JP2550261B2 - 酸化カルボキシメチルマンノグルカンードキソルビシン複合体 - Google Patents

酸化カルボキシメチルマンノグルカンードキソルビシン複合体

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JP2550261B2 JP4127499A JP12749992A JP2550261B2 JP 2550261 B2 JP2550261 B2 JP 2550261B2 JP 4127499 A JP4127499 A JP 4127499A JP 12749992 A JP12749992 A JP 12749992A JP 2550261 B2 JP2550261 B2 JP 2550261B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】本発明は、酸化カルボキシメチル
マンノグルカンに抗癌剤であるドキソルビシンを担持さ
せた複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】水溶性高分子を薬物担体として使用する
ことは、従来からとりわけ製剤の分野において試みら
れ、関連する多くの技術が提供されてきた。本発明者ら
は先に、多糖高分子であるカルボキシメチル化したマン
ノグルカン及びその誘導体を薬物担体として提案してい
る(PCT/JP92/00184)。
【0003】[発明の概要]
【発明が解決しようとする課題】今般、本発明者らは、
先に提案した担体の一つである酸化カルボキシメチルマ
ンノグルカンと抗癌剤であるドキソルビシンとを組み合
わせた複合体により、ドキソルビシンに関し優れた血中
消失速度の遅延および癌組織指向性が得られることを見
出し、本発明を完成した。すなわち、本発明はドキソル
ビシンに関し優れた血中消失速度の遅延および癌組織指
向性が得られる担体−ドキソルビシン複合体を提供する
ことを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による酸化カルボ
キシメチルマンノグルカン−ドキソルビシン複合体及び
その塩は、下記の一般式(I)で表される単位及び/又
は下記の一般式(II)で表される単位から構成されるも
の、である。
【化3】 〔式中、R、R、R、R、R及びRは、同
一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は基−
CHCOOHを表わし、W及びWはそれぞれ基=
0又はドキソルビシン残基を表わし、A、A、A
及びAは、同一又は異なっていてもよく、それぞれ下
記式(III )、式(IV)、式(V)又は式(VI)を表わ
すが、ただし、分子が前記一般式(I)のみからなる場
合、分子中のA及びAの全てが式(III )を表わす
ことはない。
【化4】 (ここで、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6
i7、Xi8及びXi9は、同一又は異なっていてもよく、
それぞれ水素原子又は基−CHCOOHを表わし、W
i1、Wi2、Wi3、Wi4、Wi5及びWi6は同一又は異なっ
ていてもよく、それぞれ基=0又はドキソルビシン残基
を表わすが、ただし、式(III )、式(IV)、式(V)
及び式(VI)のそれぞれにおいてXi1〜Xi9及びWi1
i6の添字iは1〜4の整数を表わし、A、A、A
及びAのそれぞれを一般にAと記すものとす
る。)〕。
【0005】[発明の具体的説明]本発明による複合体
を構成する酸化カルボキシメチルマンノグルカンは、本
発明者らによって先に出願されたPCT/JP92/0
0184に記載されたものをそのまま利用することがで
きる。
【0006】簡単に説明すれば、酸化カルボキシメチル
マンノグルカンとは、下記の一般式(V):
【化5】 (式中、R*1、R*2、R*3、R*4、R*5、R*6、R*7
*8、R*9、R*10 、R*11 およびR*12 は、同一また
は異なっていてもよく、それそれ水素原子または基−C
COOHを表す。)で表されるカルボキシメチルマ
ンノグルカンを構成するテトラサッカライド単位の一部
又は全部のマンノースを開裂し、さらに主鎖を構成する
グルコースのうちマンノースが分岐していないグルコー
スの一部又は全部を開裂することによって得られた、ア
ルデヒド基を開裂末端に有する構造のものである。
【0007】ここで、R*1〜R*12 がカルボキシメチル
基である程度は、糖残基一つあたりのカルボキシメチル
基の数として定義される「置換度」として表すことがで
きる。すなわち、 と表せる。
【0008】この置換度の上限は全てのR*1〜R*12
カルボキシメチル化された場合の3であるが、本発明に
よる複合体の担体として好ましい酸化カルボキシメチル
マンノグルカンの置換度は0.01以上が好ましく、よ
り好ましくは0.4〜1である。なお、本発明による複
合体にあっては、分子中に少なくとも1つのカルボキシ
メチル基が存在していることが必要であり、この意味で
置換度が0である化合物は除かれる。
【0009】一般式(I)において、A及びAは、
前記式(III )、式(IV) 、式(V)又は式(VI)を表
す。ここで、分子が前記一般式(I)のみからなり、か
つ、A及びAが全て式(III )である場合は除かれ
る。式(IV) 、式(V)及び式(VI)で表される単位
は、それぞれ式(III )で表されるマンノース残基の2
位と3位の間の結合が開裂したもの、3位と4位の間の
結合が開裂したもの、そして2位と3位の間の結合およ
び3位と4位の間の結合が開裂したものであるといえ
る。
【0010】また、一般式(II)において、A及びA
は、前記式(III )、式(IV) 、式(V)又は式(V
I)を表す。さらに式(III )、式(IV) 、式(V)及
び式(VI)のそれぞれにおいてXi1〜Xi9及びWi1〜W
i6の添字i は1〜4の整数を表し、A、A、A
びAのそれぞれを一般にAi と記すものとする。この
ことは、例えば、同一のD−グルコースから分岐してい
るA及びAのそれぞれに式(IV)で表される単位が
結合している場合、Xi5、すなわちX15とX25とは独立
しており、それぞれが異なっている場合も本発明の範囲
に包含されることを意味する。また、一般式(I)及び
/又は一般式(II)で表される単位において、分子中で
相隣り合うR〜R及びA〜A並びにXi1〜Xi9
及びWi1〜Wi6が異なっていてもよい。
【0011】分子中における一般式(I)と一般式(I
I)の存在比、さらには式(III )、式(IV) 、式
(V)及び式(VI)の存在比は特に限定されないが、ド
キソルビシンの導入の程度を考慮して決定されてよい。
また、ドキソルビシンの導入の程度は特に限定されない
が、1〜30%で5〜20%程度が好ましく、より好ま
しくは8〜15重量%程度である。
【0012】本発明による複合体の分子量は特に限定さ
れないが、1×104 〜2×106程度が好ましく、よ
り好ましくは1×105 程度である。本発明による複合
体はその塩として存在することができる。好適な塩の例
としてはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩のよ
うなアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、アルギニ
ン塩、リジン塩のようなアミノ酸塩を挙げることができ
る。本発明による複合体は、ドキソルビシン単体に比較
して、血中からの消失速度が小さく、癌組織指向性を有
しており、制癌剤として優れた性質を有しているといえ
る。
【0013】本発明による複合体の担体としての酸化カ
ルボキシメチルマンノグルカンは、前記一般式(V)で
表される単位から構成されるカルボキシメチルマンノグ
ルカンを酸化して開環することによって得ることができ
る。まず、このカルボキシメチルマンノグルカンに酸化
剤(例えば過ヨウ素酸またはそれらの塩)を氷冷下に加
え、室温または室温以下の温度で穏やかに反応させる。
酸化カルボキシメチルマンノグルカンは、例えば反応液
を水に対して透析し、析出助剤としての酢酸ナトリウム
を加えて、エタノール中に滴下して析出沈殿として得る
ことができる。ここで、加える過ヨウ素酸又はその塩の
量を変化させることによって分岐マンノース残基と主鎖
グルコース残基とを種々の程度にアルデヒド化すること
が可能であり、それによって所望の量のドキソルビシン
が結合し得る担体とすることができる。その他、反応時
間、反応温度によってもアルデヒド化の程度を制御する
ことが可能である。なお、アルデヒド化についてはInou
e K. et al.,CarbohydrateRes. 123, 305-314(1983)
の記載を参照することができる。以上のようにして得た
酸化カルボキシメチルマンノグルカンへのドキソルビシ
ンの導入は、好ましくはドキソルビシン塩酸塩とホウ酸
緩衝液(pH8)−エタノール混合溶液中で反応させる
ことによって実施することができる。
【0014】
【実施例】本発明を以下に実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例においてMG−CM4、MG−CM
5およびMG−CM6とは、PCT/JP92/001
84明細書に実施例4、5および6としてそれぞれ記載
されている方法に準じて得られたカルボキシメチルマン
ノグルカンである。
【0015】実施例1 酸化カルボキシメチルマンノグ
ルカンの調製 (1)MG−CM4−AD3の調製 600mgのカルボキシメチルマンノグルカン(MG−C
M4、置換度0.52)を130mlの水に加え攪拌溶解
後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム1.908gを含む水溶
液30mlを加え、20℃の水浴上で3日間反応させた。
900μlのエチレングリコールを加え、さらに20℃
の水浴上で4時間反応させた。3日間水に対して透析
(MW cut off =12000)した後、透析内液を減
圧濃縮し全量を約150mlとした。フィルター濾過
(0.45μm)後、濾液を99.5%エタノール−ア
セトン−酢酸ナトリウム飽和メタノール混液(300ml
−300ml−7.5ml)と攪拌下に混じ、生じた沈殿を
遠心分離により集めた。沈殿物を99.5%エタノール
(80ml,2回)、アセトン(80ml)、エーテル(1
20ml)で洗浄した後、減圧乾燥して白色粉末592mg
を得た。
【0016】(2)MG−CM5−AD3の調製 600mgのカルボキシメチルマンノグルカン(MG−C
M5、置換度0.81)を130mlの水に加え攪拌溶解
後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム1.702gを含む水溶
液30mlを加え、20℃の水浴上で3日間反応させた。
900μlのエチレングリコールを加え、さらに20℃
の水浴上で4時間反応させた。3日間水に対して透析
(MW cut off =12000)した後、透析内液を減
圧濃縮し全量を約100mlとした。フィルター濾過
(0.45μm)後、濾液を99.5%エタノール−ア
セトン−酢酸ナトリウム飽和メタノール混液(300ml
−300ml−7.5ml)と攪拌下に混じ、生じた沈殿を
遠心分離により集めた。沈殿物を99.5%エタノール
(80ml,2回)、アセトン(80ml)、エーテル(1
20ml)で洗浄した後、減圧乾燥して白色粉末544mg
を得た。
【0017】(3)MG−CM6−AD3の調製 600mgのカルボキシメチルマンノグルカン(MG−C
M6、置換度1.0)を130mlの水に加え攪拌溶解
後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム1.590gを含む水溶
液30mlを加え、20℃の水浴上で3日間反応させた。
900μlのエチレングリコールを加え、さらに20℃
の水浴上で4時間反応させた。3日間水に対して透析
(MW cut off =12000)した後、透析内液を減
圧濃縮し全量を約100mlとした。フィルター濾過
(0.45μm)後、濾液を99.5%エタノール−ア
セトン−酢酸ナトリウム飽和メタノール混液(300ml
−300ml−7.5ml)と攪拌下に混じ、生じた沈殿を
遠心分離により集めた。沈殿物を99.5%エタノール
(80ml,2回)、アセトン(80ml)、エーテル(1
20ml)で洗浄した後、減圧乾燥して白色粉末537mg
を得た。
【0018】実施例2 酸化カルボキシメチルマンノグ
ルカン−ドキソルビシン複合体の調製 (1)MG−CM4−AD3−DXRの調製 前記実施例1(1)で得たカルボキシメチルマンノグル
カン(MG−CM4−AD3)600mgを180mlの
0.2Mホウ酸緩衝液(pH=8.0)に加え攪拌溶解
後、塩酸ドキソルビシン180mgを含むエタノール−
0.2Mホウ酸緩衝液混液(120ml−12ml)を加
え、室温で2時間反応させた。3M食塩水6mlを加えた
後、冷エタノール(600ml)に攪拌下加えた。生じた
赤色沈殿物を遠心分離により集め、これを10mlの水に
溶解した後、Bio−Rad AG50WX2(Na−
type、100ml)カラムに付した。赤色分画を0.
2Mホウ酸緩衝液(pH=8.0)24ml、酢酸ナトリ
ウム飽和メタノール混液6mlと混じ、さらに水を加えて
全量120mlとした。フィルター濾過(0.45μm)
後、濾液を冷エタノール900ml中に攪拌下混じ、生じ
た沈殿を遠心分離により集めた。沈殿物を95%エタノ
ール(80ml)、99.5%エタノール(80ml)、エ
ーテル(160ml)で洗浄した後、減圧乾燥して紫色粉
末653mgを得た。その紫外・可視部吸収スペクトルは
図1に示される通りである。λ=485nmにおける吸収
より求めたドキソルビシン含量は13%であった。
【0019】(2)MG−CM5−AD3−DXRの調
製 前記実施例1(2)で得た酸化CM−マンノグルカン
(MG−CM5−AD3)550mgを165mlの0.2
Mホウ酸緩衝液(pH=8.0)に加え攪拌溶解後、塩
酸ドキソルビシン250mgを含むエタノール−0.2M
ホウ酸緩衝液混液(110ml−11ml)を加え、室温で
3時間反応させた。3M食塩水5.5mlを加えた後、冷
エタノール(550ml)に攪拌下加えた。生じた赤色沈
殿物を遠心分離により集め、これを10mlの水に溶解し
た後、Bio−Rad AG50WX2(Na−typ
e、100ml)カラムに付した。赤色分画を0.2Mホ
ウ酸緩衝液(pH=8.0)22ml、酢酸ナトリウム飽
和メタノール混液5.5mlと混じ、さらに水を加えて全
量110mlとした。フィルター濾過(0.45μm)
後、濾液を冷エタノール900ml中に攪拌下混じ、生じ
た沈殿を遠心分離により集めた。沈殿物を95%エタノ
ール(80ml)、99.5%エタノール(80ml)、エ
ーテル(160ml)で洗浄した後、減圧乾燥して紫色粉
末683mgを得た。その紫外・可視部吸収スペクトルは
図2に示される通りである。λ=485nmにおける吸収
より求めたドキソルビシン含量は11%であった。
【0020】(3)MG−CM6−AD3−DXRの調
製 前記実施例1(3)で得た酸化CM−マンノグルカン
(MG−CM6−AD3)550mgを165mlの0.2
Mホウ酸緩衝液(pH=8.0)に加え攪拌溶解後、塩
酸ドキソルビシン300mgを含むエタノール−0.2M
ホウ酸緩衝液混液(110ml−11ml)を加え、室温で
5時間反応させた。3M食塩水5.5mlを加えた後、冷
エタノール(550ml)に攪拌下加えた。生じた赤色沈
殿物を遠心分離により集め、これを10mlの水に溶解し
た後、Bio−Rad AG50WX2(Na−typ
e、100ml)カラムに付した。赤色分画を0.2Mホ
ウ酸緩衝液(pH=8.0)22ml、酢酸ナトリウム飽
和メタノール混液5.5mlと混じ、さらに水を加えて全
量100mlとした。フィルター濾過(0.45μm)
後、濾液を冷エタノール900ml中に攪拌下混じ、生じ
た沈殿を遠心分離により集めた。沈殿物を95%エタノ
ール(80ml)、99.5%エタノール(80ml)、エ
ーテル(160ml)で洗浄した後、減圧乾燥して紫色粉
末605mgを得た。その紫外・可視部吸収スペクトルは
図3に示される通りである。λ=485nmにおける吸収
より求めたドキソルビシン含量は11%であった。
【0021】抗腫瘍効果の評価試験 ウィスター系の雌性ラット(6週令、110g前後)に
ウォーカー256ラット乳癌細胞を1×107 個鼠径部
皮下に移植し、3日後に、被検化合物として実施例2
(1)で得たMG−CM4−AD3−DXRまたはドキ
ソルビシンを10mMのリン酸緩衝液(pH7.4)に溶
解したものを、1群5匹として尾静脈内に投与した。な
お、投与量はドキソルビシン換算で0.625、1.2
5、2.5および10mg/kgとした。癌移植7日後に、
ラットを放血死させ、腫瘍を摘出し、腫瘍重量を測定す
ることにより、抗腫瘍効果を判定した。また、10mg/
kg投与群では、被検化合物投与後から体重及び延命を測
定して、毒性・副作用の指標とした。投与量と腫瘍重量
の関係は図4に示される通りであった。図4から明らか
なように0.625、1.25、2.5mg/kgいずれの
投与量の場合も、ドキソルビシンと比較して本発明によ
る複合体は優れた抗腫瘍効果を示した。また、ドキソル
ビシン2.5mg/kg投与群よりも、本発明による複合体
1.25mg/kg投与群の方が優れた抗腫瘍効果を示して
いることから、本発明による複合体はドキソルビシンに
比べ2倍以上の抗腫瘍効果を示すことが明らかとなっ
た。10mg/kg投与群のラットの体重変化は図5に示さ
れる通りである。ドキソルビシン、本発明による複合体
いずれの場合も投与5日後までは体重がやや低下する傾
向が見られ、体重変化はほぼ同様に推移した。しかし、
その後複合体投与群では体重が増加し、複合体投与後8
日後には投与時の体重まで回復した。一方、ドキソルビ
シン投与群では投与5日以降も体重は減少を続け、投与
8日後までに5例中4例までが死亡した。以上の結果よ
り、本発明による複合体にあっては抗腫瘍活性の増大
と、毒性・副作用の減少が認められ、従って本発明によ
る複合体は治療係数の向上した有用な高分子医薬となり
うることが示唆された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2(1)で得たMG−CM4−AD3−
DXRの紫外・可視部吸収スペクトル(濃度:194μ
g/ml、溶媒:水)を表す。
【図2】実施例2(2)で得たMG−CM5−AD3−
DXRの紫外・可視部吸収スペクトル(濃度:192μ
g/ml、溶媒:水)を表す。
【図3】実施例2(3)で得たMG−CM6−AD3−
DXRの紫外・可視部吸収スペクトル(濃度:265μ
g/ml、溶媒:水)を表す。
【図4】本発明による複合体またはドキソルビシン投与
量と腫瘍重量との関係を表すグラフ。
【図5】本発明による複合体またはドキソルビシンが投
与された担癌ラットの体重変化を表すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 権 正 晃 徳 千葉県柏市千代田3−8−7 ヴィヌス 柏203 (72)発明者 加治木 正 洋 千葉県流山市西初石2−928−15 ジュ ネパレス初石301

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I)で表わされる単位及び
    /又は下記の一般式(II)で表わされる単位から構成さ
    れる、酸化カルボキシメチルマンノグルカン‐ドキソル
    ビシン複合体及びその塩。 【化1】 〔式中、 R、R、R、R、R及びRは、同一又は異
    なっていてもよく、それぞれ水素原子又は基−CH
    OOHを表わし、 W及びWはそれぞれ基=0又はドキソルビシン残基
    を表わし、 A、A、A及びAは、同一又は異なっていても
    よく、それぞれ下記式(III )、式(IV)、式(V)又
    は式(VI)を表わすが、 ただし、分子が前記一般式(I)のみからなる場合、分
    子中のA及びAの全てが式(III )を表わすことは
    ない。 【化2】 (ここで、 Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6、Xi7、Xi8及び
    i9は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原
    子又は基−CHCOOHを表わし、 Wi1、Wi2、Wi3、Wi4、Wi5及びWi6は同一又は異な
    っていてもよく、それぞれ基=0又はドキソルビシン残
    基を表わすが、 ただし、式(III )、式(IV)、式(V)及び式(VI)
    のそれぞれにおいてXi1〜Xi9及びWi1〜Wi6の添字i
    は1〜4の整数を表わし、A、A、A及びA
    それぞれを一般にAと記すものとする。)〕。
  2. 【請求項2】分子量が1万〜200万である、請求項1
    記載の酸化カルボキシメチルマンノグルカン‐ドキソル
    ビシン複合体及びその塩。
  3. 【請求項3】一糖残基あたりのカルボキシメチル基の数
    として定義される置換度が0.01〜3.0である、請
    求項1又は2記載の酸化カルボキシメチルマンノグルカ
    ン‐ドキソルビシン複合体及びその塩。
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