JP3795278B2 - エンドミル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転切削工具であるエンドミルに関するものであり、殊に比較的直径が小さなエンドミルによる切削加工において、剛性が高く、耐折損性に優れたエンドミルの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、金型等の切削加工用として、工具母材の刃部外周に複数のねじれた外周切れ刃を有するエンドミルが使用されているが、その耐折損性を高めるために、エンドミルの形状が様々な角度から工夫されている。こうしたエンドミルの形状としては、(1)エンドミルの心厚W(後記図2参照)を大きくしたり、(2)外周切れ刃の長さを短くしたり、(3)シャンク部直径を外周切れ刃直径より大きくし工具本体の剛性を高めると共に、外周切れ刃部とシャンク部を、テーパネックやアール形状のネックとし、そのネック部における外周切れ刃部の円筒面のつなぎ部分の曲率を小さくすること等が多用されている。
【0003】
本発明者らも、エンドミルの耐折損性を高める形状についてかねてより研究を進めており、その研究の一環として特開平5−57519号に示す様なエンドミルを提案している。このエンドミルでは、心厚径を刃部の外径寸法の0.8倍以上とする(即ち、心厚Wを大きくする)と共に、外周切れ刃の径方向のすくい角、外周二番角、外周切れ刃の捩れ角等を適切に規定するものである。そして、こうしたエンドミルでは、工具剛性が高くチッピングが発生しにくく、高硬度材などの低切込みにおいて、高性能を発揮している。
【0004】
また、例えば特開平6−335816号には、一般的な形状と比較して心厚Wをやや大きくして剛性を高め、外周切れ刃のすくい角、刃数、ねじれ角を規定して耐折損性を高めた小径エンドミルが提案されている。
【0005】
しかしながら、エンドミルの心厚Wを大きくした場合には、切り屑排出性が悪くなるので、溝を切削するときの様に切込みが比較的大きい切削においては、エンドミルの耐折損性が期待するほど向上しないことがある。
【0006】
また、外周切れ刃の長さを短くした場合には、工具剛性は大きく向上するため、エンドミルの耐折損性は向上するものの、外周切れ刃の長さが制限される欠点がある。更に、シャンク直径を外周切れ刃直径より大きくし工具本体の剛性を高めると共に、外周切れ刃部とシャンク部をテーパネックやアール形状のネックとし、そのネック部における外周切れ刃部の円筒面のつなぎ部分の曲率を小さくした場合には、ネック部と外周切れ刃部の円筒面のつなぎ部が起点となる折損については効果を発揮するが、ネック部と外周切れ刃部の円筒面のつなぎ部より、外周切れ刃側が折損の起点となる場合の折損防止対策とはならない。
【0007】
上記した構成以外にも、工具剛性や耐折損性を高くするために、エンドミルの心厚Wを基端面側にいくに従い大きくした、いわゆる心厚テーパと呼ばれる処置が比較的切りくず排出溝の長いエンドミルやドリルにも多用されている。また、外周切れ刃の基端面側の不完全な外周逃げ面の形状を工夫し、折損防止対策を行なうことも知られている(例えば、特開昭62−74520号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、外周切れ刃の直径が比較的小さいエンドミルにおいては、外周切れ刃の長さを短くするなどのエンドミルの仕様を変えることなく、また切り屑排出性等の特性も低下させることなく、エンドミルの耐折損性を高めることが必要となる場合がある。また、ネック部と外周切れ刃部の円筒面のつなぎ部より、外周切れ刃側が折損の起点となる場合には、その折損の起点の形状改善が必要となる。
【0009】
本発明はこうした状況の下になされたものであって、その目的は、外周切れ刃の長さを短くするなどのエンドミルの仕様を変えることなく、しかも切り屑排出性等の特性も低下させることなく、耐折損性を高めることができるエンドミルの構成を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することのできた本発明のエンドミルとは、エンドミルの刃部の外周面には、偏心逃げ面と、その偏心逃げ面にほぼ接線状に連続しヒール部に段差がなく偏心逃げ面より曲率が小さい溝面と、外周切れ刃のすくい面に連続する切り屑排出溝が形成されており、前記偏心逃げ面と、該偏心逃げ面より曲率が小さい前記溝面を合わせた領域が、刃部の軸直角断面全域の角度にして、30〜70%を占める形状とされ、且つ外周切れ刃より基端面側で外周切れ刃とほぼ平行となっている円筒状部分の軸直角断面形状において、その円筒面と、その円筒面より反すくい面側の切り屑排出溝とをつなぐ部分が、凹部形状がない様に構成されている点に要旨を有するものである。
【0011】
また、本発明のエンドミルにおいては、上記構成の他、(a)外周切刃部の基端面側の不完全な逃げ面の形状が、ほぼ平面に形成されたものである構成を採用することや、(b)切り屑排出溝は、少なくともすくい面側を形成する溝と逃げ面側を形成する溝で構成され、前記逃げ面側を形成する溝の切上げ部の軸方向の長さが、すくい面側を形成する溝の切上げ部の軸方向の長さよりも短くなる様な構成を採用することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、エンドミルの耐折損性向上を図るため、各種形状のエンドミルを製作し、各種切削条件下においてその形状と耐折損性との関係について詳細に検討した。その結果、上記の様な構成を採用すれば、上記目的に適うエンドミルが実現できることを見出し、本発明を完成した。本発明のエンドミルの構成を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明のエンドミル本体の外観を示す説明図であり、図中1は基端面、2は刃部(外周切れ刃部)、3はシャンク部、4は底刃部、5はネック、6は刃部2よりも基端面側で外周切れ刃とほぼ平行となっている円筒状部分、D1は刃部2の直径、D2は円筒状部分6の直径、を夫々示す。尚、図1においては、説明の便宜上、刃部2付近の詳細な構成は省略してあるが、C部の詳細な外観は後記図9に示す。
【0014】
また図2は、図1のA−A線矢視断面図(刃部2の軸直角断面図)であり、図中7は外周切れ刃、7aは外周切れ刃7のすくい面、8はすくい面7aに連続する切り屑排出溝、9は偏心逃げ面(アルキメデス形逃げ面)、10は偏心逃げ面9に連続した溝面、θは外周切れ刃の逃げ角(外周二番角)、αは偏心逃げ面9の領域範囲を示す軸直角断面の角度、βは溝面10の領域範囲を示す軸直角断面の角度、Lは外周逃げ面のエンドミル直径上の円弧長さ、Xは外周逃げ面のエンドミル直径(前記D1)とのギャップ、Wは心厚を夫々示す。
【0015】
従来のエンドミルにおけるの刃部2の軸直角断面図(図2相当図)を図3に示すが、図示する様に従来のエンドミルにおいては、偏心逃げ面9と溝面10の間のヒール部11に段差が形成されているのである。これに対して、本発明のエンドミルにおいては、溝面10は偏心逃げ面9にほぼ接線状に連続してヒール部に段差がない様にされ、且つこの溝面10は偏心逃げ面9よりも曲率が小さい様に形成されている。こうした構成を採用することによって、外周切れ逃げ面のバックメタル剛性が高くなり、外周切れ刃の強度が増し、この切れ刃のチッピングが原因となる折損を防止することができたのである。
【0016】
本発明のエンドミルにおいては、その偏心逃げ面9と、その偏心逃げ面9にほぼ接線状に連続しヒール部に段差がなく偏心逃げ面より曲率が小さい溝面10を合わせた領域[2枚刃の場合は2(α+β)の領域]の比率が、刃部2の軸直角断面全域の角度(360°)に対して、30〜70%を占める様に構成されている。
【0017】
この比率が30%未満になると、切削による切れ刃摩耗の増大による切れ刃直径の縮小により、エンドミルと加工物のクリアランスが小さくなり、加工物と逃げ面の干渉や切り屑詰まりによる折損が発生しやすくなり、耐折損性の阻害要因となる。こうした事態を防止するために、外周逃げ角θを大きくすることも考えられるが、外周逃げ角θが大きくなり過ぎると、切れ刃強度が弱くなって却ってチッピングが発生しやすくなる。またこの比率が70%を超えると、刃部の軸直角断面剛性が弱くなり、耐折損性が悪化しやすくなる。
【0018】
本発明のエンドミルの基本的な構成は上記の通りであるが、こうしたエンドミルでは心厚Wや刃長などの基本設計仕様を変えることもなく、外周切れ刃における折損の起点となりやすい部分での新たな形状の発明であるため、切り屑排出性や有効な切れ刃長さを損なうことなく、耐折損性を向上させることができるのである。
【0019】
本発明者らは、エンドミルの外周切れ刃部分の軸直角断面形状だけでなく、全く新しい観点から外周切れ刃より基端面側の形状改善にも着目した。即ち、本発明者らは様々な形状のエンドミルを試作し、外周切れ刃部分以外で折損が生じる場合について、その折損の起点などを詳細に調査したところ、外周切れ刃部分以外で生じる折損の起点の多くは、外周切れ刃より基端面側の円筒状部分6やネック部5で折損しており、その部分の剛性を向上させ、応力集中を防止することについても検討した。
【0020】
その結果、外周切れ刃より基端面側で外周切れ刃とほぼ平行になっている円筒状部分6の軸直角断面形状において、その円筒面と、その円筒面より反すくい面側の切りくず排出溝をつなぐ部分には、凹部形状がない様に構成することで、その近傍に応力が集中しにくくなるだけでなく、通常の凹部形状と比較し、外周切れ刃より基端面側の軸直角断面剛性は向上し、耐折損性向上に効果があることを見出した。
【0021】
即ち、本発明のエンドミルにおけるの円筒状部分6の軸直角断面形状を、図5(図1のB−B線矢視断面図)に示すが、従来のエンドミルでは図4(図5相当図)に示すように凹部形状12が存在するのに対して、本発明のエンドミルにおいてはその様な凹部形状12がない様に構成されている(本発明のこの様な形状を、説明の便宜上凸部形状と呼ぶ)。
【0022】
また、外周側切れ刃の基端面側の不完全な外周逃げ面の形状が、ほぼ平面になっておらず、その面が凹状、つまり外周切れ刃研削用砥石のコーナ形状が転写されて段差がある形状の場合、その段差部分に応力が集中し、それが起点となって折損する場合がある。そこで本発明のエンドミルでは、外周側切れ刃の基端面側の不完全な外周逃げ面の形状を、ほぼ平面となる様に形成することが好ましい。こうした構成を、図面を用いて説明する。
【0023】
図6は、従来のエンドミルにおける外周切れ刃に最も基端面側の逃げ面(不完全な逃げ面)の状態を示す説明図[図6(a)は正面図、図6(b)は断面図]である。また図7は、本発明のエンドミルにおける外周切れ刃に最も基端面側の逃げ面(不完全な逃げ面)の状態を示す説明図[図7(a)は正面図、図7(b)は断面面]である。尚、これらの図において参照符号15は、外周切れ刃逃げ面加工用砥石の形状が転写された部分であり、この部分が最終的に不完全な逃げ面を形成するものである。また他の部分で、前記図1と対応する部分には同一の参照符号が付してある。
【0024】
従来のエンドミルにおいては、図6に示す様に、外周切れ刃研削用砥石のコーナ形状がそのまま転写されて段差として残っているのであるが、本発明のエンドミルにおいてはこうした段差がなく平面状に形成されるのである。こうした構成を採用することによって、エンドミルの耐折損性、特に外周切れ刃より基端面側の円筒状部分6やネック部5の耐折損性を更に向上させることができたのである。
【0025】
更に、本発明者らが検討したところによれば、切れ刃部の切り屑排出溝8の形状を変えることなく、エンドミル剛性を向上させるためには、その切り屑排出溝8は、エンドミル外周切れ刃の1枚の刃当たり、少なくともすくい面を形成する溝と逃げ面を形成する溝で構成され(即ち、2つ以上の溝の切上げ部で構成され)、逃げ面を形成する溝の切上げ部(すくい面を形成する溝の切上げ部以外の溝の切上げ部)のエンドミル軸方向長さを、すくい面を形成する溝の切上げ部のエンドミル軸方向の長さより短くすることで、エンドミル剛性をさらに向上させ、耐折損性改善に効果があることも見出した。こうした構成を、図面に基づきエンドミルの切り屑排出溝を加工する手順を示しつつ説明する。
【0026】
図8は、エンドミルの刃部2に溝研削用砥石を用いて切り屑排出溝を形成する状態を示す説明図であり、図9は、形成される外周切れ刃と溝研削部分の関係を示す説明図である。尚、このうち図9(a)は、刃部2の詳細外観図(前記図1のC部相当図)であり、図9(b)は切り屑排出溝8を研削するときの、加工溝の軌跡を表した軸直角断面図である。
【0027】
まず図8に示す様に、エンドミルを回転させながら(矢印F)、溝研削用砥石16を軸方向(矢印E)に移動させることによって、溝A(0)[図9(b)]が形成される。次に、研削開始位置を180°回転させた状態から上記と同様に研削を行なうことによって溝A(180)[図9(b)]が形成される。このときの溝切り加工の軌跡を図9(b)の参照符号17で示す。
【0028】
引き続き、エンドミルおよび溝研削用砥石16の軸と互の位置関係を調整してから、上記と同様にして溝B(0)[図9(b)]が形成される。次に、研削開始位置を180°回転させた状態から上記と同様に研削を行なうことによって、溝B(180)[図9(b)]が形成される。このときの溝切り加工の軌跡を図9(b)の参照符号18で示す。
【0029】
上記の様に2段に分けた手順で切り屑排出溝を形成することによって、即ち切り屑排出溝を2つ以上の溝の切上げ部で構成することによって、逃げ面を形成する溝の切上げ部のエンドミル軸方向長さ[図9(a)中L1で示す]を、すくい面を形成する溝の切上げ部のエンドミル軸方向の長さ[図9(a)中L2で示す]より短くなる様に(L1<L2)構成できる。そしてこうした構成を採用することによって、エンドミル剛性をさらに向上させ、耐折損性を更に改善できるのである。
【0030】
これに対して、切り屑排出溝の形成を1回の研削で行なった場合(即ち、1つの溝の切上げ部で構成した場合)、或は切り屑排出溝の形成を2回の研削で行なっても、前記長さL1がL2よりも短くなる様な研削を行なった場合には、図9(a)の斜線部分で示した領域20が形成されることになって、エンドミルの剛性が低下することになる。
【0031】
以下、実施例によって本発明の作用効果をより具体的に示すが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変形することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0032】
【実施例】
各種試作した2枚刃ソリッド超硬エンドミル(スクエアエンドミル:直径1mm)に、アークイオンプレーティング方式により、その表面に(Al,Ti)Nのコーティングを施し、エンドミル折損までの切削長(切削寿命)を調査した。このときの切削条件は、下記の通りである。
【0033】
(切削条件)
エンドミル:2枚刃コーティング超硬ソリッドエンドミル(直径1mm)
被削材 :S55C
切削速度 :63m/min(回転速度:20000min-1)
送り速度 :400m/min(1刃当送り:0.01mm)
切込み深さ:0.1mm
切削方法 :溝切削
切削油剤 :エアブロー
【0034】
その結果を、下記表1に示す。尚、表1において、逃げ面側比率、円筒状部分の形状、不完全刃部性状および溝切り上げ部の数等の意味は下記の通りである。
【0035】
(逃げ面側比率)
偏心逃げ面9と、その偏心逃げ面9にほぼ接線状に連続しヒール部に段差がなく偏心逃げ面より曲率が小さい溝面を合わせた領域の、刃部2の軸直角断面全域の角度に対する比率[(α+β)/180°]を意味する。
(円筒状部分の形状)
外周切れ刃より基端面側で外周切れ刃とほぼ平行となっている円筒状部分の軸直角断面(図1におけるB−B線矢視断面部)の形状において、その円筒面と、その円筒面よりすくい面側と反対側の切り屑排出溝をつなぐ部分との間の形状を意味し、前記図4に示した状態の場合を「凹状」、図5に示した状態の場合を「凸状」とする。
(不完全刃部性状)
外周切れ刃の基端面側の不完全な逃げ面の形状を意味し、図6に示した状態の場合を「凹状」、図7に示した場合を「平面状」とする。
(溝切り上げ部の数)
外周切れ刃数の1つの切れ刃当たりの溝切上げ部の数を意味する。尚、カッコ( )内の記号は、L1<L2の場合を○、L1≧L2の場合を△で示した。
【0036】
【表1】
【0037】
この結果から明らかな様に、本発明で規定する要件を満足するエンドミル(本発明品)では、比較品に比べて折損寿命が格段に向上していることが分かる。
【0038】
尚、上記実施例では、スクエアエンドミルの実験結果を記したが、本発明の構成は、前記直径D2がエンドミル直径D1より小さいエンドミルやテーパエンドミルの他、ボールエンドミルなどのエンドミル全般において、その効果は同様に発揮できるものである。
【0039】
【発明の効果】
本発明は上記の様に構成されており、外周切れ刃の長さを短くするなどのエンドミルの仕様を変えることなく、しかも切り屑排出性等の特性も低下させることなく、耐折損性を高めることができるエンドミルの構成が実現できた。こうしたエンドミルの構成では、各種被削材および加工形態に最適な自由な設計をすることができ、その何れの設計においても、耐折損性の向上に有効であり、しかも容易に且つ安価に製造することができる。また、例えば心厚を大きくするなどの方法で剛性を向上させたエンドミルでは、溝切削や切込みの大きい切削の場合、切り屑排出性が悪くなり、切削中に過大な負荷がかかり折損する場合があるのに対し、本発明のエンドミルでは、それぞれの加工に適した心厚設計ができるため、切り屑排出性不良による切削抵抗の増加も生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエンドミル本体の外観を示す説明図である。
【図2】 図1のA−A線矢視断面図(刃部2の軸直角断面図)である。
【図3】 従来のエンドミルにおけるの刃部2の軸直角断面図(図2相当図)である。
【図4】 従来のエンドミルにおけるの円筒状部分6の軸直角断面形状を示す説明図(図5相当図)である。
【図5】 本発明のエンドミルにおけるの円筒状部分6の軸直角断面形状を示す説明図(図1のB−B線矢視断面図)である。
【図6】 従来のエンドミルにおける外周切れ刃に最も基端面側の逃げ面(不完全な逃げ面)の状態を示す説明図である。
【図7】 本発明のエンドミルにおける外周切れ刃に最も基端面側の逃げ面(不完全な逃げ面)の状態を示す説明図である。
【図8】 エンドミルの刃部2に溝研削用砥石を用いて溝を形成しつつ外周切れ刃を形成する状態を示す説明図である。
【図9】 形成された外周切れ刃と溝研削の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンドミルの基端面
2 切れ刃部
3 シャンク部
4 底刃部
5 ネック
6 円筒状部分
7 外周切れ刃
7a すくい面
8 切り屑排出溝
9 偏心逃げ面
10 溝面
11 ヒール
12 凹部形状
Claims (3)
- エンドミルの刃部の外周面には、偏心逃げ面と、その偏心逃げ面にほぼ接線状に連続しヒール部に段差がなく偏心逃げ面より曲率が小さい溝面と、外周切れ刃のすくい面に連続する切り屑排出溝が形成されており、前記偏心逃げ面と、該偏心逃げ面より曲率が小さい前記溝面を合わせた領域が、刃部の軸直角断面全域の角度にして、30〜70%を占める形状とされ、且つ外周切れ刃より基端面側で外周切れ刃とほぼ平行となっている円筒状部分の軸直角断面形状において、その円筒面と、その円筒面より反すくい面側の切り屑排出溝とをつなぐ部分が、凹部形状がない様に構成されていることを特徴とするエンドミル。
- 外周切刃部の基端面側の不完全な逃げ面の形状が、ほぼ平面に形成されたものである請求項1記載のエンドミル。
- 切り屑排出溝は、少なくともすくい面側を形成する溝と逃げ面側を形成する溝で構成され、前記逃げ面側を形成する溝の切上げ部の軸方向の長さが、すくい面側を形成する溝の切上げ部の軸方向の長さよりも短くなる様に構成されたものである請求項1又は2記載のエンドミル。
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