JP2549162Y2 - ボールエンドミル - Google Patents
ボールエンドミルInfo
- Publication number
- JP2549162Y2 JP2549162Y2 JP1991056266U JP5626691U JP2549162Y2 JP 2549162 Y2 JP2549162 Y2 JP 2549162Y2 JP 1991056266 U JP1991056266 U JP 1991056266U JP 5626691 U JP5626691 U JP 5626691U JP 2549162 Y2 JP2549162 Y2 JP 2549162Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blade
- center
- end mill
- ball end
- tip
- Prior art date
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- Milling Processes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、フライス盤等で使用さ
れるボールエンドミルに係わり、特に回転中心付近の底
刃形状が改良されたボールエンドミルに関するものであ
る。
れるボールエンドミルに係わり、特に回転中心付近の底
刃形状が改良されたボールエンドミルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】金型の
彫込み等、曲面加工に用いられているボールエンドミル
は、金型材料の難削化や加工時間の短縮要求に伴って、
より苛酷な条件で使われるようになってきている。
彫込み等、曲面加工に用いられているボールエンドミル
は、金型材料の難削化や加工時間の短縮要求に伴って、
より苛酷な条件で使われるようになってきている。
【0003】例えば、図5に示す従来のボールエンドミ
ルは、超硬合金製の板チップ22を工具先端中心部に差
し込み、また外周に同じく超硬合金製の一対のねじれチ
ップ24をそれぞれろう付け後すくい面及び逃げ面26
を研磨した4枚刃タイプのものである。図5より明らか
なように、底刃25は回転方向に凸曲線状であり、回転
中心を基準にほぼ点対称に配置されたいわゆるS字刃形
(外周刃のねじれチップによるねじれ刃に相当)を形成
している。このような形状により、直刃タイプと比べ
て、切削時における衝撃を一度に全切れ刃で受けること
がなく、滑らかな切削を行うことができる。
ルは、超硬合金製の板チップ22を工具先端中心部に差
し込み、また外周に同じく超硬合金製の一対のねじれチ
ップ24をそれぞれろう付け後すくい面及び逃げ面26
を研磨した4枚刃タイプのものである。図5より明らか
なように、底刃25は回転方向に凸曲線状であり、回転
中心を基準にほぼ点対称に配置されたいわゆるS字刃形
(外周刃のねじれチップによるねじれ刃に相当)を形成
している。このような形状により、直刃タイプと比べ
て、切削時における衝撃を一度に全切れ刃で受けること
がなく、滑らかな切削を行うことができる。
【0004】しかしながら、切削負荷の少ない仕上切削
ならまだしも、ダイス鋼や、鋳物型の中に鋼材が組込ま
れている金型の荒取り作業においては、回転中心近傍に
欠損が生じ、使用不可能となるという問題がある。これ
は、回転中心軸に近づく程切削速度が低くなり、切削
抵抗が増加すること、荒取り加工では苛酷な条件のた
め、切削荷重が大きいこと、ボールエンドミルは機械
保持具からの突出し長さが比較的大きく、たわみ易いこ
と、鋳物に比べてダイス鋼等の鋼材は比切削抵抗が大
きいこと等の原因で、振動を起こし易く、逃げ面側より
の過大なスラスト力(背分力)により、特に中心部近傍
に欠損が生じやすくなるためである。
ならまだしも、ダイス鋼や、鋳物型の中に鋼材が組込ま
れている金型の荒取り作業においては、回転中心近傍に
欠損が生じ、使用不可能となるという問題がある。これ
は、回転中心軸に近づく程切削速度が低くなり、切削
抵抗が増加すること、荒取り加工では苛酷な条件のた
め、切削荷重が大きいこと、ボールエンドミルは機械
保持具からの突出し長さが比較的大きく、たわみ易いこ
と、鋳物に比べてダイス鋼等の鋼材は比切削抵抗が大
きいこと等の原因で、振動を起こし易く、逃げ面側より
の過大なスラスト力(背分力)により、特に中心部近傍
に欠損が生じやすくなるためである。
【0005】従って、本考案は、以上のような問題点を
解消し、金型加工の荒取り作業でも回転中心近傍の切れ
刃欠損がなく、工具寿命の安定した高性能なボールエン
ドミルを提供することを目的とする。
解消し、金型加工の荒取り作業でも回転中心近傍の切れ
刃欠損がなく、工具寿命の安定した高性能なボールエン
ドミルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案は次のような構成要件を具備している。すな
わち、(1) 複数刃のボールエンドミルの各底刃を、回転
方向に凸なる円弧状の第1刃部と、該第1刃部より回転
中心に向かって平面で折り曲がる第2刃部とにより構成
し、(2) 更には第2刃部と中心部の心厚Hによりチゼル
エッジを構成する。
め、本考案は次のような構成要件を具備している。すな
わち、(1) 複数刃のボールエンドミルの各底刃を、回転
方向に凸なる円弧状の第1刃部と、該第1刃部より回転
中心に向かって平面で折り曲がる第2刃部とにより構成
し、(2) 更には第2刃部と中心部の心厚Hによりチゼル
エッジを構成する。
【0007】従って、本考案のボールエンドミルは、工
具本体の先端部に回転軌跡が球状を呈し、回転中心に関
して対称な少なくとも一対の底刃と、該本体の外周から
先端部にかけて外周刃を有するもので、上記底刃はその
底面視において、回転中心部に心厚を残して回転方向に
凸なる円弧状を呈し、かつその回転中心側に先端側研磨
を施すことにより、該底刃の切れ刃構成が、上記円弧状
の第1刃部と、前記第1刃部より回転中心に向かって平
面で折り曲がる第2刃部と、前記第2刃部間の心厚Hの
部分に形成されかつ前記回転中心に中心が位置する円形
状のチゼルエッジとからなり、前記心厚Hが外径寸法D
に対してH=(0.01〜0.04)Dの関係を満たす
ことを特徴とする。
具本体の先端部に回転軌跡が球状を呈し、回転中心に関
して対称な少なくとも一対の底刃と、該本体の外周から
先端部にかけて外周刃を有するもので、上記底刃はその
底面視において、回転中心部に心厚を残して回転方向に
凸なる円弧状を呈し、かつその回転中心側に先端側研磨
を施すことにより、該底刃の切れ刃構成が、上記円弧状
の第1刃部と、前記第1刃部より回転中心に向かって平
面で折り曲がる第2刃部と、前記第2刃部間の心厚Hの
部分に形成されかつ前記回転中心に中心が位置する円形
状のチゼルエッジとからなり、前記心厚Hが外径寸法D
に対してH=(0.01〜0.04)Dの関係を満たす
ことを特徴とする。
【0008】そして好ましくは、上記中心部の心厚Hの
大きさが、H=(0.01〜0.04)D(Dは外径寸法)であ
り、第2刃部のすくい角が負角で、好ましくは−5°〜
−40°の範囲であり、又該第2刃部の最大径dが外径寸
法Dに対して、d=(0.1 〜0.4 )Dの範囲である。
大きさが、H=(0.01〜0.04)D(Dは外径寸法)であ
り、第2刃部のすくい角が負角で、好ましくは−5°〜
−40°の範囲であり、又該第2刃部の最大径dが外径寸
法Dに対して、d=(0.1 〜0.4 )Dの範囲である。
【0009】
【作用】ボールエンドミルの先端において、心厚を残し
て回転方向に凸なる円弧状の第1刃部の先端に先端側研
磨を施し、該第1刃部より回転中心に向かって平面で折
り曲がる第2刃部を形成したので、回転中心を基準にS
字状を呈する底刃は、第2刃部を設ける前と比べてより
いわゆる強S字状(中心部の傾きが急になったS字状)
と、つまりよりねじれ角を大きくしたこととなり、切削
性及び切りくず排出性が著しく向上する。
て回転方向に凸なる円弧状の第1刃部の先端に先端側研
磨を施し、該第1刃部より回転中心に向かって平面で折
り曲がる第2刃部を形成したので、回転中心を基準にS
字状を呈する底刃は、第2刃部を設ける前と比べてより
いわゆる強S字状(中心部の傾きが急になったS字状)
と、つまりよりねじれ角を大きくしたこととなり、切削
性及び切りくず排出性が著しく向上する。
【0010】また該第2刃部のすくい角を負角とするこ
とによって、切削速度が小さく、スラスト力の大きい中
心軸近辺底刃の刃先強度を大幅に向上させることがで
き、切削抵抗の大きいダイス鋼切削においても中心軸近
傍の欠損を完全に防止することができる。この場合、負
角である第2刃部すくい角の大きさは、−5°〜−40°
の範囲が好ましい。第2刃部のすくい角に関して、切削
特性が急激に劣化するような明白な境界があるわけでは
ないが、傾向として、−40°より負に大きくなると切れ
味の低下よりビビリやすくなり、又−5°より小さい
と、刃先強化の効果が薄れてくる。
とによって、切削速度が小さく、スラスト力の大きい中
心軸近辺底刃の刃先強度を大幅に向上させることがで
き、切削抵抗の大きいダイス鋼切削においても中心軸近
傍の欠損を完全に防止することができる。この場合、負
角である第2刃部すくい角の大きさは、−5°〜−40°
の範囲が好ましい。第2刃部のすくい角に関して、切削
特性が急激に劣化するような明白な境界があるわけでは
ないが、傾向として、−40°より負に大きくなると切れ
味の低下よりビビリやすくなり、又−5°より小さい
と、刃先強化の効果が薄れてくる。
【0011】また、第2刃部の最大径dは外径寸法Dに
対して、d=(0.1 〜0.4 )Dの関係を満たすのが好ま
しい。これは被削材や送り量によって変わるが、この範
囲の底刃が欠損しやすかったためであり、この理由とし
て、中心側底刃は切削速度が小さく、かつ実際には切り
くず厚さが微小なので、外周側底刃のように切りくずを
出す切削とはならず、こすり又はむしれの状態となり、
逃げ面側からのスラスト力により欠損が生じやすくなっ
ていることが挙げられる。
対して、d=(0.1 〜0.4 )Dの関係を満たすのが好ま
しい。これは被削材や送り量によって変わるが、この範
囲の底刃が欠損しやすかったためであり、この理由とし
て、中心側底刃は切削速度が小さく、かつ実際には切り
くず厚さが微小なので、外周側底刃のように切りくずを
出す切削とはならず、こすり又はむしれの状態となり、
逃げ面側からのスラスト力により欠損が生じやすくなっ
ていることが挙げられる。
【0012】尚、先端側研磨により第2刃部を形成した
後で心厚を残して円形のチゼルエッジを形成するように
した方が、チゼルエッジが大きくなり、この部分の刃先
強度が向上する。但しこのチゼルエッジを形成する場合
は、心厚Hの大きさを、外径寸法Dに対して、H=
(0.01〜0.04)D、さらに好ましくはH=
(0.015〜0.025)Dの範囲となるようにした
方が良い。心厚Hが0.04Dより大きくなると、チゼ
ルエッジ部では被削材をむしり取る状態になるので、切
れ味の低下より切削抵抗が増大する。この為、かえって
ビビリやすくなったり、中心部の摩耗増大により短寿命
となるなど、好ましくない。また心厚Hが0.01Dよ
り小さいと、チゼルエッジ形成による刃先強度向上の効
果が薄れてくる。
後で心厚を残して円形のチゼルエッジを形成するように
した方が、チゼルエッジが大きくなり、この部分の刃先
強度が向上する。但しこのチゼルエッジを形成する場合
は、心厚Hの大きさを、外径寸法Dに対して、H=
(0.01〜0.04)D、さらに好ましくはH=
(0.015〜0.025)Dの範囲となるようにした
方が良い。心厚Hが0.04Dより大きくなると、チゼ
ルエッジ部では被削材をむしり取る状態になるので、切
れ味の低下より切削抵抗が増大する。この為、かえって
ビビリやすくなったり、中心部の摩耗増大により短寿命
となるなど、好ましくない。また心厚Hが0.01Dよ
り小さいと、チゼルエッジ形成による刃先強度向上の効
果が薄れてくる。
【0013】
【実施例】以下本考案の実施例を添付図面を参照して説
明する。
明する。
【0014】図1、図2に示す本考案の一実施例におい
て、工具本体1の先端には、超硬合金製の板チップ2が
差し込まれ、該板チップ2に連なる様に外周に同じく超
硬合金製のねじれチップ3がそれぞれろう付けされてい
る。そして上記ねじれチップ3とほぼ90°の位相をずら
して、該ねじれチップ3より先端側まで伸びるねじれチ
ップ4が回転中心を基準にほぼ点対称ににろう付けされ
ている。従って、本実施例のボールエンドミルは、4枚
刃型である。尚、各チップの回転方向上部には、切削し
た切りくずを収納するためのチップポケットが設けられ
ている。
て、工具本体1の先端には、超硬合金製の板チップ2が
差し込まれ、該板チップ2に連なる様に外周に同じく超
硬合金製のねじれチップ3がそれぞれろう付けされてい
る。そして上記ねじれチップ3とほぼ90°の位相をずら
して、該ねじれチップ3より先端側まで伸びるねじれチ
ップ4が回転中心を基準にほぼ点対称ににろう付けされ
ている。従って、本実施例のボールエンドミルは、4枚
刃型である。尚、各チップの回転方向上部には、切削し
た切りくずを収納するためのチップポケットが設けられ
ている。
【0015】図1及び図2において、板チップ2により
形成される底刃5の形状は、まず回転中心Cに関して対
称に心厚hを残して回転方向に凸なる円弧状のすくい面
6を形成し、次いで心厚Hを残して先端側研磨を行い、
更に逃げ面7を研磨し、最後に回転中心Cに中心が来る
円形状のチゼルエッジを形成することによって得られ
る。すなわち底刃5は、(a)上記円弧状の第1刃部5
aと、(b)第1刃部より回転中心に向かって角度θの
平面で折り曲がる第2刃部5bと、(c)一対の第2刃
部5b、5b間の心厚Hの部分に、回転中心Cに中心が
位置するように設けられた円形状のチゼルエッジ部5c
とにより形成される。尚、第2刃部5bのすくい角α
は、図3に示すように、切刃強度を持たせるように負角
(好ましくは−5°〜−40°)である。又ねじれチッ
プ4により形成される底刃5’は、板チップ2と同様な
刃付けが施されるが、スペース的な制約によりチップ幅
が小さいので、通常第1刃部5aと同じように形成され
る。
形成される底刃5の形状は、まず回転中心Cに関して対
称に心厚hを残して回転方向に凸なる円弧状のすくい面
6を形成し、次いで心厚Hを残して先端側研磨を行い、
更に逃げ面7を研磨し、最後に回転中心Cに中心が来る
円形状のチゼルエッジを形成することによって得られ
る。すなわち底刃5は、(a)上記円弧状の第1刃部5
aと、(b)第1刃部より回転中心に向かって角度θの
平面で折り曲がる第2刃部5bと、(c)一対の第2刃
部5b、5b間の心厚Hの部分に、回転中心Cに中心が
位置するように設けられた円形状のチゼルエッジ部5c
とにより形成される。尚、第2刃部5bのすくい角α
は、図3に示すように、切刃強度を持たせるように負角
(好ましくは−5°〜−40°)である。又ねじれチッ
プ4により形成される底刃5’は、板チップ2と同様な
刃付けが施されるが、スペース的な制約によりチップ幅
が小さいので、通常第1刃部5aと同じように形成され
る。
【0016】実施例1、比較例1、2 図1及び図2で示される形状の本考案の4枚刃ボールエ
ンドミル(チップ材種:JISP30相当超硬合金、外径50mm
(刃長80mm)、外周刃のねじれ角30°)と、本考案品と
底面視における底刃5の形状だけが図5のように異なる
従来品(比較例1)、及び上記従来品に心厚Hを残しチ
ゼルエッジを設けた比較品(比較例2)とを、第1表の
諸元で製作し、以下の条件で切削テストを行った。その
テスト結果を第1表に合わせて示す。
ンドミル(チップ材種:JISP30相当超硬合金、外径50mm
(刃長80mm)、外周刃のねじれ角30°)と、本考案品と
底面視における底刃5の形状だけが図5のように異なる
従来品(比較例1)、及び上記従来品に心厚Hを残しチ
ゼルエッジを設けた比較品(比較例2)とを、第1表の
諸元で製作し、以下の条件で切削テストを行った。その
テスト結果を第1表に合わせて示す。
【0017】 被削材:ダイス鋼(SKD61) 工具突出し量:100 mm 回転数:480rpm テーブル送り量:220 〜350 mm/min 軸方向切込み深さ:15mm〜最大50mm ピックフィード:10mm〜15mm 水溶性切削油使用 アップカット、ダウンカット併用の往復倣い加工
【0018】 第1表 心厚H 先端側研磨前 すくい 第2刃部の 例No. (mm) の心厚h(mm) 角α 最大径d(mm) 実施例1(本考案品) 1.0 3.0 −10° 14 比較例1(従来品) − − − − 比較例2(比較品) 1.0 − − −
【0019】 例No. テスト結果 実施例1(本考案品) 180 分使用でも欠損なし。摩耗のみで再研磨可。 比較例1(従来品) 約2分にて中心部近傍が欠損。再研磨不可。 比較例2(比較品) 10分位で中心部近傍が欠損。再研磨不可。
【0020】第1表から明らかなように、従来品(比較
例1)は約2分、比較品(比較例2)で約10分、切削時
間が経過したときに、切削音の急激な変化があった。切
削を中止して工具を調べたところ、図6に示すによう
に、中心部に欠損Aが軸方向で4〜6mm位生じており、
再研磨が不可能な状態であった。これに対して、本考案
品は切削音も静かで安定しており、180 分使用後も欠損
はなく、正常摩耗であった。よって、無人化の目度が立
つ。又、摩耗個所を再研磨することにより再度使用可能
であり、工具費の低減も計れた。
例1)は約2分、比較品(比較例2)で約10分、切削時
間が経過したときに、切削音の急激な変化があった。切
削を中止して工具を調べたところ、図6に示すによう
に、中心部に欠損Aが軸方向で4〜6mm位生じており、
再研磨が不可能な状態であった。これに対して、本考案
品は切削音も静かで安定しており、180 分使用後も欠損
はなく、正常摩耗であった。よって、無人化の目度が立
つ。又、摩耗個所を再研磨することにより再度使用可能
であり、工具費の低減も計れた。
【0021】以上において、本考案の実施例を先端に板
チップを差し込んだ4枚刃タイプのろう付けボールエン
ドミルについて説明したが、これに限定されるものでは
ない。例えば、先端の板チップをろう付けする代わり
に、図4に示すように、板チップ10の刃先と、反対側
の軸中心部に位置決め凸部11を設けて工具本体凹部に
嵌合し、取り付けボルト12にて挟持し、該板チップ1
0を着脱可能に取り付けた2枚刃のスローアウェイタイ
プとしてもよい。また切れ刃となる先端部分のみを超硬
合金とし、工具本体となる残りの鋼材部分にろう付けし
た先ムクタイプのボールエンドミルに適用したり、本考
案の第1刃部と第2刃部との交叉部に面取りを施した
り、或いは、該切れ刃部にホーニングを施すなども、本
考案の技術思想の範囲内である。
チップを差し込んだ4枚刃タイプのろう付けボールエン
ドミルについて説明したが、これに限定されるものでは
ない。例えば、先端の板チップをろう付けする代わり
に、図4に示すように、板チップ10の刃先と、反対側
の軸中心部に位置決め凸部11を設けて工具本体凹部に
嵌合し、取り付けボルト12にて挟持し、該板チップ1
0を着脱可能に取り付けた2枚刃のスローアウェイタイ
プとしてもよい。また切れ刃となる先端部分のみを超硬
合金とし、工具本体となる残りの鋼材部分にろう付けし
た先ムクタイプのボールエンドミルに適用したり、本考
案の第1刃部と第2刃部との交叉部に面取りを施した
り、或いは、該切れ刃部にホーニングを施すなども、本
考案の技術思想の範囲内である。
【0022】
【考案の効果】本考案は、ボールエンドミルにおける底
刃の切れ刃構成を回転方向に凸なる円弧状の第1刃部
と、該第1刃部より回転中心に向かって平面で折り曲が
る第2刃部とで構成したので、第2刃部を設ける前と比
べてより強S字状となり、くいつき時の衝撃が緩和さ
れ、切削性が向上し、切りくず排出性も良くなる。また
欠損が生じやすい先端側の第2刃部の最大外径dをd=
(0.1 〜0.4 )D(Dは外径寸法)の範囲に設定し、か
つそのすくい角を負角、好ましくは−5°〜−40°の範
囲としたことにより、この部分の刃先強度を大幅に向上
させることができたので、ダイス鋼等の切削においても
中心軸近傍底刃の欠損を完全に防止できる。尚第2刃部
形成時、心厚を残してチゼルエッジを形成するようにし
たほうが製造しやすくなり、かつこの部分の刃先強度も
向上する。そしてこれらの相乗効果により、切削性に優
れ、かつ中心軸近辺底刃の欠損もなく工具寿命の安定し
た高性能なボールエンドミルを提供することができる。
刃の切れ刃構成を回転方向に凸なる円弧状の第1刃部
と、該第1刃部より回転中心に向かって平面で折り曲が
る第2刃部とで構成したので、第2刃部を設ける前と比
べてより強S字状となり、くいつき時の衝撃が緩和さ
れ、切削性が向上し、切りくず排出性も良くなる。また
欠損が生じやすい先端側の第2刃部の最大外径dをd=
(0.1 〜0.4 )D(Dは外径寸法)の範囲に設定し、か
つそのすくい角を負角、好ましくは−5°〜−40°の範
囲としたことにより、この部分の刃先強度を大幅に向上
させることができたので、ダイス鋼等の切削においても
中心軸近傍底刃の欠損を完全に防止できる。尚第2刃部
形成時、心厚を残してチゼルエッジを形成するようにし
たほうが製造しやすくなり、かつこの部分の刃先強度も
向上する。そしてこれらの相乗効果により、切削性に優
れ、かつ中心軸近辺底刃の欠損もなく工具寿命の安定し
た高性能なボールエンドミルを提供することができる。
【図1】本考案の一実施例によるボールエンドミルの部
分断面側面図である。
分断面側面図である。
【図2】図1に示すボールエンドミルの拡大底面図であ
る。
る。
【図3】図2の矢印III 方向から見た部分断面図であ
る。
る。
【図4】本考案のもう一つの実施例であるスローアウェ
イタイプのボールエンドミルの先端部を示す側面図であ
る。
イタイプのボールエンドミルの先端部を示す側面図であ
る。
【図5】従来のボールエンドミルの先端部を示す拡大底
面図である。
面図である。
【図6】従来例に於けるボールエンドミルの使用後にお
ける欠損状態を示す部分断面図である。
ける欠損状態を示す部分断面図である。
1 工具本体 2 板チップ 3、4 ねじれチップ 5 底刃 5a 第1刃部 5b 第2刃部 5c チゼルエッジ 6 すくい面 7 逃げ面 H 心厚 h 第2刃部形成前の心厚 α 第2刃部のすくい角 d 第2刃部の最大径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中田 明男 東京都江東区東陽四丁目1番13号 日立 ツール株式会社内 (72)考案者 芦田 良樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)考案者 秋元 勇 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)考案者 倭文 洋一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)考案者 千葉 武志 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 実開 平2−114417(JP,U) 実開 昭60−42510(JP,U)
Claims (4)
- 【請求項1】 工具本体の先端部に回転軌跡が球状を呈
し、回転中心に関して対称な少なくとも一対の底刃と、
該本体の外周から先端部にかけて外周刃を有するボール
エンドミルにおいて、上記底刃はその底面視において、
回転中心部に心厚を残して回転方向に凸なる円弧状を呈
し、かつその回転中心側に先端側研磨を施すことによ
り、該底刃の切れ刃構成が、上記円弧状の第1刃部と、
前記第1刃部より回転中心に向かって平面で折り曲がる
第2刃部と、前記第2刃部間の心厚Hの部分に形成され
かつ前記回転中心に中心が位置する円形状のチゼルエッ
ジとからなり、前記心厚Hが外径寸法Dに対してH=
(0.01〜0.04)Dの関係を満たすことを特徴と
するボールエンドミル。 - 【請求項2】 請求項1に記載のボールエンドミルにお
いて、前記第2刃部の最大径dが、外径寸法Dに対し
て、d=(0.1〜0.4)Dの関係を満たす範囲内で
あることを特徴とするボールエンドミル。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のボールエンドミ
ルにおいて、前記第2刃部のすくい角が負角であること
を特徴とするボールエンドミル。 - 【請求項4】 請求項3に記載のボールエンドミルにお
いて、前記第2刃部のすくい角が−5°〜−40°の範
囲であることを特徴とするボールエンドミル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991056266U JP2549162Y2 (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | ボールエンドミル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991056266U JP2549162Y2 (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | ボールエンドミル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05309U JPH05309U (ja) | 1993-01-08 |
JP2549162Y2 true JP2549162Y2 (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=13022279
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991056266U Expired - Lifetime JP2549162Y2 (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | ボールエンドミル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2549162Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2810673T3 (es) * | 2016-12-23 | 2021-03-09 | Walter Ag | Un inserto de fresa de punta esférica, un cuerpo de herramienta de fresa de punta esférica y una fresa de punta esférica |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6042510U (ja) * | 1983-08-31 | 1985-03-26 | 三菱自動車工業株式会社 | ボ−ルエンドミル |
JPH02114417U (ja) * | 1989-02-27 | 1990-09-13 |
-
1991
- 1991-06-24 JP JP1991056266U patent/JP2549162Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05309U (ja) | 1993-01-08 |
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