JP2549060B2 - 植生マットを用いた緑化工法 - Google Patents

植生マットを用いた緑化工法

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JP2549060B2
JP2549060B2 JP5345415A JP34541593A JP2549060B2 JP 2549060 B2 JP2549060 B2 JP 2549060B2 JP 5345415 A JP5345415 A JP 5345415A JP 34541593 A JP34541593 A JP 34541593A JP 2549060 B2 JP2549060 B2 JP 2549060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は植生マットを用いた緑化
工法に関し、更に詳しくは、袋状マットを連結して構成
した植生マットを、各袋状マットに形成された植生材料
注入用の開口部から軽量の有機質、無機質の植生基材と
種子とからなる植生材料を、例えば、乾式吹付け機を用
いて、低圧力の空気で圧入充填して、法面に敷設し、該
法面を緑化保護する乾式方式による植生マットを用いた
緑化工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】野
草、樹木等の種子を法面に導入して該法面を緑化保護す
るには、法面上に金網を張って、例えば、バーク堆肥、
ピートモス等の有機堆肥の植生基材を種子とともに少量
の水で混練して植生材料とした後、これを高圧で法面上
に吹付けする方法が取られているけれども、法面上に吹
付けた植生材料が流亡し易い。そのため、法面に導入す
る種子としては生育の早い牧草種子を植生基材と混合し
て法面上に播種したりする方法が取られている。しか
し、この場合、生育した牧草によって、法面が被圧を受
けるので、法面上に樹木が生育しなくなる。また、植生
基材に長繊維を混入する方法が行われているが、施工時
の装置が大がかりになり、しかも均一に混入するのが困
難で、確実に流亡を防止することが困難である。一方、
これら乾式方式による緑化工法に代わるものとして、水
を多量に含んだ植生材料を植生袋に注入する方法も提案
されているけれども、この湿式方式では水を多量に使用
するため施工性が悪く、例えば、植生材料を植生袋に注
入する際に使用されるポンプでは、注入率が4〜6(m
3 /日)であり、注入効率が劣り、作業性が悪かった。
【0003】本発明は以上のような問題に鑑みてなした
もので、その目的は、急勾配の法面への樹木、野草の種
子からの導入を植生材料の流亡が生じることなく確実に
行って法面を緑化保護できるとともに、植生生育基盤の
造成を施工性を向上しながら簡便で確実に行うことがで
きる植生マットを用いた緑化工法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】耐腐食性の糸が格子状に
織り込まれた補強部で囲まれた植生領域が腐食性の高い
糸で形成され、水練タイプの湿式方式を用いて前記腐食
性の高い糸の早期腐食化によって種子の発芽、発育、根
付けが行われている(実公昭63−828号公報)けれ
ども、植生領域における施工後初期の発育性、すなわ
ち、植生領域が腐食するまでの間の発育性を向上させる
ための補強部枠内の植生領域の目合いが以下の点で満足
なものではないことを本発明者は確認した。すなわち、
植生材料をポンプを用いて植生マットへ圧入充填する際
に、水を使用しているのでポンプの空気圧が大きく、強
度的に強い耐腐食性の糸を腐食性の高い糸に比して多く
植生マットの地部に使用する必要があるとともに、空気
が地部から抜け出ないように地部の目合いを詰んで密に
しなければならず、そのため、マメ科等二葉発芽種子で
も容易に発芽できるような発芽生育に好ましい目合いを
実現することは困難である。
【0005】これを克服するために本発明者は鋭意研究
の結果、水練を行わない乾式方式による植生マットを用
いた緑化工法を施せば、植生材料の圧入充填時における
ポンプの空気圧を上記公報で用いた湿式方式の場合に比
して極めて低くできる点に注目するとともに、空気が地
部から抜け出ないように地部の目合いを詰んで密にする
必要があるという上記公報と同様の立場から、上記公報
に使用された地部とは反対に、腐食性の高い糸を強度的
に強い耐腐食性の糸に比して多く地部に使用し、しかも
500〜1000デニールの太さを有する腐食性の高い
糸と、500〜1000デニールの太さを有する耐腐食
性の糸を用いて、少なくとも前記腐食性の高い糸を7c
m間に50〜80本配置することにより、地部の目合い
を詰んで密にすれば、植生領域における施工後初期の段
階でも植生マットに植生基材が入って行き、植生領域が
腐食するまでの間の発育性を向上できることを見出し
た。勿論、植生領域が腐食した後であっても植生領域の
目合いを前記腐食性の高い糸を7cm間に50〜80本
配置することにより、発芽生育に好ましい目合いに設定
してあるからマメ科等二葉発芽種子でも容易に発芽でき
る。
【0006】かくして、本発明は、腐食性の高い糸と耐
腐食性の糸を二重に織り込んで交織してなり植生領域を
有する地部をベースとする表、裏一対の網状体で袋状マ
ットを形成し、この袋状マットを連結してなる植生マッ
トを、各袋状マットに形成された植生材料注入用の開口
部から植生材料を充填して、法面に敷設し、該法面を緑
化保護する植生マットを用いた緑化工法であって、前記
耐腐食性の糸を袋状マットの連結方向および該連結方向
に直角な方向に格子状に連続的に織り込むことにより細
幅の補強帯を前記両方向にそれぞれ所定間隔で配置して
なる補強部と、前記補強帯同士が交差する位置を一重に
織り込むことにより配置された絞り部とを前記網状体に
形成して袋状マットを構成し、該袋状マットを細幅の仕
切部を介して連結して植生マットを形成し、前記連結方
向における植生マットの両端部を一重に織り込んで耳部
を形成し、更に、500〜1000デニールの太さを有
する糸を前記地部の腐食性の高い糸と耐腐食性の糸にそ
れぞれ用い、少なくとも前記腐食性の高い糸を7cm間
に50〜80本配置して前記補強部で囲まれた前記植生
領域を形成することからなる植生マットを用いた緑化工
法を提供する。
【0007】本発明の最大の特徴は、袋状マットのベー
スである網状体の地部に使用されている腐食性の高い糸
と耐腐食性の糸に、500〜1000デニールの太さを
有する糸をそれぞれ用い、少なくとも前記腐食性の高い
糸を7cm間に50〜80本配置して植生領域を形成し
た点にある。
【0008】本発明においては、補強部を構成する補強
帯の細幅h(図2参照)は1〜3cmが好ましく、補強
帯を袋状マットの連結方向および該連結方向に直角な方
向にそれぞれ7〜10cm間隔で配置して格子状に形成
され、この補強部枠内にそれぞれ植生領域1が形成され
ている。
【0009】すなわち、格子状に配置した1〜3cm幅
の補強帯7a,7a間の間隔としては、図2に示すよう
に、縦(袋状マットの連結方向)mおよび横(連結方向
に直角な方向)nを7〜10cmに設定するのが好まし
い。補強帯7a,7a間の間隔が7cm未満で植生領域
を形成すれば、地部の目合いが密になりすぎて植生領域
の目合いが過小となり、植生領域における施工後初期の
段階では植生マットに植生基材が入って行くのは難し
く、一方、10cmを越えて植生領域を形成すると、植
生材料の充填厚みが極大となり、客土量、植生材料費が
高くなったり、腐食性の高い糸が腐食した後には、植生
領域の目合いが過大となり、袋状マット内の植生材料の
保持性が低下したりするからである。
【0010】要するに、本発明では、植生材料の圧入充
填時におけるポンプの空気圧を極めて低くできるから、
地部に強度的に弱い腐食性の高い糸を強度的に強い耐腐
食性の糸に比して多く使用できるものであって、しかも
空気が地部から抜け出ないように地部の目合いを詰んで
密にしても腐食性の高い糸が多いから、法面を緑化保護
という観点から必要とされるマメ科等二葉発芽種子等の
野草、樹木の種子が容易に発芽できる。そのための地部
の形成条件として、500〜1000デニールの太さを
有する腐食性の高い糸および500〜1000デニール
の太さを有する耐腐食性の糸を使用し、補強帯7a,7
a間の間隔を7〜10cmとし、しかも腐食性の高い糸
を7cm間に50〜80本配置することにより、植生領
域1の目合いを発芽生育に最も好ましい目合いに設定す
るようにしたものである。
【0011】更に、仕切部を介して複数の袋状マットが
連続的に連結されて植生マットが形成され、各袋状マッ
トは、連結方向に40〜100cmの縦幅Jを有し、か
つ150〜200cmの横幅Pを有し、また、前記仕切
部は連結方向に1〜2cmの細幅Qを有して各袋状マッ
トの前記縦幅Jの40〜100cm毎に耐腐食性の糸が
一重に織り込まれてなり、更に、植生材料注入用の開口
部を、各袋状マットにおける耳部に形成されている。
【0012】本発明では、乾式吹付け機を用いて、袋状
マットに形成された植生材料注入用の開口部から、比重
が0.1〜0.5程度の植生基材と種子とからなる植生
材料を0.3〜0.5kg/m2 の低圧力の空気で圧入
充填するのが好ましい。
【0013】本発明に用いる腐食性の高い糸としては、
耐環境性に劣った早期腐食化容易な綿、麻等の天然繊
維、もしくはレーヨン、アセテート、キュプラ等のセル
ロース糸再生繊維が適しており、特に500〜1000
デニールの太さを有する糸が好ましい。また、これらの
中でも特に紡績糸が好ましい。これは、植生材料充填時
の材料流出防止および土壌との密着性が極めて良好とな
るからである。
【0014】本発明に用いる耐腐食性の糸としては、耐
環境性に優れ、長期にわたって耐久性のあるポリエステ
ル、ポリアミド、ポリエチレン、ナイロン、ビニロン等
の人造繊維が適しており、特に500〜1000デニー
ルの太さを有する糸が好ましい。
【0015】
【作用】500〜1000デニールの太さを有する腐食
性の高い糸と、500〜1000デニールの太さを有す
る耐腐食性の糸を用いて、少なくとも前記腐食性の高い
糸を7cm間に50〜80本配置することにより、地部
の目合いを詰んで密にして植生領域の目合いを発芽生育
に好ましい目合いに設定したので、植生領域における施
工後初期の段階でも植生マットに植生基材が入って行
き、植生領域が腐食するまでの間の発育性を向上でき
る。また、植生領域が腐食した後であっても植生領域の
目合いを前記腐食性の高い糸を7cm間に50〜80本
配置することにより、発芽生育に好ましい目合いに設定
してあるから法面を緑化保護するために必要とされる野
草、樹木の種子が容易に発芽できる。特に、水を使用し
ていないので植生マット(袋状マット)への圧力が少な
く強度的に弱い腐食性の糸を多く使用でき、発芽生育に
好ましい目合いに設定でき、法面の緑化保護の上で有利
なマメ科等二葉発芽種子も容易に発芽する。
【0016】また、袋状マットを仕切部を介して連結す
ることにより植生マットを形成したので、前記仕切部を
容易に細幅に設定できるから、植生袋同士を連結したも
のを法面に敷設した場合の植生袋間隔に比して、袋状マ
ット間の間隔を極めて小さくできるものであって、した
がって、法面に敷設した際の、法面を保護するという点
において、植生袋同士を連結したもののように前記間隔
により、べた張りを生じることがなく、法面表面を十分
保護できる。
【0017】また、以下の作用効果を有する。すなわ
ち、 (1) 水練を行わない乾式方式による植生マットを用
いた緑化工法が施されるので作業が早い。植生材料を植
生マットに注入する際に使用されるポンプでは、注入率
が4〜6(m3 /日)である従来に比して、8〜10
(m3 /日)であり、注入効率をアップできて作業性を
向上できる。 (2) 袋状マットで植生材料を保持するので、種子、
材料の流失、移動が全く無く、安定保持できる。 (3) 水練タイプの湿式方式に比較して植生材料注入
後の植生マットが軽量であり、柔軟性があり、地山への
密着性に優れている。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明はそれによって限定を受けるものではない。
図1〜図4において、植生マットを用いた緑化工法は、
腐食性の高い糸Fと耐腐食性の糸Tを二重に織り込んで
交織してなり、植生領域1を有する地部をベースとする
表、裏一対の網状体で形成された袋状マット2を連結し
てなる植生マット3を、各袋状マット2に形成された植
生材料注入用の開口部4から植生材料5を充填して、法
面6に敷設し、該法面を緑化保護するに際して、耐腐食
性の糸Tを袋状マット2の連結方向(A方向)および該
連結方向に直角なB方向に格子状に連続的に織り込むこ
とにより細幅の補強帯7aをA,B両方向にそれぞれ所
定間隔で配置してなる補強部7と、補強帯7a,7a同
士が交差する位置を一重に織り込むことにより配置され
た絞り部8とを網状体に形成して袋状マット2を構成
し、該袋状マットを細幅の仕切部9を介して連結して植
生マット3を形成し、A方向における植生マット3の両
端部3a,3aを一重に織り込んで耳部10を形成し、
更に、500〜1000デニールの太さを有する糸を前
記地部の腐食性の高い糸Fと耐腐食性の糸Tにそれぞれ
用い、腐食性の高い糸Fを7cm間に50〜80本配置
して補強部7で囲まれた植生領域1を形成することから
なる。
【0019】更に、腐食性の高い糸Fに耐腐食性の糸T
を交織させるに当たっては、図2に示すように、500
〜1000デニールの太さを有する耐腐食性の糸Tは、
A方向およびB方向に格子状に織られ、幅hが1〜3c
m幅の補強帯7aを形成しており、補強帯7a,7a
は、縦mおよび横nを7〜10cmとする格子枠の補強
部7を形成している。なお、20はアンカーである。
【0020】また、仕切部9と耳部10も500〜10
00デニールの太さを有する耐腐食性の糸Tで形成され
ており、補強部7、仕切部9、耳部10で、施工時の植
生マット3の強度を確保し、植生材料5の圧入充填時の
植生材料5の耐破裂性を維持するとともに、植生領域1
構成する腐食性の高い糸Fの腐食後の植生マット3の強
度および植生マット3の形態を長期にわたって確保し、
植生マット3内に充填された植生材料5の流失、崩落を
防止する。これら補強部7、仕切部9、耳部10は耐腐
食性の糸Tが多数本集まって高密度で織られて高い強度
を得ている。
【0021】また、袋状マット2を仕切部を介して連結
することにより植生マットを形成したので、仕切部9を
容易に1〜2cmの細幅に設定できるから、植生袋同士
を連結したものを法面に敷設した場合の植生袋間隔に比
して、袋状マット3,3,間の間隔を極めて小さくでき
るものであって、したがって、法面6に敷設した際の、
法面6を保護するという点において、植生袋同士を連結
したもののように前記間隔によりべた張りを生じること
がなく、法面表面を十分保護できる。
【0022】一方、補強部枠内に形成されている植生領
域1は、500〜1000デニールの太さを有する腐食
性の高い糸Fによって織られ、早期腐食化によって、種
子の発芽、発育、根付けが行われる。
【0023】この際、織りに当たっては、補強帯7a,
7a間の間隔を7〜10cmとし、500〜1000デ
ニールの太さを有する腐食性の高い糸Fを7cm間に5
0〜80本配置することにより、植生領域の目合いを発
芽生育に好ましい目合いに設定できる。
【0024】したがって、本実施例では、植生領域1に
おける施工後初期の段階でも植生マット3に植生基材G
が入って行き、植生領域1が腐食するまでの間の発育性
を向上できる。また、植生領域1が腐食した後であって
も植生領域1の目合いを腐食性の高い糸Fを7cm間に
50〜80本配置することにより、発芽生育に好ましい
目合いに設定してあるから法面6を緑化保護するために
必要とされる野草、樹木の種子が容易に発芽できる。特
に、水を使用していないので植生マット(袋状マット)
3への圧力が少なく強度的に弱い腐食性の糸Fを多く使
用でき、発芽生育に好ましい目合いに設定でき、法面6
の緑化保護の上で有利なマメ科等二葉発芽種子も容易に
発芽する。
【0025】また、本実施例では、袋状マット2内にそ
の植生材料注入用の開口部4に植生材料供給用ホース1
1を挿入することにより充填される植生材料5として
は、種子(野草、樹木等の種子)に対して、土壌、土壌
改良剤の他に、バーク、ピートモス、パーライト、バー
ミキュライト等の見かけの比重が0.1〜0.5程度の
植生基材Gを適宜混合したものが用いられる。
【0026】このような植生材料を得るには、例えば、
図5に示すように、植生基材GをコンベアVによって乾
式吹付け機(エアロシーダーを使用)12の攪拌タンク
13に供給するとともに、この攪拌タンク13に野草、
樹木等の上記種子を投入して、植生基材Gと種子とを充
分に攪拌混合する。そして、攪拌タンク13内で攪拌混
合された植生材料5を、ブロア14からの風により植生
材料送出部15から植生材料供給用ホース11で袋状マ
ット2内に充填する。
【0027】この際、植生材料送出部15からは植生材
料供給用ホース11を介して、植生材料5が、例えば、
0.3〜0.5kg/m2 の低圧力の空気で圧送され、
袋状マット2内に風圧で充填される。
【0028】このように植生材料供給用ホース11を直
接、開口部4に挿入する代わりに、施工対象である急勾
配の法面6の途中に、予め水平なステップ面6aを形成
しておき、その上下の法面にコンクリートまたはモルタ
ル16などよりなる複数の格子枠が形成されている場合
には、図5に示すように、前記ステップ面まで空の植生
マット3を予め持ち運んでおき、乾式吹付け機12によ
って植生材料5をポンプアップし、植生材料供給用ホー
ス11の先端に取り付けたノズル17を開口部4に挿入
することにより、植生材料5を各袋状マット2内に充填
することが可能である。この場合、ノズルとして、長さ
が60cm程度のものを用い、これを袋状マット2内に
深く突っ込んだ状態で植生材料5を充填し、この充填に
伴って徐々に袋状マット2の外にノズル17を引き出す
ようにすれば、植生材料5を効率よく充填することがで
きる。このようにして植生材料5が充填された袋状マッ
ト2を格子枠16内に適宜敷き詰める。
【0029】したがって、植生材料が充填された重い袋
状マットを急勾配の法面において作業員がかつぎ上げた
りする必要がなく、急勾配法面へ樹木、野草の種子を播
くことが、安全性並びに作業性を向上させながら、確実
に行える。
【0030】なお、植生材料5のポンプアップには、上
記以外の乾式吹付け機を用いてもよく、また、ミニクリ
ートポンプ等を用いてもよい。そして、急勾配の法面の
法の位置にまで植生材料5をポンプアップしてもよい。
さらに、植生材料5を袋状マット2内に充填するノズル
として、吹き出し口が二股状になったものを用い、2つ
の吹き出し口から交互に植生材料を袋状マット内に充填
するようにしてもよい。さらにまた、植生材料に若干の
水を混入し、袋状マット内への植生材料の充填時にほこ
り等が生じないようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、50
0〜1000デニールの太さを有する腐食性の高い糸
と、500〜1000デニールの太さを有する耐腐食性
の糸を用いて、少なくとも前記腐食性の高い糸を7cm
間に50〜80本配置することにより、地部の目合いを
詰んで密にして植生領域の目合いを発芽生育に好ましい
目合いに設定したので、植生領域における施工後初期の
段階でも植生マットに植生基材が入って行き、植生領域
が腐食するまでの間の発育性を向上できる。また、植生
領域が腐食した後であっても植生領域の目合いを前記腐
食性の高い糸を7cm間に50〜80本配置することに
より、発芽生育に好ましい目合いに設定してあるから法
面を緑化保護するために必要とされる野草、樹木の種子
が容易に発芽できる。特に、水を使用していないので植
生マット(袋状マット)への圧力が少なく強度的に弱い
腐食性の糸を多く使用でき、発芽生育に好ましい目合い
に設定でき、法面の緑化保護の上で有利なマメ科等二葉
発芽種子も容易に発芽する。
【0032】また、袋状マットを仕切部を介して連結す
ることにより植生マットを形成したので、前記仕切部を
容易に細幅に設定できるから、植生袋同士を連結したも
のを法面に敷設した場合の植生袋間隔に比して、袋状マ
ット間の間隔を極めて小さくできるものであって、した
がって、法面に敷設した際の、法面を保護するという点
において、植生袋同士を連結したもののように前記間隔
により、べた張りを生じることがなく、法面表面を十分
保護できる。
【0033】また、以下の作用効果を有する。すなわ
ち、 (1) 水練を行わない乾式方式による植生マットを用
いた緑化工法が施されるので作業が早い。植生材料を植
生マットに注入する際に使用されるポンプでは、注入率
が4〜6(m3 /日)である従来に比して、8〜10
(m3 /日)であり、注入効率をアップできて作業性を
向上できる。 (2) 袋状マットで植生材料を保持するので、種子、
材料の流失、移動が全く無く、安定保持できる。 (3) 水練タイプの湿式方式に比較して植生材料注入
後の植生マットが軽量であり、柔軟性があり、地山への
密着性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成説明図である。
【図2】上記実施例における要部構成説明図である。
【図3】上記実施例における緑化工法の作業過程を説明
するための要部構成説明図である。
【図4】上記実施例における緑化工法の作業過程を説明
するための要部構成説明図である。
【図5】上記実施例における緑化工法の作業過程を説明
するための全体構成説明図である。
【符号の説明】
1…植生領域、2…袋状マット、3…植生マット、4…
開口部、5…植生材料、6…法面、7…補強部、7a,
7a…補強帯、8…絞り部、9…仕切部、10…耳部、
F…腐食性の高い糸、T…耐腐食性の糸。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腐食性の高い糸と耐腐食性の糸を二重に
    織り込んで交織してなり植生領域を有する地部をベース
    とする表、裏一対の網状体で袋状マットを形成し、この
    袋状マットを連結してなる植生マットを、各袋状マット
    に形成された植生材料注入用の開口部から植生材料を充
    填して、法面に敷設し、該法面を緑化保護する植生マッ
    トを用いた緑化工法であって、前記耐腐食性の糸を袋状
    マットの連結方向および該連結方向に直角な方向に格子
    状に連続的に織り込むことにより細幅の補強帯を前記両
    方向にそれぞれ所定間隔で配置してなる補強部と、前記
    補強帯同士が交差する位置を一重に織り込むことにより
    配置された絞り部とを前記網状体に形成して袋状マット
    を構成し、該袋状マットを細幅の仕切部を介して連結し
    て植生マットを形成し、前記連結方向における植生マッ
    トの両端部を一重に織り込んで耳部を形成し、更に、5
    00〜1000デニールの太さを有する糸を前記地部の
    腐食性の高い糸と耐腐食性の糸にそれぞれ用い、少なく
    とも前記腐食性の高い糸を7cm間に50〜80本配置
    して前記補強部で囲まれた前記植生領域を形成すること
    からなる植生マットを用いた緑化工法。
  2. 【請求項2】 補強部が1〜3cm幅の補強帯を袋状マ
    ットの連結方向および該連結方向に直角な方向にそれぞ
    れ7〜10cm間隔で配置して格子状に形成され、該補
    強部枠内にそれぞれ植生領域が形成されている請求項1
    に記載の植生マットを用いた緑化工法。
  3. 【請求項3】 仕切部を介して複数の袋状マットが連続
    的に連結されて植生マットが形成され、各袋状マット
    は、連結方向に40〜100cmの縦幅を有し、かつ1
    50〜200cmの横幅を有し、また、前記仕切部は連
    結方向に1〜2cmの細幅を有して各袋状マットの前記
    縦幅の40〜100cm毎に一重に織り込まれてなり、
    更に、植生材料注入用の開口部が、各袋状マットにおけ
    る耳部に形成されている請求項1または請求項2に記載
    の植生マットを用いた緑化工法。
  4. 【請求項4】 乾式吹付け機を用いて、袋状マットに形
    成された植生材料注入用の開口部から、比重が0.1〜
    0.5程度の植生基材と種子とからなる植生材料を0.
    3〜0.5kg/m2 の低圧力の空気で圧入充填する請
    求項1ないし請求項3のいずれかに記載の植生マットを
    用いた緑化工法。
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