JP2553069B2 - 非常停止装置を有する印刷用ウエブの張力制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野および従来の公知技術 本発明は特許請求の範囲第１項の上位概念による、例
えばロール式輪転機用の、非常停止装置を有する印刷用
ウエブないし被印刷体である帯状体の張力制御装置に関
する。このような装置はドイツ連邦共和国特許第304446
2号明細書から公知である。この公知の装置ではロール
支持装置のアーバ対に設けられたコアブレーキ以外に別
のブレーキが必要とされさらにこの目的に必要な制御手
段と共に多大の資材費を必要とすることは別としても、
この装置では制御される急停止を危険状況下でないしは
必要な場合に実施することが不可能である。もう１つの
欠点は、電気−ないしは電磁ブレーキの使用によつて通
常運転の制御動作中ならびに非常停止時の応動時間が比
較的長いことである。

発明の目的 上記のことを前提として、本発明の基礎となる課題
は、コンパクトで、安価な構造である上に、必要とされ
る制御用部品の数量が少なく、通常運転時ならびに実施
すべき非常停止時の応動が一層迅速であり、そのため制
御される非常停止が実施可能であり、かつ所望の場合に
はわずか２つのスイツチング部品を付加するだけで電圧
断（停電）時のなお一層迅速な停止ならびにロール交換
器の残りのロール制動として既設のブレーキの使用が可
能であるような、印刷用ウエブの張力を制御する装置を
提供することである。

発明の構成 この課題は特許請求の範囲第１項の特徴部による構成
要件の使用によつて解決される。本発明の有利な改良は
特許請求の範囲従属項ならびに図面に基づく説明から明
らかである。ヨーロツパ特許第0013368号明細書から、
当該運転条件に適合する、つまり制御される非常停止を
実施することがなるほど既に公知であるが、しかしこの
目的のためには高価な開ループ制御および閉ループ制御
装置が必要とされる。この制御装置はとりわけ使用され
る絞り調整器のため制御糸を減衰させ、したがつて特に
ウエブ張力の変動が大きい場合には制御回路の無駄時間
が大きすぎ、したがつておそ過ぎる応動しか期待できな
い。

実施例の説明 以下において本発明が実施例に基づいて、添付の図面
を参照して説明される。

本発明は例えば、印刷用ウエブ例えば紙ウエブに印刷
を行うロール式輪転機に用いられる。この目的には通常
ロール支持装置１が用いられる。このロール支持装置の
軸受２を中心に回転可能に、両方向アーム３に設けられ
た例えば２つの材料ロール４、５が位置ぎめされる。こ
れらのロールの１つによつて、例えばロール５から、第
１図による略図では、制御すべき印刷用ウエブ14が引き
出され、図示されてないロール式輪転機に供給される。

材料ロール４、５はアーバ対ないしはロール心棒６、
７に回転可能に支承されている。ロール心棒６、７それ
ぞれに本発明にしたがつてブレーキ８、９が設けてあ
る。心棒ないしコアブレーキ８、９はそれぞれ少なくと
も２つのブレーキ片10、11;12、13を有する。通常運転
に必要とされるブレーキ片10、12よりも大きい摩擦値を
有する、本発明にしたがつて制御される非常停止用に必
要とされるブレーキ片11および13を構成すること、ない
しはこれらのブレーキ片を二重に設けることが有利であ
る。

制御すべき印刷用ウエブ14は複数の従来形の案内ロー
ラに案内される。案内ローラ15、16間に変位可能なロー
ラ、例えばいわゆるダンサーローラ17が設けてあり、こ
のダンサーローラの位置は、ウエブ張力用の制御信号を
得るために検出される。

装置20を用いて空気ピストン18によつてウエブの引張
力ないしは所望のウエブ張力があらかじめ設定される。
空気ピストン18はダンサーローラ17の、両方向矢印19の
示す方向への変位を行う。ダンサーローラ17の変位はそ
の回動可能なアーム21によつて検出される。そのさい上
下の最大の変位はストツパ22、23によつて制限されてい
る。この検出のために電気式測定値ピツクアツプ24が用
いられ、アーム21のその時々の角度位置が検出される。
この角度位置に応じて、導線25を介して電気信号が、第
２図に示されている制御−ないしは計算装置28に送られ
る。この装置は実際には例えば自由にプログラミング可
能なマイクロプロセツサーを有することができる。測定
値ピツクアツプ24から到来する電気信号から、場合によ
つては装置20の設定値と関連づけられて、制御−ないし
は計算装置28は、通常運転用および制御される非常停止
用に必要とされる制御情報を算出する。この情報は導線
27を介して電気的に制御可能な空気圧制御器26に達す
る。空気圧制御器26は電気−空気圧変換器と称すること
もできる。

本発明によれば空気圧制御器26に空気導管29を介し
て、例えば圧縮器から到来する圧縮空気が供給される。
空気圧制御器26で、この空気制御器に印加されている電
気制御信号に応じて空気圧が制御され、したがつて出力
側30に、該電気信号値に応じて、比例する圧力変化が生
じる。出力側30の最低空気圧は少なくとも例えば0.5bar
である。出力側30は磁気弁31の入力側に接続されてい
る。この磁気弁はサーボ磁気弁であるのが有利である。
それゆえ圧縮空気によつて圧力が加えられている付加導
管32が必要である。磁気弁31は２つの圧縮空気出力管3
5、35′を有する。制御−ないしは計算装置28による磁
気弁31の制御に応じて圧縮空気出力管35、35′の一方に
圧力が加えられる。圧縮空気出力管35は制御部34に導か
れており、この制御部は材料ロール５および相応するブ
レーキ10、11に配属させてあり、他方、圧縮空気出力管
35′が同じように構成された制御部34′および材料ロー
ル４用のブレーキ12、13に導かれている。わかりやすく
するため以下においては第２図の回路の右側部分34のみ
説明される。この部分は、材料ロール５から制御すべき
印刷用ウエブ14が取り出されるときに、材料ロール５に
必要とされる。

圧縮空気出力管35は、材料ロール５用の回路部分34の
２つの出接続路である出力管41、43を有する別の磁気弁
36に導かれている。材料ロール４には前記の制御部34′
が必要とされる。磁気弁36もまたサーボ磁気弁であるの
が有利なので、付加的に圧縮空気管37が必要とされる。
磁気弁36の出力管の１つ41は空気力オア素子42の入力側
に接続されており、他方の出力管43は別の空気力オア素
子44を介して、その出力管46が空気力オア素子42を介し
てブレーキ片10に、そして制御される非常停止用ブレー
キ片11には直接に有利に接続されている。空気力オア素
子42の出力側は導管47を介して通常運転用ブレーキ片10
に接続されている。制御−ないしは計算装置28からの制
御信号に応じて空気管41または空気管43に制御された圧
縮空気が加圧される。通常運転では空気管41は圧縮空気
を導き、この圧縮空気は空気力オア素子42を介して通常
運転用ブレーキ片10に伝達されるので、したがつて高感
度で迅速に応動するウエブ張力制御が通常運転時に可能
になる。緊急状況が検出されると、制御−ないしは計算
装置28は磁気弁36を切り替え制御し、したがつてそれ以
後は空気管43、空気力オア素子44および空気管46を介し
て直接に非常停止用ブレーキ片11に制御された圧縮空気
を加圧することが可能であり、さらに空気力オア素子42
を介して空気力オア素子44の出力が同時にブレーキ10に
印加される。したがつて両ブレーキ片10、11を介して、
制御された、したがつて高感度の非常停止が実施でき
る。それによつてウエブ破断の危険が大幅に低減される
か、ないしはこのような破断が完全に回避できる。

制御されてない圧縮空気を供給する空気管40、39に接
続されたサーボ磁気弁38を介して、電圧の遮断時および
ロール交換時に、残りのウエブ制動用に導管45を介して
圧縮空気が空気力オア素子44に、したがつて、制御され
ないが、同時にやはりブレーキ片10、11にも到達し、し
たがつてこの状況で、制御されてないが、その時々のロ
ール、ここでは材料ロール４の迅速な停止ないしは制動
が保証される。制御−ないしは計算装置28から磁気弁38
に電圧が印加されると、この磁気弁は遮断され、したが
つて空気は出力側に、即ち導管45に伝達されない。

磁気弁31、36、38の制御用にこれらの弁に電気の導線
48、49、50が制御−ないしは計算装置28から導かれてい
る。同様に導線49′、50′を介して、材料ロール４用の
回路部分34′の相応の磁気弁36′、38′が制御される。

ロール交換を行うさいには導線48を介して制御−ない
しは計算装置28により磁気弁31が切り換えられ、したが
つて圧縮空気が圧縮空気出力管35′に到達する。

発明の効果 本発明より、コンパクトで、安価な構造である上に、
必要とされる制御用部品の数量が少なく、ウエブの張力
の変動が大きい場合も通常運転時ならびに実施すべき非
常停止時の応動が一層迅速であり、そのため制御される
非常停止が実施可能であり、かつ所望の場合にはわずか
２つのスイツチング部品を付加するだけで電圧断（停
電）時のなお一層迅速な停止ならびにロール交換器の残
りのロール制動として既設のブレーキの使用が可能であ
るような、印刷用ウエブの張力を制御する装置を提供さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はロール交換器の後方に測定値検出器を有する、
制御すべき印刷用ウエブの断面を示す略線図、第２図は
通常の制御および非常停止を実施するための電気−空気
圧接続回路図である。 １……ロール支持装置、２……軸受、３……両方向アー
ム、4,5……材料ロール、6,7……ロール心棒、8,9……
ブレーキ、10,11,12,13……ブレーキ片、15,16……案内
ローラ、17……ダンサーローラ、18……空気ピストン、
21……アーム、22,23……ストツパ、24……ピツクアツ
プ、26……空気圧制御器、28……制御−計算装置、31,3
6……磁気弁、32……付加導管、44……空気力オア素
子。

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも１つの材料ロールを装着するた
   めのロール支持装置を有し、制御される通常運転では制
   御ブレーキで、危険時または急停止時には付加的に非常
   ブレーキで材料ロールが制動可能であり、印刷用ウエブ
   が部分的に巻き掛けられた変位可能なローラの位置の検
   出によって測定値検出器を用いてウエブ張力が電気信号
   として求められ、この電気信号が制御−ないしは計算装
   置に供給できる、非常停止装置を有する印刷用ウエブの
   張力制御装置において、 制御−ないしは計算装置（28）が電気制御可能な空気圧
   制御器（26）と２つの圧力空気出接続路（41,43）を有
   する切換可能な磁気弁（36）に接続されており、制御さ
   れる圧力空気は前記電気制御可能な空気圧制御器（26）
   からこの磁気弁に供給可能であり、磁気弁（36）の出接
   続路の１つ（41）が空気力オア素子（42）を介して通常
   運転用および制御される非常停止用の第１ブレーキ（1
   0）に接続され、他方の出接続路（43）が非常ブレーキ
   （11）と空気力オア素子（42）を介して第１のブレーキ
   （10）にも接続されており、通常運転時には空気力オア
   素子（42）を介して第１ブレーキ（10）が、非常停止時
   には第１のブレーキ（10）および非常ブレーキ（11）が
   制御されて操作できることを特徴とする非常停止装置を
   有する印刷用ウエブの張力制御装置。
2. 【請求項２】ブレーキ（10,11）が複数のブレーキ片を
   有するコアブレーキとして構成されており、これらのブ
   レーキ片が異なる摩擦値を有する特許請求の範囲第１項
   記載の非常停止装置を有する印刷用ウエブの張力制御装
   置。
3. 【請求項３】電気制御可能な空気圧制御器（26）の出力
   側が、２つの圧力空気出接続路（35,35′）を有する、
   電気的に切換可能な磁気弁（31）に接続されており、圧
   力空気出接続路（35,35′）が、２つの材料ロール（4,
   5）を有するロール支持装置ないしはロール交換器
   （１）の制御用に、後続の所属の空気式制御装置（36.3
   6′）にそれぞれ接続されている、特許請求の範囲第１
   項又は第２項に記載の非常停止装置を有する印刷用ウエ
   ブの張力制御装置。
4. 【請求項４】磁気弁（36）の出力側と制御される非常停
   止用のブレーキ（11）との間に別の空気力オア素子（4
   4）が設けてあり、このオア素子は、電圧遮断時または
   ロール交換時に（残りのロール制動）、別の電気制御可
   能な磁気弁（38）によって圧力空気が加圧されるように
   し、この場合、電圧遮断時またはロール交換時に空気力
   オア素子（44）を介して通常運転用のブレーキ（10）な
   らびに非常停止用のブレーキ（11）が作動可能であり、
   前記別の磁気弁（38）が制御−ないしは計算装置（28）
   に電気的に接続されている特許請求の範囲第１項または
   第２項に記載の非常停止装置を有する印刷用ウエブの張
   力制御装置。
5. 【請求項５】電気的に切換可能な磁気弁（31,36,38）が
   サーボ磁気弁である、特許請求の範囲第１項〜４項いず
   れか１項記載の非常停止装置を有する印刷用ウエブの張
   力制御装置。
6. 【請求項６】電気的に制御可能な空気圧制御器（26）の
   制御される出力が少なくとも0.5barである、特許請求の
   範囲第１項から５項いずれか１項に記載の非常停止装置
   を有する印刷用ウエブの張力制御装置。