JPH1121897A - 緑化植生マット構成体 - Google Patents

緑化植生マット構成体

Info

Publication number
JPH1121897A
JPH1121897A JP19494497A JP19494497A JPH1121897A JP H1121897 A JPH1121897 A JP H1121897A JP 19494497 A JP19494497 A JP 19494497A JP 19494497 A JP19494497 A JP 19494497A JP H1121897 A JPH1121897 A JP H1121897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vegetation
greening
vegetation mat
mat
slope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19494497A
Other languages
English (en)
Inventor
Mamoru Sakuma
護 佐久間
Toshio Yonezawa
敏男 米澤
Kunio Yanagibashi
邦生 柳橋
Toshiaki Yamada
敏昭 山田
Norihiko Adachi
憲彦 足立
Shinichiro Ando
慎一郎 安藤
Mitsuo Taniguchi
美津男 谷口
Daisuke Toyohara
大介 豊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshoku Corp
Takenaka Komuten Co Ltd
Takenaka Doboku Co Ltd
Original Assignee
Nisshoku Corp
Takenaka Komuten Co Ltd
Takenaka Doboku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshoku Corp, Takenaka Komuten Co Ltd, Takenaka Doboku Co Ltd filed Critical Nisshoku Corp
Priority to JP19494497A priority Critical patent/JPH1121897A/ja
Publication of JPH1121897A publication Critical patent/JPH1121897A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 緑化基盤用コンクリートを用いた場合の植生
の安定化を図ることを目的とし、水流や波浪の影響を受
ける場所でも基盤が安定し、また、都市部での施工が可
能であり小規模の施工にも対応できる緑化植生マット構
成体を提供する。 【解決手段】 骨材7,…間に連続する空隙部8,…を
形成するよう骨材7,…を表面接着させて硬化体を形成
し、その空隙部8,…に主として保水材9,…を充填し
てなる緑化用ポーラスコンクリート2の表面に、植物の
種子、根株などと、有機質材、肥料、土壌改良材等とを
混合した植生基材5を薄い袋状体に収納した植生マット
3を敷設してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は法面の早期安定緑化
を図るための緑化植生マット構成体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、傾斜地等の法面の早期安定緑化を
図るための工法として、ポーラスコンクリートを用いた
緑化コンクリート植生工法が提案されている。この工法
では、内部に連続空隙を形成するように粒状の骨材をセ
メントペースト又はモルタルにて連結固化させたポーラ
スな緑化基盤用コンクリート層を法面上に形成し、その
空隙部に保水材を充填し、そのコンクリート層の上に金
網等を張設し、その上から植生基材の吹き付けがおこな
われていた。
【0003】上述の緑化基盤用コンクリートは、急傾斜
地や建物壁面での施工、設置は勿論のこと、植物栽培に
よる根の成長に耐える強度を有して法面に安定に定着す
る。そして、植物が健全な成長を遂げるために必要な空
間が、骨材間に形成される連続的な空隙によって提供さ
れる。また、植物の健全な生育のために必要な水分が、
上述の空隙に充填してある保水材によって確保される。
【0004】その保水材としては、短繊維類,発泡粒
子,土壌粒子,獣皮粉等が好ましく、例えばピートモ
ス,パルプ,綿,羊毛,羽毛等の天然繊維,ナイロン,
ポリエステル等の人造繊維,ウレタン,スチレン等の有
機高分子発泡体等々が挙げられるが、これら1種又は2
種以上の混合物であってもよい。また、このような保水
材はスラリー状として空隙に充填してもよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述した緑
化コンクリート植生工法では、水流や波浪の影響を受け
る河川流域等では、植物がある程度成長してコンクリー
トに根付いていれば、基盤の流亡を緩和ないしは防止す
ることができるが、施工後初期においては、水流や波浪
の影響を受けると基盤の流亡を防ぐことができなかっ
た。
【0006】また、都市部における施工では、植生基材
の吹き付け作業で大きな騒音が生じ、また、植生基材が
周囲に飛散する等の問題があるため、適用制限が生じる
ことがあった。
【0007】そして、比較的施工面積が小さい小規模の
施工においては、資材や機材の準備に手間取り、必ずし
も能率的ではなく、施工コストが割高になることがあっ
た。
【0008】本発明はこのような実情に鑑みてなされ、
緑化基盤用コンクリートを用いた場合の植生の安定化を
図ることを目的とし、水流や波浪の影響を受ける場所で
も基盤が安定し、また、都市部での施工が可能であり小
規模の施工にも対応できる緑化植生マット構成体を提供
することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するための手段を以下のように構成している。すなわ
ち、請求項1に記載の発明では、骨材間に連続する空隙
部を形成するよう、骨材を表面に接着させた硬化体の空
隙部に主として保水材を充填してなる緑化用ポーラスコ
ンクリートの表面に、植物の種子、根株などと、有機質
材、肥料、土壌改良材等とを混合した植生基材を薄い袋
状体に収納した植生マットを敷設してなることを特徴と
している。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明における前記薄い袋状体を構成する繊維素材の
一部が腐食して、目合いが拡大するように構成されてな
ることを特徴としている。
【0011】法面上に打設した緑化用ポーラスコンクリ
ートの上に植生マットを敷設したことにより、植生基材
が水流や波浪の影響を受けても流亡し難く、植物の生育
基盤が安定に定着し、浸食、吸い出しを確実に防ぎ、安
定な植生導入が図れる。
【0012】特に、傾斜が急な法面や水流、波浪の影響
を受けやすい河岸等での施工に際しては、植生マットを
アンカー等の止着具でコンクリート上に固定することに
より、より確実に流亡を免れる。なお、植生マットへの
基材の注入は現地でおこなわれてもよく、現地への搬入
前に予めおこなっておいてもよい。
【0013】また、一部が腐食して目合いが拡大するよ
うな袋状体で植生マットを構成することにより、施工後
初期の種子発芽性がきわめて良好となり、かつ、布帛の
一部が早期に腐食化することによって、発芽した植物の
生育、根付性を助け、より一層安定な早期緑化が可能と
なる。
【0014】都市部及び小面積の施工では、予め、植生
マットに基材を注入したものを持ち込むことで、周辺を
汚すことなく、スピーディな施工対応が実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の緑化植生マット構
成体の実施形態を詳細に説明する。図1は、施工時の一
例を示し、ビル等の建物21の周囲には、この建物21
の敷地を道路22及び歩道23と区別するための緑化植
生マット構成体よりなる緑化斜面体24が形成されてい
る。その緑化斜面体24は、図2にその断面を示すよう
に、法面上に地固め用のコンクリートを打設して法面形
成躯体1を形成し、その上に緑化用ポーラスコンクリー
ト2を打設してその表面に植生マット3を敷設し止め釘
(又はアンカー)6で固定してなる。なお、法面形成躯
体1を省いて緑化用ポーラスコンクリート2を直接法面
10上に打設してもよい。
【0016】上述の緑化用ポーラスコンクリート2は、
例えば図3,図4に示すように、骨材7間に連続する空
隙部8ができるような製造条件で融着固化されて矩形の
ブロック状に形成され、保水材9および必要に応じて肥
料がこの空隙部8に充填されるが、ブロック本来の機能
である強度を大きく低下させることはなく、また、緑化
基盤としての機能を持たせることができるのである。
【0017】骨材7の素材としては強度があり、かつ植
栽後に急激な変質劣化を伴わないものであれば特に限定
はないが、例えば普通砕石,ケツ岩,火山岩等の天然砕
石,高炉スラグ,耐火物の産業廃棄物,溶性燐肥の如き
緩効性肥料,その他人工骨材及びこれらの混合物が挙げ
られる。
【0018】また、その粒径も5mm〜40mmの範囲が好
ましい。骨材7の平均粒径が5mm以下の場合は、得られ
る連続空隙の大きさが小さく。根が成長しにくくなり、
骨材7の平均粒径が40mmを超える場合は、硬化体の強
度が低下する。
【0019】一方、上記骨材7を固結するためのバイン
ダーを用いる場合には、低アルカリセメントよりなる混
合セメント11(図5参照)を用いるのが好ましい。こ
こに言う低アルカリ型セメントとは、高炉B,C種セメ
ントや燐酸マグネシウム系のセメントなどのセメントと
セメントのアルカリ成分を固定化し、あるいは中和する
機能をもつ無機微粉末との混合物からなる混合セメント
のことである。
【0020】かかる無機微粉末としては、例えば、高炉
スラグ,フライアッシュ,アーウィン,シリカなどの微
粉末が挙げられ、それらは混合物であってもよい。すな
わち、これら微粉末は、セメントの水和により生じる水
酸化カルシウムや水酸化マグネシウムなどのアルカリ成
分を固定化し又は反応して中和して遊離アルカリを抑制
することができ、いわゆるアルカリ薬害を相乗的に除去
して、植物の生育に良好な条件を持つコンクリート基盤
を形成することができる。
【0021】上述の骨材7,…間に形成される空隙部
(連続空隙)8に充填される保水材9としては、上記の
空隙に充填可能な大きさの短繊維類,発泡粒子,土壌粒
子,獣皮粉であれば、特に限定はなく、例えば、短繊維
類としてはピートモス,パルプ,綿,羊毛,羽毛,ウス
ラナイト,セピオライト等の天然繊維,ナイロン,ポリ
エステル系,ポリアクリル系,ポリビニル系,スラグウ
ール,ガラスウール等の人造繊維,ウレタン,スチレ
ン,ポリエチレン,ポリプロピレン等の有機高分子発泡
体,焼成ケツ岩等の無機発泡体,鹿沼土,その他一般の
土壌粒子等が挙げられ、これらは1種類又は2種類以上
の混合物であってもよい。
【0022】また、肥料の使用については、特に限定は
ないが、例えば、上記保水材の充填時に粉末状もしくは
細粒の緩効性肥料を混合することにより、施肥を行うこ
とが挙げられる。この保水材を硬化体空隙部に充填させ
るには効率的な方法があれば特に限定はないが、例えば
スラリー状にして注入することが好ましい。
【0023】すなわち、上記の短繊維類,発泡粒子又は
土壌粒子の大きさを5mm以下に成型、粉砕又は切断する
ことによって、充填効率の高いスラリーを得ることがで
きる。このスラリー調整時に粘性を高める目的でポリア
クリルアミド,ポリエチレンオキサイド,ポリアクリル
ニトリル,メチルセルロース,カルボキシメチルセルロ
ース,ポリメタリン酸アルカリ,シリカゾル,ベントナ
イト等の粘度調整剤のうち1種類又は2種類以上の混合
物を使用することが望ましい。
【0024】上述の保水材の中で、特に、ピートモス
は、保水性が高く、またフミン酸など腐触した有機物を
含有しているので、保有する水のpHが約4の弱酸性を
示すことから、これを硬化体内部に入れることにより、
混合セメントから溶出するアルカリ成分を中和させると
共に保水性を効果的に付与させることができる。
【0025】保水材9を充填させた緑化用ポーラスコン
クリート2の表面に敷設する植生マット3は、植物の種
子、根株などと有機質材、肥料、土壌改良材等を混合し
てなる植生基材5を薄い袋状体に収納したものであり、
例えば、図4ないし図8に示されるような植生マット3
が好ましい。この植生マット3は、腐食性の高い糸Fと
耐食性の糸Tとを二重に織り込んで交織してなる表裏一
対の網状体よりなる袋状マット4を連結し、その各袋状
マット4の開口部41から内部に植生基材5を充填した
ものである。
【0026】より詳細には、耐腐食性の糸Tを袋状マッ
ト4の連結方向(A方向)および該連結方向に直角なB
方向に格子状に連続的に織り込むことにより細幅の補強
帯42をA,B両方向にそれぞれ所定間隔で配置してな
る補強部43と、補強帯42,42同士が交差する位置
を一重に織り込むことにより配置された絞り部44とを
網状体に形成して袋状マット4を構成し、該袋状マット
4を細幅の仕切部45を介して連結して植生マット3を
形成し、A方向における植生マット3の両端部31,3
1を一重に織り込んで耳部32を形成し、更に、500
〜1000デニールの太さを有する糸を前記地部の腐食
性の高い糸Fと耐腐食性の糸Tにそれぞれ用い、腐食性
の高い糸Fを7cm間に50〜80本配置して補強部43
で囲まれた植生領域46を形成している。
【0027】更に、腐食性の高い糸Fに耐腐食性の糸T
を交織させるに当たっては、図8に示すように、500
〜1000デニールの太さを有する耐腐食性の糸Tは、
A方向およびB方向に格子状に織られ、幅hが1〜3cm
幅の補強帯42を形成しており、補強帯42,42は、
縦mおよび横nを7〜10cmとする格子枠の補強部43
を形成している。
【0028】また、仕切部45と耳部32も500〜1
000デニールの太さを有する耐腐食性の糸Tで形成さ
れており、補強部43,仕切部45,耳部32で、施工
時の植生マット3の強度を確保し、植生基材5の圧入充
填時の袋状マット4の耐破裂性を維持するとともに、植
生領域46を構成する腐食性の高い糸Fの腐食後の植生
マット3の強度および植生マット3の形態を長期にわた
って確保し、植生マット3内に充填された植生基材5の
流失、崩落を防止する。これら補強部43,仕切部4
5,耳部32は耐腐食性の糸Tが多数本集まって高密度
で織られて高い強度を有している。
【0029】また、袋状マット4を仕切部45、…を介
して連結することにより植生マット3を形成したので、
その仕切部45を容易に1〜2cmの細幅に設定できるか
ら、従来のように、植生袋同士を連結したものを敷設す
る場合に比して、袋状マット4,4間の間隔を極めて小
さくできるものであって、従って、植生袋同士を連結し
たもののようにすき間が生じることがなく、法面表面を
十分保護できる。
【0030】一方、補強部枠内に形成されている植生領
域46は、500〜1000デニールの太さを有する腐
食性の高い糸Fによって織られ、早期腐食化によって、
種子の発芽、発育、根付けが行われる。この際、織りに
当たっては、補強帯42,42間の間隔を7〜10cmと
し、500〜1000デニールの太さを有する腐食性の
高い糸Fを7cm間に50〜80本配置することにより、
植生領域46の目合いを発芽生育に好ましい目合いに設
定できる。特に、従来の植生ネットとかマットでは発芽
に支障のあった、コヌギ,コナラ,カシ類等のいわゆる
ドングリのような大粒の種子の発芽を妨げることがな
い。
【0031】上述したような植生マット3に植生基材5
を充填するには、ブロアタイプの乾式吹付け装置(例え
ば商品名エアロシーダ)12またはスクイズ式ポンプを
用いて現地においてもきわめて作業性よくおこなうこと
ができる。この乾式吹付け装置12では、例えば図9に
示すように、種子を除いた植生基材5である植生基材G
をコンベアVによって攪拌タンク13に供給するととも
に、この攪拌タンク13に野草、樹木等の上記種子を投
入して、植生基材Gと種子とを充分に攪拌混合する。そ
して、攪拌タンク13内で攪拌混合された植生基材5
を、ブロア14からの送風により植生材料送出部15か
らノズル17付きのホース16を介して袋状マット4内
に充填する。この際、植生材料送出部15からはホース
16を介して、植生基材5が、例えば、0.3〜0.5
Kg/m2 の低圧力の空気で圧送され、袋状マット4内に
風圧で強制的に充填される。
【0032】充填された植生マット3はクレーン車25
(図1参照)で吊り上げて施工対象面に張り付けること
ができ、市街地等においても施工が可能となり、また、
小規模の施工であっても割安なコストで施工することが
可能となる。
【0033】また、図示は省略するが、未充填の植生マ
ット3を法面に打設した緑化用ポーラスコンクリート2
の上に予め敷設しておき、順次、ホース16を介して地
側の袋状マット4、…から植生基材5を作業性よく充填
してゆくこともできる。この場合、ノズル17の長さは
60cm程度のものを用い、これを袋状マット4内に深く
突っ込んだ状態で植生基材5を充填し、この充填に伴っ
て除々に袋状マット4の外にノズル17を引き出すよう
にすれば、植生基材5を効率よく充填することができ
る。
【0034】上述のように、腐食性の高い糸Fと耐食性
の糸Tとを適当な目合いで二重に織り込んでなる袋状マ
ット4,…を連結状に配列した植生マット4では、施工
後初期においても植生基材5が植生マット4内に入り込
み、植生領域46が腐食するまでの間に良好な発芽、生
育状態を確保できる。そして、植生領域46が腐食した
後は発芽生育に好ましい目合いを確保でき、その下部に
打設されている緑化用ポーラスコンクリート2の空隙部
8への根の進入が良好となり、早期に安定達成が可能と
なるのは勿論のこと(図10参照)、耐食性の繊維が残
るので、長期にわたり植生基盤の保護が達成される。ま
た、水流や波浪の影響を受けやすい水辺の施工(図13
参照)においても、浸食、吸い出しを確実に防ぐことが
でき、施工直後から確実な植生導入を達成でき、河川護
岸,ダム,湖の帯状裸地への施工も可能となる。
【0035】図11,図12は植生マット3の異なる例
を示し、この場合、例えば実公昭63−828号公報に
示されるように、植生マット3を構成する繊維素材の一
部が腐食して目合いが、例えば腐食前の100倍以上に
まで拡大されるように構成している。図11は布帛構成
を示す平面図であり、耐腐食性繊維と腐食性繊維を交織
するに当たり、耐腐食性繊維糸51は上下布帛の各連結
部53を通して、タテおよびヨコ方向に格子状に織ら
れ、高強力を有する補強部54を形成し、該補強部54
以外は腐食性繊維糸52によって織られる。
【0036】耐腐食性繊維糸51を使用した補強部54
および連結部53は、施工時のマット強度を確保し、植
生材料圧入充填時のマットの耐破裂性を維持するととも
に、腐食性繊維糸52の腐食後のマット強度およびマッ
ト形態を長期に渡って確保し、マット内に充填された植
生材料の流失、崩落を防止する。
【0037】この補強部54および連結部53は、耐腐
食性繊維糸51の多数本が集まって高密度で織られ、強
力70Kg以上のものとすることが好ましい。これらの部
分の強力が不足すると、施工時あるいは施工後の実用特
性面で強度的に不充分になる。また、上下布帛の各連結
部53の間隙、すなわち耐腐食性繊維糸51を使用した
補強部54の間隙はタテおよびヨコ方向のそれぞれ一辺
が10〜200mm幅を有するものが好ましい。
【0038】このような植生マット3によれば、施工後
初期の種子発芽性が極めてよく、かつ布帛の一部が早期
腐食化することによって(図12参照)、発芽した植物
の発育、根付性を助長し、緑化用ポーラスコンクリート
2への根付きが良好となり、かつ、露出した土壌への在
来種の播種性も向上させることができる。また、植生マ
ット3内に充填された土壌、植生材料等の植生基材5の
風雨等による流出、崩落も耐腐食性繊維によって防止す
ることができるため、長期にわたる法面保護効果を達成
するとともに、植生化および植生管理を容易にすること
ができる等の優れた効果が得られる。
【0039】なお、本発明の緑化植生マット構成体は、
上述の実施形態のものに限定されるものではなく、植物
の種子、根株等と、有機質材、肥料、土壌改良材等とも
混合した植生基材を収納できるものであればその素材や
形状の如何を問わず採用できるのはいうまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の緑化植生
マット構成体によれば、緑化用ポーラスコンクリートの
表面に植生基材を収納した植生マットを敷設するので、
水流や波浪の影響を受ける場所においても植生基盤を安
定化させることができ、河川護岸やダム、湖の帯状裸地
等での施工が可能となり、浸食、吸い出しを確実に防ぎ
確実に植生導入を図ることができる。また、都市部や小
面積の施工においても、予め植生マットに植生基材を注
入したものを搬入することによって、周辺を汚すことな
く、割安でスピーディに施工をおこなうことができる。
また、一部が腐食して目合いが拡大するような素材で植
生マットを形成すると、施工後初期の種子発芽性がきわ
めて良好となり、かつ布帛の一部が早期に腐食化するこ
とによって、発芽した植物の生育、根付性が助けられ、
早期安定緑化がより確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緑化植生マット構成体を建物の周囲に
施工した一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同緑化植生マット構成体の施工時の断面図であ
る。
【図3】同緑化用ポーラスコンクリートの斜視図であ
る。
【図4】同緑化植生マット構成体の拡大断面図である。
【図5】同異なる緑化植生マット構成体の拡大断面図で
ある。
【図6】同植生マットの一例を示す斜視図である。
【図7】同一部破断平面図である。
【図8】同植生マットの布帛の構成説明図である。
【図9】同植生マットに植生基材を充填している作業説
明図である。
【図10】同植物の生育状態を示す緑化植生マット構成
体の断面図である。
【図11】同異なる植生マットの布帛の構成説明図であ
る。
【図12】同異なる植生マットの一部が腐食した状態を
示す斜視図である。
【図13】同水辺の斜面に本発明の緑化植生マット構成
体を施工した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2…緑化用ポーラスコンクリート、3…植生マット、5
…植生基材、7…骨材、8…空隙部、9…保水材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米澤 敏男 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 柳橋 邦生 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 山田 敏昭 東京都中央区銀座8丁目21番1号 株式会 社竹中土木内 (72)発明者 足立 憲彦 東京都中央区銀座8丁目21番1号 株式会 社竹中土木内 (72)発明者 安藤 慎一郎 東京都中央区銀座8丁目21番1号 株式会 社竹中土木内 (72)発明者 谷口 美津男 岡山県津山市高尾590番地の1 日本植生 株式会社内 (72)発明者 豊原 大介 岡山県津山市高尾590番地の1 日本植生 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨材間に連続する空隙部を形成するよう
    骨材を表面接着させて硬化体を形成し、その空隙部に主
    として保水材を充填してなる緑化用ポーラスコンクリー
    トの表面に、植物の種子、根株などと、有機質材、肥
    料、土壌改良材等とを混合した植生基材を薄い袋状体に
    収納した植生マットを敷設してなることを特徴とする緑
    化植生マット構成体。
  2. 【請求項2】 前記薄い袋状体を構成する繊維素材の一
    部が腐食して、目合いが拡大するように構成されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の緑化植生マット構成
    体。
JP19494497A 1997-07-05 1997-07-05 緑化植生マット構成体 Pending JPH1121897A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19494497A JPH1121897A (ja) 1997-07-05 1997-07-05 緑化植生マット構成体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19494497A JPH1121897A (ja) 1997-07-05 1997-07-05 緑化植生マット構成体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1121897A true JPH1121897A (ja) 1999-01-26

Family

ID=16332936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19494497A Pending JPH1121897A (ja) 1997-07-05 1997-07-05 緑化植生マット構成体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1121897A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003017887A (ja) * 2001-06-29 2003-01-17 Takenaka Komuten Co Ltd 電磁波吸収基盤の製造方法
JP2010050141A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Chuo Electronics Co Ltd 電子機器収容キャビネット
CN107311688A (zh) * 2017-08-16 2017-11-03 李建州 一种用于公路边坡生态防护的多孔植被混凝土及其制备方法
CN110106830A (zh) * 2019-04-30 2019-08-09 湖北工业大学 一种有孔模袋混凝土生态护岸结构及施工方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003017887A (ja) * 2001-06-29 2003-01-17 Takenaka Komuten Co Ltd 電磁波吸収基盤の製造方法
JP2010050141A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Chuo Electronics Co Ltd 電子機器収容キャビネット
CN107311688A (zh) * 2017-08-16 2017-11-03 李建州 一种用于公路边坡生态防护的多孔植被混凝土及其制备方法
CN110106830A (zh) * 2019-04-30 2019-08-09 湖北工业大学 一种有孔模袋混凝土生态护岸结构及施工方法
CN110106830B (zh) * 2019-04-30 2020-11-27 湖北工业大学 一种有孔模袋混凝土生态护岸结构及施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107893422B (zh) 一种加固型生态护坡结构及其施工方法
CN105340614B (zh) 一种硬质边坡格构生态绿化结构及方法
CN109329259A (zh) 一种用于水土保持的团粒胶囊喷播植物措施方法
CN212641481U (zh) 一种山体多元矩阵生态修复结构
JP2001115454A (ja) 自然植生導入法面保護壁および自然植生導入法面保護工法
JPH11323938A (ja) 緑化工法
CN108934581A (zh) 一种模块式边坡绿化的结构及方法
JPH1121897A (ja) 緑化植生マット構成体
JP2001011838A (ja) 緑化工法
CN111395367A (zh) 一种用于山区高速石质边坡的植被混凝土绿化结构及方法
JPS61183521A (ja) 法面の植生基盤安定工法
JP2007224507A (ja) 法面緑化工法
CN206189418U (zh) 一种短丝加筋生态草灌毯护坡
JP3332349B2 (ja) 緑化護岸材
JP3398018B2 (ja) 緑化養生シート構成体
JP6811470B2 (ja) 護岸用マット、護岸用緑化構造体及び護岸工法
CN212129175U (zh) 一种用于山区高速石质边坡的植被混凝土绿化结构
JPH0988038A (ja) 緑化工法と可撓性護岸材
CN208191519U (zh) 模块式边坡绿化的结构
JP2021130991A (ja) 法面用植生基盤材
CN110419373A (zh) 高陡岩质和砼处理坡面的植被恢复方法
JPH0819330A (ja) 土壌繊維を用いた補強土及び植生工法並びに土壌繊維からなる補強土用資材及び植生基盤素材
JPH10183636A (ja) 護岸法面などの緑化工法
JPS58189425A (ja) 斜面安定工法
CN217811103U (zh) 一种公路、铁路或山体护坡柔性网喷砼及锚杆固定防护结构