JP2550670B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JP2550670B2
JP2550670B2 JP63157776A JP15777688A JP2550670B2 JP 2550670 B2 JP2550670 B2 JP 2550670B2 JP 63157776 A JP63157776 A JP 63157776A JP 15777688 A JP15777688 A JP 15777688A JP 2550670 B2 JP2550670 B2 JP 2550670B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、融着ガラスにより接合一体化される磁気ヘ
ッドに関するものであり、特に複数回のガラス融着が行
われる磁気ヘッドに好適なものである。
〔発明の概要〕
本発明は、融着ガラスにより接合一体化される磁気ヘ
ッドにおいて、磁気コア半体対のフロントギャップ側に
ガラス転移点が引くコア材と反応の少ないガラスを用
い、バックギャップ側にこれよりもガラス転移点の高い
ガラスを用い、これらを同時に融着することにより、信
頼性の高い磁気ヘッドを提供しようとするものである。
〔従来の技術〕
一般に磁気ヘッドは、Mn−Znフェライト等の酸化物磁
性材料よりなる磁気コア半体同士,あるいはこれら酸化
物磁性材料と金属磁性薄膜が複合化された磁気コア半体
同士等を融着ガラスを用いて接合一体化することにより
構成される。したがって、例えば磁気ヘッドの作動ギャ
ップ部は、ガラスを融点以上の作業温度まで加熱・溶融
し、磁気コア半体間に流し込んだ後冷却して、これら磁
気コア半体間にガラスを融着させることによって構成さ
れる。またフロッピーディスク駆動装置やハードディス
ク駆動装置では、一体化された磁気コア半体にさらにス
ライダと称される非磁性部材がガラスにより接合一体化
された磁気ヘッドや、前記磁気コア半体が当該スライダ
中にガラス融着により埋め込まれた磁気ヘッドが使用さ
れる。
このように、通常の磁気ヘッドではガラス融着は必須
の要素となっているが、これら磁気ヘッドにおいては、
融着に使用する融着ガラスの特性がその信頼性に大きく
影響する。
例えば、上記ハードディスク駆動装置やフロッピーデ
ィスク駆動装置等に搭載されるガラス融着を2度行うこ
とにより構成される磁気ヘッドにおいて、2度目の融着
を行う際に1度目に融着したガラスが溶け始めてはなら
ない。ハードディスク用のいわゆるコンポジットタイプ
の磁気ヘッドの作製を例に挙げて説明すると、かかる磁
気ヘッドを作製するには、先ず、磁気コア半体対を所定
のギャップ長となるように高融点ガラスで融着(1次融
着)する。次いで、1次融着された磁気コア半体対をス
ライダ材(例えばチタン酸カルシウム等によりなる。)
に設けられた溝部に嵌合させ、低融点ガラスで融着(2
次融着)して固定する。この2次融着の際に、1次融着
ガラスが溶け出してギャップ長やトラック幅等がずれる
と、得られる磁気ヘッドの信頼性は大きく低下すること
になる。
そのため、特に1次融着ガラスは、2次融着以降の融
着温度よりも高いガラス転移点を有することが必要であ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記ハードディスク用の磁気ヘッドにあっ
ては、2次融着ガラスは磁気記録媒体対接面に露出し、
しかもその表面積が広く媒体に直接接触することから、
耐湿や硬度等の面で高い信頼性が要求される。このた
め、一般に2次融着ガラスには、上記のような最低限の
信頼性を確保するために、融着温度の高い,例えば500
℃以上のものを使用している。したがって、1次融着ガ
ラスとしてはガラス転移点が500℃以上のものを使用す
る必要があるが、そのようなガラスは通常融着温度が80
0℃以上になる。
このように融着温度の高いガラスを1次融着に使用す
ると、当該融着時に酸化物磁性材料(例えばフェライト
等。)や金属磁性薄膜の磁気特性が劣化する等の問題が
生ずる。
すなわち、フェライトよりなる磁気コア半体同士を接
合した際に、作動ギャップ突合わせ部並びにその周辺で
フェライト界面の乱れがしばしば観察される。これは、
融着ガラスがフェライトを侵食したり、逆にフェライト
が融着ガラス中に拡散したりするためであり、特に融着
温度が高いほど顕著に現れる。
かかる侵食拡散反応が起こると、反応の程度が大きい
ときには磁気ヘッドの電磁変換特性が大幅に劣化し、反
応の程度が小さくとも例えば画像処理によるギャップ長
自動測定機でギャップ長を正確に読み取ることが困難と
なる。
上記侵食拡散反応は、融着ガラス中に適量のフェライ
トあるいは金属の酸化物等の成分を添加することにより
防止される。しかし、SiO2が主成分の融着ガラス(一般
的な1次融着ガラスで、ガラス転移点が約450℃以上の
もの。)においては、フェライトあるいは金属の酸化物
の成分を添加すればするほど、ガラス転移点が下降する
傾向にある。すなわち、1次融着ガラスのコア材との反
応を抑えようとすると、ガラス転移点が低下するため2
次融着で先の1次融着ガラスが溶け出しギャップ長やト
ラック幅の確保ができなくなる。このため、信頼性の高
い(融着温度の高い)2次融着ガラスを使用することが
できない。
そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、作動ギャップ部での侵食拡散反応が有
効に防止できるとともに酸化物磁性材料や金属磁性薄膜
の有する能力を充分に発揮せしめることができ、またギ
ャップ長やトラック幅ずれの無い高信頼性を有する磁気
ヘッドを提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、磁気コア半体対の接合にガラス転移点
が低くコア材と反応の少ない融着ガラスをフロントギャ
ップ側に、これよりもガラス転移点の高い融着ガラスを
バックギャップ側に用い、これら性質の異なる二種類の
ガラスを同時に融着することで従来の欠点を改善するこ
とができるとの知見を得るに至った。
本発明はかかる知見に基づいて完成されたもので、磁
気コア半体対のフロントギャップ側が第1の融着ガラス
で接合され、バックギャップ側が第2の融着ガラスで接
合されてなる磁気ヘッドであって、前記第1の融着ガラ
スのガラス転移点をTgf,融着温度をTwf、前記第2の融
着ガラスのガラス転移点をTgb,融着温度をTwbとしたと
きに、 Tgf≧500℃ Tgb≧530℃ Tgb−Tgf≧20℃ Twf≒Twb なる関係を満足することを特徴とするものである。
ここで、上記第1の融着ガラスには、作動ギャップ部
での侵食拡散反応を有効に防止し得るガラスが好まし
い。上記ガラス転移点の範囲は、磁気ヘッドとしての最
低限の信頼性(耐湿,硬度等)を確保できる低融点ガラ
スの融着温度が500℃程度であるからそのガラス転移点
は自ずと決められ、本例ではそのガラス転移点Tgfを500
0℃以上とする。上記ガラス転移点Tが500℃以下である
と、2次融着を行った場合に充分な接合強度,すなわち
耐熱接合強度を確保することができない。
また、上記第2の融着ガラスには、バックギャップ側
のみで充分な耐熱接合強度を確保し得るガラス、すなわ
ちガラス転移点の高いガラスが好ましい。このように、
バックギャップ側に高いガラス転移点を有するガラスを
用いた場合、界面に若干の侵食拡散反応が生ずる虞れが
あるが、バックギャップ側では電磁変換特性に及ぼす影
響が少ないことから問題とはならない。上記ガラス転移
点の範囲としては、磁気ヘッドの接合強度として充分な
信頼性を確保できる低融点ガラスの融着温度が530℃程
度であるため、そのガラス転移点Tgbを530℃以上とす
る。上記ガラス転移点Tgbが530℃以下であると融着ガラ
スが溶融しトラック幅ずれが生ずる。
また、上記第1の融着ガラスのガラス転移点Tgfと第
2の融着ガラスのガラス転移点TgbをTgb−Tgf≧20℃と
するのは、本発明の目的に鑑みて当然であり、Tgb−Tgf
≧20℃とすることでフロントギャップ側での侵食拡散反
応の防止と、バックギャップ側での耐熱接合強度の確保
の両者が同時に達成される。
さらに、上記第1の融着ガラスの融着温度Twbと第2
の融着ガラスの融着温度TwfをTwf≒Twbとするのは、磁
気コア半体対を接合一体化するのにこれら融着ガラスを
同時に融着する必要があるからである。すなわち、融着
温度が同じであれば、同一条件下でガラス融着が行え、
何れか一方の融着ガラスが先に溶け出すこともなくな
り、信頼性が確保できる。また、酸化物磁性材料や金属
磁性薄膜の有する能力を充分に発揮せしめ、かつ融着治
具の劣化によるギャップ長やトラック幅のずれを防止す
るために、Twf≒Twb≦800℃とすることが好ましい。
〔作用〕
第1の融着ガラスのガラス転移点が500℃以上である
ので2次融着の際の最低限の耐熱性が確保される。さら
に、この第1の融着ガラスのガラス転移点は高いにもか
かわらず融着温度が低く、また、適量のフェライトや金
属の酸化物成分を含むことから、コア材と侵食拡散反応
を起こし難い。
また、第2の融着ガラスのガラス転移点が530℃以上
であるので2次融着を行う磁気ヘッドとして充分な耐熱
性が確保される。さらに、この第2の融着ガラスのガラ
ス転移点が第1の融着ガラスのガラス転移点よりも大き
いので、2次融着した場合であっても上記第2の融着ガ
ラスのみで充分磁気ヘッドの耐熱接合強度が確保され
る。また、上記第1の融着ガラスと第2の融着ガラスの
融着温度が同じであるので、同一温度条件下(800℃以
下)で同時に磁気コア半体対の接合下が図れる。
したがって、接合の機械的強度や信頼性が確保され、
融着による磁気特性の劣化も抑制される。
特に、フロッピーディスク用磁気ヘッドやハードディ
スク用磁気ヘッド等のように複数回のガラス融着工程が
行われるような磁気ヘッドにおいて、低次の融着工程
(例えば2次融着工程まである場合に1次融着工程,3次
融着工程まである場合に2次融着工程あるいは1次融着
工程)で前記2種類の性質の異なる融着ガラスを使用し
て接合すれば、後のガラス融着工程によってガラスが溶
け出す虞れはなく、ギャップ長やトラック幅等のずれが
発生することがない。
また、同時に酸化物磁性材料とガラスによる界面の乱
れや侵食等が抑制され、電磁変換特性が確保されるとと
もに、自動ギャップ長測長機でもギャップ長が正確に把
握される。
〔実施例〕
以下、本発明を適用した具体的な一実施例を図面を参
照しながら説明する。
本実施例の磁気ヘッドは、第1図に示すように、フェ
ライトよりなる磁気コア半体(1),(2)対が融着ガ
ラスにより接合一体化されてなるものである。
上記磁気コア半体(1),(2)は、例えばMn−Znフ
ェライト,Ni−Znフェライト等の酸化物磁性材料からな
り、当該コア厚Cwが作動ギャップgのトラック幅Twとな
っている。また、一方の磁気コア半体(2)には、コイ
ルを巻装するための巻線溝(3)が形成されている。
上記融着ガラスにはフロントギャップFG側とバックギ
ャップBG側とでそれぞれ異なる性質のガラスが用いられ
ている。すなわち、フロントギャップFG側には第1の融
着ガラス(4)が使用され、バックギャップBG側には第
2の融着ガラス(5)が使用されている。これら第1の
融着ガラス(4)及び第2の融着ガラス(5)は、磁気
コア半体(1),(2)対の接合に使用されるものであ
るが、特に第1の融着ガラス(4)に関しては作動ギャ
ップgのギャップ材としても使用され、当該第1の融着
ガラス(4)の膜厚が作動ギャップgのギャップ長とな
っている。
これら上記第1の融着ガラス(4)と第2の融着ガラ
ス(5)には、第1の融着ガラス(4)のガラス転移点
をTgf,融着温度をTwf、第2の融着ガラス(5)のガラ
ス転移点をTgb,融着温度をTwbとした場合、Tgf≧500℃,
Tgb≧530℃,Tgb−Tgf≧20℃,Twf≒Twb,の関係を満たす
ガラスが使用される。また、上記第1の融着ガラス
(4)に関しては、ガラス融着した場合、磁気コア半体
(1),(2)を突合わせ面から観察したときにフェラ
イトへの侵食距離が0.5μm以下であることが必要であ
る。
かかる条件を満たす第1の融着ガラス(4)として
は、例えばSiO2a重量%,B2O3b重量%,Na2O及び/又はK2
O c重量%,PbO d重量%,BaO e重量%,Fe2O3及びZ
nO f重量%よりなり、その組成範囲が39≦a≦60,10
≦b≦25,12≦c≦20,0≦d≦8,0≦e≦15,14≦f≦25
なるガラスが挙げられる。
上述の組成を有する融着ガラスは、ガラス転移点Tgf
(熱膨張係数が変化する温度)500〜560℃,屈服点(そ
れ以上温度を上げると冷却してもガラス形状が復帰しな
い温度)540〜610℃,融着温度Twf(作業温度。流し方
により異なる。)650〜800℃,溶融温度(作製温度)12
00〜1300℃であり、Na2O及びK2Oの含有量を増減するこ
とにより、熱膨張係数(100〜450℃の値である。)は90
×10-7〜110×10-7〔℃〕に設定される。また、上記
融着ガラスは、Fe2O3及びZnOを含むから、ガラス中への
フェライト,金属の拡散あるいはフェライト中へのガラ
スの侵食、すなわち作動ギャップ部における侵食拡散反
応が有効に抑制される。
本実施例では、上記第1の融着ガラス(4)をSiO24
2.8重量%,B2O314.9重量%,Na2O13.0重量%,PbO0重量
%,BaO9.3重量%,Fe2O311.1重量%,ZnO8.9重量%とし
た。この融着ガラスは、ガラス転移点Tgf528℃,融着温
度Twf740℃,熱膨張係数(100〜450℃の値である。)99
×10-7〔℃〕である。
したがって、上記第1の融着ガラス(4)は、500℃
以上の高いガラス転移点Tgfを有するにもかかわらず低
融着温度Twfを有するので、フェライトとの侵食拡散反
応が有効に防止される。このため、ギャップg部及びそ
の周辺での乱れが減少し、ギャップ長Lやフェライトの
磁気特性が確保される。また、画像処理による自動ギャ
ップ長測長機で光学ギャップ長を正確に読み取ることも
可能となる。
一方、前記第2の融着ガラス(5)としては、SiO2a
重量%,B2O3b重量%,Na2O及び/又はK2O c重量%,BaO
d重量%,Fe2O3及びZnO e重量%よりなり、その組
成範囲が44≦a≦60,10≦b≦25,12≦c≦20,10≦d≦1
5,0≦e<14なるガラスが挙げられる。
上述の組成を有する融着ガラスは、ガラス転移点Tgb5
60℃〜600℃,屈服点600〜650℃,融着温度Twb700〜800
℃,溶融温度1250〜1300℃であり、Na2O及びK2Oの含有
量を増減することにより、熱膨張係数は90×10-7〜110
×10-7〔℃〕に設定される。
本実施例では、上記第2の融着ガラス(5)をSiO25
3.5重量%,B2O318.6重量%,Na2O16.3重量%,BaO11.6重
量%,Fe2O30重量%,ZnO0重量%とした。この融着ガラス
は、ガラス転移点Tgb586℃,融着温度Tgf740℃,熱膨張
係数(100〜500℃の値である。)100×10-7〔℃〕で
ある。
したがって、上記第2の融着ガラス(5)のガラス転
移点Tgbが前記第1の融着ガラス(4)のガラス転移点T
gfよりも高いガラス転移点(その差がTgb−Tgf≧20℃以
上を満たす。)を有するので、たとえば2次融着したと
しても当該第2の融着ガラス(5)のみで充分磁気ヘッ
ドとしての信頼性を確保し得る耐熱接合強度が得られ
る。
また、第1の融着ガラス(4)の融着温度Twfと第2
の融着ガラス(5)の融着温度Twbが等しいので、磁気
コア半体(1),(2)対を同一温度条件下で同時に接
合一体化することができる。
以上、本実施例の磁気ヘッドは、性質の異なる2種類
の融着ガラスを使用し、各々の融着ガラスの長所を生か
し短所をカバーすることによって、作動ギャップ部での
侵食拡散反応が防止でき、フェライトの有する能力が充
分発揮せしめることが可能となり、バックギャップ側の
みで耐熱接合強度を確保でき、ギャップ長やトラック幅
ずれが防止できる。
本実施例の磁気ヘッドを作製するには、第2図に示す
ように、先ず、巻線溝(6)及びガラス溝(7)が形成
された磁気コアブロック(8)と何れの溝も形成されて
いない磁気コアブロック(9)同士をギャップスペーサ
(図示は省力する。)を介して突き合わせる。そして、
これら磁気コアブロック(8),(9)対をフロントギ
ャップFG側が下になるようにある程度の傾斜をもって傾
ける。
次いで、巻線溝(6)内に前述の第1の融着ガラスを
棒状にした第1のガラス棒(10)を挿入するとともに、
ガラス溝(7)内にもやはり前述の第2の融着ガラスを
棒状にした第2のガラス棒(11)を挿入する。そして、
これら磁気コアブロック(8),(9)対を740℃×90m
in,N2の雰囲気中で同時に融着する。
すると、前記第1のガラス棒(10)は溶融して図中矢
印aで示すようにフロントギャップFG側に流れ込み、前
記第2のガラス棒(11)も同様に図中矢印bで示すよう
にバックギャップBG側に流れ込み、それぞれフロントギ
ャップFG側が第1の融着ガラスで融着され、バックギャ
ップBG側が第2の融着ガラスで融着される。
次いで、図中A−A線で示す位置でスライシングして
ヘッドチップに切り出し、円筒研磨加工等必要な加工を
施して磁気ヘッドを完成する。
さらに、前記磁気ヘッドをスライダ部材中に埋め込
み、ハードディスク用磁気ヘッドを作製した。
上記ハードディスク用磁気ヘッドは、第3図及び第4
図に示すように、前記磁気ヘッドがチタン酸カルシウム
等よりなるスライダ部材(12)中に埋め込まれてなるも
のである。
なお、上記磁気ヘッドをスライダ部材(12)中に埋め
込むに当たって、磁気記録媒体摺接面近傍を媒体走行方
向に沿って削り取り所要トラック幅を規制する。
上記ハードディスク用磁気ヘッドは、前記磁気ヘッド
の形状に対応して切り欠きが設けられたスライダ部材
(12)に当該磁気ヘッドが嵌合され、該磁気ヘッドの磁
気記録媒体摺接面近傍に設けられた段差部にガラス(1
3)が流し込まれ接合一体化されている。そして、上記
埋め込み部分が研磨され、磁気記録媒体摺接面がスライ
ダ部材(12)の摺接面(12a)と面一とされており、作
動ギャップgはこの磁気記録媒体摺接面に露呈してい
る。
このハードディスク用磁気ヘッドでは、前記磁気ヘッ
ドの磁気コア半体(1),(2)対を接合する融着ガラ
ス(4),(5)が1次融着ガラス、スライダ部材(1
2)に嵌合した次に段差部に流し込まれるガラス(13)
が2次融着ガラスということになる。
本実施例では、上記2次融着ガラス(13)をSiO212.5
重量%,B2O310.0重量%,PbO67.5重量%,Bi2O310.0重量
%とした。この融着ガラスは、ガラス転移点408℃,融
着温度530℃,熱膨張係数(100〜350℃の値である。)9
6×10-7〔℃〕である。
ここで、上記スライダ部材(12)に埋め込まれた磁気
ヘッドのフロントギャップFG側の第1の融着ガラス
(4)の融着温度Twfは前記2融着ガラス(13)の融着
温度より遥かに高い温度であるので、2次融着温度によ
りフェライトの有する磁気特性が劣化することなく、そ
の能力が最大限に発揮される。一方、第1の融着ガラス
(4)のガラス転移点Tgfと2次融着ガラス(13)の融
着温度が略等しいために、当該第1の融着ガラス(4)
が溶け出す虞れがあるが、本例の磁気ヘッドでは第2の
融着ガラス(5)の転移点Tgbが2次融着ガラス(13)
の融着温度よりも充分高いので、この第2の融着ガラス
(5)で充分信頼性が得られる耐熱接合強度が確保され
る。また、上記第2の融着ガラス(5)の転移点Tgbが
上記2次融着ガラス(13)の融着温度よりもかなり高い
ので、2次融着ガラス(13)の材料の選択に幅が広が
り、融着温度が高くしかも高信頼性(耐湿,硬度等)を
有するガラスを使用することができる。
ここで、かかるハードディスク用磁気ヘッドの作動ギ
ャップg部近傍を光学顕微鏡で観察したが、フェライト
とガラスの反応による界面の乱れや侵食はほとんど見ら
れなかった。また、ギャップ長やトラック幅のずれも見
られなかった。
したがって、本発明を適用した磁気ヘッドをハードデ
ィスク用の磁気ヘッドに適用すれば、極めて信頼性の高
いハードディスク用磁気ヘッドが得られる。
また本発明は、第5図に示すように、磁気コア半体
(14),(15)対の接合界面にSiO2膜がギャップ材(1
6)として被着形成された磁気ヘッドにおいても適用す
ることができる。すなわち、この磁気ヘッドにおいても
やはりフロントギャップFG側の融着ガラス(17)が該フ
ロントギャップFG側に僅かに入り込むので、作動ギャッ
プg部での侵食拡散反応の少ないことが望まれる。した
がって、磁気コア半体(14),(15)対の接合に際して
前述の第1の融着ガラスと第2の融着ガラスを使用すれ
ば信頼性に優れた磁気ヘッドが得られる。
さらに本発明は、フェライトよりなる磁気コア半体対
の接合界面に金属磁性薄膜が被着形成されたいわゆるメ
タルインギャップ型のコンボジットフェライトヘッドに
おいても、作動ギャップ部での侵食拡散反応を有効に防
止し得るので好適である。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明の磁気ヘッ
ドによれば、フロントギャップ側とバックギャップ側と
でそれぞれ必要な特性を確保するため、性質の異なる二
種類の融着ガラスを選択して磁気コア半体対を接合して
いるので、フロントギャップ側では作動ギャップ部にお
ける侵食拡散反応が防止でき、バックギャップ側では充
分信頼性が確保し得る耐熱接合強度が得られる。したが
って、コア材(フェライト)の有する能力を充分発揮せ
しめることができ、ギャップ長やトラック幅ずれを防止
することができ、電磁変換特性に優れた高信頼性の磁気
ヘッドが得られる。
また、作動ギャップ部ではフェライトとガラスの反応
が無いので、ギャップ長を正確に把握する上でも有効で
あり、本発明の磁気ヘッドは例えば自動ギャップ長測長
機でギャップ長を読み取ることができる。
さらに、本発明の磁気ヘッドにあっては、2次融着,3
次融着等の工程のある磁気ヘッドに適用しても、ギャッ
プ長やトラック幅ずれのない磁気ヘッドとすることがで
き、しかも2次融着以降の融着ガラスに信頼性の高いガ
ラスを使用することができ、そのガラス材料の選択の幅
も広げることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した磁気ヘッドの一例を示す概略
斜視図である。 第2図は本実施例のヘッドを作製する際のガラス融着工
程を示す概略側面図である。 第3図はハードディスク用磁気ヘッドの構成を示す概略
斜視図であり、第4図はその要部斜視図である。 第5図はSiO2をギャップ材とした磁気ヘッドの概略斜視
図である。 1,2,14,15……磁気コア半体 4……第1の融着ガラス 5……第2の融着ガラス 12……スライダ部材 13……2次融着ガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水井 敏彦 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソ ニー・マグネ・プロダクツ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−76017(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気コア半体対のフロントギャップ側が第
    1の融着ガラスで接合され、バックギャップ側が第2の
    融着ガラスで接合されてなる磁気ヘッドであって、 前記第1の融着ガラスのガラス転移点をTgf,融着温度を
    Twf、前記第2の融着ガラスのガラス転移点をTgb,融着
    温度をTwbとしたときに、 Tgf≧500℃ Tgb≧530℃ Tgb−Tgf≧20℃ Twf≒Twb なる関係を満足する磁気ヘッド。
JP63157776A 1988-06-25 1988-06-25 磁気ヘッド Expired - Fee Related JP2550670B2 (ja)

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