JP2554064Y2 - 屋根パネル用ストッパ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、勾配付き屋根に用いる屋根パネルの軒桁へ
の載置角度、および載置位置を決めるための屋根パネル
用ストッパに関する。

＜従来の技術＞ 屋根勾配に合わせて屋根パネルを載置して勾配付き屋
根を構成する工法が、構成が簡単なため多く行われてい
る。この時、第４図に示すように壁パネル31上方に屋根
勾配に一致した斜面32を上部に設けた軒桁33に屋根パネ
ル34を載置するが、その時、位置決め用ストッパ35を屋
根パネル34の下面36に装着して行う必要がある。このス
トッパ35は木質合板を四角に切断し、屋根パネル34の下
面36の所定位置に釘止めして、その端部37を軒桁33の側
面38に対する当たり部分としている。この時、軒桁33の
垂直な側面38と前記上部の屋根勾配に合わせた斜面32と
は鋭角で交差し、相手方の前記屋根パネル34のストッパ
35の端面37は屋根パネル34に対して垂直であり、相互の
当たり部分はそのままでは線接触となって潰れやすい形
状である。この状態を改善して位置の狂いを防ぐために
軒桁33の上部稜線を斜面32に対して垂直にストッパ35の
厚さ分の幅の当たり面39を生じるようにカットしてスト
ッパ35との当接時の安定性を確保している。

＜考案が解決しようとする課題＞ しかしながら、前記従来のストッパ35の構造では、屋
根パネル34の載置、及び軒桁33側の準備に難点がある。

すなわち、屋根パネル34の下面36側にストッパ35を装
着することは、施工現場ではなく工場側でまとめて装着
を行うほうが能率的であり、このようなストッパ35を装
着した屋根パネル34を、施工現場に運搬して施工するこ
とになる。ストッパ35をあらかじめ屋根パネル34に装着
しておくと、ストッパ35が小屋組の梁に当たる場合に
は、ストッパ35の取り外しが必要になることもあり施工
が面倒である。更に、軒桁33の上部稜線を斜めにカット
し、当たり面39を精度よく加工することは熟練を要する
とともに手間もかかることになる。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案に係る屋根パネル用ストッパは、屋根パネルを
水平姿勢に置いた際に、前記屋根パネルのフレームの内
側面に回動可能に装着して前記フレームの厚さ範囲に格
納される屋根パネル用ストッパにおいて、前記屋根パネ
ル用ストッパはフレームの内側面に固定される取り付け
用座板と、該取り付け用座板を取り付けるための釘を介
して回動自在に設けられた回動片とからなり、前記取り
付け用座板は一対の釘を介して前記フレームの内側面に
固定されるとともに、前記一対の釘のうちの上方側の釘
を介して回動片は回動自在となり、かつ下方側の釘は前
記回動片の釘当たり溝に当接させることにより前記回動
片の回動角度を一定に確保するものであって、前記回動
片の前記釘当たり溝と反対側の辺には軒桁に当接する当
たり面を前記フレームの内側面と直交した状態に構成し
た。

＜作用＞ この屋根パネル用ストッパは、屋根パネルのフレーム
の内側面に取り付けるに際して、上側の釘が取り付け用
座板と回動片の回動の支点となり、かつ下側の釘が回動
辺の角度決めと位置決めをする。

＜実施例＞ 図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

第１図乃至第３図に示すように、本実施例に係る屋根
パネル用ストッパ１は、屋根パネル２のフレーム３の内
側面４に回動可能に装着する。屋根パネル２はこ場合、
木製のフレーム３の片面に合板５を張った片面型パネル
を使用している。この屋根パネル２を壁パネル６上の軒
桁７に載置するが、軒桁７の上部はあらかじめ屋根勾配
に一致した斜面８に形成してある。

屋根パネル用ストッパ１は取り付け用座板10と細長い
矩形の板材で形成された回動片13で構成され、回動片13
をその一端部に穴を開けて釘９で取り付け用座板10を介
して屋根パネル２の前記フレーム３の内側面４の所定の
位置に装着する。取り付け用座板10は屋根パネル２のフ
レーム３の厚さより短い長さの矩形状の板材であり、屋
根パネル２の内側面４にその長手方向を直角に向けて釘
止めする。

釘止めする釘の一本は前記回動片13を回動可能に軸支
する釘９であり、これを取り付け用座板10の一端に打ち
込む。更に、この取り付け用座板10の他端側に釘11を途
中まで打ち込んで、取り付け用座板10を固定すると同時
に、打ち残した釘11の頭部付近を屋根パネル用ストッパ
１の角度決め機構12として使用する。

角度決め機構12は第１図及び第２図に示すように、釘
11の頭部付近の側面と屋根パネル用ストッパ１の回動片
13にあらかじめ設けた釘当たり溝14の組み合わせで構成
する。すなわち、屋根パネル２を壁パネル６上の軒桁７
に載置する時に、回動片13が自重で回動して釘11の側面
と回動片13の釘当たり溝14が当接する。この時、回動片
13は当たり面16が軒桁７の垂直な側面15に接するよう
に、釘11の位置を決定し角度決めをする。

なお、この回動片13の板厚さよりも拡大した幅の別の
板材を当て板17として装着し、当接圧力を低くして当た
り面16の食い込みと変形を防止している。そして第３図
に示すように、この屋根パネル２を水平にした時は、回
動片13を屋根パネル２に平行した姿勢にまで釘９を中心
に回動させる。これで回動片13は屋根パネル２のフレー
ム３の厚さ範囲内に格納される。この格納姿勢を安定し
て保持するために別の釘18をフレーム３の内側面４に仮
打ちするが、この釘18は軒桁７上に屋根パネル２を載置
する時点で取り外す。

このように構成した屋根パネル用ストッパ１を持つ屋
根パネル２は第３図に示す状態でトラックに水平に段積
みして施工現場まで運搬するが、この時、屋根パネル２
の面上には回動片13が突出せず安定した段積みができ、
荷締めも確実に行え、荷ずれのない安全なトラック輸送
ができる。また、施工現場での横待ち運搬、保管等も安
定して実施できる。

この屋根パネル２を軒桁７上に載置する時には仮打ち
した釘18を抜き取り、回動片13を自重により水平から斜
め下向きに釘11の側面に釘当たり溝14が当たるまで回動
させる。そしてこの状態から更に屋根パネル２を回動片
13が鉛直方向に回動するまで傾斜させて、その当たり面
16を軒桁７の垂直な側面15に当接させる。これで屋根パ
ネル２の正確な角度決めと位置決めが容易に行われる。

軒桁７に対する前記従来のような稜線部の面倒な斜面
加工は勿論不要である。また、取り付け用座板10の釘11
の位置を変えることで屋根勾配の変更にも簡単に対応で
き好都合である。更に、軒桁７の位置が変わった場合に
もこの屋根パネル用ストッパ１の構造であれば容易に取
り付け替えができる。

本考案の屋根パネル用ストッパは、前記実施例以外に
も種々の変形が可能である。例えば屋根パネル用ストッ
パの材質は木製、金属性あるいはプラスチック製等のい
ずれであっても同様に前記のように機能する。また、水
平姿勢に格納する時の仮打ち釘の代わりに小さい係止爪
を取り付け用座板に設けてこれに係止し格納することも
可能である。更に、屋根パネル用ストッパの斜め下向き
姿勢の角度決め機構も前記釘に代えて係止爪を取り付け
用座板に設けて行うこともできる。

＜考案の効果＞ 本考案に係る屋根パネル用ストッパは、屋根パネルの
フレームの内側面に取り付けるに際して、上側の釘が取
り付け用座板と回動片の回動の支点となり、かつ下側の
釘が回動片の角度決めと位置決めをすることで、非常に
合理的な屋根パネルの取り付けのための機能をはたすこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、一実施例に係る屋根パネル用ストッパを使用
した屋根パネルの載置状態を示す縦断面図、 第２図は、第１図の要部の側面図、 第３図は、第２図の別の状態の時の側面図、 第４図は、従来の屋根パネルの載置状態を示す縦断面図
である。 １……屋根パネル用ストッパ、２……屋根パネル、３…
…フレーム、４……内側面、７……軒桁、８……斜面、
９……釘、10……取り付け用座板、11……釘、12……角
度決め機構、13……回動片、14……釘当たり溝、16……
当たり面。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】屋根パネルを水平姿勢に置いた際に、前記
   屋根パネルのフレームの内側面に回動可能に装着して前
   記フレームの厚さ範囲に格納される屋根パネル用ストッ
   パにおいて、 前記屋根パネル用ストッパはフレームの内側面に固定さ
   れる取り付け用座板と、該取り付け用座板を取り付ける
   ための釘を介して回動自在に設けられた回動片とからな
   り、前記取り付け用座板は一対の釘を介して前記フレー
   ムの内側面に固定されるとともに、前記一対の釘のうち
   の上方側の釘を介して回動片は回動自在となり、かつ下
   方側の釘を前記回動片の釘当たり溝に当接させることに
   より前記回動片の回動角度を一定に確保するものであっ
   て、前記回動片の前記釘当たり溝と反対側の片には軒桁
   に当接する当たり面を前記フレームの内側面と直交した
   状態に設けられていることを特徴とする屋根パネル用ス
   トッパ。