JP2553929Y2 - 浴室ボディドライヤの配管構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、浴室ユニット内に配置
されるボディドライヤへの温風配管の設置構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】浴室ユニットにおいては、従来、シャワ
ーパネルなどが設置された構造のものがあるが、その入
浴者の身体の乾燥は、通常、隣の洗面室でタオルを使っ
て行っていた。ところが、最近では、多機能の浴室ユニ
ットを構築するといった目的でボディドライヤが開発さ
れ、浴室内での身体の乾燥を可能としたユニットが出現
してきている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、ボディドラ
イヤは大きな熱源を必要とすることから、装置本体が大
きく、このため浴室内に配置することができない。そこ
で、現状では、装置本体を別置きとして、その本体から
の温風をダクト等の配管を通じて、浴室内の吹き出し口
まで導くといった手法を採用している。

【０００４】しかしながら、このような温風配管の設置
構造とすれば、壁パネルの組立て工程前に、そのパネル
の外壁面に温風配管を固定する作業が必要であるととも
に、壁パネルの組立てと温風配管の接続作業とを同時に
行わなけならず、それらの作業が困難である。

【０００５】また、温風配管が壁パネルの裏面側に隠れ
るため、故障の発生による部品交換などのメンテナンス
の際には、壁パネルを分解しないと作業できないといっ
た問題がある。さらに、壁パネルの裏面側に温風配管用
の設置スペースを確保する必要があり、その配管スペー
ス分だけ浴室内スペースが狭くなるといった問題もあ
る。

【０００６】本考案は、上記の従来の問題点を解消すべ
くなされたもので、その目的とするところは、浴室内に
配置した吹き出し口に温風を導く配管を設置するにあた
り、その設置作業およびメンテナンス作業がともに容易
で、しかも設置による浴室内のスペース減を低く抑える
ことが可能な浴室ボディドライヤの配管構造を提供する
ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの構成を、実施例に対応する図１，図２を参照しつつ
説明すると、本考案は、浴槽１の洗い場２側の側面に、
側方端部が浴室内壁面３まで延びるエプロン４が装着さ
れているとともに、洗い場２には、それぞれ、浴室内壁
面３から突出した形状で、その下部が洗い場床面２ａの
近傍に位置する二つの機能パネル１０，２０が、所定の
空間を隔てて互いに対向して、かつ、その一方のパネル
１０の背面１２がエプロン４の前面に隣接するように配
置された浴室において、上記の二つの機能パネル１０，
２０には、互いに対向する壁体１１，２１にそれぞれ互
いに対応する位置関係で吹き出し口１４，２４が配設さ
れ、これら機能パネル１０，２０のうち、エプロン４側
の機能パネル１０への温風配管１７は、そのエプロン４
の開口部を通じてこのパネル内の配管接続部１４ａに接
続され、その他方の機能パネル２０への温風配管１８
は、洗い場床面２ａのコーナ部Ｃの位置で、エプロン４
側の機能パネル１０から浴室内に突き出し、洗い場床面
２ａのコーナ部Ｃに沿って進んで、その先端がこの他方
の機能パネル２０内の配管接続部２４ａに接続されてい
る。そして、二つの機能パネル１０と２０との間におけ
る洗い場床面２ａのコーナ部Ｃには、このコーナ部Ｃで
露出する配管１８の目隠し用の化粧カバー６が取外し自
在に配置されていることを特徴としている。

【０００８】

【作用】温風配管１７，１８は、取外し可能なエプロン
４の裏面側、および浴室内壁面３と洗い場床面２ａとの
コーナ部Ｃに配置することで、浴室内での作業によって
組立て・分解を行うことができる。しかも、配管１８の
露出部分は、浴室使用に際しては、デッドスペースに近
い洗い場床面２ａのコーナ部Ｃであるので、利用空間に
対する影響も少なく、また、その露出部分等を隠す化粧
カバー６は、シャワー使用時の足置き台として利用でき
る。

【０００９】

【実施例】図１は本考案実施例の要部構造を示す斜視図
である。また、図２はその実施例の配管部分を抽出して
示す図で、(a) は要部斜視図，(b) は縦断面図である。

【００１０】浴槽１の洗い場２側の面にはエプロン４が
装着されている。このエプロン４は着脱自在で、その一
端部は浴室内壁面３にまで延びている。洗い場２には、
それぞれ浴室内壁面３から突出する構造の一対の機能パ
ネル１０および２０が配置されている。

【００１１】この二つの機能パネル１０，２０は、ＦＲ
Ｐ等で成形されたパネルで、洗い場床面２ａの近傍から
立ち上がっている。その互いに対向する壁体１１と２１
に、それぞれ、複数個のシャワーノズル５・・５が、互い
に対応する位置関係で配置されており、さらに、この対
向する壁体１１と２１には、温風吹き出し用の吹き出し
口１４と２４が、互いに対応する位置関係で配置されて
いる。また、その対向する壁体１１と２１との間に形成
される空間の広さは、入浴者が立った状態で入ることの
できる程度の大きさで、従って、この一対の機能パネル
１０，２０でボディシャワーを楽しむことができ、これ
に加えて、ボディドライヤの機能も達成できる。

【００１２】さらに、各機能パネル１０，２０の互いに
対向する壁体１１，２１は、それぞれ、洗い場床面２ａ
と浴室内壁面３とのコーナ部Ｃに相当する部分が切り欠
かれている。この各切り欠き１１ａ，２１ａは、後述す
るシャワー配管７，８の接続作業が行える程度の大きさ
である。

【００１３】また、各機能パネル１０，２０には、吹き
出し口１４，２４に、それぞれ連通するチャンバ１４
ｂ，２４ｂが設けられている。この各チャンバ１４ｂ，
２４ｂには、温風配管の接続部１４ａ，２４ａがそれぞ
れ設けられており、その各接続部１４ａ，２４ａはパネ
ル壁体１２，２１の開口部を通じてパネル外部に臨んで
いる。なお、エプロン４側の機能パネル１０の接続部１
４ａは、このパネル１０を固定した状態で、後述する温
風配管１７の浴室内部側に臨む先端部に一致する位置に
設けらている。さらに、エプロン４側の機能パネル１０
のチャンバ１４ｂには、他方の機能パネル２０への温風
配管の接続部１４ｃが設けられている。

【００１４】さて、以上の構造における温風配管の接続
手順とともに、その設置構造を説明する。まず、エプロ
ン４の裏面側に、例えばスパイラルダクト等の温風配管
１７を通しておく。この温風配管１７は、浴室外部に配
置される温風発生機（図示せず）等に導かれる。

【００１５】その温風配管１７の先端部を、エプロン４
の壁体の開口部を通じて浴室の内部側に臨ませておき、
この後に、エプロン側の機能パネル１０を配置して、チ
ャンバ１４ｂの接続部１４ａを、温風配管１７の先端部
に合わせることで、この両者を接続する。

【００１６】次に、温風配管１８を洗い場床面２ａのコ
ーナ部Ｃに沿って配置し、その一端を、エプロン側の機
能パネル１０のチャンバ１４ｂのもう一方の接続部１４
ｃに接続し、その他端を他方の機能パネル２０のチャン
バ２４ｂの接続部２４ａに接続する。

【００１７】一方、各機能パネル１０，２０のシャワー
ノズル５・・５の内部配管２３（エプロン４側のパネル１
０は図示せず）へのシャワー配管は、まず、エプロン４
の裏面側に、２本のシャワー配管７および８を通してお
き、その一方のシャワー配管７をエプロン４の壁体と、
このエプロン側のシャワーパネル１０の壁体１２とを貫
通させて、そのシャワーパネル１０の内部に直に導い
て、内部配管の接続部１３ａに接続する。この接続作業
は、切り欠き１１ａを通じて行うことができるので、シ
ャワーパネル１０の固定作業の後においても施工可能で
ある。

【００１８】また、他方のシャワー配管８は、エプロン
４の壁体と、このエプロン側のシャワーパネル１０の壁
体１２とを貫通させた後、洗い場床面２ａのコーナ部Ｃ
に沿って延長して、他方のシャワーパネル２０内部の接
続部２３ａへと導いて接続する。この接続作業は、先と
同様に、切り欠き２１ａを通じてパネル内部で行えばよ
い。

【００１９】そして、一対の機能パネル１０と２０との
間における洗い場床面２ａのコーナ部Ｃに、このコーナ
部Ｃで露出する温風配管１８ならびにパネルの切り欠き
１１ａ，２１ａの目隠し用の化粧カバー６を嵌め込む。
この化粧カバー６は、ＦＲＰ等で成形されており、その
上面６ａが手前側に向けて僅かに傾斜している。従っ
て、化粧カバー６は、シャワー入浴時の足置き用の台と
しも利用でき、これにより、爪先などを楽な姿勢で洗う
ことが可能となる。

【００２０】なお、以上の実施例では、機能パネル１
０，２０には、シャワー機能は必ずしも必要はなく、単
にボディドライヤの機能を備えたものにも、本考案を適
用できるこは言うまでもない。

【００２１】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
温風配管を浴槽エプロンから、洗い場床面のコーナ部の
位置で浴室内へと臨ませて、そのエプロンに隣接する機
能パネルへは直に接続し、他方の機能パネルへは、配管
をコーナ部に沿って延長して接続する構造としたので、
温風配管の接続が浴室内での作業で行うことが可能とな
り、これによって、温風配管の接続作業およびメンテナ
ンス作業がともに容易となる。

【００２２】しかも、浴室の壁の外面側には、配管の設
置スペースが不要で、これによって浴室の設置スペース
を最大に活用できる結果、浴室内スペースを従来よりも
大きくとることが可能となる。なお、洗い場床面のコー
ナ部で露出する配管の目隠し用の化粧カバーを足置き台
として利用できるといった点の効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の要部構造を示す斜視図

【図２】本考案実施例の配管部分を抽出して示す図

【符号の説明】

１・・・・浴槽 ２・・・・洗い場 ２ａ・・・・洗い場床面 Ｃ・・・・コーナ部 ３・・・・浴室内壁面 ４・・・・エプロン ６・・・・化粧カバー １０，２０・・・・機能パネル １１ａ，２１ａ・・・・切り欠き １４，２４・・・・吹き出し口 １４ａ，２４ａ・・・・配管接続部 １７，１８・・・・温風配管

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽の洗い場側の側面に、側方端部が浴
   室内壁面まで延びるエプロンが装着されているととも
   に、上記洗い場には、それぞれ、上記浴室内壁面から突
   出した形状で、その下部が上記洗い場床面の近傍に位置
   する二つの機能パネルが、所定の空間を隔てて互いに対
   向して、かつ、その一方のパネルの背面が上記エプロン
   の前面に隣接するように配置された浴室において、上記
   の二つの機能パネルには、互いに対向する壁体にそれぞ
   れ互いに対応する位置関係で吹き出し口が配設され、こ
   れら機能パネルのうち、上記エプロン側の機能パネルへ
   の温風配管は、そのエプロンの開口部を通じてこのパネ
   ル内の配管接続部に接続され、その他方の機能パネルへ
   の温風配管は、上記洗い場床面のコーナ部の位置で上記
   エプロン側の機能パネルから浴室内に突き出し、上記洗
   い場床面のコーナ部に沿って進んで、その先端がこの他
   方の機能パネル内の配管接続部に接続されているととも
   に、上記二つの機能パネル間における上記洗い場床面の
   コーナ部には、このコーナ部で露出する配管の目隠し用
   の化粧カバーが取外し自在に配置されていることを特徴
   とする浴室ボディドライヤの配管構造。