JP2548951B2 - 四段同時伸縮ブーム部分 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、クレーン又は高所作業車に用いられる四
段同時伸縮ブーム部分に関するものである。

（従来の技術） 基端側の第１ブームセクション内に順次先端側の第
２、第３、第４ブームセクションを伸縮自在に嵌挿して
なる四段同時伸縮ブーム部分は、既に公知である。この
公知の四段像時伸縮ブーム部分を、第３図に基づいて説
明する。

第３図において、四段同時伸縮ブーム部分は、基端側
の第１ブームセクション１内へ順次先端側の第２、第
３、第４ブームセクション2,3,4を伸縮自在に嵌挿して
構成されている。第１、第２、第３および第４ブームセ
クション1,2,3,4は何れも中空矩形断面形状に構成され
ている。第１ブームセクション１と第２ブームセクショ
ン２間には、第１ブームセクション１に対して第２ブー
ムセクション２を伸縮駆動するための伸縮用油圧シリン
ダ５が介装されている。また、隣接する各ブームセクシ
ョン間には、伸縮用油圧シリンダ５による第１ブームセ
クション１に対する第２ブームセクション２の伸長動
を、第３および第４ブームセクション3,4に伝達し、各
第２、第３および第４ブームセクション2,3,4を同時に
同量宛伸長駆動するための伸長同調装置が介装されてい
る。この伸長同調装置は、滑車又は鎖車並びにワイヤー
ロープ又は鎖を具備している。すなわち、一端を第１ブ
ームセクション１の先端部に止着され第２ブームセクシ
ョン２の先端部に設けた滑車又は鎖車６に懸け回した上
でその他端を第３ブームセクション３の基端部に止着し
たワイヤーロープ又は鎖７、および一端を第２ブームセ
クション２の先端部に止着され第３ブームセクション３
の先端部に設けた滑車又は鎖車８に懸け回した上でその
他端を第４ブームセクション４の基端部に止着したワイ
ヤーロープ又は鎖９を具備している。

また、隣接する各ブームセクション間には、伸縮用油
圧シリンダ５による第１ブームセクション１に対する第
２ブームセクション２の縮小動を、第３および第４ブー
ムセクション3,4に伝達し、各第２、第３および第４ブ
ームセクション2,3,4を同時に同量宛縮小駆動するため
の縮小同調装置が設けられている。この縮小同調装置
は、第２ブームセクション２および第３ブームセクショ
ン３の各基端部に設けた滑車10,11、一端を第１ブーム
セクション１の先端部に止着されそこから前記滑車10を
経て第３ブームセクション３の基端部に止着されたワイ
ヤーロープ12、および、一端を第２ブームセクションの
先端部に止着され前記滑車11を経て第４ブームセクショ
ン４の基端部へ止着したワイヤーロープ13とで以って構
成されている。

このような構成を持つ四段同時伸縮ブームは、伸縮用
油圧シリンダ５を伸縮駆動することにより第２、第３、
第４ブームが同時に同量宛伸縮駆動されるものである。

（従来技術の問題点） ところで、上記の如き縮小同調装置をもつ従来の四段
同時伸縮ブーム部分は、その縮小同調装置が複雑である
という問題点があった。すなわち、従来の縮小同調装置
は、そのワイヤーロープ12,13を個別に設ける必要があ
り、そのためこれらワイヤーロープ12,13の張設状態を
個別に調整する必要があり、その調整作業が面倒であっ
た。また、第３ブームセクション３の基端部に滑車又は
鎖車を設けねばならず、その取り付けが面倒であるとい
う問題点があった。

本発明は、四段同時伸縮ブーム部分における従来の縮
小同調装置が持つ上記問題点を解決した新規な四段同時
伸縮ブーム部分を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明の四段同時伸縮ブーム部分は、上記問題点を解
決するために、次の如く構成する。

基端側の第１ブームセクション内に順次先端側の第2,
第3,第４ブームセクションを伸縮自在に嵌挿してなる四
段同時伸縮ブーム部分、特に、第１ブームセクションと
第２ブームセクション間に油圧シリンダを介装すると共
に、この油圧シリンダによる第１ブームセクションに対
する第２ブームセクションの伸長動を、滑車又は鎖車並
びにワイヤーロープ又は鎖を具備する伸長同調装置を介
して順次先端側の第３、第４ブームセクションに伝達
し、各第２、第３、第４ブームセクションが同時に同量
宛伸長駆動されるよう構成してなる四段同時伸縮ブーム
部分において、第１ブームセクションの先端部における
第１ブームセクションと第２ブームセクションの上側板
間にその側面が第２ブームセクションの上側板と略平行
となるようにして第１ブームセクションに取り付けて一
対の第１ブームセクション先端滑車を設け、第２ブーム
セクションの基端部上側板上にそのワイヤーロープ折返
し溝が第２ブームセクションの上側板と略平行となるよ
うにして取り付けたワイヤーロープ折返し案内具を設
け、第２ブームセクションの基端部内側両側にその上側
外縁が第１ブームセクションと第２ブームセクションの
上側板間に位置する如く取り付けた左右一対の第２ブー
ムセクション基板滑車を設け、一端を第４ブームセクシ
ョンの適所に止着したワイヤーロープを、前記第２ブー
ムセクション基端滑車の一方、 前記第１ブームセクション先端滑車の一方、前記折返
し案内具、前記第１ブーム先端滑車の他方、 前記第２ブームセクション基端滑車の他方の順に経過
させた後その他端を第４ブームセクションの適所に止着
して張設すると共に、前記一対の第１ブームセクション
先端滑車は、少なくともその一方が第１ブームセクショ
ンの長手方向に位置調整可能に構成してあることを特徴
とする四段同時伸縮ブーム部分。

（作用） 以上の如く構成した本発明の四段同時伸縮ブーム部分
は、基端側の第１ブームセクションに対する第２ブーム
セクションの縮小動を連続する一本のワイヤーロープに
より直接最先端ブームセクションに伝達し、これを縮小
駆動させるものであるから、この連続する一本のワイヤ
ーロープの張設状態の調整作業は、極めて簡単になるば
かりでなく、第３ブームセクションの基端部に滑車又は
鎖車を設ける必要がなく構造が簡単になるのである。

（実施例） 以下本発明の実施例を図面に従って説明する。

本発明は上述した如く従来の四段同時伸縮ブーム部分
における縮小同調装置（第３図において符号10〜13から
構成される部分）を改良したところに特徴があるもので
あるから、その他の構成については、第３図に示し従来
技術として説明した符号１〜９を、以下の説明にそのま
ま援用する。

第１図において、14,15は、第１ブームセクション１
の先端部における第１ブームセクション１と第２ブーム
セクションの上側板間に設けた一対の第１ブームセクシ
ョン先端滑車である。これら一対の第１ブームセクショ
ン先端滑車14,15は、その側面が第２ブームセクション
２の上側板と略平行となるようにして第１ブームセクシ
ョン１に取り付けられている。これら第１ブームセクシ
ョン先端滑車14,15の第１ブームセクション１への取付
けは、次の如くなされている。すなわち、 第１ブームセクション先端滑車14,15を回転自在に支
承した支示ブラケット16から第１ブームセクション先端
方向に突設したネシ棒17を、第１ブームセクション１先
端部における上側板から下方に延出したブラケット18に
挿通しネジ棒17の外端部にナット19を配すと共に、前記
支持ブラケット16を第１ブームセクション１の上側板に
突設した長孔を通過する締付ボルト20によって第１ブー
ムセクション１の上側板に締付けるようにしている。こ
のような第１ブームセクション先端滑車14,15の取り付
け構成は、これら滑車14,15を第１ブームセクション１
の長手方向に位置調節可能としている。

21は、第２ブームセクション２の基端部上側板上にそ
のワイヤーロープ折返し溝22が第２ブームセクション２
の上側板と略平行となるようにして取り付けたワイヤー
ロープ折返し案内具である。

23,24は、第２ブームセクション２基端部内側両側に
取り付けられた左右一対の第２ブームセクション基端滑
車であり、これら滑車23,24は、その上側外縁が第１ブ
ームセクション１と第２ブームセクション２の上側板間
に位置する如く取り付けられている。

25は、ワイヤーロープであって、その一端を第４ブー
ムセクション４基端部一側に止着26され、そこから、第
２ブームセクション基端滑車23,24の一方の滑車23、第
１ブームセクション先端滑車14,15の一方の滑車14、折
返し案内具21、第１ブームセクション先端滑車14,15の
他方の滑車15、第２ブームセクション基端滑車23,24の
他方の滑車24の順に経過させた後、その他端を第４ブー
ムセクション４の基端部他側に止着27している。

上記構成によれば、ワイヤーロープ25は、折返し案内
具21から第４ブームセクション４の基端部一側の止着26
に到る部分、および折返し案内具21から第４ブームセク
ション４の基端部他側の止着27に到る部分が、夫々第１
ブームセクション先端滑車14,15と第２ブームセクショ
ン基端滑車23,24間で一往復しているので、今、第１ブ
ームセクション１に対して第２ブームセクション２が縮
小動すると、この縮小動の２倍の距離だけワイヤロープ
25が、第２ブームセクション基端滑車23,24を経て最先
端の第４ブームセクション４を第２ブームセクション２
に対して縮小方向に引き込むのである。この引き込み
は、伸長同調装置とバランスを取りながら行われるので
ある。

ワイヤーロープ25の調整は、第１ブームセクション先
端滑車14,15を、第１ブームセクション１の長手方向に
位置調節することで容易に行うことができる。この位置
調節は、ボルト20を緩めた上でナット19により行うので
ある。

尚、上記実施例においては、第１ブームセクション先
端滑車14,15の双方を一体的に第１ブームセクション１
の長手方向に位置調節できるように構成しているが、第
１ブームセクション先端滑車15を第１ブームセクション
に固定配設した上で、第１ブームセクション先端滑車14
のみを移動調節しうるよう構成しても良い。

（効果） 以上の如く構成し作用する本発明の四段同時伸縮ブー
ム部分は、縮小を同調させるためのワイヤーロープの張
設状態の調整作業が簡単であり、且つ、第３ブームセク
ションの基端部に滑車又は鎖車を設ける必要がないので
構造が簡単であるという効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施した四段同時伸縮ブーム部分の一
実施例の平面図、第２図は第１図のＸ−Ｘ断面図であ
る。 第３図は従来の四段同時伸縮ブーム部分の説明図であ
る。 1;第１ブームセクション、 2;第２ブームセクション、 3;第３ブームセクション、 4;第４ブームセクション、 14,15;第１ブームセクション先端滑車、 21;折返し案内具、 23,24;第２ブームセクション基端滑車、 25;ワイヤーロープ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基端側の第１ブームセクション内に順次先
   端側の第２、第３、第４ブームセクションを伸縮自在に
   嵌挿してなる四段同時伸縮ブーム部分、特に、第１ブー
   ムセクションと第２ブームセクション間に油圧シリンダ
   を介装すると共に、この油圧シリンダによる第１ブーム
   セクションに対する第２ブームセクションの伸長動を、
   滑車又は鎖車並びにワイヤーロープ又は鎖を具備する伸
   長同調装置を介して順次先端側の第３、第４ブームセク
   ションに伝達し、各第２、第３、第４ブームセクション
   が同時に同量宛伸長駆動されるよう構成してなる四段同
   時伸縮ブーム部分において、第１ブームセクションの先
   端部における第１ブームセクションと第２ブームセクシ
   ョンの上側板間にその側面が第２ブームセクションの上
   側板と略平行となるようにして第１ブームセクションに
   取り付けた一対の第１ブームセクション先端滑車を設
   け、第２ブームセクションの基端部上側板上にそのワイ
   ヤーロープ折返し溝が第２ブームセクションの上側板と
   略平行となるようにして取り付けたワイヤーロープ折返
   し案内具を設け、第２ブームセクションの基端部内側両
   側にその上側外縁が第１ブームセクションと第２ブーム
   セクションの上側板間に位置する如く取り付けた左右一
   対の第２ブームセクション基端滑車を設け、一端を第４
   ブームセクションの適所に止着したワイヤーロープを、
   前記第２ブームセクション基端滑車の一方、 前記第１ブームセクション先端滑車の一方、前記折返し
   案内具、前記第１ブーム先端滑車の他方、 前記第２ブームセクション基端滑車の他方の順に経過さ
   せた後、その他端を第４ブームセクションの適所に止着
   して張設すると共に、前記一対の第１ブームセクション
   先端滑車は、少なくともその一方が第１ブームセクショ
   ンの長手方向に位置調整可能に構成してあることを特徴
   とする四段同時伸縮ブーム部分。