JP2549004Y2 - 刃先位置調整式工具ホルダ - Google Patents

刃先位置調整式工具ホルダ

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JP2549004Y2
JP2549004Y2 JP1990042667U JP4266790U JP2549004Y2 JP 2549004 Y2 JP2549004 Y2 JP 2549004Y2 JP 1990042667 U JP1990042667 U JP 1990042667U JP 4266790 U JP4266790 U JP 4266790U JP 2549004 Y2 JP2549004 Y2 JP 2549004Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は工具ホルダに関するものであり、特に、切削
工具の工作機械への取付精度および保持剛性が高く、し
かも刃先位置の調整が可能な工具ホルダに関するもので
ある。
従来の技術 工具ホルダの一種に、切削工具保持部を有するホルダ
本体と、工作機械の工具取付部に固定されて前記ホルダ
本体を脱着可能に保持するアダプタとを備え、それらホ
ルダ本体とアダプタとが直線状の案内溝とそれに対応す
る直線状の案内突部とにおいて互いに嵌合するととも
に、クランプ装置によって互いに固定されるものがあ
る。例えば、実公平1-23683号公報に記載された工具ホ
ルダがそれである。この工具ホルダは、ホルダ本体に案
内突部が形成されるとともにアダプタに案内溝が形成さ
れており、ホルダ本体に切削工具を取り付けた状態で案
内突部を案内溝に嵌合させ、かつ、アダプタ内に設けら
れたクランプ装置によりホルダ本体をアダプタ側へ引き
付けて固定するものである。したがって、ホルダ本体と
アダプタとの案内溝の幅方向における相対移動および案
内溝の長手方向および幅方向と直交する直線まわりの相
対回動が阻止され、ホルダ本体に支持された切削工具を
精度よく、しかも高い保持剛性をもって工作機械に取り
付けることができる。
上記工具ホルダにおいて、ホルダ本体とアダプタとの
案内溝の長手方向における相対移動は、ホルダ本体に固
定のブロックに螺合されたボルトの先端部がアダプタの
端面に当接することにより規制されるようになってお
り、ボルトのブロックからの突出量を変えることによ
り、案内溝の長手方向におけるホルダ本体とアダプタと
の相対位置を変化させて、切削工具の刃先位置の調整を
行うことができるようになっている。
考案が解決しようとする課題 しかしながら、上記のようなボルトの当接による位置
決めは案内溝と案内突部との係合による位置決めに比較
して精度が悪く、剛性も低いため、切削工具の案内溝の
長手方向における取付精度および保持剛性が幅方向に比
較して低くなってしまうという問題があった。特に、案
内溝の長手方向を被加工物の半径方向にせざるを得ない
場合には、ホルダ本体とアダプタとの取付誤差がそのま
ま切削誤差につながるため、被加工物の加工精度が低下
してしまうという問題があった。
本考案は上記問題に鑑み、案内溝の長手方向において
もホルダ本体とアダプタとの取付精度および保持剛性が
高く、しかも切削工具の刃先位置の調整が可能な工具ホ
ルダを得ることを課題として為されたものである。
課題を解決するための手段 そして、本考案の要旨は、切削工具保持部を有するホ
ルダ本体と、工作機械の工具取付部に固定されてホルダ
本体を脱着可能に保持するアダプタとが直線状の第一案
内溝とそれに対応する直線状の第一案内突部とにおいて
互いに嵌合するとともに、クランプ装置によって互いに
固定される工具ホルダにおいて、(a)ホルダ本体とア
ダプタとの第一案内溝および案内突部が形成された側の
面にそれぞれ形成され、第一案内溝と交差しかつ互いに
斜めに交差する直線状の第二案内溝または突部および直
線状の第三案内溝または突部と、(b)それら第二案内
溝または突部および第三案内溝または突部にそれぞれ対
応する形状を有し、それらと嵌合する直線状の第二案内
突部または溝および直線状の第三案内突部または溝を備
えて前記ホルダ本体とアダプタとの間に介在させられる
係合部材と、(c)その係合部材を第二,第三案内溝ま
たは突部の長手方向に移動させてホルダ本体のアダプタ
に対する第一案内溝に沿った方向の相対位置を変える係
合部材移動装置とを含む刃先位置調整装置を設けたこと
にある。
ここにおいて、「直線状の第二案内溝または突部」は
「直線状の第二案内溝または直線状の第二案内突部」を
意味し、他の「直線状の第三案内溝または突部」,「直
線状の第二案内突部または溝」,「直線状の第三案内突
部または溝」についても同様である。また、案内溝や案
内突部が「交差する」なる用語は、実際に交差する場合
は勿論、立体交差する場合および延長線が交差する場合
をも含むものとする。
作用 上記のように構成された工具ホルダにおいては、ホル
ダ本体とアダプタとの間に係合部材が介在させられ、そ
の係合部材の第二案内突部または溝および第三案内突部
または溝が、ホルダ本体とアダプタとに形成された第二
案内溝または突部および第三案内溝または突部に嵌合さ
れる。したがって、ホルダ本体とアダプタとが、第一案
内溝と第一案内突部との係合によって第一案内溝の幅方
向において位置決めされるとともに、第二案内溝または
突部と係合部材の第二案内突部または溝との係合、およ
び第三案内溝または突部と係合部材の第三案内突部また
は溝との係合によって、第一案内溝の長手方向において
位置決めされる。そして、クランプ装置によってホルダ
本体とアダプタとが固定される。
また、第二案内溝または突部と第三案内溝または突部
とは互いに斜めに交差しているので、係合部材移動装置
により係合部材を第二,第三案内溝または突部の長手方
向に移動させれば、ホルダ本体とアダプタとの第一案内
溝の長手方向における相対位置が変わる。
考案の効果 上記のように、本考案の工具ホルダにおいては、ホル
ダ本体とアダプタとの第一案内溝の長手方向および幅方
向の相対移動と、それら長手方向および幅方向と直交す
る直線のまわりの相対回動とのすべてを、異なる方向に
延びる3組の案内溝と案内突部との係合によって阻止す
ることができる。したがって、ホルダ本体がアダプタに
強固に固定され、切削工具の取付精度および保持剛性が
高められ、加工精度が向上させられるとともにびびりの
発生が良好に回避される。びびりの発生が回避されれ
ば、加工精度が向上し、かつ、切削工具の寿命が長くな
る。
しかも、第一案内溝の長手方向におけるホルダ本体と
アダプタとの相対位置を変化させることができるため、
ホルダ本体に保持された切削工具の刃先位置の調整を第
一案内溝の長手方向において行うことができる。
実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第8図および第9図において、10は工作機械の第一回
転軸であり、12は同じく第二回転軸である。第二回転軸
12が図示しないベアリングを介して装置フレームに回転
可能に支持され、第一回転軸10はベアリング14を介して
別のフレーム15に回転可能に支持されており、回転軸1
0,12が相対回転可能とされている。第7図に示すよう
に、これら第一回転軸10の回転軸線Aと第二回転軸12の
回転軸線Bとは偏心させられている。第二回転軸12の先
端には半径方向外向きに延びるフランジ16が形成されて
おり、面盤18がボルトにより固定されている。面盤18の
中央には第二回転軸12と同心の貫通穴20が形成されてお
り、第一回転軸10の先端に形成された半径方向外向きの
フランジ22が貫通穴20内に収容されている。
フランジ22の端面24には、帯板状のベース26が取り付
けられている。ベース26は第一回転軸10の軸線Aを中心
として面盤18の直径方向に延びており、中央部に形成さ
れた突部28が第一回転軸10の軸方向穴30に嵌合されると
ともに複数本のボルトにより第一回転軸10に固定され
て、第一回転軸10と一体的に回転するようにされてい
る。
第7図から明らかなように、本工作機械は4つの工具
ホルダ32,34,36および38を備えている。工具ホルダ32と
工具ホルダ34とは互いに向き合った状態で面盤18に固定
されており、工具ホルダ36と工具ホルダ38とは互いに向
き合った状態でベース26に固定されている。したがっ
て、工具ホルダ32,34が第二回転軸12と一体的に回転
し、工具ホルダ36,38が第一回転軸10と一体的に回転す
るようになっている。
工具ホルダ32は、第1図に示すように、ホルダ本体40
とアダプタ42とを備えており、ホルダ本体40の先端部に
は、切削工具たるバイト44を保持する工具保持部45が形
成されている。バイト44は切刃46を有する刃部48と軸部
50とから成っており、第4図に拡大して示すように、工
具保持部45の回転軸10,12の軸方向(以下、単に軸方向
という)に形成された軸方向穴52に嵌合されている。ま
た、工具保持部45には、軸方向穴52と平行に延びる雌ね
じ穴54と、それら穴52,54と直交する半径方向穴56とが
形成されている。軸方向穴52と雌ねじ穴54とは底部にお
いて共に半径方向穴56に連通しており、雌ねじ穴54には
調整ボルト58が螺合されている。調整ボルト58の一端に
は半径方向穴56内において係合部材60が一体的に固定さ
れており、バイト44の軸部50が係合部材60の端面に当接
することにより、バイト44の軸方向穴52への挿入深さが
規定される。調整ボルト58の他端には六角穴62が形成さ
れており、バイト44を軸方向穴52に挿入した状態で、六
角レンチ等の工具を六角穴62に係合させて調整ボルト58
を螺進,螺退させて軸方向位置を変更することにより、
バイト44の軸方向の刃先位置を調整し得るようになって
いる。バイト44の軸部50には面取り部64が形成されてお
り、ピン68が軸方向穴52と交差して配設されてその外周
面が面取り部64に密着させられることにより、バイト44
の軸方向穴52内での回転が阻止されている。さらに、一
対のボール付ねじ66が面取り部64に直角に締め込まれて
面取り部64に圧接されることによって、バイト44の軸方
向穴52内での移動が阻止される。
また、第3図に示すように、ホルダ本体40のアダプタ
42と対向する側の端面70には、直線状の第一案内溝72が
形成されている。第一案内溝72は面盤18の半径方向に延
びており、向かい合う一対の側壁面74が端面70に向かっ
て広がるテーパ溝とされている。
一方、アダプタ42は、端面78に形成された突条80が面
盤18の溝82に嵌合することにより面盤18に位置決めさ
れ、ボルトによって固定されている。アダプタ42のホル
ダ本体40側の端面84には、第一案内溝72に対応する第一
案内突部86が形成されている。第一案内突部86の一対の
側壁面88は第一案内溝72の両側壁面74に対応するテーパ
を有しており、ホルダ本体40がアダプタ42に取り付けら
れ、端面70と端面84とが密着した状態では各側壁面74,8
8がそれぞれ密着して、第一案内溝72と第一案内突部86
とが締り嵌合するようになっている。
第1図に示すように、ホルダ本体40の第一案内溝72の
底面には、第一案内溝72と直角に立体交差して直線状に
延びる角溝90とアリ溝である第二案内溝92とが形成され
るとともに、アダプタ42の第一案内突部86の頂面には、
第一案内突部86と実際に交差して延びる直線状の第三案
内溝94が形成されている。第二案内溝92と第三案内溝94
とは互いに2〜6°程度の比較的小さい角度で立体交差
している。第二案内溝92の両側壁面98は底部側ほど互い
に離隔する斜面とされており、第三案内溝94の両側壁面
100は底部側ほど互いに接近する斜面とされている。
ホルダ本体40とアダプタ42との間には第一係合部材
(以下、単に係合部材という)102が介在させられてい
る。係合部材102は、角溝90に緩く嵌合可能な矩形板状
の本体部103と、第二および第三案内溝92,94にそれぞれ
嵌合可能な第二案内突部104および第三案内突部106とを
備えている。第二案内突部104および第三案内突部106は
それぞれ、第二案内溝92および第三案内溝94にそれぞれ
対応した断面形状を有している。係合部材102の第二案
内突部104と第二案内溝92の一方の側壁面98との間には
シム108が挿入されており、ホルダ本体40にねじ110が締
め込まれることにより、第二案内突部104と第二案内溝9
2との隙間が除去されるようになっている。
第2図に示すように、ホルダ本体40の端面70から一対
の凹部112が形成されている。凹部112は第二案内溝92の
加工の都合上形成されたものであり、軸方向に深く延び
ている。ホルダ本体40両側面にはこれら凹部112に連通
する一対の貫通穴114,116が形成されており、貫通穴114
内にはナット118が保持されている。ナット118はねじ部
材120に螺合されるとともに、ホルダ本体40に固定され
た押さえ板122により軸方向に移動不能とされており、
押さえ板122から突出した部分の外周面には、工具係合
用の面取り部124が形成されている。ねじ部材120の一端
は係合部材102に締め込まれており、ねじ部材120と係合
部材102とが一体的に移動するようになっている。した
がって、ナット118の面取り部124にスパナ等の工具を係
合させ、押さえ板122に付けられた図示しない目盛を見
ながらナット118を回転させれば、ねじ部材120と共に係
合部材102が移動させられ、係合部材102の位置調節を行
うことができる。一方、貫通穴116は押さえ板129により
閉塞されており、貫通穴116内において係合部材102の他
端部と押さえ板129との間にコイルスプリング130が配設
されて、係合部材102が常時ナット118側へ付勢され、ね
じ部材120のバックラッシュが除かれている。本実施例
においては、ナット118,ねじ部材120,コイルスプリング
130等が係合部材移動装置を構成しているのである。
さらに、第3図に示すように、ホルダ本体40には、第
一案内溝72の中央部から軸方向に延びる軸方向穴132が
形成されており、クランプシャフト134が嵌合されてい
る。クランプシャフト134は大径の頭部136と軸部138と
から成っており、頭部136がアダプタ42に第一案内突部8
6と平行に形成された係合溝140に係合可能とされてい
る。また、軸部138には軸方向に沿って平面取りが施さ
れており、この面取り部141にはクランプシャフト134と
斜めに交差する係合溝142が形成されている。一方、ホ
ルダ本体40には軸方向穴132と部分的に干渉し合う状態
で直角方向に延びる嵌合穴144が形成されており、第二
係合部材(以下、単に係合部材という)146がクランプ
シャフト134の軸方向と直交する方向に移動可能に嵌合
されている。係合部材146には係合突部148が形成されて
おり、係合溝142に係合させられている。したがって、
係合部材146が嵌合穴144内を移動することにより係合突
部148の係合溝142との係合位置が変化するが、係合部材
146はクランプシャフト134の軸方向の移動を阻止されて
いるため、クランプシャフト134が軸方向穴132内を進退
させられる。また、嵌合穴144の両端部は雌ねじ穴150,1
51に連通している。雌ねじ穴150には、頭部と軸部とに
それぞれ互いにねじの方向が異なる雄ねじ部152,153が
形成されたねじ部材154の雄ねじ部152が螺合されてい
る。ねじ部材154の雄ねじ部153は係合部材146に螺合さ
れている。また、雌ねじ穴151にはプラグ155が螺合され
て、係合部材146の移動限度が規制されている。
したがって、ねじ部材154が回転させられれば、係合
部材146が嵌合穴144内を移動し、クランプシャフト134
がホルダ本体40から突出,後退させられる。この際、ね
じ部材154の雄ねじ部152と雄ねじ部153とは前述のよう
に互いに逆方向のねじ部とされているため、ねじ部材15
4を比較的少量回転させるだけで、クランプシャフト134
を大きく突出,後退させることができる。
上記のように構成された工具ホルダ32において、バイ
ト44の切刃46の刃先位置調整は次のようにして行われ
る。
ホルダ本体40をアダプタ42に取り付けたまま工作機械
上で調整を行う場合には、まず、ねじ部材154を回転さ
せてクランプシャフト134をホルダ本体40から突出さ
せ、第一案内溝72と第一案内突部86との締り嵌合を解い
た後、ねじ部材154を逆回転させて第一案内溝72と第一
案内突部86とが緩く嵌合した状態とする。次に、押さえ
板128に付けられた図示しない目盛を見ながらナット118
を回転させ、係合部材102を移動させる。それにより、
ホルダ本体40が第一案内溝72に沿って、つまり工作機械
の半径方向に相対移動させられ、バイト44の切刃46の刃
先位置が調整される。調整後、ねじ部材154をさらに回
転させてクランプシャフト134をホルダ本体40内に引き
込み、第一案内溝72と第一案内突部86とを締り嵌合させ
れば、第一案内突部86と第一案内溝72の両側壁面74、第
二案内突部104と第二案内溝92の一方の側壁面98および
第三案内突部106と第三案内溝94の両側壁面100がそれぞ
れ密着し、ホルダ本体40とアダプタ42とが第一案内溝72
の長手方向と幅方向との両方について強固に位置決めさ
れる。
また、ホルダ本体40をアダプタ42から取り外して工作
機械外で刃先位置の調整を行う場合には、工作機械上で
調整を行う場合よりもねじ部材154を多く回転させてク
ランプシャフト134をホルダ本体40から大きく突出さ
せ、アダプタ42の第三案内溝94から係合部材102の第三
案内突部106を離脱させる。そして、ホルダ本体40を第
一案内溝72に沿って移動させてアダプタ42から離脱さ
せ、工作機械から取り外す。そして、ナット118を回転
させて係合部材102とホルダ本体40との位置を調整し、
係合部材102をホルダ本体40に固定した後、再びホルダ
本体40をアダプタ42に取り付ける。係合部材102とホル
ダ本体40との位置を決めておけば、ホルダ本体40とアダ
プタ42との位置が必然的に決まるのである。その後、ね
じ部材154を逆回転させてクランプシャフト134をホルダ
本体40内に引き込めば、ホルダ本体40とアダプタ42とが
固定される。
工具ホルダ34は、第8図から明らかなように、切刃15
6を有するバイト158を保持しており、工具ホルダ32に保
持されたバイト44と共に被加工物Wの溝W1の加工を行う
ものであるが、工具ホルダ32と同一の構造であるため、
同様の部材に同一の符号を付し、詳細な説明は省略す
る。
一方、工具ホルダ36のホルダ本体160は、第9図から
明らかなようにベース26に取り付けられている。ベース
26のホルダ本体160に対向する部分は、第6図に示すよ
うに、第一案内突部86,第三案内溝94等が形成された工
具取付部162とされており、ホルダ本体160の基部164が
工具取付部162に取り付けられるようになっている。こ
れら工具取付部162および基部164は工具ホルダ32のホル
ダ本体40およびアダプタ42と同様であるため、同様の部
材に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
ホルダ本体160の上部にはまた、第5図に示すように
ホルダ本体40と同様に工具保持部166が設けられてお
り、先端部に直線状の切刃168を有する切削工具たるバ
イト170が取り付けられている。バイト170は第9図に示
すように被加工物Wの座ぐり部W2の加工を行うものであ
り、この座ぐり部W2の座面W3は、中心穴W4の内周面と直
角で被加工物Wの端面W5と平行であることが要求され、
かつ、座面W3と端面W5との寸法公差が厳しい。
ホルダ本体160の基部164と工具保持部166との間に
は、第5図に示すように、すり割り溝172が形成されて
いる。すり割り溝172はバイト170の切刃168およびホル
ダ本体160の第一案内溝72と平行に形成されており、そ
の結果、基部164と工具保持部166とが弾性変形部174に
より連結された状態となっている。弾性変形部174はす
り割り溝172の先端部とホルダ本体160の側壁176とのほ
ぼ中間点、すなわち、すり割り溝172の延長線とバイト1
70のほぼ軸心との交点Pを中心として弾性変形可能とさ
れており、基部164と工具保持部166とが点Pを中心とし
て相対回動可能となっている。
工具取付部166には、第6図に示すように、軸方向に
延びてすり割り溝172へ貫通する一対の雌ねじ穴178が形
成されており、各雌ねじ穴178にはそれぞれボール付ね
じ180が螺合されている。ボール付ねじ180は、回転させ
られることにより雌ねじ穴178内を螺進し、先端のボー
ルが基部164のすり割り溝172に面して圧入された硬質の
ブロック182に当接するようになっている。したがっ
て、ボール付ねじ180の螺進量が増大すればすり割り溝1
72が拡開する方向に弾性変形部174が弾性変形させら
れ、工具保持部166に保持されたバイト170の切刃168が
点Pを中心とする円弧軌跡Qを描きながら第5図におい
て右方へ回動させられる。切刃168はこの円弧軌跡Qに
接する方向に延びている。なお、雌ねじ穴178の開口側
に形成された座ぐり穴184の座面には、ボール付ねじ180
の回転範囲を示す目盛186(第7図参照)が設けられて
いる。また、ホルダ本体160の雌ねじ穴178を挟んで両側
には、すり割り溝172を閉じる方向に作用する一対のボ
ルト188が設けられており、ボール付ねじ180の螺進終了
後に締め付けられて、工具保持部166と基部164とを強固
に固定する。
上記のように構成されたホルダ本体160にバイト170を
取り付ける場合には、バイト44の場合と同様に、調整ボ
ルト58により軸方向穴52への挿入深さを調整することに
よって切刃168の軸方向位置を調整するとともに、方向
の調整を行う。目盛186を見ながらボール付ねじ180を螺
進,螺退させ、切刃168が被加工物Wの端面W5に正確に
平行となるようにするのであるが、切刃168は弾性変形
部174が一定量弾性変形した状態で端面W5と平行になる
ように形成されている。上記方向の調整に伴って切刃16
8の半径方向の位置も変わるため、半径方向の位置は最
終的に、ナット118の操作によりホルダ本体160を第一案
内突部86に沿って移動させることにより調整する。
切削中に切刃168にかかる切削抵抗は、ボール付ねじ1
80およびブロック182を介して基部164により受けられ、
ボール付ねじ180のブロック182からの浮き上がりはボル
ト188によって阻止されるため、切刃168の回動が防止さ
れ、切刃168の端面W5に対する平行度が維持される。本
実施例においては、ボール付ねじ180,ブロック182およ
びボルト188が切刃方向調節装置を構成しているのであ
る。ただし、ボール付ねじ180は弾性変形部174の弾性変
形によってブロック182に押し付けられているため、ボ
ルト188は省略することも可能である。
切削加工を行ううちに切刃168が摩耗して被加工物W
の端面W5に対する平行度が低下した場合には、切刃方向
調整装置により弾性変形部174の弾性変形量を調整すれ
ば、切刃168が円弧軌跡Qに沿って回動し、再び切刃168
を端面W5と平行な状態にすることができる。この際、切
刃168の半径方向位置が変化するため、ナット118の操作
による半径方向位置の再調整を行う必要があるが、切刃
168の方向が円弧軌跡Qの接線方向と一致させられてい
るため、切刃168の方向が微小量調整させられても切刃1
68の軸方向の位置が殆ど変化せず、軸方向位置の再調整
を行う必要はない。
第9図に示すように、工具ホルダ38は位置決めブロッ
ク190によりベース26に位置決めされるとともに、ボル
トによりベース26に固定されている。工具ホルダ38の工
具ホルダ36と対向する側には、第一回転軸10の回転中心
Aと同心にチップ保持部192が形成されており、先端部
には切削工具たるチップ194が取り付けられている。チ
ップ194は、被加工物Wの中心穴W4の中ぐり加工を行う
ものであり、第一回転軸10の回転に伴って工具ホルダ36
と共に回転させられる。
以上のように構成された切削加工装置において、第一
および第二の回転軸10,12が同速で回転させられるとと
もに、両回転軸10,12と被加工物Wとが軸方向に相対移
動させられることによって、工具ホルダ32,34のバイト4
4,158により被加工物Wの溝W1の加工が行われ、工具ホ
ルダ36のバイト170により座ぐり部W2の加工が行われる
とともに、工具ホルダ38のチップ194により中心穴W4
中ぐり加工が行われる。溝W1と座ぐり部W2とは偏心して
形成されるため、溝W1と座ぐり部W2との一部が重なり合
って、被加工物Wに三日月状の突部W6が形成される。
なお、付言すれば、上記実施例においては、ホルダ本
体40に第一案内溝72が形成され、アダプタ42に第一案内
突部86が形成されていたが、ホルダ本体に第一案内突部
を、アダプタに第一案内溝を形成することも可能であ
る。
また、上記実施例においては、工具ホルダ32,34およ
び36に第二,第三案内溝92,94が形成され、係合部材102
に第二,第三案内突部104,106が形成されていたが、第1
0図および第11図に示すように、ホルダ本体200に第一案
内溝202と直交する第二案内溝204を、また、アダプタ20
6の第一案内突部208の上端に第三案内突部210をそれぞ
れ形成し、係合部材212にそれら第二案内溝204および第
三案内突部210と嵌合する第二案内突部214および第三案
内溝216を形成してもよい。なお、係合部材212を移動さ
せるための係合部材移動装置の図示は省略されている。
また、前記実施例において、第二案内溝92は第一案内
溝72と立体交差し、第三案内溝94は実際に交差する状態
で形成されていたが、第二,第三溝または突部の延長線
が第一案内溝や突部と交差または立体交差するようにす
ることも可能である。第12図および第13図の実施例にお
いては、ホルダ本体220の第一案内溝222の側部に第二案
内突部224が、アダプタ226の第一案内突部228の側部に
第三案内溝230がそれぞれ形成され、係合部材232に第二
案内溝234および第三案内突部236が形成されている。な
お、係合部材232を移動させる係合部材移動装置はアダ
プタ236の内部に形成されるのであるが、図示は省略さ
れている。
さらに、工具ホルダに第二,第三案内突部を形成し、
係合部材に第二,第三案内溝を形成してもよい。
その他、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を
施した態様で、本考案を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例である刃先位置調整式工具ホ
ルダを含む切削工具装置を示す正面断面図であり、第2
図は上記装置の平面図(一部断面)である。第3図は上
記装置の側面断面図であり、第4図は上記装置の一部を
示す側面断面図である。第5図は本考案の別の実施例で
ある刃先位置調整式工具ホルダを含む切削工具装置を示
す正面図(一部断面)であり、第6図は同じく部分側面
断面図である。第7図は第1図および第5図の切削工具
装置を含む切削工具装置群を示す正面図であり、第8図
は第7図のVIII-VIII断面図,第9図は同じく第7図のI
X-IX断面図である。第10図は本考案の別の実施例である
刃先位置調整式工具ホルダを概略的に示す正面断面図で
あり、第11図は第10図のXI-XI断面図である。第12図は
本考案のさらに別の実施例である刃先位置調整式工具ホ
ルダを概略的に示す正面断面図であり、第13図は第12図
の装置の側面図である。 32,34,36:工具ホルダ 40:ホルダ本体、42:アダプタ 45:工具保持部、72:第一案内溝 86:第二案内溝、92:第二案内溝 94:第三案内溝、102:第一係合部材 104:第二案内突部、106:第三案内突部 118:ナット、120:ねじ部材 130:コイルスプリング 134:クランプシャフト、140:係合溝、144:嵌合穴 146:第二係合部材、160:ホルダ本体 162:工具取付部、200:ホルダ本体 204:第二案内溝、206:アダプタ 210:第三案内突部、212:係合部材 214:第二案内突部、216:第三案内溝 220:ホルダ本体、224:第二案内突部 226:アダプタ、230:第三案内溝 232:係合部材、234:第二案内溝 236:第三案内突部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】切削工具保持部を有するホルダ本体と、工
    作機械の工具取付部に固定されて前記ホルダ本体を脱着
    可能に保持するアダプタとが直線状の第一案内溝とそれ
    に対応する直線状の第一案内突部とにおいて互いに嵌合
    するとともに、クランプ装置によって互いに固定される
    工具ホルダにおいて、 前記ホルダ本体と前記アダプタとの前記第一案内溝およ
    び案内突部が形成された側の面にそれぞれ形成され、第
    一案内溝と交差しかつ互いに斜めに交差する直線状の第
    二案内溝または突部および直線状の第三案内溝または突
    部と、 それら第二案内溝または突部および第三案内溝または突
    部にそれぞれ対応する形状を有し、それらと嵌合する直
    線状の第二案内突部または溝および直線状の第三案内突
    部または溝を備えて前記ホルダ本体とアダプタとの間に
    介在させられる係合部材と、 その係合部材を前記第二,第三案内溝または突部の長手
    方向に移動させて前記ホルダ本体の前記アダプタに対す
    る前記第一案内溝に沿った方向の相対位置を変える係合
    部材移動装置と を含む刃先位置調整装置を設けたことを特徴とする刃先
    位置調整式工具ホルダ。
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