JP2554071B2 - オレフイン系共重合体およびその製造方法 - Google Patents

オレフイン系共重合体およびその製造方法

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JP2554071B2 JP62066651A JP6665187A JP2554071B2 JP 2554071 B2 JP2554071 B2 JP 2554071B2 JP 62066651 A JP62066651 A JP 62066651A JP 6665187 A JP6665187 A JP 6665187A JP 2554071 B2 JP2554071 B2 JP 2554071B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はオレフィン系共重合体およびその製造方法
に関し、さらに詳しく言うと、たとえばフィルム、シー
ト、フィラメント、日用雑貨その他の工業材料などに利
用することができる新規なオレフィン系共重合体および
その製造方法に関する。
[従来の技術およびその問題点] 一般に、オレフィン系共重合体は成形性、機械的特性
および電気特性などに優れるとともに、安価であること
から、従来より様々な製造を有するものが開発されてお
り、その用途は拡大の一途をたどってきた。
しかしながら、このような用途の拡大に伴なってオレ
フィン系共重合体に要求される性質が多様化した今日に
おいては、各種の応用分野に適した性質を有する共重合
体の開発が持たれていることも、また現実であり、特
に、軟質のものから硬質のものまでその特性を幅広く設
定することが可能で応用範囲が広い新規な共重合体の開
発が望まれているのが現状である。
[発明の目的] この発明は目的は、前記要請に応え、軟質のものから
硬質のものまでその特性の調節が可能で、たとえばフィ
ルム、シート、フィラメント、日用雑貨その他の工業材
料などの幅広い分野に好適に利用することができる新規
なオレフィン系共重合体およびその製造方法を提供する
ことである。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するために、この発明者が鋭意検討を
重ねた結果、特定の繰り返し単位を有する共重合体は応
用範囲が広く、また、このような共重合体は、特定のモ
ノマーおよび触媒を用いることによって製造することが
できることを見い出してこの発明に到達した。
すなわち、第1の発明の概要は、 次式[1]; (ただし、式[1]中、Rは水素または炭素数1〜9の
直鎖状アルキル基を表わす。) で表わされる繰り返し単位と、次式[2]; (ただし、式[2]中、mは2以上の整数を表わす。) で表わされる繰り返し単位とからなり、その重量平均分
子量が26,900〜309,100であることを特徴とするオレフ
ィン系共重合体であり、 第2の発明の概要は、 次式[3]; CH2=CH−R [3] (ただし、式[3]中、Rは水素または炭素1〜9の直
鎖状アルキル基を表わす。)で表わされるオレフィン系
炭化水素と、次式[4]; (ただし、式[4]中、nは2以上の整数を表わす。) で表わされるオレフィン系炭化水素とを遷移金属化合物
と周期律表第I族〜第V族の有機金属化合物とを主成分
とする触媒の存在下に重合することを特徴とする、前記
式[1]で表される繰り返し単位と前記式[2]で表さ
れる繰り返し単位とからなり、その重量平均分子量が2
6,900〜309,100であるオレフィン系共重合体の製造方法
である。
前記式[1]で表わされる繰り返し単位は、前記式
[3]で表わされるオレフィン系炭化水素から後述する
第2の発明の方法により誘導することができる。
前記式[3]で表わされるオレフィン系炭化水素とし
ては、Rが水素または炭素数1〜9の直鎖状アルキル基
であるもの、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテ
ン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1な
どが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いることもできるし、2種
以上を組合せて用いることもできる。
前記式[2]で表わされる繰り返し単位は、前記式
[4]で表わされるオレフィン系炭化水素から誘導する
ことができる。
前記式[4]で表わされ、分子末端にビニル基を有す
るオレフィン系炭化水素は、たとえば有機アルミニウム
化合物および水の縮合生成物とビス(ペンタメチルシク
ロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドやビス(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ドなどのアルキル置換シクロペンタジエニル化合物とか
らなる触媒の存在下にプロピレンを重合して得られるプ
ロピレン低重合体の混合物から2量体以上の生成物を分
離して得ることができる。
前記有機アルミニウム化合物としては、特に制限はな
く、一般式 AlR1 3 AlR2 2Y Al2R3 3Y3 で表わされるものが広く用いられる。
ここで、R1、R2およびR3はシクロアルキル基、アリー
ル基または炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜5のア
ルキル基であり、Yは水素原子、塩素、臭素などのハロ
ゲン原子、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基
を示す。
前記一般式で示される有機アルミニウム化合物として
は、たとえば、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロ
ピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウム、トリオ
クチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムおよ
びジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソプロピル
アルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウム
モノクロリド、ジオクチルアルミニウムモノクロリド等
のジアルキルアルミニウムモノハライド、エチルアルミ
ニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリ
ド、ジメチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミ
ニウムメトキシドなどが挙げられる。
前記有機アルミニウム化合物としては、少なくとも一
種のトリアルキルアルミニウムを含有すれば、前記各種
の有機アルミニウム化合物の一種単独を使用することが
できるし、また、その二種以上を併用することもでき
る。
また、前記各種の有機アルミニウム化合物の中でも、
一般式 AlR4 3 (ただし、R4は炭素数が1〜5であるアルキル基を表わ
す。) で示されるトリアルキルアルミニウムが好ましく、特に
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなど
が好ましい。
前記有機アルミニウム化合物と反応させる水について
は特に制限はなく、反応生成物、すなわちアルミノキサ
ンの生成を妨げない限り、若干の不純物を含むものであ
ってもよい。また、反応させる水としては直接反応させ
る他に、たとえば含水塩中の結晶水を用いることもでき
る。
前記有機アルミニウム化合物と前記水とを縮合させて
得られるアルミノキサンとしては、たとえばメチルアル
ミノキサン、エチルアミノキサン、プロピルアルミノキ
サン、イソプロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキ
サン、イソブチルアルミノキサン、アミルアルミノキサ
ン等が挙げられる。
この有機アルミニウム化合物と水との縮合生成物は、
その分子量に制限はなく、また調製方法にも特に限定は
ない。たとえば、低重合反応帯域で前記有機アルミニウ
ム化合物と水とを縮合させても良いし、また低重合反応
帯域に供給する以前に有機アルミニウム化合物と水とを
反応調製しても良い。さらに、得られる縮合生成物を固
体担体に担持させて使用しても良いし、縮合生成物に他
の有機アルミニウム化合物を併存させても良い。
前記アルキル置換シクロペンタジエニル化合物(以
下、シクロペタジエニル化合物と称することがある。)
は次式[5]で表わすことができる。
[Rt(C5H5-t)]・M・X4-s (ただし、式[5]中、Rは炭素数1〜20のアルキル基
を示し、Rt(C5H5-t)はアルキル置換シクロペンタジエ
ニル基を示し、tは1〜5の整数を示し、Mはジルコニ
ウム原子またはハフニウム原子を示し、Xは、水素原
子、炭素数1〜20のアルキル基またはハロゲンを示す。
また、sは1〜4の実数を示す。) 前記式[5]中のRまたはXで示されるアルキル基は
炭素数が1〜20であり、具体例としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、カプリル基ウンデシル基、ラウリル
基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、セ
チル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、ノナデシル
基、エイコシル基等を挙げることができる。
前記式[5]中のXで示されるハロゲンとしては特に
制限はないが、好ましいのは塩素である。
前記シクロペンタジエニル化合物と前記有機アルミニ
ウム化合物および水の縮合生成物とを反応させる際の配
合比は、通常、アルミニウム原子/ジルコニウム原子ま
たはハフニウム原子比で10〜5000となるように調整する
のが好ましい。
前記プロピレンは、たとえば石油のクラッキングガ
ス、天然ガスの分留により得られるものを用いることが
できる。
前記プロピレンの低重合反応につき、その反応温度は
特に制限はないが、通常、20〜80℃であり、任意の圧
力、たとえば10kg/cm2G以下の低圧で、あるいは所望に
より常圧下で前記低重合反応を行なうことができる。
前記プロピレンの低重合反応においては溶媒を使用す
ることができる。
前記溶媒としては、たとえばベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、ナフタ
レン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シク
ロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルゼン
ベン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ビフェ
ニル等の芳香族炭化水素;2−メチルブタン、ヘキサン、
2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメ
チルブタン、ヘプタン、オクタン、2,2,3−トリメチル
ペンタン、インオクタン、ノナン、2,2,5−トリメチル
ヘキサン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素;その
他シクロヘキサン、デカリン、石油エーテル、石油ベン
ジン、石油ナフサ、リグロイン、工業ガソリン、ケロシ
ン等を挙げることができる。
重合形式としては、溶液重合法、塊状重合法、気相重
合法などのいずれであってもよいが、触媒活性の観点か
らは溶液重合法が好ましい。
前記式[4]で表わされるオレフィン系炭化水素は、
このようにして得られるプロピレン低重合体の混合物か
ら2量体以上の生成物を分離することにより得ることが
できる。
第2の発明においては、前記式[3]で表わされるオ
レフィン系炭化水素と前記式[4]で表わされるオレフ
ィン系炭化水素とを、遷移金属化合物と周期律表第I族
〜第V族に属する有機金属化合物とを主成分とする触媒
の存在下に重合する。
前記遷移金属化合物としては、従来より公知のチーグ
ラー・ナック触媒に用いられる化合物を用いることがで
き、具体的には、三塩化チタン、四塩化チタンなどのチ
タン化合物;塩化ニッケルなどのニッケル化合物;四塩
化ジルコニウム、三塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジル
コニウムなどのジルコニウム化合物;ハフニウム化合
物;三塩化バナジウム、四塩化バナジウム、オキシ塩化
バナジウムなどのバナジウム化合物;五塩化ニオブ、オ
キシ塩化ニオブなどのニオブ化合物;塩化モリブデン、
五塩化モリブデンなどのモリブデン化合物などが挙げら
れる。
これらは、1種単独で用いることもできるし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、好ましいのは三塩化チタン、四塩化
チタンなどのチタン化合物であり、特に好ましいのは四
塩化チタンである。
前記有機金属化合物としては、周期律表第I族〜第V
族に属する金属たとえば、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、M
g、Zn、Cd、Hg、Al、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Hf、Vなど
の化合物を用いることができる。
前記周期律表第I族〜第V族に属する金属の化合物と
しては、たとえば、アルキルナトリウム、アルキルリチ
ウム、アルキルカリウム、アルキルリチウムアルミニウ
ム、ジアルキルベリリウム、ジアルキルマグネシウム、
ジアルキル亜鉛、ジアルキルカドミウム、ジアルキル水
銀、テトラアルキルゲルマニウム、テトラアルキルス
ズ、テトラアルキル鉛、トリハロゲン化メチルチタン、
フェニルトリアルコキシチタン、有機アルミニウム化合
物などの、チーグラー・ナッタ触媒として従来から用い
られているものを挙げることができる。これらの中で
も、特に有機アルミニウム化合物が好ましい。
有機アルニミウム化合物としては、前記オレフィン系
炭化水素の製造に使用した有機アルミニウム化合物を使
用することができる。
好ましい有機アルニミウム化合物は、トリエチルアル
ミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリドなどであ
る。
いずれにしても、前記有機金属化合物は、1種単独で
用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いる
こともできる。
第2の発明においては、前記遷移金属化合物と前記有
機金属化合物とから得られる重合触媒の存在下に前記式
[3]で表わされるオレフィン系炭化水素と前記式
[4]で表わされるオレフィン系炭化水素との共重合反
応が進行する。
重合触媒の調製は、前記オレフィン系炭化水素の製造
に使用した溶媒中に、あるいは前記オレフィン系炭化水
素中に、前記遷移金属化合物と前記有機金属化合物とを
添加し、接触させることにより行なう。
前記遷移金属化合物と前記有機金属化合物との混合割
合は、金属に換算して、通常、モル比で1:1〜1:1000で
あり、好ましくは1:5〜1:500である。
前記重合触媒としては、前記遷移金属化合物と前記有
機金属化合物とから得られるものの他に、この触媒成分
をマグネシウム化合物に担持した高活性触媒を用いるこ
とができる。
担体としてのマグネシウム化合物としては、たとえ
ば、MgO、MgCl2、Mg(OR)Cl[Rはアルキル基を示す。
以下、同様。]、Mg(OR)、Mg(OH)Cl、Mg(O
H)、MgR2、Mg(OCOR)などが挙げられる。
高活性触媒の調製は、前記マグネシウム化合物と前記
遷移金属化合物とを、たとえば共粉砕法あるいはスラリ
ー法などにより反応させればよい。
この場合、第3成分としてエーテル、エステル、ケト
ン、アミンなどの電子供与性物質を添加してもよい。
前記重合反応につき、その反応温度は、通常、20〜20
0℃であり、反応圧力は、通常、常圧〜50kg/cm2・Gで
ある。反応温度が20℃よりも低い場合には、この発明の
反応が充分に進行しないことがある。一方、反応温度が
200℃よりも高い場合には、触媒活性が低下することが
ある。また、反応圧力が50kg/cm2・Gよりも高い場合に
も、触媒活性が低下することがある。
重合形式としては、スラリー重合法、溶液重合法、塊
状重合法、気相重合法などのいずれであってもよいが、
触媒活性の観点からはスラリー重合法、溶液重合法が好
ましい。
第1の発明のオレフィン系共重合体の重合度について
は、5以上が好ましく、このような共重合体は軟質のも
のから硬質のものまで所望の特性を備えたポリマーとし
て第2の発明の方法により得ることができる。重合度が
5未満の場合には、この発明の目的を達成するポリマー
が得られない。
第1の発明のオレフィン系共重合体は、軟質のものか
ら硬質のものまで幅広い特性を選択することができる汎
用性に優れた新規な共重合体であり、たとえばフィル
ム、シート、フィラメント、日用雑貨その他の工業材料
などの好適に利用することができる。
[発明の効果] この発明によると、軟質なものから硬質のものまでそ
の特性を幅広く設定することができ、工業的に有用性の
高い新規なオレフィン系共重合体を提供することができ
るとともに、このオレフィン系共重合体を、それぞれの
用途に要求される特性を有する共重合体として製造する
ことができる新規なオレフィン系共重合体の製造方法を
提供することができる。
[実施例] 次に、この発明の実施例を示し、この発明についてさ
らに具体的に説明する。
オレフィン系炭化水素の合成 反応容器に、トルエン200mlとトリメチルアルミニウ
ム47.4ml(492ミリモル)および硫酸銅5水塩35.5g(14
2ミリモル)を入れ、アルゴン気流下に、かつ20℃の温
度下に24時間反応を行なった。
得られた生成物から硫酸銅を濾別してトルエンを留去
し、メチルアルミノキサン12.4gを得た。
ここで、得られたメチルアルミノキサンはベンゼンの
凝固点降下法により測定した分子量が721であった。
次いで、内容積1のオートクレーブに、トルエン40
0mlと、上記メチルアルミノキサン6ミリモル(アルミ
ニウム当量)およびビス(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)ハフニウムジクロリド0.01ミリモルを入れ、50
℃に昇温した。
その後、水素を1kg/cm2・Gとなるように導入してか
ら、さらにプロピレンを連続的に導入し、プロピレン分
圧8kg/cm2を保持しつつ、50℃の温度下に4時間反応を
行なった。
反応終了後、生成物を3N塩酸水溶液150mlを用いて洗
浄し、プロピレン低重合体181.7gを得た。
得られたプロピレン低重合体を蒸留することにより、
純度99%以上の4−メチルペンテン−1からなる2量体
留分[沸点;53.9℃]、4,6−ジメチル−ヘプテン−1か
らなる3量体留分[沸点;129℃]、4,6,8−トリメチル
−ノネン−1からなる4量体留分[沸点;189℃]、4,6,
8,10−テトラメチル−ウンデセン−1からなる5量体留
分[沸点;230℃]および6量体以上の5成分に分離し
た。
(実施例1) 触媒成分の調製 200mlの三ッ口フラスコに、乾燥n−ヘプタン100mlと
マグネシウムジエトキシド2.0g(18ミリモル)を仕込
み、これを撹拌した。
次いで、室温下に、安息香酸エチル0.53g(3.5ミリモ
ル)を加え、さらに四塩化チタン34g(180ミリモル)を
滴下した後、還流下に反応を3時間行なった。
反応終了後、n−ヘプタンを用いた傾斜法による洗浄
を繰り返し、固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン担持量を比色法によ
り測定したところ、40mg−Ti/g−担体であった。
オレフィン系重合体の製造 内容積1の反応容器に、n−ヘプタン400ml、トリ
エチルアルミニウム2.5ミリモル、ジエチルアルミニウ
ムモノクロリド2.5ミリモルおよび前記で得られた固
体触媒成分1ミリモル(Ti原子換算)を添加した。
次いで、前記オレフィン系炭化水素モノマーの合成で
得られた4,6,8−トリメチル−ノネン−1からなるプロ
ピレン4量体留分100mlを加え、エチレンを連続的に導
入して全圧を2kg/cm2Gに保持しつつ、50℃の温度下に2
時間共重合反応を行なった。
反応終了後、生成物を塩酸メタノール混合液で洗浄す
ることにより触媒成分を分解除去した後、これを乾燥さ
せて共重合体26.5gを得た(収率94.9%)。得られた共
重合体につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー法(GPC法)により重量平均分子量を測定したとこ
ろ、その重量平均分子量は212000であった。
また、得られた共重合体の密度は0.9236g/cm3であっ
た。
さらに、この共重合体につき、13C−NMR分析を行なっ
たところ、下記式[6]中のメチル基による吸収が2
0.2ppm、20.7ppm、22.6ppm、23.2ppm、メチン基
による吸収が25.5ppm、28.5ppm、28.5ppm、30.
6ppm、メチレン基による吸収が41.9ppm、44.6ppm、
47.3ppm、48.1ppmにそれぞれ認められた。なお、こ
の重合体中の式[6]で表わされる繰り返し単位の含有
割合は1モル%であった。
この共重合体の融点を測定したところ、123℃であっ
た。この値はポリエチレンの融点134℃に比較して低
く、上記式[6]で表わされる繰り返し単位がポリエチ
レンの結晶を乱す形でランダムに導入されているものと
推測される。
(実施例2) 前記実施例1のにおいて、エチレンに代えてプロピ
レンを全圧が5kg/cm2・Gとなるように導入したほかは
前記実施例1と同様にして実施した。
得られた共重合体の収量は83.9gであった。
さらにn−ヘプタンを溶媒に用いてソックスレー抽出
を行ない、抽出残の共重合体を得た(収率92.8%)。こ
の抽出残共重合体の重量平均分子量は309100であった。
また、この抽出残共重合体の融点は150℃であり、ポリ
プロピレンの融点161℃に比較して低いことから、前記
式[6]の繰り返し単位がポリプロピレン鎖中にランダ
ムに導入されているものと推測される。
(実施例3) 内容積500mlの反応容器に、n−ヘプタン100mlとトリ
エチルアルミニウム2.5ミリモルおよびジエチルアルミ
ニウムモノクロリド2.5ミリモルを入れ、さらに前記実
施例1ので得た固体触媒成分を1ミリモル(Ti原子換
算)加えて50℃に昇温した。
次いで、ブテン−1を2.6gと前記オレフィン系炭化水
素の製造で得られたプロピレン4量体留分7.5gを加えて
50℃の温度下に共重合反応を2時間行なった。
反応終了後、生成物を塩酸−メタノール混合溶液で洗
浄して触媒成分を分解除去した後、乾燥して共重合体8.
39g(収率82.2%)を得た。
得られた共重合体につき、さらにジエチルエーテルを
溶媒に用いてソックスレー抽出を行なって抽出残44.3重
量%を得た。
この抽出残共重合体の重量平均分子量は94500であっ
た。
また、この抽出残共重合体の融点は97℃であり、ポリ
ブテン−1単独重合体の融点110℃に比較して低いこと
が判明した。
(実施例4) 前記実施例3において、ブテン−1およびプロピレン
4量体留分の使用量をそれぞれ7.8g、2.5gとしたほかは
前記実施例3と同様にして実施した。
得られた共重合体の収量は9.5g(収率92.7%)であっ
た。
また、ジエチルエーテルによる抽出残共重合体の割合
は84.5重量%であり、重量平均分子量84700、融点105℃
であった。
(実施例5) 前記実施例3において、2.6gのブテン−1に代えてヘ
キセン−1を2.8g用いるとともに、プロピレン4量体留
分7.5gに代えてプロピレン5量体留分7.2gを用いたほか
は、前記実施例3と同様にして実施した。
得られた共重合体の収量は6.2g(収率62.0%)、重量
平均分子量26900であった。
(実施例6) 前記実施例5において、ヘキサン−1およびプロピレ
ン5量体留分の使用量をそれぞれ7.9g、2.2gとしたほか
は前記実施例5と同様にして実施した。
得られた共重合体の収量は8.9g(収率88.1%)、重量
平均分子量42200であった。
(実施例7) 前記実施例3において、プロピレン4量体留分に代え
て6量体以上の成分を用いたほかは前記実施例3と同様
にして実施した。
得られた共重合体の収量は7.4g(収率73.3%)であっ
た。
また、ジエチルエーテルによる抽出残共重合体の割合
は34.4重量%であり、重量平均分子量127000、融点96℃
であった。
(実施例8) 前記実施例5において、プロピレン5量体留分に代え
てプロピレンの4量体以上の混合物を用いたほかは前記
実施例5と同様にして実施した。
得られた共重合体の収量は6.5g(収率65.0%)、重量
平均分子量31200であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−223010(JP,A) 特開 昭63−20307(JP,A) 特開 昭61−233032(JP,A) 特開 昭57−137306(JP,A) 特開 昭55−90514(JP,A) 特開 昭54−128504(JP,A) 米国特許4658078(US,A) 英国特許2027730(GB,A) 英国特許903014(GB,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式[1]; (ただし、式[1]中、Rは水素または炭素数1〜9の
    直鎖状アルキル基を表わす。)で表わされる繰り返し単
    位と、次式[2]; (ただし、式[2]中、mは2以上の整数を表わす。) で表わされる繰り返し単位とからなり、その重量平均分
    子量が26,900〜309,100であることを特徴とするオレフ
    ィン系共重合体。
  2. 【請求項2】次式[3]; CH2=CH−R [3] (ただし、式[3]中、Rは水素または炭素数1〜9の
    直鎖状アルキル基を表わす。)で表わされるオレフィン
    系炭化水素と、次式[4]; (ただし、式[4]中、nは2以上の整数を表わす。) で表わされるオレフィン系炭化水素とを、遷移金属化合
    物と周期律表第I族〜第V族の有機金属化合物とを主成
    分とする触媒の存在下に重合することを特徴とする、次
    式[1]; (ただし、式[1]中、Rは水素または炭素数1〜9の
    直鎖状アルキル基を表わす。)で表わされる繰り返し単
    位と、次式[2]; (ただし、式[2]中、mは2以上の整数を表わす。) で表わされる繰り返し単位とからなり、その重量平均分
    子量が26,900〜309,100であるオレフィン系共重合体の
    製造方法。
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