JP2551879Y2 - 衝撃センサ - Google Patents

衝撃センサ

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JP2551879Y2
JP2551879Y2 JP1991103534U JP10353491U JP2551879Y2 JP 2551879 Y2 JP2551879 Y2 JP 2551879Y2 JP 1991103534 U JP1991103534 U JP 1991103534U JP 10353491 U JP10353491 U JP 10353491U JP 2551879 Y2 JP2551879 Y2 JP 2551879Y2
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正樹 小原
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日本電気ホームエレクトロニクス株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、衝撃を受けて移動す
るマグネットによりリードスイッチを確実に動作させる
ようにした衝撃センサに関する。
【0002】
【従来の技術】車両の衝突による乗員の死亡事故を減ら
すため、前部座席に座る運転者や運転助手を衝突時の衝
撃から保護するエアバッグ装置の導入が急がれている。
例えば運転席側のエアバッグ装置は、車両のステアリン
グホイールの中央部分にエアバッグが埋め込んであり、
衝突により車両が一定限度を越える衝撃を受けたときに
接点を閉じる衝撃センサが展開信号を発し、スクイブと
呼ばれる起爆素子に動作電流を通電してエアバッグを爆
発的に展開させる構成とされている。図3,4は、こう
したエアバッグ装置に用いられる従来の衝撃センサ1を
示すものである。衝撃センサ1は、有底筒状のホルダ2
の中空軸部3に収容されたリードスイッチ4と、中空軸
部3に遊嵌されて一端がホルダ2の底面に係止されるコ
イルばね5と、コイルばね5の他端を係止し、ホルダ2
に嵌着されたキャップ6内を移動する環状のマグネット
7からなる。マグネット7は、通常はキャップ6の底面
に当接係止されており、衝撃センサ1が外部から衝撃を
受けたときにコイルばね5に抗して移動し、最大でホル
ダ2の筒状端面8に当接するまで移動する。マグネット
7がリードスイッチ4の感応圏内に至ると、マグネット
7の磁力によりリードスイッチ4が閉成し、これにより
一定限度を越える衝撃が検知される。
【0003】なお、エアバッグ装置は、一般に、比較的
小さな衝撃を検知する低G用の衝撃センサと大きな衝撃
を検知する高G用の衝撃センサの2個を組み合わせて用
いるのが普通であり、その場合、高G用の衝撃センサと
して応力変化を電子的に検出するものが用いられるのに
対し、低G用の衝撃センサには前述の機械接点式の衝撃
センサ1が用いられ、これら一対の衝撃センサの出力を
受ける判断回路(図示せず)が衝突判断を下したとき
に、展開信号が出力される。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上記従来の衝撃センサ
1は、外部からかなり強い衝撃を受けたときに、マグネ
ット7が移動限界位置までかなりの慣性力を受けて移動
するため、ホルダ2の筒状端面8に当たったときに勢い
余って跳ね返されてしまうことがあり、マグネット7が
リードスイッチ4の感応圏外に弾き返された場合に、一
旦は感応圏内に至ったマグネット7により閉じたリード
スイッチ4がすぐに開いてしまい、リードスイッチ4の
閉成信号が寸断してしまうことがあった。このため、衝
撃センサ1に対して検知感度を越える衝撃が加わってい
るにも拘わらず、衝撃センサ1の出力を受ける判断回路
の方で衝突であると判断しないことがあり、実際に衝突
が発生しているにも拘わらず、エアバッグを動作させる
ことができないケースもある等の課題を抱えていた。ま
た、仮に経年劣化等が原因でリードスイッチ4のリード
片が塑性変形してしまい、マグネット7が感応圏内に至
ってもリードスイッチ4が閉じないといった不具合が発
生したときに、点検整備などの機会を除いてはリードス
イッチ4の異常に気付かないのが普通であるため、衝撃
センサ1の動作不良から衝突発生時にエアバッグ装置が
作動せず、エアバッグ装置への信頼を著しく損なう事態
に発展しかねない等の課題を抱えていた。一方また、特
開平3−110731号「衝撃センサ」には、作動時間
を長期化するため、リードスイッチの外周面を摺動変位
する筒状の摺動体を、マグネットと非磁性スリーブの結
合体で構成し、非磁性スリーブを第1のばねにより摺動
体の移動方向とは逆方向に付勢し、かつ非磁性スリーブ
と非磁性マスとの間に嵌装した第2のばねにより非磁性
マスとマグネットを摺動体の移動方向とは逆方向に付勢
するようにした衝撃センサが開示されている。しかしな
がら、このものは、衝撃を受けた摺動体が第1のばねを
圧縮してリードスイッチ作動位置まで変位した後、第2
のばねを圧縮しつつ摺動体を追いかけるようにして変位
する非磁性マスが摺動体の復帰動作を抑制し、これによ
りリードスイッチの作動時間を長期化させるものであ
り、摺動体の慣性質量を見かけ上増大させる非磁性マス
の質量と第2のばねの弾発力とのバランス設定が非常に
難しく、第2のばねの弾発力が強大過ぎる場合は、非磁
性マスが往動限界から即座に跳ね返されてしまい、摺動
体をリードスイッチ作動位置から非作動位置に引き戻し
てしまう結果、作動時間長期化の目的に反して作動時間
を短縮する結果を招いてしまうことがあり、一方また第
2のばねの弾反力が弱すぎる場合も、摺動体を後追いす
る非磁性マスの動きが適切に減速されず、非磁性マスが
かなりの運動エネルギを温存したまま往動限界に衝合し
てしまう結果、往動限界による反発も早く、リードスイ
ッチの作動時間を長期化できない場合がある等の課題を
抱えるものであった。また、経年劣化等が原因でリード
スイッチのリード片が塑性変形したときに、マグネット
が感応圏内に至ってもリードスイッチが閉じないといっ
た不具合が発生することがあり、衝撃感知が徹底できて
いない等の課題を抱えていた。また、特開昭62−19
8764号「減速度センサ」には、センシングマスと出
力接点との接触時間が十分長く保たれるよう、衝撃を感
知して移動するセンシングマスを緩衝的に受け止める緩
衝捕捉用クッション材を配設した衝撃センサが開示され
ている。しかしながら、このものは、緩衝捕捉用クッシ
ョン材がセンシングマスの運動エネルギを吸収して、セ
ンシングマスの前方への移動速度を減速するとともに、
センシングマスの反発係数を抑制してセンシングマスの
跳ね返り速度を抑え、センシングマスと出力接点との接
触時間を長期化させるだけのものである。すなわち、衝
撃感知は金属製のセンシングマスと出力接点との機械的
触により行われるため、緩衝捕捉用クッション材はセ
ンシングマスの運動エネルギを吸収する単なるクッショ
ンでしかなく、センシングマスが緩衝捕捉用クッション
材に当接しただけでは衝撃感知できないものであり、経
年劣化等が原因で出力接点が塑性変形したときに、セン
シングマスと出力接点との機械的接触不良等が原因で衝
撃感知できないケースもあるといった課題を抱えてい
た。また、センシングマスは球形の磁性導電体からなる
が、この球形の磁性導電体をクッション材はその中央部
凹面で捕捉することで、十分な緩衝性を獲得する構成に
なっており、従ってこうした緩衝捕捉用クッション材を
例えば環状空間等に配設する場合には、クッション材の
形状や取り付けに工夫を施す必要があり、単純な転用で
は十分な緩衝捕捉効果は期待できないといった課題を抱
えるものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記課題を
解決したものであり、中空筒状の外殻と、該外殻内に配
設され、感応圏内から発された磁力を受けて閉成するリ
ードスイッチと、前記外殻内に配設され、衝撃を受けた
ときに前記リードスイッチの感応圏外から感応圏内に向
けて変位するマグネットと、前記外殻内に配設され、前
記マグネットを前記変位方向とは逆方向に付勢するばね
と、前記外殻内に固着され、前記感応圏に変位したマグ
ネットを緩衝的に係止して弾性変形する導電性の板ばね
と、該板ばねに離間対向させて前記外殻内に固着され、
前記弾性変形した板ばねが当接したときに導通し、前記
リードスイッチとは別個に衝撃を感知する接点部材と
具備することを特徴とするものである。
【0006】
【作用】この考案は、衝撃を受けて移動するマグネット
がばねに抗して感応圏内に至ったときに、マグネットの
磁力によりリードスイッチが動作して衝撃を検知すると
ともに、感応圏内に移動したマグネットを板ばねに緩衝
的に係止され、このとき弾性変形した板ばねが接点部材
に当接して導通することにより、移動限界位置における
マグネットの反発を抑制し、かつ衝突発生をリードスイ
ッチと接点部材とにより二重に検知する。
【0007】
【実施例】以下、この考案の実施例について、図1,2
を参照して説明する。図1は、この考案の衝撃センサの
一実施例を示す断面図、図2は、図1に示した衝撃セン
サの動作状態を示す断面図である。
【0008】図1に示した衝撃センサ11は、マグネッ
ト12がリードスイッチ13の感応圏内に移動したとき
に、板ばね14によりマグネット12を受け止め、マグ
ネット12が移動限界位置か又はそこに至るまでに緩衝
する構成としてある。さらにまた、マグネット12が移
動限界位置まで移動したときは、マグネット12を緩衝
捕捉した板ばね14を係止片15に係止させ、板ばね1
4が係止片15に接触したことを電気的に検知し、リー
ドスイッチ13の閉成信号と併せ二重に衝撃検知できる
よう構成してある。
【0009】実施例では、ホルダ16に形成する筒状端
面を、内側に向かってすり鉢状に縮径する傾斜面で構成
し、この傾斜面に導電性金属材からなる係止片15が固
着してある。一方また、導電性金属材を鋸歯状に折り曲
げて形成した板ばね14を、係止片15に離間対向する
ごとくキャップ17の内壁に固着し、マグネット12が
感応圏内に移動したときにこれを受け止めるようにして
ある。板ばね14は、キャップ17に一部埋設されたL
字形の基部14aと、この基部14aから斜め後方に延
びる係止部14bと、係止部14bに続く接点部14c
からなり、係止部14bはマグネット12を係止したと
きに後方に傾斜し、傾斜角度に応じた弾発力をもってマ
グネット12を緩衝する。ここでは、板ばね14と、こ
の板ばね14をマグネット12の移動限界位置にて係止
する係止片15が緩衝捕捉手段を構成しており、また係
止片15は、マグネット12が感応圏内のここでは移動
限界位置に至ったときにこれを電気的に検知する接点部
材を構成する。
【0010】ここで、衝撃センサ11に対し一定限度を
越える衝撃が加わると、マグネット12がリードスイッ
チ13の感応圏内まで移動する。そして、マグネット1
2がリードスイッチ13の感応圏内に至ると、それまで
コイルばね18を圧縮しながら移動してきたマグネット
12が板ばね14の係止部14bに係止され、コイルば
ね18と板ばね14を変形させながら移動する。ただ
し、板ばね14があるために、マグネット12が直接ホ
ルダ16の筒状端面に当接することはなく、マグネット
12は板ばね14に緩衝されて減速する。従って、仮に
マグネット12が移動限界位置まで移動したとしても、
そこに至る過程でマグネット12は十分に減速されてお
り、しかも板ばね14がマグネット12を緩衝捕捉する
ので、マグネット12が移動限界位置にて跳ね返される
ことはない。このため、マグネット12はリードスイッ
チ13の感応圏内に止まることができ、一旦入った感応
圏内を飛び出して判断回路を誤動作させるといったこと
はなく、またマグネット12がリードスイッチ13の感
応圏の内外を数回にわたって往復し、チャタリングを発
生するといったこともなく、衝撃センサ11からの閉成
信号を受けて判断回路は確実に衝突判別を行うことがで
きる。
【0011】さらにまた、マグネット12が移動限界位
置に至ったときは、板ばね14の接点部14cが係止片
15に当接係止され、同時にまた板ばね14と係止片1
5が導通するため、すでにマグネット12の磁力により
閉成したリードスイッチ13からの閉成信号と、板ばね
14と係止片15の導通に伴う電気信号とから、衝突発
生を二重に検知することができる。また、リードスイッ
チ13が何らかの理由で正常に動作しない場合、例えば
急制動をかけたときなどにマグネット12が移動限界位
置まで移動したことを、板ばね14と係止片15が導通
することから電気的に検知できるため、閉成信号を発信
しないリードスイッチ13を動作不良であると判断する
ことができ、ユーザに対し直ちに必要な点検整備を促す
ことができる。
【0012】なお、上記実施例では、マグネット12が
移動限界位置に至ったときに板ばね14が接点部材とし
ての係止片15に当接する構成としたが、マグネット1
2が移動限界位置に至らないまでも、リードスイッチ1
3の感応圏内の適当な位置に至った時点で板ばね14が
係止片15に当接するよう構成することもできる。
【0013】
【考案の効果】以上説明したように、この考案は、衝撃
を受けて移動するマグネットがばねに抗して感応圏内に
至ったときに、マグネットの磁力によりリードスイッチ
が動作して衝撃を検知するとともに、感応圏内に移動し
たマグネットを板ばねにより受け止め、マグネットが移
動限界位置か又はそこに至るまでに緩衝する構成とした
から、マグネットがリードスイッチの感応圏内に至る
と、それまでばねを圧縮しながら移動してきたマグネッ
トが板ばねにより捕捉され、ばねを変形させながら移動
する一方で板ばねにより緩衝され、従ってマグネットが
移動限界位置にて跳ね返されるといったことはなく、こ
のためマグネットはリードスイッチの感応圏内に止まる
ことができ、リードスイッチが感応圏の内外を往復した
りチャタリングを発生したりすることはなく、これによ
りリードスイッチの閉成信号から確実に衝突判別を行う
ことができる。
【0014】また、この考案は、マグネットが感応圏内
に至ったときに、弾性変形する板ばねに当接して導通す
る接点部材が配設してあるため、マグネットが感応圏内
に至ったときに接点部材から得られる電気信号と、マグ
ネットの磁力により閉成したリードスイッチからの閉成
信号とから、衝突発生を二重に検知することができ、さ
らにまたリードスイッチが何らかの理由で正常に動作し
ない場合でも、マグネットが感応圏内に移動したことを
接点部材の導通をもって電気的に検知できるので、閉成
信号を発信しないリードスイッチを動作不良であると判
断することができ、ユーザに対し直ちに必要な点検整備
を促すことができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の衝撃センサの一実施例を示す断面図
である。
【図2】図1に示した衝撃センサの動作状態を示す断面
図である。
【図3】従来の衝撃センサの一例を示す断面図である。
【図4】図3に示した衝撃センサの動作状態を示す断面
図である。
【符号の説明】
11 衝撃センサ 12 マグネット 13 リードスイッチ 14 板ばね 15 接点部材(係止片)17 外殻(キャップ) 18 コイルばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−110731(JP,A) 特開 昭62−198764(JP,A) 特開 平3−214531(JP,A) 特開 昭58−192223(JP,A) 特開 平4−228342(JP,A) 特開 昭50−137773(JP,A) 特開 昭48−65975(JP,A) 特開 昭50−141044(JP,A) 特開 平4−503706(JP,A) 実開 平4−99073(JP,U) 実開 平5−45569(JP,U) 実開 平4−49868(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空筒状の外殻と、該外殻内に配設さ
    れ、感応圏内から発された磁力を受けて閉成するリード
    スイッチと、前記外殻内に配設され、衝撃を受けたとき
    に前記リードスイッチの感応圏外から感応圏内に向けて
    変位するマグネットと、前記外殻内に配設され、前記マ
    グネットを前記変位方向とは逆方向に付勢するばねと、
    前記外殻内に固着され、前記感応圏に変位したマグネッ
    トを緩衝的に係止して弾性変形する導電性の板ばねと、
    該板ばねに離間対向させて前記外殻内に固着され、前記
    弾性変形した板ばねが当接したときに導通し、前記リー
    ドスイッチとは別個に衝撃を感知する接点部材とを具備
    することを特徴とする衝撃センサ。
JP1991103534U 1991-12-16 1991-12-16 衝撃センサ Expired - Fee Related JP2551879Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0769344B2 (ja) * 1986-02-27 1995-07-26 本田技研工業株式会社 減速度センサ
US4877927A (en) * 1989-04-06 1989-10-31 Hamlin Incorporated Extended dwell shock sensing device

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