構成が110に全体的に指示されており
且つ第1図、2A図及び2B図に図示されている。
第2A図及び2B図に最も良く示されているように、FET1
10はドーピングされた半導体基板130を含む。基板130は
例えば、実質的に好ましくない不純物を含まないように
制御された条件の下で成長したシリコン結晶を含み得
る。
基板130は複数の自由電荷キャリヤがドーピングされ
た2つの種類の領域132及び134を含む。領域132及び134
は、多数の自由電荷キャリヤを同様に与えられるように
これも又、薄くドーピングされたチャンネル領域136に
よって分離される。この自由電荷キャリヤは正又は負の
電荷キャリヤであり得る。
領域132、134、及び136の物理的寸法は非常に小型で
あることが好ましい。例えば、領域132及び134は約2乃
至3ミクロンの距離だけ基板130に浸透し得るが、一
方、領域136は約1ミクロンの距離だけ基板130に浸透す
る。加うるに、領域132と134間の距離(しばしば、チャ
ンネル領域136の「長さ」と呼ばれる)は、約0.5ミクロ
ン程度小さく、あるいは、例えば、約40ミクロン以下と
なり得る。同時に、領域136の「幅」は、例えば、約0.5
ミクロンから約500ミクロンまでの範囲内にあり得る。
半導体材料内の負電荷キャリヤの移動度は正電荷キャ
リヤの移動度よりも大きいことが一般的に知られてい
る。それ故、領域132、134、及び136をドーピングする
のに用いられる不純物は斯かる諸領域に過大な負電荷キ
ャリヤを供給する種類であることが目下望ましい。斯か
る不純物は「n−型不純物」と一般的に呼ばれ、従っ
て、FET110は「n−チャンネル」FETと呼ばれる。好ま
しいn−型不純物は、例えば、ひ素、アンチモン及び/
又はリンを含み得る。
第2A図及び2B図に更に図示されているように、基板13
0には絶縁材料の層138が配設されている。層138は例え
ば、二酸化珪素又は窒化珪素を含み得る。層138はきわ
めて薄いのがよく、例えば、層138は約1ミクロン厚で
あり得る。チャンネル領域136に隣接の層138は必要に応
じて、図示のようにより小さな厚さ、例えば、0.1ミク
ロンを有し得る。
FET110には、又、2つの導通領域133及び135が配設さ
れている。領域133及び135は図示のように層138を通っ
て延設され且つ基板130の領域132及び134と電気的接触
している接触パッドである。接触パッド133及び135は斯
くしてそれぞれ領域132及び134に電気的接触を行うため
の手段を提供している。
FET110は又、導通領域140を含むことが好ましい。導
通領域140はFET110のゲートであり、チャンネル領域136
の上を且つ領域132及び134の両方の上を延設するように
構成されている。ゲート140は層138によって基板130か
ら電気的に絶縁されていることが好ましい。
導通領域133、135、及び140は任意の好ましい導通材
料から形成されていることが好ましい。例えば、導通領
域133、135、及び140は、アルミニュウムから形成され
得る。
本発明の範囲内の位置検知器システムに使用するFET
の第2の好ましい実施例が210に全体的に指示されてお
り且つ第3図に図示されている。FET110の場合と同じよ
うに、FET210はドーピングされた領域232、234、及び23
6を含む半導体基板230を含む。基板230及び領域232、23
4、及び236は第1図、2A図及び2B図に関連して上記に述
べられた基板130及び領域132、134、及び136とそれぞれ
実質的に同等である。
FET110の基板230には、例えば、検知器110の層138の
ように、二酸化硅素又は窒化硅素から形成され得る絶縁
層238が配設されている。又、絶縁層238の頂部には導通
領域233及び235が配置されており、これらは、それぞれ
領域232及び234に電気的接触を行うべく、図示のよう
に、層238を通って延設されている。導通領域233及び23
5は第1図、2A図及び2B図に関連して上記に述べられた
導通領域132及び135と実質的に同等である。
FET210の層238内には導通領域又はゲート240が埋め込
まれている。FET210のゲート240はFET110のゲート140に
相当する。ゲート240は絶縁層238によって基板230から
電気的に絶縁されている。加うるに、ゲート240をFET21
0を包囲している諸領域から絶縁するべく絶縁層238はゲ
ート240を実質的に完全に包囲している。
特定の応用においては、本発明の位置検知器システム
はある程度の不純物を有する環境に用いられることがあ
る。斯かる不純物は、例えば、かなり一般的にナトリウ
ムイオン又は他の変化した粒子を含み得る。斯かる不純
物がFET検知器のチャンネル236に直接隣接する層238の
部分に接触せしめられる場合、これらの不純物は層238
の斯かる部分に吸着され得る。これによりFETの性能特
性が変化し、その結果、得られる位置情報が歪められ
る。
上記の問題を避けるために、第3図に図示されている
ように構成されているFET210が用いられ得る。FET210の
ゲート240は絶縁層238によって完全に包囲されている。
その結果、不純物はチャンネル236に直接隣接している
層238のその部分に接触することができず且つその部分
に吸着されることがない。それ故、FET210は不純物を含
む環境において信頼的に使用され得る。
FET210のゲート240は任意の好適な材料から形成され
得る。例えば、ゲート240は多結晶シリコン材料から形
成され得る。斯かる多結晶質シリコンゲート240は半導
体工業において周知の手段によって層238内に配設され
得る。
第3図に更に示されているように、ゲート240は非対
称と成るべく形成し得る。即ち、ゲート240は領域234の
頂部の上を延設されるよりも領域232の頂部の上を延設
される部分の方が大きい。加うるに、導通領域又はバイ
アス接触部242を層238の頂部の上にゲート240の上記の
より大きな部分に隣接するように配置せしめることがで
きる。バイアス接触部242を用いて、特定の場合にFET21
0を流れる電流を修正することができるため有利であ
る。
上記の式(2)から、FET基板上の電圧(VB)の関数
であるFETのしきい電圧(Vth)を変えることにより、FE
Tを流れる電流(Id)を修正し得ることが明かとなる。
斯くして、例えば、物体20が所望の基準位置に定位して
いる時、FET210を流れる電流(Id)が所望の基準値に等
しくなるようにFET210の基板230上の電圧(VB)を調節
することができる。
しかしながら、多くの場合、基板230の上には多数の
他の回路成分をFET210に関連して配設し得る。基板230
上の電圧(VB)はそれ故、斯かる他の回路成分に影響す
ることなく任意に変化し得るものではない。斯かる場
合、ゲート240に表面変化を誘起し、これによりFET210
を流れる電流(Id)を修正すべく、バイアス接触部42の
上に電圧を置くことができる。接触部242の上の電圧
は、例えば、物体20が所望の基準の位置に定位している
時にFET210を流れる電流(Id)が所望の基準値に等しく
なるように選択し得る。このようにして、バイアス接触
部242を用いて物体20の位置が決定される基準となる基
準位置を確立することができる。
本発明の範囲内の位置検知器システムのためのFETの
第3の好ましい実施例が310に全体的に指示されてお
り、第4図及び第5図に図示されている。図示のごと
く、FET310は実質的に環状の構成を有するように形成さ
れている。
FET110の場合と同じように、FET310は半導体金属330
並びにドーピングされた領域332、334、及び336を含
む。基板330はFET110に関連して上記に述べられた基板1
30に形状及び機能の点で相当する。同様にして、FET310
の領域332、334、及び336は、それぞれFET110の領域13
2、134、及び136に相当する。しかしながら、領域332、
334、及び336は第5図に最も良く示されているように環
状構成を有する。
FET310の基板330には又、絶縁層338が配設されてい
る。層338は、第3図と結び付いて上記に述べられたFET
210の層238に実質的に同等である。導通領域333及び335
は図示のように層338の頂部に配設されており、それぞ
れ領域332及び334と電気的接触をすべく層338を通って
延設されている。導通領域333及び335は上記の領域133
及び135に実質的に同等である。
FET310の層338内にはゲート340の導通領域が埋め込ま
れている。ゲート340は構成が実質的に環状であり、FET
210のゲート240と同じように、例えば、多結晶質シリコ
ン材から形成され得る。
FET310の主利点は、FET310のチャンネル領域336が物
体の位置決定に考慮されなければならない如何なる
「隅」をも有していないという事実から生じる。これに
より、FET310に関する物体の位置を決定するのに要する
分析が大幅に単純になり且つFET310が実質的に全方向位
置検知器として機能することができる。
例えば、その位置が決定される物体20は第1図に図示
されているように均一に帯電した球体として構成され得
る。従って第1図のFET110を用いて物体20の位置を検出
し得る。斯かる場合、FET110のチャンネル領域136(第2
A図を参照せよ)が矩形であるため、FET110の応答は物
体20とFET110との距離並びに物体20に関するFET110の回
転配向の両方に依存する。
一方、FET310の物体20に対する応答はもっと単純であ
る。FET310の能動領域は「隅」を有していない。斯くし
て、FET310の物体20に対する応答は物体20に関するFET3
10の回転配向に依存しない。その代わり、FET310の物体
20に対する応答は単に物体20とFET310との距離に依存す
る。その結果、物体の位置決定に伴う分析は環状構成を
有するFET310を用いることによって有意に単純化できる
ことが了解されよう。
上記の諸実施例は本発明のFET検知器のための幾つか
の可能な構成しか示していない。当業者はこのFET検知
器が実質的に無限の異なった幾何構成を有し得ることを
容易に了解しよう。このFET検知器の寸法及び幾何が検
知器の感度に影響するため有意義である。斯くして、こ
のFET検知器の構成は、特定の感度及び特別の要求条件
を更に満足するべく特定の応用に対して修正し得る。
3. FET検知器製造 本発明のFET位置検知器は従来の半導体技術を用いて
絶縁されたゲートFETとして製造され得る。説明の目的
のために、第1図、2A図及び2B図に図示されているFET1
10を製造するための1つの可能な方法が以下に簡単に与
えられている。
先ず、シリコン結晶ウエハ130が、好ましくない不純
物を実質的に含まないように制御された条件の下で成長
する。次に、シリコンウエハ130は1000℃から1100℃台
の高温において酸素ガスに曝される。斯かる暴露によっ
て二酸化硅素の薄い均一層138がウエハ130の表面上で
「成長」する。
冷却の後、二酸化硅素層138に一般的に「フォトレジ
スト」と呼ばれる有機感光性材料が塗布される。好適な
フォトレジスト材料は、例えば、マサチューセッツ州ニ
ュートンのシプレーカンパニーによってストック番号AZ
1375として現在製造且つ配給されている。このフォトレ
ジスト材料は次に乾燥され、250℃台の温度で二酸化硅
素層138上に焼付けられる。
フォトレジスト材料が一旦、層138に適用されると、
マスクが層138の頂部に置かれる。このマスクはFET110
の領域132及び134を画成する「ステンシル」の1つの形
である。
マスクが所定の位置に置かれた状態で、紫外線、x線
又は他の特定の種類のイオン化放射線が適用される。こ
のマスクによってイオン化放射線が層138の特定の部分
のみに接触し、他方の部分にはシールドを与える。例え
ば、このマスクはウエハ130の領域132及び134に隣接す
る層138のこれらの諸部分にのみ放射線を接触せしめる
ように構成し得る。斯かる場合、用いられるフォトレジ
スト材料は放射線に暴露した際により小さな分子に分解
する種類である。
次に、ウエハ130は「現像」されたフォトレジスト材
料を洗い流して、これにより現像されたフォトレジスト
材料の下の層138の諸部分を露出するべく溶剤の中に浸
せきされる。その結果、領域132及び134の直上のフォト
レジスト材料が洗い流され、一方、ウエハ130の他方の
部分はフォトレジスト材料に覆われたままである。
次に、ウエハ130はエッチング物質、例えば、弗化水
素酸に曝される。このエッチング物質は層138の露出部
分は溶解するが、ウエハ130又はまだフォトレジスト材
料が塗布されている層138のこれらの部分には影響を与
えない。残りのフォトレジスト材料被覆層138はその
後、ウエハ130を有機強酸、強酸(例えば、クロム酸
等)、又は原子酸素に曝すことによって除去される。
上記の工程により、ウエハ130は、領域132及び134の
頂部の直上を除いて二酸化硅素の均一層138が塗布され
た状態に製造される。斯くして、ウエハ130の領域132及
び134にはここで適当な不純物がドーピングされる。ド
ーピングは、ウエハ130を高温において所定量の不純物
を含むチャンバ中に置き、不純物の原子をウエハ130の
表面に拡散せしめることにより達成し得る。又、領域13
2及び134のドーピングは従来のイオン注入技術を用いて
為され得る。重要なことには、不純物材料の原子は二酸
化硅素の無傷の層138には浸透しない。それ故、ウエハ1
30の露出領域132及び134には不純物がドーピングされる
が、領域136は又、領域132及び134からの拡散の結果と
して薄くドーピングされる。
一旦、領域132及び134に適当な不純物がドーピングさ
れると、ウエハ130は高温(1000℃−1100℃)において
再び酸素ガスに曝される。この結果、ウエハ130の表面
全体にわたって再び成長した二酸化硅素の層が生じる。
前記に概略された工程を用いて、第2A図及び2Bに図示
されているように、ウエハ130の領域136に隣接している
二酸化硅素の一部分がエッチングされて除去され、二酸
化硅素のより薄い層が領域136の頂部上に配設される。
又、層138を通して領域132及び134に電気的接触され得
るように領域132及び134上の層138の小さな部分がエッ
チングされて除去される。
最終工程として、二酸化硅素層138の頂部には適当な
導通領域133、135、及び140が配設される。例えば、領
域133、135、及び140はアルミニューム金属から形成さ
れ、従来の蒸着技術を用いて配設することができる。
4. 検知器システム回路 使用の際、本発明の位置検知器システムには、もちろ
ん、FET位置検知器のソース領域とドレイン領域の間を
流れる電流を検出するための適当な手段が配設されてい
なければならない。斯かる電流は通常かなり小さい。例
えば、物体がFETから約0.1mm離れて配置されている場
合、FETを流れる電流は60マイクロアンペア程度小さく
なり得る。従って、本発明の位置検知器システムに用い
られる電流検出器は斯かる小電流を正確に検出且つ測定
できなければならない。
第6図は所要電流検出機能を適当に実行する単純で且
つ好ましい回路構成を示す。本発明のFET位置検知器が
第6図に10に全体的に指示されている。FET10は上記に
詳細に論述されているように構成及び製造されている。
FET10のドレイン領域は58において正電圧源に接続さ
れている。斯くして、例えば、FET10が第2A図及び2B図
に図示されているように構成されている場合、領域132
は制御部133によって58において電圧源に接続される。
接触部58に与えられる電圧は任意の適当な電圧であり得
る。例えば、第6図に指示されているように、接触部58
は約2.5ボルトに維持され得る。
FET10のソース領域は演算増幅器50の反転入力52に接
続されている。斯くして、例えば、FET10が第2A図及び2
B図に図示されているように構成されている場合、領域1
34は接触部135によって増幅器50の反転入力52に接続さ
れる。
増幅器50の非反転入力54は図示のごとく接地されてい
る。又、増幅器50の反転入力52と出力の間にはフィード
バック抵抗60が配設されている。
増幅器50は任意の適当な増幅器デバイスを含み得る。
従来の集積回路技術を用いて製造されたある演算増幅器
は本発明に関連する使用に特に好適である。1つの斯か
る演算増幅器はナショナルセミコンダクタ社によってス
トック番号LM422として製造される。適当な増幅器50は
必要に応じて従来の集積回路技術を用いて、FET10を形
成するのに用いられる同じ基板ウエハ上に製造され得
る。
フィードバック抵抗60は又、多数の適当な抵抗の任意
のものを含み得る。抵抗60の抵抗は第6図の回路に所要
範囲の適当な感度を与えるべく選択される。斯くして、
例えば、第6図に図示されている特定の構成において、
抵抗60は約1Kオームの抵抗を有するべく選択され得る。
作動において、その位置が検出されている物体から発
生する電界は矢印15で略示されるようにFET10と相互作
用する。斯かる相互作用によってFET10を流れる電流の
量が変化し、これによりFET10の有効抵抗が変化する。
例えば、オームの法則によると、FET10を流れる電流の
増加によってFET10の有効抵抗にそれに比例した増加が
生じる。
増幅器50の利得は抵抗60の値と並びにFET10の抵抗の
有効値との両方に直接関係する。詳細には、増幅器56の
利得は抵抗60の抵抗をFET10の有効抵抗で割ったものに
大きさの点で近似的に等しい。斯くして、FET10の有効
抵抗が変化すると、増幅器50の利得が変化し、これによ
り出力56において検出される出力電圧に変化が生じる。
増幅器50の出力56における電圧は多数の方法の任意の
方法で容易に監視され得る。例えば、出力56はオシロス
コープ、ストリップチャートレコーダ又は他の特定の表
示/記録デバイスに接続され得る。出力56は又、出力56
における電圧の大きさをデジタル的に監視できるように
特定の種類のアナログ−デジタル変換器にも接続され得
る。
重要なことに、上記の論述から明白となるように、増
幅器56の出力56における電圧の大きさはFET10を流れる
電流に直接関係している。FET10を流れる電流の方は、
電界15のFET10との相互作用によって決定される。電界1
5のFET10との相互作用は電界15が発生する物体の位置の
関数である。斯くして、増幅器50の出力56における電圧
を監視することにより、FET10に対する物体の相対的な
位置についての情報を得ることができる。
他の形の電気回路並びに他の電流検出デバイス及び装
置を等しく許容できる結果でもって本発明の位置検知器
システムに関連して使用できることが容易に了解されよ
う。第6図に図示の回路は、FET10を流れる電流が適当
に検出及び監視できる1つの方法を単に示しているだけ
である。第6図に図示されている回路は単純且つ安価の
両方であり、この理由に因り、好ましい。
5. 検知器システム作動 本発明の位置検知器システムを用いて物体の位置及び
/運動を検出するために、その位置が検出される物体か
ら電界が発生するようにこの物体を準備することが先ず
必要である。電界は実質的に任意の所望の構成を有し得
る。しかしながら、多くの場合、特定の型の不均一の電
界を生成することが望ましいであろう。この中に用いら
れているように、「不均一」電界という用語はその大き
さが測定の点とこの電界が発生する物体との距離に何ら
かの状態で依存する電界を意味する。
物体から発生する電界は多くの異なった方法で生成し
得る。
斯かる電界を生成する1つの方法は物体に1つ又はそ
れ以上のエレクトレットを配設することである。「エレ
クトレット」という用語は非ゼロ正味電荷を有する有界
領域を言及するのにこの中において用いられている。こ
のエレクトレットは「「補償」(接地面に比較的近い)
されていてもあるいは「補償」されていない(接地面か
ら比較的離れている)状態であってもよい。物体には種
々の方法でエレクトレットが配設され得る。
例えば、物体を特定の種類の電子ビームの経路に置く
ことができる。適当な電子ビームは走査型電子顕微鏡を
用いて容易に形成し得る。斯かる電子ビームは顕微鏡に
よって任意の適当な直径(例えば、0.1ミクロン)に焦
点を合わせることができ、このビームはコンピュータに
よって物体を横断するように導くことができる。多くの
ポリマー材料にこの方法でエレクトレットを配設するこ
とができ、このポリマー中に埋め込まれた電子は多年の
期間にわたって室温で比較的不動の状態を保持する。
物体の近辺に高電圧針を持っていくことによっても物
体にエレクトレットを配設することが可能である。針か
ら物体へのコロナ放電によって電子が物体の中に押し込
まれてエレクトレットを形成する。
物体の上に導電性液体の滴を置き、次にこの液体に高
電圧をかけることによっても同様の結果を得ることがで
きる。この導電性液体は帯電した導体を物体の中に送
り、これによりエレクトレットを形成する。
物体に正味電気分極を有する1つ又はそれ以上の領域
を配設することによっても物体から発生する適当な電界
を生成することができる。例えば、物体を高温において
強電界の中に置いてもよい。この高温において、物体の
分子はかなり可動になり、それ自体を電気滴に整列し始
める。即ち、物体は分極される。物体がこの後冷却され
て次に電界から取り除かれると、物体が電界を生成する
正味電気分極を維持するように物体の分子は整列状態を
保持する。
又、特定の蛋白質の分子を吸着することによっても物
体の諸部分を分極することができる。多くの蛋白質が永
久電気双極子を有することが知られている。それ故、物
体に蛋白質が吸着されるように物体を斯かる蛋白質に接
触せしめてもよい。これにより電界を生成するべく物体
の諸部分が分極する。
物体から発生する電界を生成するための更に別の方法
は物体に1つ又はそれ以上の導通領域を与えることであ
る。次に、適当な電界を生成するべくこれらの領域に実
質的に固定された電圧レベルを与えてもよい。
その位置及び/又は運動が検出される物体が実質的に
任意の形状を有し得る。物体の形状は物体から発生する
電界の特定の構成とともに、特定の応用と並びに入手を
所望する情報の種類の両方に依存する。このことは、次
に続く論述から更に容易に明白となろう。
第7図に示されているように、その位置の検出を所望
される物体20は球体として構成され得る。電界を形成す
るべく、上記の方法の1つに従って、物体20を準備す
る。例えば、実質的に均一の表面電荷を有するように物
体20を準備し得る。斯かる場合、半径方向に依存する電
界が物体20から発生する。
3次元空間における物体20の位置を、図示のように、
ベース12に固定し得る3つのFET10を用いて決定するこ
とができる。FET10は前記のように構成且つ製造され、
各FET10には適当な電流検出回路が配設されている。
使用に先立ち、物体20の位置が決定される基準となる
基準点を確立するべく各FET10のしきい電圧が設定され
る。例えば、FET10がn−チャンネルFETであり且つ負の
表面電荷が物体20の上に置かれる場合、FET10は負のし
きい電圧を有するように調節される。適当なしきい電圧
は、例えば、−2.0ボルトであり得る。又、上記に論じ
られたように、所望の基準点の確立を助成するべく各FE
T10にバイアス接触部242(第3図を参照せよ)を配設し
得る。
この後、各FET10を流れる電流が監視され、斯かる電
流を用いて各FET10に対する物体20の位置を決定するこ
とができる。斯かる情報をもって、ベース12上の物体20
の位置を任意の時点で決定することができ、連続的に監
視することができる。
特定の応用の場合、3次元位置を検出するだけでは充
分でなく、更に何らかの情報が所望されるかも知れな
い。斯かる場合、その位置が検知されている物体はある
程度異なって準備する必要があり、多数のFET10が用い
られよう。
例えば、第8図はロッドとして構成される物体120を
示している。物体120は上記の方法の1つを用いて準備
され、例えば、実質的に均一の表面電荷を与えられる。
第8図に示されるように、6個のFET10が特定の所望
の構成で適当なベース12に取り付けられ得る。例えば、
FET10は、図示のように、2つの実質的に平行な列に配
列され得る。各FET10には適当な電流検出回路が配設さ
れ、適切に調節されて所望の基準点を確立する。
第8図の各FET10を流れる電流を同時に監視すること
により、物体120の位置及び運動を決定且つ監視するこ
とができる。有意義なことには、3次元空間の物体120
の位置を検出することに加えて、1つ又はそれ以上の軸
を中心とする物体120の回転も決定することができる。
一般的な提案として、より多数のFET10を用いること
により物体についてのより多くの情報を得ることが可能
である(より高い「分解能」)。斯くして、第7図に図
示されているFET装置は3次元位置情報のみを供給する
だけであるが、第8図に関連して述べられているFET装
置は位置情報と回転情報の両方を供給することができ
る。前記に述べたように、物体の形状及び電界の構成は
得らる情報の量に影響する。
ここで第9図について述べると、その位置が検出され
る物体222はウエハとして構成される。9個のFET10の配
列が物体222の下に配設されており、FET10は適当なベー
ス12に固定されている。FET10は任意の所望の構成(例
えば、3つの別々の列で)でベース12上に配列され得
る。各FET10には適当な電流検知回路が配設され、所望
の基準点を確立するように調節される。
第9図の物体222は上記の諸方法を用いて多数の様式
の任意の様式で準備し得る。例えば、一般的な位置情報
のみが必要な場合、物体222には実質的に均一の表面電
荷が与えられ得る。又、物体222は非均一表面電荷を有
するように準備し得る。非均一性表面電荷は物体222の
位置及び運動についての付加的な情報の供給を助成する
ため好都合である。
例えば、第9図に図示されているように、物体222に
は多数のストリップの電荷220を与えられ得る。ストリ
ップ220は例えば、物体222を走査型電子顕微鏡の焦点付
けされたビームの下に通過せしめることにより形成され
得る。物体222をこのように準備し且つ充分な数のFET10
を用いることにより、物体222の位置の更に非常にわず
かな変化を検出することが可能となる。斯くして、斯か
る配設を用いて、位置測定の精度を上げることができ
る。
第10図は更に別の目的及び検出器装置を示している。
第10の目的及び検知器装置は、例えば、ジャイロスコー
プに関連する使用に容易に適合し得る。
第10図に示されているように、その位置が検出される
物体322は実質的に円形のディスクとして構成されてい
る。物体322は適当な電界が物体322から発生するように
準備される。例えば、図示のように、物体322には帯電
環320が与えられ得る。又、物体322には帯電ラジアルア
ームあるいは他の特定の適当なパターンの電荷が与えら
れ得る。
図示のように、複数のFET10が適当なベース12上に配
設され且つ実質的に円形の構成に配列される。もう一
度、各FET10には適当な電流検出回路が配設され、基準
点を確立するように調節される。
第10図の物体322は、例えば、物体322の中心を通過す
る実質的に垂直の軸を中心に回転し得る。次に、FET10
を用いて、回転軸の如何なる傾斜も検出することができ
る。斯くして、第10図の目的及び検知器は高感度ジャイ
ロスコープとして機能し得る。
特定の場合、回転を計数し且つ/又は物体322がその
軸線を中心に回転する速度を監視することも望ましい。
従って、環320の破断が321に与えられる。321における
破断によって、もちろん、物体322を包囲する電界が修
正される。電界の斯かる修正を検出且つ監視することが
でき、これにより、物体322の回転速度及び/又は物体3
22によって為される回転の数を決定することができる。
第7図−10図に関連して述べられている幾つかの例か
ら、その位置が検出されている物体を実質的に無限数の
様式に構成され得ることが容易に了解されよう。物体が
構成される特定の様式は所望情報に且つ特定の応用に依
存する。加うるに、実質的に任意の数のFET10を用いる
ことができる。FET10の数及び配列は所望の情報の種類
及び量に依存する。
第7図−10図に図示されているように、FET10はその
位置が検出されている物体から発生する電界内に直接配
置されているのが望ましい。即ち、第7図に示されてい
るように、FET10は、物体20のすぐ近辺にあるように且
つこれにより物体20から発生する主電界と直接相互作用
するように配置される。FET10は、理論的には、例え
ば、ワイヤに沿った物体のすぐ近辺から伝達され得る2
次電界と相互作用することにより充分に機能する。しか
しながら、実際は、雑音や他の電気的干渉によって、斯
かる装置を用いては、正確な測定が困難になり得る。そ
れ故、システムの精度を上げるためには、FET10を監視
されている物体から発生する電界内に直接配置すること
が好ましい。
上記に説明されたように、FET10は全て、例えば唯1
つの平面に置かれるように、検知されている物体に対し
て配置され得る。斯くして、従来の集積回路技術を用い
て幾つかのFET10を唯1つの基板ベース上に配設するこ
とができる。加うるに、従来の集積回路技術をもって、
各FET10に隣接する同じ基板ベース上に適当な電流検出
回路を配設することができる。これにより、非常に小型
の検知器システムを製造することが可能となる。更に、
本発明の範囲内の比較的複雑な検知器システムは従来の
技術を用いて非常に安価に製造することができ、精巧な
且つ高価な物理的支持構造体の必要性が無くなる。
6. 例示的応用 以下に述べられている例示的応用は、本発明の新規な
位置検知器システム及び方法を用いることのできる様式
の幾つかを示している。当業者は、もちろん、本発明の
位置検知器システム及び方法の特定の応用の数が実質的
に無限であることを容易に了解しよう。斯くして、以下
の例示的応用は説明のみに与えられ、網羅的であるとは
意図されない。
第11図及び12図は圧力変換器又は歪ゲージを形成する
べく本発明の位置検知器システムを用いることのできる
1つの様式を示している。図示のように、FET10は実質
的に円筒状のハウジング424内に配設され得る。重要な
ことに、円筒状ハウジング424の上端及び下端は封止さ
れている。
第12図に最も良く示されているように、ハウジング42
4の上端は柔軟性膜422を含み得る。膜422には帯電領域4
20が配設されている。例えば、帯電領域420は、膜422を
走査型電子顕微鏡の焦点付けされたビームの下に置くこ
とにより柔軟性膜422の中に与えることができる。
前記の説明から、ハウジング424の外側の圧力が増加
すると、膜422はFET10の方向にハウジングの中にたわむ
ことが了解されよう。膜422上の帯電領域420の故に、FE
T10は膜422のたわみを検出する。システムは、膜422に
加えられる圧力を決定できるように業界で周知の手段に
よって適正に校正される。
第11図及び12図に図示の圧力変換器は、従来の集積回
路技術を用いてかなり小型に成り得る。例えば、第11図
及び12図の圧力変換器は皮下注射針の穴を通過し且つ動
物の体の血管内に安易に存在する程度に充分小型であり
得る。それ故、第11図及び12図は患者の血圧を連続的に
監視するのに用いられることができる。
第11図及び12図に示されているデバイスは多軸歪ゲー
ジとしての使用にも適合され得る。例えば、柔軟性材料
からハウジング424を形成し且つハウジング424内に多数
のFET10を置くことにより、多次元の圧力又は歪を多自
由度の膜422の位置及び運動を検知することにより検知
するのにこのデバイスを用いることができる。
本発明の位置検知器システムの別の応用が第13図及び
14図に図示されている。図示のように、1列のFET10が
ハウジング524内に配設されている。ハウジング524の幅
は図示のように、その長さ部分に沿って減少し、ハウジ
ング524は実質的に気密となるように封止される。
ハウジング52の頂部は柔軟性膜522を含む。膜522は、
例えば、膜522を走査型電子顕微鏡のビームの下に置く
ことにより、その中に複数の帯電された領域520を有す
る。膜522中の帯電領域520は、ハウジング524内のFET10
の実質的に直上にあるように配置され得る。
第13図及び14図に図示されているデバイスは多数の異
なった様式に用いられる。例えば、このデバイスは圧力
変換器として用いられ得る。斯かる場合、膜522は外部
圧力の増加の結果として内方にたわむ。しかしながら、
有意義なことに、 1つの圧力レベルにおいて、膜522の最も広い部分が
膜522の最も狭い部分より長い距離にわたってたわむ。
その結果、ハウジング内のFET10の各々は圧力のわずか
に異なった範囲を検出する。斯くして、第13図及び14図
のデバイスは第11図及び12図に図示されている圧力変換
器よりもより広い圧力範囲にわたってより敏感な圧力検
出を行い得る。
第13図及び14図に図示されているデバイスは又、ロボ
ットの触覚検知器としても用いられ得る。FET10は、斯
かる応用において、膜522に適用されている触知圧力の
指示を行い得る。
第13図及び14図に図示されているデバイスは更に、変
化する可聴周波数を検知するのに用いられ得る。膜522
の幅がハウジング524の長さ部分に沿って変化するた
め、各々の帯電領域520はわずかに異なった周波数に応
答して振動する。斯くして、第13図及び14図のデバイス
はハウジング524内のFET10の各々が異なった可聴周波数
に応答するように音波に当てられ得る。このようにし
て、第13図及び14図のデバイスは、例えば、オーディオ
マイクロホンとして機能し得る。
本発明の位置検知器システムの別の応用が第15図及び
15A図に図示されている。図示のように、ステレオ針622
がステレオターンテーブルの指示アーム612に固定され
ている。針622にはその頂部に帯電領域620が配設されて
いる。帯電領域620及び針622の運動を検出するために、
図示のごとく、指示アーム612に2つのFET位置検知器10
が配設されている。
レコード626がターンテーブル上で回転すると、針622
は従来の様式でレコード626の溝にそって進行し、2つ
の実質的に垂直の軸線に沿った振動は2つのステレオチ
ャンネルに対応する。各軸線に沿った振動は2つのFET1
0によって別々に検出され、斯くして、各FET10は別々の
ステレオチャンネルを検出する。従って、FET10は軽量
ステレオピックアップシステムを形成するべく第15図及
び15A図に図示されているように用いられ得る。
7. 要約 上記の論述から、本発明が多自由度の物体の位置及び
/又は運動を検知するためのシステム及び方法を提供す
ることが了解されよう。本発明の位置検知器システムは
従来の集積回路技術を用いて容易に構成でき、半導体及
び従来の集積回路に関連する製造及び使用に容易に適合
される。有意義なことに、本発明は構成及び使用が単純
且つ安価の両方である位置検知器システム及び方法を提
供する。
本発明の位置検知器システムは数ミクロン台の寸法を
有するように形成され得る。斯くして、本発明は又、極
端に小さな寸法規模で製造且つ使用され得る位置検知器
システムを提供する。加うるに、本発明のFET検知器の
導通ゲートは絶縁材によって実質的に完全に包囲され得
るため、本発明の検知器システムは共通の不純物の存在
に不当に影響されることがない。
本発明はその精神及び本質的特徴から逸脱することな
く他の特定の形に実施され得る。上記の実施例は全ての
点において単に説明的であり限定的でないと考慮される
べきである。それ故、本発明の範囲は前記の説明によっ
てではなく、付記された請求の範囲によって指示され
る。請求の範囲の意義及び等価性の範囲内に存在する全
ての変化はそれらの範囲内に包含されるべきである。
請求され且つ米国特許証によって保護されることを所
望するものはつぎの通りである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01V 3/08 G11B 21/24 G11B 21/24 G01D 5/24 A (72)発明者 ウッド,ジョン・イー アメリカ合衆国ユタ州84108,ソルト・ レーク・シティ,ピー・オー・ボックス 8642 (56)参考文献 特開 昭61−137003(JP,A) 特開 昭48−43657(JP,A) 特開 昭60−131472(JP,A) 実開 昭61−69168(JP,U)

Claims (44)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体の位置及び運動を検出するための検知
    器システムにおいて、 上記物体から発生する電界を生成するための手段、 上記電界内に直接定位されるように上記物体の近辺に配
    置されている電界効果トランジスタであって、ソース領
    域、ドレイン領域、及びチャンネル領域を有する電界効
    果トランジスタであって、上記ソース及びドレイン領域
    が上記チャンネル領域によって分離されている電界効果
    トランジスタ、及び、 上記電界効果トランジスタの上記チャンネル領域の導電
    性の上記電界による変化を検出するための手段であっ
    て、これにより、上記電界効果トランジスタの上記チャ
    ンネル領域に対する上記物体の位置及び運動についての
    情報が得られるようにした手段 を含むことを特徴とする検知器システム。
  2. 【請求項2】上記電界生成手段が非ゼロ正味電荷を有す
    る有界領域を形成するための手段を含むことを特徴とす
    る請求項1記載の検知器システム。
  3. 【請求項3】上記有界領域形成手段が実質的に一定の非
    ゼロ正味電荷を有するエレクトレットを含むことを特徴
    とする請求項2記載の検知器システム。
  4. 【請求項4】上記有界領域形成手段が実質的に固定され
    た電圧レベルを有する電気導体を含むことを特徴とする
    請求項2記載の検知器システム。
  5. 【請求項5】上記電界生成手段が非ゼロ正味電気分極を
    有する有界領域を形成するための手段を含むことを特徴
    とする請求項1記載の検知器システム。
  6. 【請求項6】上記電界が不均一性電界であることを特徴
    とする請求項1記載の検知器システム。
  7. 【請求項7】上記電界効果トランジスタが上記電界効果
    トランジスタの上記チャンネル領域に隣接して配置され
    ている導通ゲートを更に含むことを特徴とする請求項1
    記載の検知器システム。
  8. 【請求項8】上記導通ゲートは導電金属材料から形成さ
    れていることを特徴とする請求項7記載の検知器システ
    ム。
  9. 【請求項9】上記導通ゲートが多結晶質シリコン材料か
    ら形成されていることを特徴とする請求項7記載の検知
    器システム。
  10. 【請求項10】上記導通ゲートが上記電界効果トランジ
    スタの上記チャンネル領域から電気的に絶縁されている
    ことを特徴とする請求項7記載の検知器システム。
  11. 【請求項11】上記導通ゲートが絶縁材料によって実質
    的に完全に包囲されていることを特徴とする請求項7記
    載の検知器システム。
  12. 【請求項12】上記絶縁材料が二酸化硅素を含むことを
    特徴とする請求項11記載の検知器システム。
  13. 【請求項13】上記電界効果トランジスタが上記電界効
    果トランジスタの上記チャンネル領域に隣接して配置さ
    れているバイアス接触部を更に含むことを特徴とする請
    求項1記載の検知器システム。
  14. 【請求項14】上記電界効果トランジスタの上記ソース
    領域が実質的に円形領域であり且つ上記電界効果トラン
    ジスタの上記チャンネル領域及びドレイン領域が上記ソ
    ース領域を包囲する実質的に同心の環状領域であること
    を特徴とする請求項1記載の検知器システム。
  15. 【請求項15】物体の位置及び運動を検出するための検
    知器システムにおいて、 非ゼロ正味電荷を有する少なくとも1つの有界領域を形
    成するための手段であって、上記有界領域が上記物体か
    ら発生する不均一性電界を生成するべく構成且つ配置さ
    れている手段、 上記物体の近辺に配置されている少なくとも1つの電界
    効果トランジスタであって、各々がソース領域、ドレイ
    ン領域、及びチャンネル領域を有し、上記ソース領域と
    ドレイン領域が上記チャンネル領域によって分離されて
    おり、各々が又、上記電界効果トランジスタの上記チャ
    ンネル領域に隣接して配置されているが電気的に絶縁さ
    れている導通ゲートを含む少なくとも1つの電界効果ト
    ランジスタ、及び 上記電界効果トランジスタの上記チャンネル領域の導電
    性の上記電界による変化を検出するための手段であっ
    て、これにより、上記電界効果トランジスタの上記チャ
    ンネル領域に対する上記物体の位置及び運動についての
    情報が得られるようにした手段 を含むことを特徴とする検知器システム。
  16. 【請求項16】上記物体の近辺に複数の電界効果トラン
    ジスタが配置されていることを特徴とする請求項15記載
    の検知器システム。
  17. 【請求項17】上記電界効果トランジスタが実質的に共
    面であることを特徴とする請求項16記載の検知器システ
    ム。
  18. 【請求項18】上記電界効果トランジスタが上記物体か
    ら発生する上記電界内に直接定位されるように配置され
    ていることを特徴とする請求項16記載の検知器システ
    ム。
  19. 【請求項19】各電界効果トランジスタの上記導通ゲー
    トが絶縁材料によって実質的に完全に包囲されているこ
    とを特徴とする請求項18記載の検知器システム。
  20. 【請求項20】各電界効果トランジスタの上記導通ゲー
    トが多結晶質シリコン材料から形成されていることを特
    徴とする請求項19記載の検知器システム。
  21. 【請求項21】各電界効果トランジスタの上記ソース領
    域が実質的に円形領域であり且つ各電界効果トランジス
    タの上記チャンネル領域及びドレイン領域が上記ソース
    領域を包囲する実質的に同心の環状領域であることを特
    徴とする請求項19記載の検知器システム。
  22. 【請求項22】上記有界領域形成手段が実質的に一定の
    非ゼロ正味電荷を有するエレクトレットを含むことを特
    徴とする請求項19記載の検知器システム。
  23. 【請求項23】上記有界領域形成手段が実質的に固定さ
    れた電圧レベルを有する電気導体を含むことを特徴とす
    る請求項19記載の検知器システム。
  24. 【請求項24】各電界効果トランジスタが上記電界効果
    トランジスタの上記導通ゲートに隣接して配置されてい
    るが絶縁されているバイアス接触部を更に含むことを特
    徴とする請求項19記載の検知器システム。
  25. 【請求項25】上記電界効果トランジスタがn−チャン
    ネル電界効果トランジスタであることを特徴とする請求
    項15記載の検知器システム。
  26. 【請求項26】上記電界効果トランジスタが負のしきい
    電圧を有することを特徴とする請求項25記載の検知器シ
    ステム。
  27. 【請求項27】検知器システムにおいて、 実質的に一定の非ゼロ正味電荷を有するエレクトレット
    を含む物体であって、上記エレクトレットが上記物体の
    回りに不均一性電荷を形成するべく構成且つ配置されて
    いる物体、 上記電界内に直接定位されるように上記物体の近辺に配
    置されている複数の電界効果トランジスタであって、こ
    れらが実質的に共面であり且つ各々がソース領域、ドレ
    イン領域、及びチャンネル領域を有し、上記ソース領域
    とドレイン領域が上記チャンネル領域によって分離され
    ており、各々が又、上記電界効果トランジスタの上記チ
    ャンネル領域に隣接して配置されているが電気的に絶縁
    されている導通ゲートを含み、上記導通ゲートが絶縁材
    料によって実質的に完全に包囲されている複数の電界効
    果トランジスタ、及び 各電界効果トランジスタの上記チャンネル領域の導電性
    の上記電界による変化を検出するための手段であって、
    これにより、上記物体の位置及び運動が決定できるよう
    にした手段 を含むことを特徴とする検知器システム。
  28. 【請求項28】上記物体が複数のエレクトレットを含み
    且つ上記物体の上記エレクトレットが互いに実質的に平
    行の個別の実質的に直線領域であることを特徴とする請
    求項27記載の検知器システム。
  29. 【請求項29】上記物体が実質的に円形のディスクとし
    て構成され且つ上記エレクトレットが上記ディスクと実
    質的に同心である実質的に円形の環として構成されてい
    ることを特徴とする請求項27記載の検知器システム。
  30. 【請求項30】上記物体が柔軟性膜を含み且つ上記膜の
    位置及び運動が上記膜に加えられる圧力の量に依存する
    ことを特徴とする請求項27記載の検知器システム。
  31. 【請求項31】上記物体がステレオレコードプレーヤの
    針であることを特徴とする請求項27記載の検知器システ
    ム。
  32. 【請求項32】各電界効果トランジスタのドレイン領域
    が実質的に円形領域であり且つ各電界効果トランジスタ
    の上記チャンネル領域及びソース領域が上記ドレイン領
    域を包囲する実質的に同心の環状領域であることを特徴
    とする請求項27記載の検知器システム。
  33. 【請求項33】各電界効果トランジスタが上記導通ゲー
    トに隣接しているが絶縁されて配置されているバイアス
    接触部を更に含むことを特徴とする請求項27記載の検知
    器システム。
  34. 【請求項34】導電性の変化を検出するための上記手段
    が演算増幅器を含むことを特徴とする請求項27記載の検
    知器システム。
  35. 【請求項35】物体の位置及び運動を検知するための方
    法において、 電界が上記物体から発生するように上記物体を準備する
    工程、 上記物体の近辺に少なくとも1つの電界効果トランジス
    タを配置せしめる工程であって、上記電界効果トランジ
    スタがソース領域、ドレイン領域、及びチャンネル領域
    を有し、上記ソース及びドレイン領域が上記チャンネル
    領域によって分離されている工程、 上記電界効果トランジスタの上記ソース領域とドレイン
    領域との間に電圧差を確立する工程、及び 上記電界効果トランジスタの上記チャンネル領域の導電
    性の上記電界による変化を検出する工程であって、これ
    により上記電界効果トランジスタの上記チャンネル領域
    に対する上記物体の位置及び運動についての情報が得ら
    れる工程 を含むことを特徴とする方法。
  36. 【請求項36】上記準備工程が上記物体から不均一性電
    界が発生するように上記物体を準備することを含むこと
    を特徴とする請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】上記準備工程が非ゼロ正味電荷を有する
    少なくとも1つの有界領域を上記物体に与えることを含
    むことを特徴とする請求項35記載の方法。
  38. 【請求項38】上記有界領域が実質的に一定の非ゼロ正
    味電荷を有するエレクトレットを含むことを特徴とする
    請求項37記載の方法。
  39. 【請求項39】上記有界領域が実質的に固定された電圧
    レベルを有する電気導体を含むことを特徴とする請求項
    37記載の方法。
  40. 【請求項40】上記準備工程が非ゼロ正味電気的分極を
    有する少なくとも1つの有界領域を上記物体に与えるこ
    とを含むことを特徴とする請求項35記載の方法。
  41. 【請求項41】上記配置工程が上記電界内に直接定位さ
    れるように上記物体の近辺に上記電界効果トランジスタ
    を配置せしめることを含むことを特徴とする請求項35記
    載の方法。
  42. 【請求項42】上記配置工程が上記物体の近辺に複数の
    電界効果トランジスタを配置せしめることを含むことを
    特徴とする請求項35記載の方法。
  43. 【請求項43】上記電界効果トランジスタが実質的に共
    面であることを特徴とする請求項42記載の方法。
  44. 【請求項44】上記電界効果トランジスタが上記チャン
    ネル領域に隣接して配置されているバイアス接触部を含
    むことを特徴とし且つ上記物体の位置が決定される基準
    の所望の基準点を確立すべく上記バイアス接触部の電圧
    レベルを固定する工程を更に含むことを特徴とする請求
    項35記載の方法。
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