JP2551822B2 - 防燃剤の製造法 - Google Patents

防燃剤の製造法

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JP2551822B2 JP63224049A JP22404988A JP2551822B2 JP 2551822 B2 JP2551822 B2 JP 2551822B2 JP 63224049 A JP63224049 A JP 63224049A JP 22404988 A JP22404988 A JP 22404988A JP 2551822 B2 JP2551822 B2 JP 2551822B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は防燃剤の製造法に関する。
[従来の技術] 従来、防燃剤としてスルファミン酸グアニジン−ホル
ムアルデヒド反応物を含有するものがある。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、このものは残存ホルムアルデヒドが多く、紙
に塗布処理して加熱乾燥した場合、残存ホルムアルデヒ
ドが大気中に飛散し、作業環境が悪化する。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは残存ホルムアルデヒド含量の少ない防燃
剤を得るべく検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明はスルファミン酸アンモンとジシアン
ジアミドとの反応物にホルムアルデヒドを反応させて得
た反応物にアルカリ金属、アルカリ土類金属もしくはア
ンモニアの亜硫酸塩、亜硫酸および弱酸のグアニジン塩
からなる群より選ばれる化合物を反応させることを特徴
とする残存ホルムアルデヒド含量の少ない防燃剤の製造
法である。
ジシアンジアミドとスルファミン酸アンモンの反応物
において、ジシアンジアミドとスルファミン酸アンモン
のモル比は通常1:1〜1:3、好ましくは1:1.4〜1:1.8であ
る。スルファミン酸アンモンが1未満ではメラミン、ア
ンメリンなどの水不溶物の含有量が増大する。またスル
ファミン酸アンモンが3を越えると未反応アンモニウム
(スルファミン酸アンモン)および副生アンモニウム
(イミドジスルホン酸グアニジンアンモニウムなど)の
量が増大する。
反応は溶融反応で行うことができる。反応温度は通常
120〜190℃、好ましくは130〜180℃である。
この反応物には主生成物であるスルファミン酸グアニ
ジンの他に未反応物質のスルファミン酸アンモン、ジシ
アンジアミド、さらに副反応生成物(イミドジスルホン
酸、グラニジンアンモニウム、イミドジスルホン酸ジグ
アニジン、メラミン、アンメリンなど)が少量存在して
いてもよい。
本発明において、使用されるホルムアルデヒドとして
はホルマリン(ホルムアルデヒドの37%水溶液)および
ホルムアルデヒド発生物質たとえばパラホルムアルデヒ
ドが挙げられる。好ましくはホルマリンである。
スルファミン酸アンモンとジシアンジアミドとの反応
物(以下、反応物ともいう)にホルムアルデヒドを反応
させるに際し、ホルムアルデヒドの量は反応物の重量に
基づいて通常0.1〜50%、好ましくは0.5〜30%である。
ホルムアルデヒドが50%を越えると防炎性を低下させる
傾向がある。また、ホルムアルデヒドが0.1%より少な
いと耐熱性が低下する。
スルファミン酸アンモンとジシアンジアミドとの反応
物とホルムアルデヒドを反応させる方法は通常の方法で
よく、たとえばホルムアルデヒド水溶液にスルファミン
酸アンモンとジシアンジアミドとの反応物を加え、通常
30〜90℃で、1〜5時間反応することにより製造するこ
とができる。
アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニアの
亜硫酸塩としては、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸バリウム、亜硫酸アンモ
ニウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウムお
よび亜硫酸アンモニウムが挙げられる。好ましくは亜硫
酸ナトリウムおよび亜硫酸アンモニウムである。
弱酸のグアニジン塩としては炭酸グアニジンおよびホ
ウ酸グアニジンが挙げられる。好ましくは炭酸グアニジ
ンである。
アルカリ金属、アルカリ土類金属もしくはアンモニア
の亜硫酸塩、亜硫酸および弱酸のグアニジン塩からなる
群より選ばれる化合物の使用量は上記ホルムアルデヒド
との反応物の重量に基づいて通常0.1〜20重量%、好ま
しくは0.1〜10重量%である。使用量が0.1%より少ない
と効果が充分でなく、20%を越えると防炎性を低下させ
る傾向がある。
反応の方法は上記スルファミン酸アンモンとジシアン
ジアミドとの反応物のホルムアルデヒド反応物に、水中
またはメタノール等の有機溶媒中で上記化合物を反応さ
せればよい。
上記のようにして得られる防燃剤は単独でも防燃剤と
して使用できるが、必要に応じて他の公知の防燃剤成分
を含有させ防燃剤組成物とすることもできる。他の公知
の防燃剤成分の例としては、他のグアニジン塩系化合物
(B)たとえば他のグアニジン塩(スルファミン酸グア
ニジン、リン酸グアニジン、次亜リン酸グアニジン、ポ
リリン酸グアニジン、ホウ酸グアニジンなど)、シアノ
置換グアニジン(リン酸グアニル尿素、ポリリン酸グア
ニル尿素など)、アミノ置換もしくはアミノ基含有置換
グアニジン塩(リン酸アミノグアニジンなど)など、強
酸のアンモニウム塩(C)(スルファミン酸アンモン、
硫酸アンモン、リン酸アンモンなど)、ジシアンジアミ
ド類(D)(ジシアンジアミド、メチロール化ジシアン
ジアミドなど)などがあげられる。
本発明の製造法で得られる防燃剤組成物(以下、本発
明における組成物と略記)においてスルファミン酸アン
モンとジシアンジアミドとの反応物のホルムアルデヒド
反応物とアルカリ金属、アルカリ土類金属もしくはアン
モニアの亜硫酸塩、亜硫酸および弱酸のグアニジン塩か
らなる群より選ばれる化合物との反応物(A)の含有量
は組成物中重量で通常10%以上、好ましくは20%以上で
ある。10%未満では充分な性能が得られないことがあ
る。
(B)成分は組成物の重量に基づいて通常90%以下で
あり、好ましくは80%以下である。(C)および(D)
成分は通常70%以下、好ましくは60%以下である。
本発明における組成物は水溶液として使用するのが好
ましい。溶解する場合はその濃度を使用目的によって種
々に変えることができる。使用濃度は組成物の固形分換
算で通常0.5〜60%、好ましくは1〜50%である。
本発明における組成物の使用対象基材としては、セル
ロース系材料たとえば紙(障子紙、ふすま紙、壁紙、板
紙、合成紙など)が挙げられる。また、布等の繊維材料
さらに木材、合板、合成木材等の建築材料にも使用でき
る。
本発明における組成物の基材に対する付着量は、固形
分で通常2〜40%、好ましくは3〜35%である。
本発明における組成物を基材に適用する方法は、従来
行なわれている方法でよく、例えば紙を本発明における
組成物またはこれの水希釈液に浸漬後乾燥する方法、サ
イズプレスにて塗布する方法、ハケにて塗布する方法な
どである。
また、本発明における組成物は、サイズ剤、デンプン
等の表面処理剤、その他の紙処理剤と併用することも可
能である。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。実施例中の部は重
量部を示す。
実施例1 ジシアンジアミド84gとスルファミン酸アンモンの205
gを混合し、130〜170℃で3時間反応させた。
次いで、ホルマリン81.1gおよび水160gの系に、上記
ジシアンジアミドとスルファミン酸アンモンの反応物を
加え、50〜70℃で2時間加熱して固形分約60%の水溶液
の形の反応物を得た。この反応物97部に亜硫酸ソーダ3
部を加え、30〜40℃で1〜2時間反応させ防燃剤100部
を得た。このものの残存ホルムアルデヒド含量は0.05%
であった。
実施例2 実施例1において亜硫酸ソーダ3部に代えて炭酸グア
ニジン3部を使用する以外は実施例1と同様に行い防燃
剤100部を得た。このものの残存ホルムアルデヒド含量
は0.06%であった。
比較例1 実施例1において亜硫酸ソーダと反応させずにその他
は同様に行って防燃剤を得た。このものの残存ホルムア
ルデヒド含量は1.2%であった。
実施例3 実施例1において、亜硫酸ソーダ3部に代えて亜硫酸
アンモニウム3部を使用する以外は実施例1と同様に行
い防燃剤100部を得た。このものの残存ホルムアルデヒ
ド含量は0.05%であった。
試験例1 実施例1〜4および比較例1で得られた防燃剤(組成
物)を用いて処理液をサイズプレス法により紙に処理し
て100〜105℃に調温したオートドライヤーで乾燥後、以
下の方法で性能を評価した。その結果を表−1に示す。
着色防止性:180℃×10分間オーブン中で加熱し、着色の
程度を比較した。
引裂強度:試料を180℃×10分間オーブン中で加熱処理
後JIS−P−8116「紙の引裂強さ試験方法」に準じて測
定した。
難燃性:JIS−Z−2150「薄い材料の防炎性試験」(45゜
メッケルバーナー法)に従って炭化長を測定した。
[発明の効果] 本発明の製造法で得られた防燃剤は、従来のものより
も残存ホルムアルデヒド含量が少なく、紙に塗布処理し
て加熱乾燥した場合、残存ホルムアルデヒドが大気中に
飛散して環境を悪化することが少ない。しかも、着色防
止性、引裂強度、難燃性は従来のものと差がない。
上記効果を有することから本発明の製造法で得られた
防燃剤は、紙、布、木材、建築材料の各種製品へ多くの
用途に有効である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルファミン酸アンモンとジシアンジアミ
    ドとの反応物にホルムアルデヒドを反応させて得た反応
    物にアルカリ金属、アルカリ土類金属もしくはアンモニ
    アの亜硫酸塩、亜硫酸および弱酸のグアニジン塩からな
    る群より選ばれる化合物を反応させることを特徴とする
    残存ホルムアルデヒド含量の少ない防燃剤の製造法。
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