JP2550723Y2 - フィルムカッター装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はフィルムカッター装置に
関する。より詳しくは自動ストレッチ包装機における改
良されたフィルムカッター装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、パレット上に積載した被包装物
に、弾性のある少なくとも片面が粘着性を有するプラス
チックフィルムを緊張させながら自動的に巻き付けて、
該被包装物を包装する自動スパイラル式ストレッチ包装
機は知られている。

【０００３】例えば、特公昭５６−３０２４６号公報に
は、複数のユニットよりなる荷物を一体の梱包に作成す
るため、回転テーブルに隣接して配置したフィルム切断
装置及び締め付け装置をそなえ、前記荷物がフィルムに
より包装された後に前記荷物の一面側に接近してフィル
ム面を切断しかつ締め付け、揺動するアーム先端顎部の
一方はフィルム締め付け用パッド部材に接近して取り付
けたフィルム用カッター刃を備え、他方のアーム先端顎
部は２個の作動端部より形成された略“Ｕ”字形断面を
有して前記両アーム先端顎部が閉じた際に前記略“Ｕ”
字形アーム先端顎部の一方の作動端部がフィルム面を切
断位置に引き寄せると共に前記“Ｕ”字形アーム先端顎
部の他方の作動端部が前記フィルムを締め付けるために
前記一方のアーム先端顎部の前記パッド部材に係合し、
前記他方のアーム顎部の２個の作動端部はフィルム用カ
ッター刃がフィルム面を切断しうるようにそれらの間に
開口空間を備えている自動ストレッチ包装機のフィルム
カッター装置が開示され、フィルム用カッター刃が複数
の歯を形成している。

【０００４】図７は同公報の第４図に示された従来の自
動ストレッチ包装機のフィルムカッター装置の拡大図で
あり、図中符号４はフィルム、１０１はブラシ、１０２
及び１０３はフィルム用締め付け／切断顎部、２５は揺
動アーム、１０４は前部保持棒、１０５はクランプ、１
０６は刃先支持棒、１１は歯状フィルム切断刃、１０７
は弾性フィルム締付パッド、１０８はパッド支持棒、１
０９はフィルム面押付け棒、１１０は締付け棒、１１４
はフィルム面の末端部分を示す。

【０００５】同公報の第４図はクランプが完全に閉じた
ときのフィルムの位置を示すフィルム用締付け／切断顎
部の平面図である。

【０００６】このような構造のフィルムの切断位置にお
いては“Ｕ”字形のフィルム締め付け用顎部を用い、こ
れと切断刃を保持するフィルム用切断／締め付け用顎部
とを噛み合わせてフィルム面を引き寄せるようにする。

【０００７】これら二個のフィルム用切断／締め付け顎
部が閉じると、顎部の一端を越えて突き出た歯状の縦形
切断刃がフィルムを突き刺すと同時にＵ字形クランプの
一方の角部が切断／締め付け顎部に支持させたゴム製パ
ッドに対してフィルムを押し付ける。

【０００８】このようにして切断作業を行うが、この時
フィルムの張力を自動的に増減して確実な切断を行う必
要があり、仮に切断が完全に行われず単にフィルムに穴
をあけた状態でフィルム面を完全に切断しないときは、
荷物の動きによって引き裂く必要がある。

【０００９】本切断方式の歯状の切断刃は電気による加
熱を使用していないので作業環境として特定の場所で使
用されている。このような構造のストレッチ包装機にお
いて、被包装物を包装するとき、従来、フィルムにブレ
ーキ装置を使用してフィルムを緊張した状態でその弾性
を利用して巻き付けるコンベンショナルタイプが使用さ
れて、使用されるフィルムに強い張力を掛け包装されて
いた。

【００１０】しかし、近年省資源化が要求され、図５に
示すようなプレストレッチタイプのいわゆるロール方式
によるフィルム予備延伸方式の自動スパイラルストレッ
チ包装機が採用されるようになってきた。

【００１１】図５はプレストレッチタイプのロール方式
によるフィルム予備延伸方式の自動スパイラルストレッ
チ包装機の斜視図であって、図中１はベースフレーム、
２は回転テーブル、３はフィルムロール、４はフィル
ム、５はフィルム昇降フレーム、６は架柱、８は被包装
物、９はグリッパー、１０はフィルム押さえローラー、
１１はカッター、１３は低速ロール、１４は高速ロー
ル、１５はテンション、１６はガイドロール、１７は駆
動ユニット、１８は保護ケース、２０はモーターを示
す。

【００１２】フィルムロール３から引き出されたフィル
ム４は相対して配置されたモーター２０から駆動ユニッ
ト１７を介して駆動される低速ロール１３と高速ロール
１４の間で予備延伸される。

【００１３】両ロールはフィルム４が駆動の際隣接して
いるロール表面でスリップが生じないようにゴムロール
が用いられかつ表面は荒らされている。通常、低速ロー
ル１３と高速ロール１４の速度比は２〜３倍に設定さ
れ、フィルム４は両ロールの間で速比量に合わせて予備
延伸される。

【００１４】プレストレッチタイプのストレッチ包装で
は、通常２０〜３０μｍのフィルムが使用されているが
予備延伸で２〜３倍に延伸されているため非常に薄くな
っているので、自動スパイラル式ストレッチ包装機にお
いて繰り返して行われるフィルムの挟持、切断の動作の
調整に多くの時間を要し、特に作業環境が特定の場所で
電気による加熱切断機を使用する事が出来ない場所にお
いて使用されている歯状のカッターを用いたストレッチ
包装機の挟持装置ではフィルムの張力を強くすると切断
は出来てもグリッパーから抜けてしまったり切断したり
するので、張力を弱くする必要があり、そうすると切断
が出来ずに自動の動作が終了して被包装物が移動すると
きフィルムを引きちぎってしまうなどの問題がしばしば
発生した。

【００１５】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、前記した問
題点を解決するためになされたものであり、その目的は
プレストレッチタイプの自動スパイラルストレッチ包装
が採用されるようになって、いわゆるストレッチフィル
ムの薄肉化に対応しつつ歯状カッターの安全性を高める
ため、その目的とするところは、フィルムを歯状カッタ
ーで切断する際、カッターの両側を挟持する際、挟持し
た間にわずかに張力をかけた後に歯状カッターを保護ケ
ースより前進させ切断する極めて簡単な機構のフィルム
切断装置を提供する事にある。

【００１６】

【課題を解決するための手段】本考案は、予め設定され
た回転数だけ回転した後に設定された位置で自動的に停
止する回転テーブルと、ベースフレーム上に該回転テー
ブルと独立して設けた架柱及び該架柱に沿って設定され
たストロークの範囲で上昇した後下降するフィルム昇降
フレームを備えたストレッチ包装機において、該回転テ
ーブルの一側面に、該回転テーブルの上面より突出する
ように閉じてフィルム端部を挟持し、該回転テーブルの
上面より突出しないように開いてフィルム端部を開放す
るグリッパーを設け、かつベースフレーム上に該回転テ
ーブルと対抗して設けられ、該回転テーブルの停止後に
被包装物の側面に接触しうる動揺半径で動揺してフィル
ムを被包装物に添わせると共に、該フィルムの一部を該
グリッパーが挟持する位置まで移動するフィルム押さえ
ローラー及び該フィルム押さえローラーより遅れてより
小さい動揺半径で動揺して該フィルム押さえローラーと
該グリッパーとの間で該グリッパーに挟持されたフィル
ムを切断するカッターを設けたストレッチ包装装置にお
いて、前記フィルムを切断する装置であって、カッター
とその両側にフィルムの保持装置を備えそのカッターで
ストレッチフィルムを切断するときカッターの刃先先端
前方の両端に備えられた押さえパッドとフィルム押さえ
ローラーに備えた凹状の支持板との間でフィルムを保持
した後、わずかに張力がかかるようにさらに両パッドの
対向面上に設けた凹状押さえパッド用受け部に挿入し、
次いで刃先が前進し更に刃先が前進してフィルムを切断
し、切断が完了した後、カッターが後退してカッターの
刃先がフィルムの保持装置の先端より内に位置した後動
揺を行うようにした事を特徴とするフィルムカッター装
置である。

【００１７】

【実施例】以下、本考案の構成を、その一具体例を示す
添付図を参照して詳細に説明するが、本考案はこれに限
定されるものではない。尚、理解しやすくするために各
図面においては要部のみを示した。

【００１８】図１、図２は本考案の装置の一具体例を示
す上面図で、図１はフィルムを切断する前にフィルムを
押さえた状態を、図２はフィルムを切断した状態を示
す。図３、図４は本考案の装置の詳細図を示す一具体例
を示す上面図で、図３は歯状カッター部分を示し、図４
はカッターの受け側で凹状押さえパッド用受け部分を示
している。又図５は本考案の歯状カッター及び凹状押さ
えパッドを組み込んだ自動スパイラルストレッチ包装機
の斜視図を示し図６はその包装機を上から見た図を示
す。

【００１９】図７は従来用いられている歯状カッターの
一例を示す上面図を示す。本考案のフィルムカッター装
置は、図６に示すように回転軸３３、３４に取り付けら
れ揺動してグリッパー９と被包装物８の間に位置するよ
うに取り付けられる。

【００２０】次に、図１及び図２に基づいて本考案を詳
しく説明する。本考案のフィルムカッター装置は、例え
ば図５に示されているベースフレーム１に取り付けられ
ている。

【００２１】ベースフレーム１に取り付けられたカッタ
ー装置はグリッパー９の左右に歯状カッター１１を備え
たカッター揺動アーム２３と、歯状カッター１１と相対
して動作する凹状押さえパッド用受け１９ａ，１９ｂを
備えた押さえ揺動アーム２５からなり凹状押さえパッド
用受け部の回転テーブル側揺動アーム端部にはフィルム
押さえローラー１０が取り付けてある。

【００２２】各々の揺動アーム２３、２５は回転軸３
３、３４がベースフレーム１に固定されており、揺動ア
ームは各々の定められたタイミングで動かすためエアー
シリンダー３０、３１、３２が取り付けられている（図
６参照）。

【００２３】揺動アームは、回転テーブル２が回転中は
各々開放されて被包装物に接触しない定位置に待機して
いてストレッチ包装が終了して回転テーブル２が停止し
てから、先ず凹状押さえパッド用受け１９ａ，１９ｂを
備えた押さえ揺動アーム２５がグリッパー方向に揺動し
てストレッチフィルム４をその先端部に取り付けてある
フィルム押さえローラー１０により被包装物８に添わせ
ながらグリッパーの中央部の位置で停止する（図６参
照）。この時フィルム３は凹状押さえパッド用受けに全
幅接触した状態で、フィルムの張力はストレッチ包装時
の張力より弱い張力で停止している。

【００２４】次いで歯状カッター１１を備えたカッター
揺動アーム２３が揺動を開始して、先に揺動した後停止
している凹状押さえパッド用受け１９ａ，１９ｂのへこ
みに接触して停止し、まず歯状カッター１１の両側押さ
えパッド２１ａ、２１ｂを凹状押さえパッド用受け１９
ａ，１９ｂに挿入してフィルムを押さえこみ凹状部の間
で張力をかけ、次いで更にカッター揺動アーム２３が前
進し歯状カッター１１が両側押さえパッドを取り付けて
いるホルダー１８ａ、１８ｂと歯状カッターの安全用に
そのホルダー内に位置するよう取り付けてあるカッター
引き込み用スプリング３５に打ち勝って前進しついには
保持したストレッチフィルムのほぼ中央部を切断して停
止する。すなわち図２の状態でストレッチフィルムの切
断が完了する。

【００２５】ストレッチフィルムのグリップ９は凹状押
さえパッド用受け１９ａ，１９ｂが停止してからフィル
ムが切断するまでの適当な時でよくグリッパーの作動の
タイミングは従来のグリッパーと異なるところがないの
で詳細な説明を省略する。又切断が終了後はカッター揺
動アーム２３が開放し始めると、最初に歯状カッター１
１が保護カバー１８ａ、１８ｂの内部にカッター引き込
み用スプリング３５により引き込まれる。

【００２６】

【考案の効果】なお、以上の説明においては、プレスト
レッチタイプの自動ストレッチ包装機に本考案のフィル
ムカッター装置を適用する場合について説明したが、従
来のストレッチ包装機においても適用しうるものであっ
て、その有用性は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のフィルムカッター装置の一実施例を示
すもので、左右の揺動アームが前進して凹状押さえパッ
ド用受けにフィルムが接触した状態にある図面。

【図２】図１に示す本考案のカッター装置で歯状カッタ
ーが前進してフィルムを切断した状態を示す図面。

【図３】図１に示すカッター装置の歯状カッター部を上
から見た図面。

【図４】図１に示すカッター装置の凹状押さえパッド用
受け部を上から見た図面。

【図５】本考案の図１に示すカッター装置を適用したプ
レストレッチタイプの自動スパイラル式ストレッチ包装
機の一例を示す斜視図。

【図６】本考案の図１に示すカッター装置を適用したプ
レストレッチタイプの自動スパイラル式ストレッチ包装
機のカッター装置の取り付け位置及びその作動を説明す
るための上から見た図面。

【図７】従来のカッター装置の一実施例を示す図。

【符号の説明】

１…ベースフレーム、２…回転テーブル、３…フィルム
ロール、４…フィルム、５…フィルム昇降フレーム、６
…架柱、８…被包装物、９…グリッパー、１０…フィル
ム押さえローラー、１１…歯状カッター、１３…低速ロ
ール、１４…高速ロール、１５…テンション、１６…ガ
イドロール、１７…駆動ユニット、１８ａ、１８ｂ…保
護ケース、１９ａ、１９ｂ…凹状押さえパッド用受け、
２０…モーター、２１ａ、２１ｂ…押さえパッド、２２
…カッターホルダー、２３…カッター揺動アーム、２４
…シャフト、２５…押さえ揺動アーム、２６…レバー、
２７…シャフト、２８…連結ピン、２９…連結ピン、３
０…エアーシリンダー、３１…エアーシリンダー、３２
…エアーシリンダー、３３…回転軸、３５…カッター引
き込み用スプリング。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 設定された回転数だけ回転した後に設定
   された位置で自動的に停止する回転テーブル（２）と、
   ベースフレーム（１）上に該回転テーブルと独立して設
   けた架柱（６）及び該架柱に沿って設定されたストロー
   クの範囲で上昇した後に下降するフィルム昇降フレーム
   （５）を備え、該回転テーブルの一側面に、該回転テー
   ブルの上面より突出するように閉じてフィルム端部を挟
   持し、該回転テーブルの上面より突出しないように開い
   てフィルム端部を開放するグリッパー（９）を設け、か
   つベースフレーム上に該回転テーブルと対向して設けら
   れ、該回転テーブルの停止後に被包装物の側面に接触し
   うる揺動半径で揺動してフィルムを被包装物に添わせる
   と共に、該フィルムの一部を該グリッパーが挟持する位
   置まで移動するフィルム押さえローラー（１０）及び該
   フィルム押さえローラーより遅れてより小さい揺動半径
   で揺動して該フィルム押さえローラーと該グリッパーと
   の間で該グリッパーに挟持されたフィルムを切断するカ
   ッター（１１）を設けたストレッチ包装装置において、
   前記フィルムを切断する装置であって、歯状カッターと
   その両側に保護ケース（１８ａ，１８ｂ）とその先端部
   に押さえパッド（２１ａ，２１ｂ）を備えその歯状カッ
   ターでストレッチフィルムを切断するとき歯状カッター
   の刃先先端前方に位置するパッドの両端とフィルム押さ
   えローラーに備えた凹状の支持板との間でフィルムを保
   持した後フィルムにわずかに張力がかかるように、凹状
   の支持板の前記パッドの対向面に設けた凹状押さえパッ
   ド用受け（１９ａ，１９ｂ）に挿入し、次いで刃先が前
   進してフィルムを切断し、切断が完了した後、カッター
   が後退してカッターの刃先がフィルムの保護ケースの先
   端より内に位置した後揺動を行うようにした事を特徴と
   するフィルムカッター装置。