JP2553059B2 - 外装部品の製造方法 - Google Patents

外装部品の製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、多様な黒色色調の時計のケースとバン
ド、眼鏡のわくその他の類似品のような外装部品の製造
方法に関し、特にはチタンのイオンプレーティング法に
より外装部品表面に多様な黒色色調を与える方法に係わ
る。
(従来の技術) 腕時計のケース、時計のバンド、眼鏡のわくその他の
類似品のような外装部品の表面に、いわゆるイオンプレ
ーティング法によって、美しい黒みがかった色の表面層
を形成することは周知の技術である。たとえば特公昭58
−53716には、減圧された窒素ガス雰囲気下で、被処理
物品と加熱された金属チタンとの間に500〜4000Vの高電
圧を加え、これによって主として窒化チタンからなる黒
みがかった層を物品の表面に蒸着するイオンプレーティ
ング法が開示されている。
また特開昭60−208472には、アルゴン、窒素および炭
化水素の混合物の雰囲気下で行われるイオンプレーティ
ング法が開示されている。
(発明が解決しようとする問題点) 前記従来の方法は物品の表面に光沢のある黒みがかっ
た表面層を形成するには有効であるが、他方いくつかの
欠点をもっている。
たとえば前者の方法においては、イオンプレーティン
グに先だって物品表面を予備研摩するが、その際使用す
るガラスビーズ、アルミナ等の研摩剤を完全には除去す
ることができないので、基体と金属チタンの蒸発源との
間に高電圧を加えた際、異常な放電またはスパッタリン
グを起し易い。さらに窒化チタンの蒸着工程は不安定で
制御が困難であり、ユーザーの要求するような多様な黒
色色調の表面層は得られず、黄みがかった黒色を呈する
ことが多い。
また後者の方法では、蒸着表面層は炭素成分を含み歪
みが大きいため、表面層の剥落を起し易い。さらに、ガ
ス雰囲気の3成分の比を正確に制御することは困難で、
蒸着した表面層の色調の再現性が乏しいという欠点があ
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明の目的は、イオンプレーティング法によってユ
ーザーの要求にあったたとえば貴石のような輝きをもつ
美しい色調の黒みがかかった表面層を有する外装部品の
製造方法を提供することで、本発明の方法はつぎの工程
よりなる。
a)2.0〜5.0容積%の酸素および1.0〜3.0容積%の二酸
化炭素を含む窒素と、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キ
セノン、クリプトンから選ばれる不活性ガスとの混合ガ
スからなる圧力5×10-4〜1×10-2Torrの雰囲気中に、
導電性表面を有する基体を金属チタンの蒸発源に対向さ
せて保持し、 b)該金属チタンの蒸発源を加熱して該金属を気化さ
せ、 c)陰極としての該基体と陽極としての該金属チタンの
蒸発源の間に1〜450Vの電圧を印加し、0.1〜5.0Aのイ
オン電流で処理する。
つぎに本発明の方法を実施する装置を概念的に示す添
付の図面によって、さらに詳しく説明する。
第1図に示すように、排気できる反応容器1の中のテ
ーブル2の上に、蒸発源である金属チタンの小片を置
く。他方導電性表面をもつ基体3、たとえばホーニング
や化学処理のような予備処理によって表面を清浄化した
時計ケースを、基体ホルダー4により金属チタンの蒸発
源5に対向させて保持する。基体3の形は表面が導電性
であるというほかは特に制限はない。つぎに排気口6を
とおして排気して反応容器1の内部を真空にし、ついで
給気口7より窒素とアルゴン、ヘリウム、ネオン、キセ
ノン、クリフトンから選ばれる不活性ガスとの混合ガス
を導入し排気口6より排出し、給排気を制御して反応容
器1内の圧力を5×10-4〜1×10-2Torr好ましくは8×
10-4〜5×10-3Torrにする。
反応容器内に窒素と前記混合ガスを導入する場合、窒
素が50容積%またはそれ以上であればそれらの比率は特
に限定されない。
従来のイオンプレーティング法では、窒素とアルゴン
の混合ガスは、酸素ならびに二酸化炭素のような不純物
をできるだけ含まないことが必要であるが、本発明の方
法では、反応容器1内に導入された雰囲気ガスは2.0〜
5.0容積%の酸素と1.0〜3.0容積%の二酸化炭素を含む
のが特徴である。
このような条件の雰囲気とした後、適宜な方法で金属
チタンの蒸発源5を加熱しチタンを気化させる。金属チ
タンを効果的に気化させるためには、金属チタンの蒸発
源5の温度は約1600℃すなわち1500〜1700℃に保持す
る。金属チタンの便利な加熱方法としては、金属チタン
の蒸発源5に対し、電子銃8から適当な加速電圧で電子
ビームを照射して、金属チタンをボンバードする方法が
ある。
ついで直流電源9により1〜450V好ましくは10〜100V
の直流電圧を陽極である金属チタンの蒸発源5と陰極で
ある基体3との間に印加する。先行技術では基体と蒸発
源との間の電圧は500Vまたはより高いのが普通であるの
で、このような相対的に低い電圧を使用することも本発
明の特徴である。基体と蒸発源とのあいだに流れるイオ
ン電流は、処理中の基体のサイズによって特に限定され
ないが、相対的に小さな基体たとえば時計のケースとバ
ンド、眼鏡のわくその他の類似品を処理する場合は、通
常0.1〜5.0A好ましくは0.5〜2.0Aに維持するのが適当で
ある。
ここで注目すべきことは、給気口7から導入されるガ
スに含まれる酸素、二酸化酸素等の不純物は、電離電圧
が低いので、前記電子ビームを照射するボンバードメン
トによって、イオン電流が増加し、蒸着した表面層の色
調に影響をもつことである。雰囲気ガスの中におけるこ
のような不純物の存在が、基体の表面に蒸着する窒化チ
タンの表面層の色調に、高い信頼性と再現性をもって美
しい色調の黒色表面を形成するのに重大な影響をもつ。
また基体の上に蒸着する主に窒化チタンからなる美し
い黒色の表面層が、意外にも大量の酸素と炭素、場合に
よっては重量で20%以上を含むこともまた驚くべき発見
である。一例をあげると、本発明の方法により蒸着した
表面層は重量でチタン35%、窒素20%、酸素25%、炭素
20%からなっている。これに対し、不純物として酸素と
炭素の不可避量のみを含む雰囲気中で通常の方法により
蒸着した通常の金色の窒化チタン層は、チタン45%、窒
素45%、酸素5%、炭素5%からなる。
また反応容器1内の雰囲気ガスの圧力の上記限界は重
要である。なぜならば、圧力が上記低限界より低いとき
は金属チタンの蒸発源5と基体3の間の電圧がイオンプ
レーティングにより窒化チタンの蒸着を確保するのに充
分でなく、他方圧力が上記高限界より高いときはグロー
放電がおこり、基体3の上に蒸着した窒化チタンの表面
があらくなる。また金属チタンの蒸発源5と基体3の間
の電流が処理中の基体に対しあまりに大きいときは、酸
素と炭素の含有が少ないTiNを形成する反応が優先し、
基体3の上に蒸着した表面層の色は黄みがかり、多様な
黒色は得られない。
つぎに本発明の方法を実施例をあげて詳細に説明す
る。
(実施例1) 金属チタン製の眼鏡のわくを被処理基体とし、基体ホ
ルダー4にとりつけ、第1表に示す各種濃度の酸素と二
酸化炭素を含む窒素とアルゴンの混合ガスを反応容器1
内に導入し、排気と給気を調節して反応容器内の圧力を
5×10-3Torrに保持する。
つぎに加速電圧10kV、電流0.3Aの電子ビームで金属チ
タンをボンバードして加熱し、1600℃に昇温しチタンを
気化させる。
ついで陽極である金属チタンの蒸発源と陰極である基
体との間に10、50、100、200、400Vの直流電圧を加えた
ところ、それぞれ1、10、15、20、30Aのイオン電流が
流れた。
この電流を30分流し、基体の表面処理を終了した。こ
のとき基体表面に形成された表面層の色調を視覚により
評価し第1表に示す。
電圧が400Vのとき得られる”ヤケ灰色”とは、赤、
青、緑の混じった暗い感じの色調をいう。
この結果、O2/CO2濃度比が2/1と3/2のときに、電圧
が400Vのときを除いて、好ましい色調が得られ、特に、
10V、1Aで処理されたものは黒色系の優れた色調を有し
ていた。
(実施例2) 反応容器1内の圧力を8×10-4Torrとし、金属チタン
を1500℃に加熱した以外は実施例1と同じ条件で処理を
行った。
10、50、100、200、400Vの各電圧に対して流れたイオ
ン電流は、それぞれ0.5、5、10、15、20Aであった。こ
のときの評価結果を第2表に示す。
この結果、O2/CO2濃度比が3/3と5/3のときに、好ま
しい色調が得られ、特に、電圧10V、0.5Aと電圧50V、5A
で処理されたものは黒色系の優れた色調を有していた。
(実施例3) 基体はステンレス製の時計バンドで、酸素と二酸化炭
素の濃度がともに2容積%である窒素とキセノンとの混
合ガスを5×10-4Torr圧力となるよう反応容器内に給排
気し、10kVの加速電圧で0.3Aのビーム電流を流して金属
チタンを1600℃に加熱気化させ、100Vの電圧で、5Aのイ
オン電流を30分間流した。この結果時計バンドの表面に
0.8μmの厚さの美しい黒灰色の表面層を得た。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明によれば、(1)イオ
ンプレーティングに際して高電圧を使用しないため、製
品表面でスパッタリングや異常放電を起こさず、清浄で
多様な黒色色調と貴石のような光沢を有する外装部品が
得られる。(2)得られた被膜の耐摩耗性、耐腐食性が
高く、長期の使用に耐えられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法に用いられるイオンプレーティン
グ装置の概略を示す説明図である。 1…反応容器、2…テーブル、3…基体、4…基体ホル
ダー、5…金属チタンの蒸発源、6…排気口、7…給気
口、8…電子銃、9…直流電源。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に金属チタン被膜を有する外装部品を
    製造するに際し、 a)2.0〜5.0容積%の酸素および1.0〜3.0容積%の二酸
    化炭素を含む窒素と、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キ
    セノン、クリプトンから選ばれる不活性ガスとの混合ガ
    スからなる圧力5×10-4〜1×10-2Torrの雰囲気中に、
    導電性表面を有する基体を金属チタンの蒸発源に対向さ
    せて保持し、 b)該金属チタンの蒸発源を加熱して該金属を気化さ
    せ、 c)陰極としての該基体と陽極としての該金属チタンの
    蒸発源の間に1〜450Vの電圧を印加し、0.1〜5.0Aのイ
    オン電流で処理する、 ことを特徴とする外装部品の製造方法。
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