JP2549893B2 - 熱接着性複合繊維及びこれを用いた不織布 - Google Patents

熱接着性複合繊維及びこれを用いた不織布

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱接着性複合繊維、及びこれを用いて繊維間
の交点を熱接着した不織布に関する。
〔従来技術〕
最近、紙おしめ、生理用ナプキン等のカバー材とし
て、熱接着性複合繊維を用いて繊維相互間を熱接着した
不織布が、広く用いられるようになつてきた。
例えば、ステープル繊維からなるものとしては、ポリ
プロピレンとポリエチレンの並列形複合繊維を用いたも
の(特公昭52−12830号)、ポリエステルとポリエチレ
ンの芯鞘型複合繊維を用いたもの(特開昭57−176217
号)、また長繊維からなるものとして複合スパンボンド
法によるもの(特開昭57−25460号)等が知られてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の熱接着性複合繊維は、接着成分として低融点の
ポリエチレンを用いているので、容易に熱接着すること
ができる、非加圧下での熱接着により崇高な不織布が得
られる等の良い特徴を有する。反面、前記複合繊維は複
合成分の界面で、剥離が起り易いという欠点を有する。
このような繊維を用いて熱接着不織布を製造した場合、
不織布強力が低い、カード工程で剥離したポリエチレン
が粉末となり、不織布中に混入し、不織布表面を汚染す
る等の欠点を有していた。上記問題を解決するために、
複合成分に、ポリアミドと変性ポリオレフインとの共重
合物を添加する方法(特開昭62−69822号)が知られて
いるが製造方法が複雑で、かつ、高価である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、複合成分の界面が剥離しにくい熱接着性複
合繊維、及び不織布強力の高い不織布を得ることを目的
とする。本発明の要旨は融点150℃以上の高融点ポリマ
ー、及び、融点がそれより20℃以上低い低融点ポリマー
からなり、低融点ポリマーが繊維表面の少くとも一部を
連続して形成する熱接着性複合繊維において、一般式 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6の各々は、同一ま
たは異種で、水素または炭素数1〜3を有するアルキル
基である。)で表わされる3,3′,4,4′ベンゾフエノン
テトラカルボン酸の二無水物、又は、そのアルキル誘導
体を、0.01〜5重量%含有することを特徴とする熱接着
性複合繊維(第1発明)、及びこの繊維を用い、複合両
成分の融点間の温度で熱処理することにより繊維の交点
を熱接着してなる不織布(第4発明)である。
本発明において、複合繊維中に、前記ベンゾフエノン
系化合物を含有することにより繊維の複合成分の界面で
の耐剥離性が改善され、不織布強力も向上する。
一般式(I)で示される化合物のうち、特に3,3′,4,
4′ベンゾフエノンテトラカルボン酸の二無水物が好ま
しい。
上記化合物は、複合繊維を構成するポリマーの双方、
又は、いづれか一方に添加する。好ましい添加量は複合
繊維全体に対し0.05〜5重量%、特に好ましくは0.05〜
1重量%である。添加量が0.05g以下では不織布強力は
向上せず、逆に5重量%以上では添加した上記化合物が
繊維表面にブリードアウトする等の問題が発生するので
好ましくない。
熱接着性複合繊維としては、ポリエステル、ナイロン
66、ナイロン−6、ポリプロピレン、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エ
チレン酢酸ビニル共重合体、低融点ポリエステル等の熱
可塑性ポリマーから選ばれる組合せからなり、融点が20
℃以上低い低融点ポリマーが、繊維表面の少くとも一部
を構成するように複合紡糸した繊維が例示できる。より
好ましい組み合せは、ポリプロピレン/ポリエチレン、
ポリエステル/ポリエチレンであり、並列型、芯鞘型又
は島海型に複合紡糸した繊維が例示できる。
熱接着性複合繊維がステープル繊維の場合、不織布の
崇高性の観点から、捲縮数は5〜25山/25mm、捲縮形状
は二次元、又は、三次元状であるものが好ましい。
スパンボンド法長繊維の場合、捲縮数及び捲縮形状
は、崇高性という点でステープル繊維と同様であればよ
い。崇高性はあまり要求されず、不織布強力のみが要求
される場合には、捲縮数は0/25mmであつてもよい。
本発明の熱接着性複合繊維を用い、不織布を製造する
方法としては下記に示す公知の方法が採用される。対象
とする繊維がステープルの場合には、カード法、気流法
等でウエブとし、熱風ドライヤー、熱風貫通型ドライヤ
ー、赤外線加熱装置、カレンダーロール等の加熱装置を
用い、複合両成分の融点間の温度に加熱し繊維の交点を
接着して不織布とする。スパンボンド法長繊維の場合、
金網等の集積したウエブを、上記同様の加熱装置を用い
不織布とする。
本発明による繊維を用いた不織布は、約15〜30g/m2
低目付不織布であつても不織布強力はきわめて大であ
り、紙おしめ、生理用ナプキン等のカバー材、その他の
用途に好ましく用いられる。
以下実施例で本発明をさらに詳しく説明する。
〔実施例〕
実施例で、不織布強力及び伸度は下記に示す方法で測
定した。
不織布を5cm×15cmに裁断し、定速伸長型引張強度試
験機を用い、試長10cm、引張速度10cm/分の条件で強力
(g/5cm)、伸度(%)を測定し、5個の試料の平均値
を求める。
実施例1 MFR8.2のポリプロピレン(以下PPと略記)及びMI20の
高密度ポリエチレン(以下HDPEと略記)にそれぞれ5wt
%の3,3′,4,4′ベンゾフエノンテトラカルボン酸の二
無水物を添加し、押出機で溶融混練し、ポリプロピレン
及びポリエチレンのマスターバツチとした。第1の押出
機にはMFR8.2のPPと上記PPのマスターバツチを、第2の
押出機にはMI20のHDPEと上記HDPEマスターバツチを、そ
れぞれベンゾフエノン化合物が第1表に示した所定の添
加量となるように供給し、第1の押出機は280℃、第2
の押出機は220℃で、両成分の複合比は1対1とし、口
径0.8mmの芯鞘型紡糸口金を用いて未延伸デニール10.2D
/fの複合繊維を紡糸した。この未延伸糸を85℃で4.5倍
に延伸し、クリンパーで12.5山/25mmの捲縮を付与し、
切断して2.5D/f×64mmのステープル繊維とした。このス
テープル繊維をカード機で目付20g/m2のウエブとし、熱
風貫通型ドライヤーを用い、温度145℃、処理時間1分4
0秒の条件で熱処理して、繊維の交点が熱接着した不織
布とした。
これらの複合繊維及び不織布の物性を第1表に示し
た。第1表より、本発明による、ベンゾフエノン系化合
物を複合の両成分に添加した複合繊維を用い、不織布と
したもの(No.2〜No.6)は不織布強力がMD、CD方向共に
従来技術のもの(No.1)より約4割以上高くなることが
判る。芯側のみ(No.8)又は鞘側のみ(No.9)に添加し
たものであつても、不織布強力が高いことが判る。
実施例2 芯側に極限粘度0.65のポリエステル(以下PETと略
記)を用い、鞘側にMI20のHDPEを用い、実施例1同様に
HDPEを鞘とする、2.5D/f×64mmの芯鞘形複合繊維を得
た。但し、PET側は実施例1で用いたベンゾフエノン系
化合物を直接混合し、HDPE値は実施例1と同一のHDPEマ
スターバツチを用い、第2表に示した添加量とした。ま
た、紡糸条件はPET側300℃、PE側240℃とした。延伸条
件は延伸温度95℃、延伸比4.5倍とした。この複合繊維
を目付18g/m2のカードウエブとし実施例1と同一のドラ
イヤーを用い、温度148℃、処理時間1分40秒で熱処理
して不織布とした。
これらの複合繊維および不織布の物性を第2表に示し
た。第2表より本発明の範囲内のNo.11及びNo.12は不織
布強力が高いことが判る。一方本発明の範囲外のNo.10
及びNo.13は、熱接着温度を高くしても、不織布強力は
低いことが判る。
実施例3 スパンボンド法で、単糸デニール3D/f、目付25g/m2
不織布を得た。
芯側にMFR52のPP、鞘側にMI20のHDPEを用い、さらに
実施例1と同様にマスターバツチを所定量添加し、紡糸
温度は芯側300℃、鞘側290℃とし、口径0.6mmの芯鞘型
複合紡糸口金より押し出した未延伸糸を、高圧空気を導
入したエアー噴流装置に導糸し、金網上に集積し単糸デ
ニール3D/f、目付25g/m2のウエブとした。引続いて、ウ
エブを遠赤外線ヒーターで、温度147℃、処理時間46秒
熱処理し、繊維の交点が熱接着した不織布とした。
これらの複合繊維及び不織布の物性を第3表に示し
た。
第3表より、ベンゾフエノン系化合物を、複合成分の
いづれか一方に所定量添加したNo.15〜No.18はいづれも
不織布強力が高いことが判る(本発明)。
実施例4 実施例1で製造した、No.1(比較例)及びNo.4(本発
明)の繊維を用い、粉の発生及び繊維断面の剥離性につ
いて試験した。
カード機にNo.1及びNo.4の繊維を、それぞれ連続的に
1時間通した。ポリエチレンが剥離することにより発生
した白色粉末が、ドツフアーのカバー部に堆積する程度
を、目視により評価したところ、No.4は1時間後もほと
んど粉の発生は認められず、耐剥離性良しと判断され
た。一方、No.1は1時間後、白色粉末が付着しているの
が認められた。この粉末は、赤外線吸収スペクトル分析
によると、ポリエチレンである事が確認された。
カード機を通過した繊維の断面を走査型電子顕微鏡を
用い倍率400倍で写真にとり、芯部と鞘部の界面の剥離
状態を比較したところ、No.1の複合繊維では単糸数の8
%に剥離が認められたが、No.4の複合繊維では2%に剥
離が認められたのみであつた。
〔発明の作用及び効果〕
熱接着性複合繊維中に含有する、ベンゾフエノン系化
合物が複合成分界面の耐剥離性を向上させる作用をする
ので、このような複合繊維を熱処理して得られる不織布
は、強力が大になるという効果を有する。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点150℃以上の高融点ポリマー、及び、
    融点がそれより20℃以上低い低融点ポリマーからなり、
    低融点ポリマーが繊維表面の少くとも一部を連続して形
    成する熱接着性複合繊維において、一般式 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6の各々は、同一ま
    たは異種で、水素または炭素数1〜3を有するアルキル
    基である。)で表わされる3,3′,4,4′ベンゾフエノン
    テトラカルボン酸の二無水物、又は、そのアルキル誘導
    体を、0.01〜5重量%含有することを特徴とする熱接着
    性複合繊維。
  2. 【請求項2】高融点ポリマーはポリプロピレン又はポリ
    エステル、低融点ポリマーはポリエチレンであることを
    特徴とする特徴請求の範囲第1項記載の熱接着性複合繊
    維。
  3. 【請求項3】捲縮数が5〜25山/25mmのステープル繊
    維、又は、捲縮数が0〜25山/25mmのスパンボンド法長
    繊維であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の熱接着性複合繊維。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項記載の熱接着性複合
    繊維を20wt%以上含有するウエブを該複合繊維の両成分
    の融点間の温度で熱処理することにより、繊維の交点を
    熱接着してなる不織布。
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