JP2552928Y2 - 洋服包装袋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、洋服包装袋の改良に関
するもので、さらに詳しくは、消費者が洋服を購入した
際に、その洋服を型崩れしないようにハンガーに掛けて
持ち帰れるようになした洋服包装袋の改良に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の洋服包装袋としては、合
成樹脂製の洋服ハンガーのフック部を把手に兼用するハ
ンガー付き簡易洋服カバーが汎用されている。このハン
ガー付き簡易洋服カバーは、小判形の樹脂シートを二枚
重ねにして周縁を縫合してカバー本体を形成し、このカ
バー本体の一面には縦方向にスライドファスナーを有し
た開口部を設け、また、該カバー本体の上部には収納し
た合成樹脂製の洋服ハンガーのフック部を貫出するスリ
ット部を設け、さらに、該カバー本体の下部には、この
カバー本体を上下中央の横線を折線として二つ折りした
際にカバー本体の上部を被包するポケットを縫合し、こ
のポケットの下部にも洋服ハンガーのフック部を貫出す
るスリット部を設けてなる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上記ハンガー
付き簡易洋服カバーは、家庭に持ち帰った後、多くが廃
棄され継続的に利用されることが少なくなり、高価な包
装に疑問が提示されているという課題を有している。

【０００４】特に、この種ハンガー付き簡易洋服カバー
は、材質がほとんど合成樹脂であるため、廃棄処分には
焼却時には有害ガスが発生したり焼却炉を破損する異常
高熱を発生し、また埋め立て処分しても分解されないと
いう地球環境を悪化する原因ともなる課題を有し、さら
には、合成樹脂は少量印刷には適さないので、各販売店
の個性的デザイン表現が困難で、画一的デザインとなっ
てしまうという課題をも有している。

【０００５】そこで、本考案は上記課題を解決すべくな
されたもので、主たる材質を紙（再製紙）となすこと
で、従来の合成樹脂を使用した場合に比べ安価で、廃
棄、焼却にも公害の発生を伴わず、さらにはデザイン的
表現が簡易に行えるようになした洋服包装袋を提供する
ことを目的としたものである。

【０００６】また、本考案の他の目的とするところは、
従来のハンガー付き簡易洋服カバーが結構かさばるとい
う欠点を有していたため、狭い販売店でもかさばらずに
収納しておける洋服包装袋を提供することを目的とした
ものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的に沿い、先述
実用新案登録請求の範囲を要旨とする本考案の構成は前
述課題を解決するために、上部に開口１１を有し、前面
１２または後面１３の一方の上部に横方向のスリット１
４を設けてなる袋本体１０と、上部に上記袋本体１０の
スリット１４より貫出する把手部２１を有し、この把手
部２１には握持用手挿入孔２２を設け、該把手部２１の
下方には上記スリット１４の長さより横方向の長さを大
きくした袋係止部２３を連接し、さらに、この袋係止部
２３の下方にはくびれ部２４を介して上記袋本体１０内
に収納できる大きさの洋服ハンガー本体部２７を連接し
てなる紙製ハンガー２０とで構成してなる技術的手段を
講じたものである。

【０００８】

【作用】それ故、本考案洋服包装袋は、まず、袋本体１
０より取り出しておいた紙製ハンガー２０に、図示しな
い洋服を掛ける。洋服は通常裾側を襟側に重ねるように
二つ折りし、必要に応じては薄紙で把手部２１を覆わな
いようにして包む。そして、この洋服を袋本体１０内に
紙製ハンガー２０と共に収納する。

【０００９】上記洋服を袋本体１０内に収納する際、紙
製ハンガー２０は、一度その把手部２１までも袋本体１
０内に収納されるようになし、次いで、この把手部２１
を袋本体１０のスリット１４より外方に貫出させる。そ
して、袋本体１０は「図１」に示すごとく、その上部を
スリット１４に沿って折り曲げる。この状態で、把手部
２１をもって携行すると、洋服は紙製ハンガー２０に掛
けられ袋本体１０の底にずり落ちることがなく、洋服を
皺にならないよう携行できる作用を呈し、また、袋本体
１０は洋服を被包すると共に紙製ハンガー２０の袋係止
部２３に引っかかって係止される作用を呈するものであ
る。

【００１０】

【実施例】次に、本考案の実施例を添付図面にしたがっ
て説明する。図中、１０が袋本体、２０が紙製ハンガー
である。

【００１１】上記袋本体は、上部に開口１１を有し、前
面１２または後面１３の一方の上部に横方向のスリット
１４を設けてなる。

【００１２】すなわち、上記袋本体１０は、本実施例で
は図では必ずしも明示していないが、前面１２と後面１
３と底面１５と両側襠面（図示せず）とを有した、所謂
角底袋を使用したが、その他従来公知な各種上部開口式
の袋が使用でき、その材質は、紙、合成樹脂のいずれを
使用してもよいが、紙を使用する方が印刷の容易性から
して少量多品種向きであり、また、焼却等の廃棄処分で
の公害発生の心配が無くより望ましい。

【００１３】また、本実施例では紙袋を使用し、上記ス
リット１４の直上には横方向に折線１６を設けて、「図
１」に示すごとく袋本体１０の上部を折り曲げて蓋を閉
じ易くなしてある。

【００１４】また、上記紙製ハンガー２０は、上部に上
記袋本体１０のスリット１４より貫出する把手部２１を
有し、この把手部２１には握持用手挿入孔２２を設け、
該把手部２１の下方には上記スリット１４の長さより横
方向の長さを大きくした袋係止部２３を連接し、さら
に、この袋係止部２３の下方にはくびれ部２４を介して
上記袋本体１０内に収納できる大きさの洋服ハンガー本
体部２７を連接してなる。

【００１５】上記紙製ハンガー２０は、洋服を掛けても
通常の取り扱いで変形しない程度の強度を有すればよ
く、厚紙、特に地球資源の有効活用の面から再生厚紙を
使用することが望ましい。そして、この紙製ハンガー２
０は厚紙を上部に上記袋本体１０のスリット１４より貫
出する把手部２１を有し、この把手部２１には握持用手
挿入孔２２を設け、該把手部２１の下方には上記スリッ
ト１４の長さより横方向の長さを大きくした袋係止部２
３を連接し、さらに、この袋係止部２３の下方にはくび
れ部２４を介して上記袋本体１０内に収納できる大きさ
の洋服ハンガー本体部２７を連接した平面形状に型抜き
したものを使用してもよいが、平板状の紙製ハンガーは
掛けた洋服に癖がつき易く、また強度的にも問題を有す
るため、本実施例では、常時は平板状で収納に場所を取
らず、使用時には立体的に組み立てることができるよう
になしてある。

【００１６】すなわち、本実施例の紙製ハンガー２０
は、厚紙を「図２」の形状に型抜きし、上下中央の横方
向の折線２５で二つ折りするようになしてある。そし
て、該折線２５が上辺となるように略二つ折（「図３」
または「図４」の状態）して、上端部に袋本体１０のス
リット１４より貫出する把手部２１を形成し、この把手
部２１には握持用手挿入孔２２を設けてある。

【００１７】上記把手部２１には握持用手挿入孔２２を
設けてあり、この握持用手挿入孔２２は握持用に手が挿
入できればよいが、ハンガー本体部２７を形成する前板
部２７ａと後板部２７ｂとの一方側は通常の通孔とな
し、他方側は握持用手挿入孔２２の上辺を切り落とさず
に折線２２ａとなして握持用手挿入孔２２と同形の切起
片部２２ｂを連設しておき、この切起片部２２ｂは他方
側の握持用手挿入孔２２内を通して折線２２ａで折り返
すことで、握持した際に切起片部２２ｂの折り返し辺が
手に当接して握持用手挿入孔２２の角部が手に接触しな
いようになしてある。

【００１８】また、該把手部２１の下方に連設される袋
係止部２３は袋本体１０に設けたスリット１４の長さよ
り横方向の長さを大きくするのは無論であるが、上記把
手部２１の左右一方側に突出するのではなく左右に凸設
し、その上辺が上記スリット１４の左右両側で袋本体１
０を吊り下げるようにして係止するようになしてある。

【００１９】そして、袋係止部２３の下方にはくびれ部
２４を介して上記袋本体１０内に収納できる大きさの洋
服ハンガー本体部２７を連接してなるが、この洋服ハン
ガー本体部２７を形成する一方の前板部２７ａは、袋係
止部２３の下方にくびれ部２４を介し両側斜め上方にフ
ック片部２６，２６を延設し、下辺側両角部には内側下
方に下がるよう傾斜したスリット２８，２８を設けてあ
る。

【００２０】上記前板部２７ａは、その下辺側を手前上
方に位置するように湾曲させ、両フック片部２６，２６
は夫々その上端側が手前下方に位置するように湾曲さ
せ、この両フック片部２６，２６を前板部２５ａが湾曲
によって裏を向いた側からスリット２８，２８に掛止さ
せる。すると、該前板部２５ａは、スリット２８，２８
が上記のごとく傾斜しているため、「図４」に示される
ごとく、両側が洋服の肩部に相当する外方に向かって下
方に傾斜する筒部の一部を形成するようになしてある。

【００２１】なお、上記前板部２７ａの下辺側両角部は
角を落とした欠部２９，２９となしてあるが、この欠部
２９，２９は両フック片部２６，２６がその両側が下方
に傾斜するのに支障とならないようになしたものであ
る。

【００２２】また、上記洋服ハンガー本体部２７を形成
する他方側の後板部２５ｂは、二つ折りにした状態で
（「図２」では上下が逆になる。）袋係止部２３の下方
にくびれ部２４を介し、下方に向かって順次幅広となし
た山形面部２７ｃを連設し、さらにこの山形面部２７ｃ
の下方に矩形面部２７ｄを連設してなり、この矩形面部
２７ｄには上下いずれか一片を折線３１として残し他を
切溝線３２となした長円形状のズボン通し部３０（欠長
円内を折線３１によって折り曲げることによって、「図
４」に最も明らかに示すように、ズボンを通して掛ける
ことができる長孔部が形成される。）を形成してある。

【００２３】そして、上記紙製ハンガー２０を、その把
手部２１を袋本体１０のスリット１４より外方に貫出し
て収納するようになしてある。

【００２４】無論、上記紙製ハンガー２０は、その幅お
よび上下寸法（後板部２７ｂは折り曲げないで使用する
ので該後板部２７ｂの上下寸法）を袋本体１０の幅より
余裕を持って小さく形成し、かつスーツが掛かる大きさ
とするのは無論で、スーツは該紙製ハンガー２０に掛け
て上下略中央の横線を折り線として二つ折り（場合によ
っては三つ折り）するようになすと、手に提げるのに便
利である。

【００２５】なお、前板部２７ａを湾曲して形成した筒
状部は、ネクタイ、靴下等の小物入れとして利用できる
ものである。

【００２６】

【考案の効果】本考案は上記のごときで、従来公知な袋
と、紙製ハンガー２０とで洋服を手に提げて携行できる
ように包装することができ、従来とは異なった方式の洋
服包装材としての洋服包装袋を提供できるものである。

【００２７】特に、本考案は紙製ハンガー２０を使用し
たため、従来の合成樹脂を成形したハンガー体に比較
し、廃棄・焼却に問題が少なく、省資源に貢献でき、特
に、再生紙を使用すれば地球環境の保護にも役立つもの
である。

【００２８】また、本考案は袋本体１０は無論、紙製ハ
ンガー２０も偏平にして保存でき洋服販売店での保存に
も収納場所を多く必要としない洋服包装袋を提供できる
ものである。

【００２９】また、本考案は全部を紙で構成することも
可能で、この場合、少量印刷が容易となり種々の意匠的
表現が自由にでき、消費者の好みに合わせた多種類のも
のを用意することができ、洋服販売店の個性的意匠表現
をも容易にする洋服包装袋を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案洋服包装袋の正面図である。

【図２】本考案に使用される紙製ハンガー体の一実施例
展開平面図である。

【図３】本考案に使用される厚紙製ハンガー体の供給時
の平面図である。

【図４】本考案に使用される厚紙製ハンガー体の使用時
の斜視図である。

【符号の説明】

１０ 袋本体 １４ スリット ２０ 紙製ハンガー体 ２１ 把手部 ２２ 握持用手挿入孔 ２３ 袋係止部 ２４ くびれ部 ２７ ハンガー本体部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に開口（１１）を有し、前面（１
   ２）または後面（１３）の一方の上部に横方向のスリッ
   ト（１４）を設けてなる袋本体（１０）と、 上部に上記袋本体（１０）のスリット（１４）より貫出
   する把手部（２１）を有し、この把手部（２１）には握
   持用手挿入孔（２２）を設け、該把手部（２１）の下方
   には上記スリット（１４）の長さより横方向の長さを大
   きくした袋係止部（２３）を連接し、さらに、この袋係
   止部（２３）の下方にはくびれ部（２４）を介して上記
   袋本体（１０）内に収納できる大きさの洋服ハンガー本
   体部（２７）を連接してなる紙製ハンガー（２０）とで
   構成してなる洋服包装袋。