JP2552432B2 - 構造物の振動抑制方法 - Google Patents

構造物の振動抑制方法

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JP2552432B2
JP2552432B2 JP6055829A JP5582994A JP2552432B2 JP 2552432 B2 JP2552432 B2 JP 2552432B2 JP 6055829 A JP6055829 A JP 6055829A JP 5582994 A JP5582994 A JP 5582994A JP 2552432 B2 JP2552432 B2 JP 2552432B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定質量の重りが構造
物の固有振動数と同調して振動するようにした動吸振器
により、風や地震等による構造物の振動を抑制する構造
物の振動抑制方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、機械の分野で主として機械振動の
対策に用いられていた動吸振器(ダイナミックダンパ
ー)が、風や地震などによる建物の振動を抑制する目的
で建築の分野にも適用され、吸振器系を構成する付加質
量としての重り、バネおよびダンパーからなる基本的な
動吸振器の他、所定質量の重りとその重りを構造物に対
して吊り支持する所定長さの吊り材とからなる振り子型
動吸振器(特開昭63−254247号公報等参照) 、所定の質
量の重りとその重りを構造物上で支持するための支持材
と倒立状態で安定させるためのバネ材からなる倒立振り
子型動吸振器(特開昭61−274134号公報等参照) など種
々の形式の動吸振器が開発されている。
【0003】また、特開昭63− 53332号公報には、動吸
振器の付加質量に予め初期変位を与える保持手段を設
け、ハンマー等による衝撃応答を効果的に抑制するため
の衝撃応答抑制機能を有する動吸振器が記載されてい
る。
【0004】さらに、特開昭59−161566号公報や特開昭
60− 85164号公報には、構造物の固有周期とは無関係
に、構造物の応答に応じてアクチュエーターで付加質量
を駆動し、構造物の応答を低減する能動制御型の振動制
御装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】動吸振器は、基本的に
は受動型の振動抑制装置であり、重りの質量やバネ定数
等を設定することで、特に動力を用いることなく主振動
系の応答を低減することができ、例えば塔状構造物など
の制振には有効な装置である。
【0006】しかし、受動型であることから、能動制御
型の振動制御装置に比べると、立ち上がり特性がよくな
い。すなわち、主振動系である構造物の揺れが始まった
後、動吸振器の重りの振幅がある程度以上にならない
と、十分な制振効果が得られない。
【0007】これに対し、能動制御型の振動制御装置の
場合、一般的には動吸振器の場合ほど立ち上がり特性が
問題となることはない。しかし、その反面、駆動系、制
御系の故障や誤動作により、構造物の応答低減効果が得
られなかったり、かえって応答を増大させる恐れもあ
る。
【0008】本発明は上述のような動吸振器における立
ち上がり特性の問題を解決することを目的としたもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に対応す
る構造物の振動抑制方法は、動吸振器を用いた振動抑制
方法において、ワイヤー巻取り・巻戻し機構を有するワ
イヤー固定装置を構造物側に設け、このワイヤー固定装
置と動吸振器の重りとをワイヤーで連結し、ワイヤーの
巻取り・巻戻しにより動吸振器の重りに対しあらかじめ
所定の初期変位を与えておき、強風時や地震時等の構造
物の振動に応じてワイヤー固定装置の固定を解除するこ
とで、動吸振器の重りに対し初期変位に相当する大きな
振幅を与えるようにしたものである。
【0010】動吸振器は、主振動系である構造物に対
し、所定質量の重りが主振動系の固有振動数と同調して
振動するようにしたものであり、本発明においては受動
型の振動抑制装置としての基本構成において、ワイヤー
固定装置を制御することで、動吸振器の立ち上がり特性
を改善することができる。
【0011】また、ワイヤー固定装置がワイヤーの保持
および解除だけでなく、ワイヤー巻取り・巻戻し機構を
備えていることで、例えば地震や強風時のように複数
回、主振動系の振動が起こり得るような場合や、連続し
た振動の途中においても、任意の時点で初期変位を付与
することができ、またその変位量も任意の値とすること
ができる。
【0012】動吸振器としては、請求項2に対応する所
定質量の重りと、その重りを構造物に対し吊り支持する
所定長さの吊り材とからなる振り子型動吸振器、請求項
3に対応する所定質量の重りと、その重りを構造物上で
支持するための支持材と、倒立状態で安定させるための
バネ材からなる倒立振り子型動吸振器等が用いられ、重
りに対しワイヤーを介して初期変位を付与することがで
きる。
【0013】本願の請求項4に対応する構造物の振動抑
制方法は、動吸振器を用いた振動抑制方法において、動
吸振器を複数個並列に設け、それぞれの動吸振器に対し
ワイヤー固定装置を構造物側に設け、各ワイヤー固定装
置と各動吸振器の重りとをワイヤーで連結して、動吸振
器の重りに対しあらかじめ所定の初期変位を与えてお
き、主振動系の振動レベルに応じて1個ないし複数個の
動吸振器についてワイヤーの固定を解除して主振動系の
振動を抑制するようにするものである。
【0014】例えば、小レベルの振動では1個の動吸振
器のみ初期変位を解放することで、立ち上がり特性を改
善した状態で小レベルの振動に応じた制御が可能とな
り、また大レベルの振動では複数個(全部でもよい)の
動吸振器の初期変位を解放することで、立ち上がり特性
を改善し、かつ大レベルの振動に応じた制御が可能とな
る。
【0015】
【作用】図6は千葉ポートタワーに設置されている動吸
振器の観測例(昭和63年度建築学会大会論文梗概集 N
o.2288参照)であり、このように、動吸振器があって
も、0〜15秒程度まではほとんどその効果がみられな
い。
【0016】これは動吸振器は建物が振動することによ
り、重りの振幅が励起され、ある程度以上の振幅になっ
て初めてその効果を発揮するためである。
【0017】図7(a) 〜(d) はその振動抑制効果をモデ
ル的に示したもので、(a) の構造物aと動吸振器bのモ
デルにおいて、(b) に示すように地震動または風外力が
入力されると、主振動系である構造物aが振動し始め
る。この振動初期においては吸振系の振幅hが小さいた
め、減衰エネルギーも少ない。(c) に示すように振動中
期になって、振幅hが徐々に大きくなるにつれ、減衰エ
ネルギーも増加する。振動後期において、(d) に示すよ
うに動吸振器b側のエネルギー吸収により、構造物aの
振動が減少する。なお、ダンパーのタイプによっては小
振幅の場合、摩擦などのロスによって振動せず、全く効
果の出ないものもある。
【0018】したがって、本発明のように動吸振器の重
りが最初から適切な振幅をもって振動すれば、立ち上が
り特性が改善され、構造物に対する振動抑制効果はさら
に大きくなる。すなわち、図8に示すような振動抑制効
果が得られる。
【0019】
【実施例】次に、図示した実施例について説明する。
【0020】図1(a) ,(b) は本願請求項1、2記載の
発明に対応する振り子型動吸振器への適用例を示したも
のである。所定の固有周期を与えるよう吊り長さを調整
したワイヤー12で、所定質量の重り11を吊り下げ、
その重り12をさらにワイヤー13などで水平方向に引
張り、所定の初期変位を与えている。図中、14はワイ
ヤーを固定するワイヤー固定装置であり、制御時には固
定を解除し、ワイヤー13を緩めることにより、振り子
を大きな振幅で振動させることができる。
【0021】固定装置14としては、図1(c) に示すよ
うな可変ストローク型の固定装置41を用いることがで
き、モーターおよびプーリー43などでワイヤー42を
巻取ったり、巻戻すことにより制震に必要な振動ストロ
ークを生じさせることができる。
【0022】図2(a) ,(b) は本願請求項3記載の発明
に対応する倒立振り子型動吸振器への適用例を示したも
ので、ピン支持された棒状体16の先端に重り15が設
けられ、ワイヤー13で水平方向に引張り、天井面のワ
イヤー固定装置14でワイヤーを固定している。棒状体
16はバネ17で支持されており、ワイヤー13を緩め
ることにより、振り子が振動する。なお、ワイヤー固定
装置14は床面に設置してもよい。
【0023】ワイヤー固定装置14としては、図1(c)
の可変ストローク型の固定装置41を用いることができ
る。
【0024】図3(a) 〜(c) は本願請求項4記載の発明
に対応する多重ダンパーシステムによる振動制御方法の
原理図である。
【0025】すなわち、図3(a) に示すように複数の振
り子式動吸振器を並列に設け、必要な制御力(振動吸収
エネルギー)に応じてこれらを順次動作させ得るように
したものである。
【0026】すなわち、小振動レベルでは図3(b) に示
すようにいくつかの動吸振器のうち、1個あるいは数個
を動作させ、大振動レベルでは図3(c) に示すように全
ての動吸振器を動作させて制御を行う。
【0027】このシステムの主目的は小さな振動である
にもかかわらず、一定のストローク(初期変位)が決ま
っていることにより、必要以上の振動が装置に与えられ
ないようにすることである。減衰性能をよくするために
は装置の大きな振動が必要であるが、そのために不用意
にストロークを大きくしておくと、逆に過減衰となり、
逆方向に振動を励起する恐れがある。
【0028】ワイヤー固定装置14に関しては、図1
(c) の可変ストローク型の固定装置41の他、図4ある
いは図5に示すように初期変位が可変でない固定装置を
用いてもよい。
【0029】図4のワイヤー固定装置は、くさびストッ
パー型の固定装置21の例であり、シリンダー状の本体
内にワイヤー22の固定端部22aが挿入され、図に示
すように電磁石23による固着が解除されると、くさび
24が回転してワイヤー22が動く構成になっている。
【0030】図5のワイヤー固定装置は、ブレーキ型の
固定装置31の例であり、シリンダー状の本体内におい
てワイヤー32の固定端部32aが電磁石または油圧式
の摩擦ブレーキ33により定着されており、これを切る
ことによりワイヤー32が自由に動く構成になってい
る。
【0031】
【発明の効果】本願発明では動吸振器の重りに初期変位
を与えておくことにより、風や地震による構造物の振動
初期においても十分振動抑制効果を発揮する振幅が得ら
れる。
【0032】すなわち、動吸振器の立ち上がり特性が大
幅に改善されるため、地震や風などの外乱に対し、直ち
に効率よく対処でき、良好な振動抑制効果を得ることが
できる。
【0033】本願請求項1〜3に対応する発明において
は、ワイヤー固定装置がワイヤーの保持および解除だけ
でなく、ワイヤー巻取り・巻戻し機構を備えていること
で、例えば地震や強風時のように複数回、主振動系の振
動が起こり得るような場合や、連続した振動の途中にお
いても、任意の時点で初期変位を付与することができ、
またその変位量も任意の値とすることができる。
【0034】本願請求項4に対応する発明においては、
構造物の振動レベルに応じて複数の動吸振器の初期変位
を順次解放することで、立ち上がり特性の改善効果に加
え、振動レベルに応じた制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) ,(b) は本願請求項1および2記載の発
明に対応する振り子型動吸振器への適用例を示す側面
図、(c) はワイヤー固定装置の具体例を示す側面図であ
る。
【図2】 (a) ,(b) は本願請求項3記載の発明に対応
する倒立振り子型動吸振器への適用例を示す側面図であ
る。
【図3】 (a) 〜(c) は本願請求項4記載の発明に対応
する多重ダンパーシステムの例を示す原理図である。
【図4】 図3の実施例において利用可能なワイヤー固
定装置の具体例を示す断面図である。
【図5】 図3の実施例において利用可能なワイヤー固
定装置の他の例を示す断面図である。
【図6】 従来の動吸振器の制御例を示すグラフであ
る。
【図7】 (a) 〜(d) は従来の動吸振器の制御効果を説
明するためのモデル図である。
【図8】 本願の発明を適用した場合の制御効果を示す
グラフである。
【符号の説明】
11…重り、12…ワイヤー、13…ワイヤー、14…
ワイヤー固定装置、15…重り、16…棒状体、17…
バネ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主振動系である構造物に対し、所定質量
    の重りが主振動系の固有振動数と同調して振動するよう
    にした吸振系としての動吸振器を設ける構造物の振動抑
    制方法において、ワイヤー巻取り・巻戻し機構を有する
    ワイヤー固定装置を構造物側に設け、前記ワイヤー固定
    装置と前記動吸振器の重りとをワイヤーで連結し、ワイ
    ヤーの巻取り・巻戻しにより動吸振器の重りに対しあら
    かじめ所定の初期変位を与えておき、主振動系の振動に
    応じて前記ワイヤーに対するワイヤー固定装置の固定を
    解除して主振動系の振動を抑制することを特徴とする構
    造物の振動抑制方法。
  2. 【請求項2】 前記動吸振器は、所定質量の重りと、そ
    の重りを構造物に対し吊り支持する所定長さの吊り材と
    からなる振り子型動吸振器である請求項1記載の構造物
    の振動抑制方法。
  3. 【請求項3】 前記動吸振器は、所定質量の重りと、そ
    の重りを構造物上で支持するための支持材と、倒立状態
    で安定させるためのバネ材からなる倒立振り子型動吸振
    器である請求項1記載の構造物の振動抑制方法。
  4. 【請求項4】 主振動系である構造物に対し、所定質量
    の重りが主振動系の固有振動数と同調して振動するよう
    にした吸振系としての動吸振器を設ける構造物の振動抑
    制方法において、前記動吸振器を複数個並列に設け、そ
    れぞれの動吸振器に対しワイヤー固定装置を構造物側に
    設け、前記各ワイヤー固定装置と前記各動吸振器の重り
    とをワイヤーで連結して、動吸振器の重りに対しあらか
    じめ所定の初期変位を与えておき、主振動系の振動レベ
    ルに応じて1個ないし複数個の動吸振器について前記ワ
    イヤーに対するワイヤー固定装置の固定を解除して主振
    動系の振動を抑制することを特徴とする構造物の振動抑
    制方法。
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