JP2550975Y2 - 落石防止装置 - Google Patents
落石防止装置Info
- Publication number
- JP2550975Y2 JP2550975Y2 JP1991092043U JP9204391U JP2550975Y2 JP 2550975 Y2 JP2550975 Y2 JP 2550975Y2 JP 1991092043 U JP1991092043 U JP 1991092043U JP 9204391 U JP9204391 U JP 9204391U JP 2550975 Y2 JP2550975 Y2 JP 2550975Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- inclined surface
- rock
- prevention device
- fall prevention
- slope
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Devices Affording Protection Of Roads Or Walls For Sound Insulation (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、落石が発生し易い道
路沿いなどの傾斜面に設ける落石防止装置に関する。
路沿いなどの傾斜面に設ける落石防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、傾斜面における落石の発生を防止
する工法として、その傾斜面の全体を金網で覆い、この
ような金網で落石の発生を防止するようにしたものが知
られている。
する工法として、その傾斜面の全体を金網で覆い、この
ような金網で落石の発生を防止するようにしたものが知
られている。
【0003】この金網を用いる落石防止装置は、傾斜面
の全体を金網で覆い、その傾斜面に露出している比較的
小さな岩石が崩落したときに、その岩石が傾斜面から大
きく飛び跳ねながら落下することがないように、金網で
その落下の勢い抑制しながら傾斜面の下端部にまで誘導
するようにしたものである。
の全体を金網で覆い、その傾斜面に露出している比較的
小さな岩石が崩落したときに、その岩石が傾斜面から大
きく飛び跳ねながら落下することがないように、金網で
その落下の勢い抑制しながら傾斜面の下端部にまで誘導
するようにしたものである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】すなわち、従来の金網
を用いる落石防止装置は、傾斜面に露出している岩石自
体の崩落を防止するというよりも、岩石が崩落したとき
の動的なエネルギーを吸収して災害への発展をくい止め
るようにしたものである。
を用いる落石防止装置は、傾斜面に露出している岩石自
体の崩落を防止するというよりも、岩石が崩落したとき
の動的なエネルギーを吸収して災害への発展をくい止め
るようにしたものである。
【0005】しかしながら、傾斜面に浮き石として巨大
な岩石が露出するような場合、単に金網で覆う手段で
は、その初期始動を抑えることがほとんど困難で、一旦
その巨大な岩石が崩落したときには、金網が容易に破壊
して不測の大惨事に発展する恐れがある。
な岩石が露出するような場合、単に金網で覆う手段で
は、その初期始動を抑えることがほとんど困難で、一旦
その巨大な岩石が崩落したときには、金網が容易に破壊
して不測の大惨事に発展する恐れがある。
【0006】また、傾斜面の全体に金網を拡げて覆う手
段では、その施工に先だって傾斜面の上の立ち木(自然
林、植林)の伐採、さらにその傾斜面の地ならし等の人
工的な処置を施さなければならない。
段では、その施工に先だって傾斜面の上の立ち木(自然
林、植林)の伐採、さらにその傾斜面の地ならし等の人
工的な処置を施さなければならない。
【0007】元来、傾斜面に林立する自然林や植林等に
よる立ち木は、自然環境を保全するとともに、その傾斜
面を風水等に対して強化する治山上の重要な要素であ
り、このような傾斜面の立ち木を伐採してしまえば治山
上大きな不利益となり、風化がが進み、また併せてその
人工的な処置により自然環境が破壊してしまう。
よる立ち木は、自然環境を保全するとともに、その傾斜
面を風水等に対して強化する治山上の重要な要素であ
り、このような傾斜面の立ち木を伐採してしまえば治山
上大きな不利益となり、風化がが進み、また併せてその
人工的な処置により自然環境が破壊してしまう。
【0008】さらに施工面においても、立ち木の伐採お
よびその伐採後の傾斜面の地ならし等により多大な労力
と時間を要し、コストが大幅に高騰してしまう。そして
施工後には、傾斜面の全体が金網で覆われるため、この
傾斜面に新たに植林を施そうとしても、その金網が邪魔
となってほとんどその実施が困難であり、またその傾斜
面から自然林が成育しようとしても、その成育が金網に
より妨げられてしまう。
よびその伐採後の傾斜面の地ならし等により多大な労力
と時間を要し、コストが大幅に高騰してしまう。そして
施工後には、傾斜面の全体が金網で覆われるため、この
傾斜面に新たに植林を施そうとしても、その金網が邪魔
となってほとんどその実施が困難であり、またその傾斜
面から自然林が成育しようとしても、その成育が金網に
より妨げられてしまう。
【0009】この考案はこのような点に着目してなされ
たもので、その目的とするところは、傾斜面に何ら人工
的な処置を加えることなく、自然の状態を保ったまま、
その傾斜面に点在する浮き石を強固に押さえ付けてその
崩落を長期に亘って防止することができる落石防止装置
を提供することにある。
たもので、その目的とするところは、傾斜面に何ら人工
的な処置を加えることなく、自然の状態を保ったまま、
その傾斜面に点在する浮き石を強固に押さえ付けてその
崩落を長期に亘って防止することができる落石防止装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この考案はこのような目
的を達成するために、立ち木および浮き石が点在する傾
斜面の上に、複数のワイヤロープを前記立ち木の間を縫
いながら前記浮き石の上を通る状態に縦横に張設し、こ
れらワイヤロープの交差部をクロスクリップで締結し、
かつこれらワイヤロープを傾斜面に打ち込んだアンカー
によりその傾斜面の起伏に沿う状態に係止するようにし
たものである。
的を達成するために、立ち木および浮き石が点在する傾
斜面の上に、複数のワイヤロープを前記立ち木の間を縫
いながら前記浮き石の上を通る状態に縦横に張設し、こ
れらワイヤロープの交差部をクロスクリップで締結し、
かつこれらワイヤロープを傾斜面に打ち込んだアンカー
によりその傾斜面の起伏に沿う状態に係止するようにし
たものである。
【0011】
【作用】このような落石防止装置においては、落石の発
生源である浮き石自体の初期始動をその浮き石の上に縦
横に張設したワイヤロープにより抑えることができ、し
たがって落石エネルギーが発生せず、傾斜面が安定し、
落石自体の発生を長期に亘って防止することができる。
生源である浮き石自体の初期始動をその浮き石の上に縦
横に張設したワイヤロープにより抑えることができ、し
たがって落石エネルギーが発生せず、傾斜面が安定し、
落石自体の発生を長期に亘って防止することができる。
【0012】そして浮き石を押さえ付けるワイヤロープ
は、傾斜面に成育している立ち木の間を縫って縦横に張
設するものであるから、その立ち木の伐採や傾斜面の地
ならし等が不要で、傾斜面に何ら人工的な手を加えるこ
となく、自然の状態を保ったまま施工でき、したがって
立ち木による自然環境の保全と傾斜面の強化をそのまま
活用でき、傾斜面の安定化をより一層確実に達成して落
石の発生を未然に防止でき、また立ち木の伐採や傾斜面
の地ならし等が不要であるから施工コストが大幅に低減
する。
は、傾斜面に成育している立ち木の間を縫って縦横に張
設するものであるから、その立ち木の伐採や傾斜面の地
ならし等が不要で、傾斜面に何ら人工的な手を加えるこ
となく、自然の状態を保ったまま施工でき、したがって
立ち木による自然環境の保全と傾斜面の強化をそのまま
活用でき、傾斜面の安定化をより一層確実に達成して落
石の発生を未然に防止でき、また立ち木の伐採や傾斜面
の地ならし等が不要であるから施工コストが大幅に低減
する。
【0013】
【実施例】以下、この考案の一実施例について図面を参
照して説明する。図中1は例えば山間部における道路沿
いの傾斜面で、この傾斜面1に立ち木2…とともに、落
石の発生源である多数の浮き石3…が点在している。
照して説明する。図中1は例えば山間部における道路沿
いの傾斜面で、この傾斜面1に立ち木2…とともに、落
石の発生源である多数の浮き石3…が点在している。
【0014】このような傾斜面1の上に、多数本のワイ
ヤロープ4…が立ち木2…の間を縫って縦横に張設さ
れ、これらワイヤロープ4…により浮き石3…が押さえ
付けられている。各ワイヤロープ4…の各交差部はクロ
スクリップ5…で締着されているとともに、適宜箇所の
各交差部がアンカー6…を介して傾斜面1にほぼ密着し
てその傾斜面1の起伏に沿うように係止されている。
ヤロープ4…が立ち木2…の間を縫って縦横に張設さ
れ、これらワイヤロープ4…により浮き石3…が押さえ
付けられている。各ワイヤロープ4…の各交差部はクロ
スクリップ5…で締着されているとともに、適宜箇所の
各交差部がアンカー6…を介して傾斜面1にほぼ密着し
てその傾斜面1の起伏に沿うように係止されている。
【0015】前記アンカー6の施工にあたっては、例え
ば傾斜面1に深さ 0.5〜1.5 m、直径5〜15cmの穴を掘
り、この穴内に図2に示すように、モルタル、セメント
などの凝固材7が充填された円筒形のプラスチック容器
8を挿入し、このプラスチック容器8内にアンカー6を
差し込み、これを前記凝固材7により固めて固定する。
また各ワイヤロープ4…の端末は、傾斜面1に設けたア
ンカー9…に係止されている。このアンカー9は前述と
同様の施工方法により前記アンカー6よりも強固に傾斜
面1に設ける。
ば傾斜面1に深さ 0.5〜1.5 m、直径5〜15cmの穴を掘
り、この穴内に図2に示すように、モルタル、セメント
などの凝固材7が充填された円筒形のプラスチック容器
8を挿入し、このプラスチック容器8内にアンカー6を
差し込み、これを前記凝固材7により固めて固定する。
また各ワイヤロープ4…の端末は、傾斜面1に設けたア
ンカー9…に係止されている。このアンカー9は前述と
同様の施工方法により前記アンカー6よりも強固に傾斜
面1に設ける。
【0016】このような落石防止装置においては、落石
の発生源である浮き石3の初期始動がワイヤロープ4…
により抑えられ、したがって落石エネルギーが発生せ
ず、傾斜面1が安定し、落石自体の発生が長期に亘って
確実に防止される。
の発生源である浮き石3の初期始動がワイヤロープ4…
により抑えられ、したがって落石エネルギーが発生せ
ず、傾斜面1が安定し、落石自体の発生が長期に亘って
確実に防止される。
【0017】そして立ち木2…を伐採する必要がなく、
このため施工作業が簡易で施工コストが低減するととも
に、立ち木2…をそのまま残せるから、環境破壊を招か
ず、自然保護の点で有益であり、また立ち木2…により
ワイヤロープ4…がある程度隠されるから外観も良好に
保つことができる。
このため施工作業が簡易で施工コストが低減するととも
に、立ち木2…をそのまま残せるから、環境破壊を招か
ず、自然保護の点で有益であり、また立ち木2…により
ワイヤロープ4…がある程度隠されるから外観も良好に
保つことができる。
【0018】また、立ち木2…を伐採せずにそのまま傾
斜面1に林立させておくものであるから、予想を上回る
地殻変動等で浮き石3…が僅かにずれ動くようなことが
あっても、その浮き石3…を支持しているワイヤロープ
4…が立ち木2…に引っ掛かって浮き石3…に対する抑
止効果をほぼそのまま維持することができる。
斜面1に林立させておくものであるから、予想を上回る
地殻変動等で浮き石3…が僅かにずれ動くようなことが
あっても、その浮き石3…を支持しているワイヤロープ
4…が立ち木2…に引っ掛かって浮き石3…に対する抑
止効果をほぼそのまま維持することができる。
【0019】このような落石防止装置においては、その
施工が簡易でかつその撤去も容易であるから、例えば切
取り法面の下方に道路や構造物を構築する際にその法面
に仮設として設置するような使用形態を採ることもでき
る。
施工が簡易でかつその撤去も容易であるから、例えば切
取り法面の下方に道路や構造物を構築する際にその法面
に仮設として設置するような使用形態を採ることもでき
る。
【0020】
【考案の効果】以上述べたようにこの考案によれば、浮
き石の初期始動を抑えて落石の発生を確実に防止するこ
とができるとともに、立ち木の伐採を要することがない
から、施工が簡易でかつ傾斜面を自然な状態に保て、環
境破壊や美観の低下を招くことがない利点がある。
き石の初期始動を抑えて落石の発生を確実に防止するこ
とができるとともに、立ち木の伐採を要することがない
から、施工が簡易でかつ傾斜面を自然な状態に保て、環
境破壊や美観の低下を招くことがない利点がある。
【図1】この考案の一実施例による落石防止装置の平面
図。
図。
【図2】その落石防止装置の一部の断面図。
【符号の説明】 1…傾斜面 2…立ち木 3…浮き石 4…ワイヤロープ 5…クロスクリップ 6…アンカー 9…アンカー
Claims (1)
- 【請求項1】立ち木および多数の浮き石が点在する傾斜
面の上に、複数のワイヤロープを前記立ち木の間を縫い
ながら前記浮き石の上を通る状態に縦横に張設し、これ
らワイヤロープの交差部をクロスクリップで締結し、か
つこれらワイヤロープを傾斜面に打ち込んだアンカーに
よりその傾斜面の起伏に沿う状態に係止してなる落石防
止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991092043U JP2550975Y2 (ja) | 1991-11-11 | 1991-11-11 | 落石防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991092043U JP2550975Y2 (ja) | 1991-11-11 | 1991-11-11 | 落石防止装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0542309U JPH0542309U (ja) | 1993-06-08 |
JP2550975Y2 true JP2550975Y2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=14043496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991092043U Expired - Lifetime JP2550975Y2 (ja) | 1991-11-11 | 1991-11-11 | 落石防止装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2550975Y2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5531849U (ja) * | 1978-08-23 | 1980-02-29 | ||
JPS57209330A (en) * | 1981-06-15 | 1982-12-22 | Yamaguchi Kosan Kk | Stabilization work against erosion and stone fall |
JPS5850204A (ja) * | 1981-09-22 | 1983-03-24 | 朝日金網株式会社 | 底なだれの防止法 |
-
1991
- 1991-11-11 JP JP1991092043U patent/JP2550975Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0542309U (ja) | 1993-06-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3949527A (en) | Material supported cover and method for securing said cover to the ground | |
KR100839669B1 (ko) | 사면녹화를 위한 자연친화형 식생매트와 이를 이용한 사면시공구조 | |
JPH1189420A (ja) | 吸着型蔓性植物による緑化方法及び緑化器 | |
JP2550975Y2 (ja) | 落石防止装置 | |
JP4480151B2 (ja) | 木製の移植樹用地中支保工および支保方法 | |
JP2007002427A (ja) | 法面の緑化構造とその施工方法 | |
JP4054443B2 (ja) | 落石防止装置 | |
JP2679966B2 (ja) | 落石防止工法 | |
JP2004076389A (ja) | 緑化基礎機能付き植生ネット | |
JP3096424B2 (ja) | 植生基盤構築方法 | |
JP4611124B2 (ja) | 自然修復法面工法 | |
JP2009102833A (ja) | モルタル法面・コンクリート法面の緑化工法。 | |
JPH0747457Y2 (ja) | コンクリート法枠工における植栽装置 | |
JPH0252050B2 (ja) | ||
KR20130036032A (ko) | 지주목의 지중설치 방법과 그 부재 | |
JP3941195B2 (ja) | 法面等の緑化工法 | |
JP2003213690A (ja) | 法面保全緑化工法及び法面保全緑化構造物 | |
JP2588475Y2 (ja) | 人工地盤における樹木支持具 | |
JP2679966C (ja) | ||
JP2003313873A (ja) | 法面被覆用植込みマットと、それによる法面被覆方法 | |
JP3057675B2 (ja) | 樹木の支持施工方法 | |
JP2021179138A (ja) | 法面用植生基盤材 | |
JP2008057262A (ja) | 覆式落石防護ネット植栽緑化工法 | |
JP2794368B2 (ja) | 法面緑化工法 | |
KR20220151370A (ko) | 도심형 조경 지주목 장치 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |