JP2548655Y2 - ドレン排出装置 - Google Patents

ドレン排出装置

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JP2548655Y2
JP2548655Y2 JP6946192U JP6946192U JP2548655Y2 JP 2548655 Y2 JP2548655 Y2 JP 2548655Y2 JP 6946192 U JP6946192 U JP 6946192U JP 6946192 U JP6946192 U JP 6946192U JP 2548655 Y2 JP2548655 Y2 JP 2548655Y2
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光史 岡田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、食品工業、化学工業、
医薬品工業、或いは宇宙ステーション等に好適なドレン
排出装置に関し、詳しくは、例えば空気圧縮機(コンプ
レッサー)から所定の配管を経てエアツールや端末機器
に圧縮空気を供給する過程において、その空気中に含ま
れる水分や油分(ドレン)などを除去するために用いら
れるエアドライヤで、凝縮、分離されて発生するドレン
を外部に排出するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のドレン排出装置(以下、
単に「装置」ともいう)の代表的なものとしてはフロー
ト式のものがよく知られている。これに対して本願出願
人は、多孔質体のバブルポイント圧を利用した装置(特
開平3−140699、同4−187201)を提案し
ている。これは、内部に、ドレンの導入口と排出口との
間を仕切る形で、バブルポイント圧が導入口の受けるガ
スの圧力より大きい多孔質体を設けることで構成したも
のである。
【0003】この装置は、多孔質体の細孔内に浸透(吸
収)したドレンを排出(押出)してガスを通過させるた
めには、導入口が受けるガス圧の方が、毛細管現象によ
るドレンの吸収力を上回る圧力すなわち多孔質体のバブ
ルポイント圧より大きくなければならない、ということ
を利用したものである。この装置によれば、導入口が受
けるガス圧の方が多孔質体のバブルポイント圧より小さ
い限り、ガス漏れを起こすことなく、ドレンは連続して
多孔質体の細孔内に浸透していき、導入口側と排出口側
との圧力差により押出されるようにしてその細孔内を通
過し、連続的かつ自動的に排出口より排出される。した
がって、この装置は、フロート式のものと異なり、機械
的な可動部分のない単純な構造のものであるにもかかわ
らず、ドレンを自動的かつ連続的に排出でき、しかも、
排出時の飛散や騒音がない等の優れた効果を有してい
る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところで、ドレン中に
含まれている油が、多孔質体に付着し、細孔に入ると、
目詰まりを起こし、経時的に、多孔質体におけるドレン
の通過面積(細孔)の減少を来してしまい、主たるドレ
ンである水の排出能力を低下させてしまう。こうした課
題に対して、上記特開平3−140699号公報記載の
技術においては格別の配慮はされていない。つまり、従
来の装置では、混在する油が浮上、分離されない状態の
下で排出がされると、多孔質体の濡れ面の全体に亘って
油が付着することになり、その結果、水の排出(透水)
性能の低下を招き易く、装置としての信頼性や寿命の点
での問題があった。
【0005】一方、特開平4−187201号公報記載
の技術においては、多孔質体を油用と水用とに上下に分
けるなどの工夫をしているが、ドレンの時間流量や、水
と油の構成比の不定などにより、例えば、ドレンの液面
レベルが低下したり、油分が予想以上に多かったりする
ことがあり、水用の多孔質体に油が付着してしまうとい
った問題があった。こうした問題に対して、多孔質体の
周囲に、仕切り部材ないし隔壁状の、いわばオイルフェ
ンスを配置することも提案しているが、ドレンの滞留な
いし流動作用に伴い、油がオイルフェンスを潜り抜けて
多孔質体に接することは避けられない。
【0006】とりわけ、ドレンが、油の乳化された、い
わゆるエマルジョンとなっているものを含む場合には、
その油分(油の微細な粒子)の浮上速度が遅いために、
ドレン中の水の排出(流出)過程で、油分が円滑に上部
に集まらず、したがって、水に溶け込んだ油が多孔質体
に接し易く、したがって、細孔を塞いでしまい、排水能
力の低下を来し易いといった問題があった。そして、こ
うした問題により、上記した性能の低下を加味し、安全
係数を大きく設定する必要から、従来は多孔質体(通水
面積)を大きくせざるを得ず、装置の大形化を招いてい
るとの指摘もあった。このように、上記公報記載の技術
は、如上のメリットのあるものの、耐油性能の点におけ
る信頼性などの点で、今一歩であった。本考案は、上記
した問題点を解決し、長期間に亘って初期の排出能力の
維持できる信頼性の高いドレン排出装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本考案による第1の手段は、内部にはドレンの導入
口と排出口との間を仕切って多孔質体が設けられるとと
もに、その多孔質体はバブルポイント圧が前記導入口が
受けるガスの圧力より大きく設定され、また、前記多孔
質体と前記導入口との間にドレン溜めを備えてなる、圧
縮空気等の圧縮ガスに含まれるドレンを排出するための
ドレン排出装置において、上記ドレン溜めに、ドレンに
混在する油を毛細管作用により上部に吸上げる油吸上げ
手段を設けたものである。
【0008】また、第2の手段は、前記第1の手段にお
ける上記ドレン溜めに対して、前記導入口と多孔質体と
の間を仕切る仕切り部材を、その上端部がドレンの液面
より上となる配置で設け、また、その仕切り部材と前記
導入口との間に、ドレンに混在する油を毛細管作用によ
り上部に吸上げる油吸上げ手段を、その上端部が前記仕
切り部材の下端部より上となる配置で設けたものであ
る。なお、両手段において、油吸上げ手段は、疎水性を
備えたものとすると、油を選択的に吸上げることができ
るので好ましく、また、その場合、連続多孔を備えた多
孔質体から成るものとすると、油の吸上げ効率が一層向
上する。
【0009】
【作用】上記の構成により、本装置のドレンの導入口が
例えばエアドライヤのドレン排出口に接続され、それが
運転(稼動)されると、凝縮、分離されて発生するドレ
ンは、所定の空気圧を受けつつ本装置内に導入口から流
入する。流入したドレンは、ドレン溜めに溜まり、多孔
質体の細孔内に浸透していき、その空気圧によって押し
出されるようにして通過し、排出口から排出される。こ
の排出過程において、上記の第1の手段では、ドレン溜
め中の油及び油粒子を含むドレンは、油吸上げ手段に至
ると毛細管作用によって吸い込まれる。そして、吸い込
まれたドレン中の油は水より比重が小さいので、差圧に
よって次第に上方に押し上げられ、上部において解放
(吐出)され、ドレンの液面上において油の層となって
展開し、下部の水と分離される。これにより、ドレン溜
めにおいては、油が、油吸上げ手段のない従来の装置に
おける自然的に浮上、分離されるにすぎない場合に比
べ、効率的に上部に集められ、多孔質体の細孔が全体に
亘って油で塞がれるのが有効に防止される。とりわけ、
油のある上部の領域より、下方に対して、導入口と排出
口との間を仕切る多孔質体を配置する構成とすれば、そ
の細孔が塞がれることが一層、有効に防止される。
【0010】また、第2の手段では、仕切り部材を有し
ているので、ドレン溜めに流入したドレンは、その下部
を潜り抜けて多孔質体に至る。このとき、油よりも水の
方が比重が大きい分、優先的に潜り抜けるから、ドレン
溜めにおける仕切り部材と導入口との間は油分が多くな
る。したがって、ドレン溜めに流入した油が直接多孔質
体に付着することが防止される上に、上記した油吸上げ
手段による作用により、油は仕切り部材の下端部よりも
上方において解放され、上部に集められるから、細孔が
油で塞がれるといったことの防止に効果的である。
【0011】さらに、油吸上げ手段を、疎水性を備えて
成るものとすると、それが水に濡れることなく油を選択
的に吸上げる作用を果たす。とくに、疎水性を有する連
続多孔を備えた多孔質体から成るものとすると、油の吸
上げ効率がよく、したがってドレン流量が大きい場合で
も、ドレン溜めにおいて、油は積極的に上部に集めら
れ、下部(層)の水とよく分離される。
【0012】
【実施例】次に本考案に係る装置を具体化した実施例に
ついて、図1ないし図2を参照して詳細に説明する。本
例において、装置本体(以下、本体という)1は、有底
の円筒状に形成され、上部には、蓋2がその下部周縁に
リングパッキン3を介して気密状に取着されている。た
だし本例では、蓋2の下部外周に形成されたねじに、本
体1の上端部外周に周設されたフランジを介して、袋ナ
ット4を螺締することで取着されている。そして、この
蓋2の一方の側(図1左側)にはドレンの導入口5を備
えており、管路6を介して蓋2の下面に開口されてい
る。また、蓋2の他方の側(図1右側)には排出口7を
備え、中央下面に開口している。なお、本例では、導入
口5及び排出口7には配管接続のため管用テーパーねじ
加工が施されている。
【0013】また、蓋2の中央下端には、後述するセラ
ミック製で円筒状の多孔質体8が上下端面部にリングパ
ッキン9,9を介して垂下状に配置され、その下端面部
側を円盤状のフランジ10を介してその上面により持ち
上げる形で保持し、その中央にボルト11を通し、蓋2
下部中央のねじ孔に螺締し、蓋2と多孔質体8、さらに
多孔質体8とフランジ10との間を気密状に保持してい
る。また、多孔質体8の外周面にはフェルト12が張設
され、多孔質体8への油分等の付着を防止している。
【0014】一方、多孔質体8の外側には、導入口5と
多孔質体8とを仕切る仕切り部材13が、蓋2の下面に
対して多孔質体8と同心状に垂設されている。この仕切
り部材13は、本例では、多孔質体8のほぼ上端部から
下端部を覆う拡径部13aと、拡径部13aの下端部の
有孔底13bを介して拡径部13aに連続する縮径部1
3cとを備え、さらに、縮径部13cの下端部は、カッ
プ状に形成された底蓋13dが接着され、該部を閉鎖し
ている。ただし、仕切り部材13の上端部は流入するド
レンの液面Eより上となるように設定されている。そし
て、拡径部13aの下端部及び底蓋13dの側面13e
の上端との間に、また、有孔底13b及び底蓋13dの
間には、それぞれ間隙K1,K2が設けられ、また、縮
径部13cには貫通孔14が設けられており、これら間
隙K1,K2及び貫通孔14によってドレンの流通経路
が形成されている。なお、拡径部13aの上端のやや下
側には、空気抜きとしての貫通孔15が設けられてい
る。
【0015】さて、次に本例装置の要部を構成する、ド
レンに混在する油を上部に集める油吸上げ手段をなす油
吸上げ部材16について説明するが、本例では、この油
吸上げ部材16は、疎水性かつ親油性を有し、かつ連続
多孔を有する多孔質体から成るもので、詳しくは次記す
るが細長板状をなし、ドレン溜めDの底部に載置された
ストレーナー状の上げ底板17に下端部を取着して、上
下方向に、適宜の配置で起立状態にして、多数(20
本)配設されている。ただし、ドレン溜めDに設けられ
た仕切り部材13と導入口5との間で、上端部が、仕切
り部材13の上端部とほぼ同じレベルとなるようにして
設けられている。なお、本例における油吸上げ部材16
は、ポリフッ化ビニリデン製のシート(厚さ2mm,気
孔率41%,平均気孔径10μm)を細長板状(長さ1
00mm,幅5mm)に切断し、これを適宜に捩じった
ものである。因みに、捩じったのは、こうすることで、
表面積(ドレンとの接触面積)を多くするためである。
【0016】なお、本例においては、本体1の一側(図
1左)であって、ドレンの設定液面Eレベル部位に油排
出手段21を備えている。因みに、この油排出手段21
は、本体1側壁に貫通孔を設け、目の細かいフェルト
(多孔質体)22を内側に張り付け、同フェルト22の
内部を介して外部に連通する、ねじ部材から成る管体2
3を取着してなるものであって、油をフェルト22内を
通過させ、サイホン管24により排出するものであり、
バブルポイント圧を利用したドレン排出手段と全く同じ
原理によるものである。
【0017】また、本例では、本体1の底部中央に、ド
レン抜き31が設けられている。ドレン抜き31は、本
体1底部を貫通して螺挿されたブュシュ32と、その内
側に螺入され、上部にフランジ部33aを有するととも
に軸部33bにオリフィス通路33cを有する栓体33
とから構成されている。そして、図1に示すように、栓
体33が下側の位置にあるときには、水密が保持されド
レンの流出が防止される一方、栓体33が上に移動する
と、フランジ部33aとブッシュ32間に間隙ができ、
オリフィス通路33cを通ってドレンが排出される。
【0018】ところで、多孔質体8のバブルポイント圧
は、導入口5の受けるガスの圧力より大きくないといけ
ない。本例では、セラミックのものとしたが、ここで、
その製法を例示する。まず、アルミナ(平均粒径0.3
μm,純度99.8%)100g、水100ml、ポリ
ビニルアルコール1gを、アルミナ球石(φ10mm)
300gとともにポリエチレン製ポットに入れ、それら
を混合(120rpm、48時間)して泥漿を得る。次
に、アルミナ多孔管(φ22mm×φ18mm、気孔率
35%、平均気孔径2.1μm、長さ80mm)の外周
部をビニルテープで巻いて前記泥漿に浸す(30秒
間)。その後、アルミナ多孔管を泥漿から引き上げて自
然乾燥させる(15時間)。さらに、このアルミナ多孔
管を電気炉にて焼成(摂氏1270度、2時間)し、ア
ルミナ多孔管の内面に微細孔層(薄膜)を焼き付ける。
因みに、こうして得られたアルミナ多孔管の微細孔層
は、厚さ約25μm、平均細孔径0.21μm、バブル
ポイント圧(水)は7.8kg/cm2 であった。
【0019】さて、次に本装置の作用ないし効果につい
て説明する。ただし、多孔質体8は、予め水に浸漬され
ることで湿潤ないし湿潤状態に保持され、細孔内は水で
塞がれた状態にある。すなわち、導入口5から流入した
ドレンは、ドレン溜めDに溜まるが、仕切り部材13に
よるオイルフェンスの働きにより、直接多孔質体8に接
することなく、一旦、仕切り部材13の下部の、隙間K
1,K2及び貫通孔14から成る流通経路を潜り抜けて
多孔質体8の側に至る。そして、フェルト12を通過し
て、多孔質体8の細孔内に浸透していき、空気圧によっ
て押し出されるようにして通過し、液面を上昇させてオ
ーバーフローする形で、排出口7から外部に排出され
る。図中の矢印はドレンのフローを示している。一方、
ドレン中の油及び油粒子は、油吸上げ部材16の外周面
の細孔に接すると、その連続多孔に、毛細管作用によっ
て吸い込まれる。このとき、吸い込まれたドレン中の油
は水より比重が小さいので、ヘッドの差圧によって上方
に押し上げられ、液面Eの上部において解放(吐出)さ
れ、油の層Aとなって展開する。
【0020】本例では、油吸上げ部材16を、疎水性の
あるポリフッ化ビニリデンとしたので、水に濡れること
なく油を選択的に吸上げる。また、仕切り部材13があ
るので、油が直接多孔質体8に付着することがない上
に、その下部は、水が優先的に潜り抜けるから、ドレン
溜めDにおける仕切り部材13と導入口5との間は油の
比率が多くなり、油の吸上げ効率がよく、ドレン流量が
大きい場合に有効である。さらに、多孔質体8の外周に
フェルト12が被覆してあるから、その目詰まりの防止
に極めて有効である。なお、上部に分離された油は、油
排出手段21から自動的に排出される。
【0021】なお、こうした本例装置の効果は、図3に
示すように、マイコンパンチャーと称する孔開加工機械
(図示しない)に供給する圧縮空気を除湿するためのエ
アドライヤ(図示しない)のドレン排出口(空気圧5k
g/cm2 )に、本装置を接続し、油吸上げ部材16の
有無による相違の下で、約6か月間、比較試験をした結
果からも実証される。すなわち、同図より明らかなよう
に、油吸上げ部材の無いものにおいては、約1か月後に
は、排出能力は1/3に低下したが、本例のものにおい
ては、6か月後においても低下はほとんどみられない。
【0022】上記実施例においては、油吸上げ手段であ
る、油吸上げ部材16は、ポリフッ化ビニリデン製の連
続多孔を有する多孔質体からなるものとしたが、これに
限定されるものではない。毛細管作用により、ドレンに
混在する油を上部に吸上げることのできる材質ないし組
成のものであればよい。したがって、例えば、親油性の
ある細い繊維を編んで成る紐状体をドレン溜めD中、上
下に張設してもよい。ただし、疎水性ある材質のもので
あれば、油の分離効率がよいことは前記したとおりであ
る。疎水性かつ親油性を有する材質としては、例えば、
ポリエチレンが挙げられる。
【0023】また、上記実施例では、油吸上げ手段16
をシートを細長板状に切断し、これを適宜に捩じったも
のとしたが、その形状は、当然のことながら、これに限
定されるものではない。ドレンに混在する油を毛細管作
用により上部に集めることのできる手段であれば、適宜
の形状とすることができる。例えば、同シートから形成
する場合であっても、細長板状とすることなく、全体を
筒状に丸めて、多孔質体8の周囲に遊挿される形態で装
着してもよい。因みに、こうした形態とすれば、油吸上
げ手段自体が仕切り部材(オイルフェンス)の作用も果
たすことができる。
【0024】なお、油吸上げ手段16は、なるべくドレ
ン溜めDの底部からドレンの設定液面Eまでの全体
(高)の領域をカバーする配置ないし高さで設けること
が、吸上げ効率向上のために好ましい。なお、仕切り部
材13を設ける場合、その高さは、多孔質体8の全高を
なるべく覆うようなものであるとよいが、この場合の油
吸上げ手段16は、その上端が仕切り部材13の下端部
より上に、好ましくは上端部より上となる配置とすると
よい。油はドレン溜めDにおいて、より上方で解放され
る結果、水との分離がよく行われるからである。
【0025】なお、仕切り部材のオイルフェンスとして
の働きを高めるためには、例えばステンレス鋼板とか、
合成樹脂板とかのように、油が透過(浸透)しない材質
とすべきであるが、ある程度の性能の低下を許容できる
なら、内外を完全に遮断できる材質ないし材料でなくと
もよい。例えば多孔質体ないし微細な網目の網様に形成
されたものを用いることも可能である。
【0026】本願考案が具体化される装置を成す多孔質
体の形状は、上記実施例では筒状のものを例示したが、
ドレンの導入口と排出口との間を仕切る形態のものであ
れば、例えば隔壁状のものであってもよいことはいうま
でもない。
【0027】上記実施例において使用した多孔質体8は
セラミック製としたが、これに限定されるものでなく、
例えば金属製やプラスチック製のもの等を使用してもよ
い。装置の目的、用途などに応じて適宜選択して用いる
こととなるが、ドレンと親和性を有し、かつそれを細孔
内に浸透させ易いものであることがその排出効率の向上
の上で好ましい。また、平均気孔率や気孔径は受けるガ
ス圧やバブルポイント圧等に応じて適宜のものを選択し
て使用すればよい。
【0028】なお、上記の実施例では本装置をエアドラ
イヤに取付けた場合を例示したが、例えばエアブレーキ
システムなどのように圧縮空気を動力源とする各種のエ
ア装置、或いは空気圧配管等に取付けて使用できること
は当然である。また、適用できる圧縮ガスは、空気のみ
に限定されるものでない。
【0029】
【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
に係るドレン排出装置においては、ドレン溜め中の油及
び油粒子を含むドレンが、油吸上げ手段の毛細管作用に
よって吸い込まれ、そのうちの油が比重差により上方に
押し上げられ、ドレンの液面上に展開され、ドレン溜め
において上部に集められるので、油吸上げ手段のない従
来の装置における自然的に浮上、分離されるにすぎない
場合に比べ、油が効率的に上部に集められ、したがっ
て、多孔質体の細孔が全体に亘って油で塞がれるのが有
効に防される。したがって、水の排出能力の低下の防止
に効果があり、装置としての信頼性が高くなる。また、
排出能力の低下が小さくなるので、多孔質体の安全係数
を小さく設定でき、したがって、その分、装置のコンパ
クト化や製造コストの低減が期待される。
【0030】とくに、仕切り部材を設けた技術において
は、それがオイルフェンスとして作用し、油の多孔質体
への付着を積極的に阻止するとともに、ドレン溜めにお
ける仕切り部材と導入口との間に油分を集める作用を果
たすから、その分、油吸上げ手段により効率的に油を上
部に集めることができる。これにより、多孔質体の細孔
が油で塞がれるといったことの防止に、より一層有効で
ある。
【0031】さらに油吸上げ手段を、疎水性を備えたも
のとすると、油を選択的に吸上げるので、油を上部に分
離する効率がよい。とくに、疎水性を有する連続多孔を
備えた多孔質体から成るものでは、その効率がより高
く、ドレン流量が大きい場合でも、ドレン溜めにおいて
油は積極的に上部に集められるし、油が乳化された状態
のドレンを含む場合でも、多孔質体の細孔への油の付着
の防止に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るドレン排出装置の一実施例を示す
中央縦断正面図である。
【図2】図1における一部省略横断面図である。
【図3】実施例による装置と油吸上げ手段を有しない従
来の装置による排出能力の経時的変化を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1 ドレン排出装置本体 5 導入口 7 排出口 8 多孔質体 13 仕切り部材 16 油吸上げ部材(油吸上げ手段) E ドレンの液面 D ドレン溜め A 油の層
フロントページの続き (72)考案者 徳本 淳一 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (72)考案者 水嶋 康之 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (72)考案者 竹村 朱 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−71509(JP,A)

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にはドレンの導入口と排出口との間
    を仕切って多孔質体が設けられるとともに、その多孔質
    体はバブルポイント圧が前記導入口が受けるガスの圧力
    より大きく設定され、また、前記多孔質体と前記導入口
    との間にドレン溜めを備えてなる、圧縮空気等の圧縮ガ
    スに含まれるドレンを排出するためのドレン排出装置に
    おいて、上記ドレン溜めに、ドレンに混在する油を毛細
    管作用により上部に吸上げる油吸上げ手段を設けたこと
    を特徴とするドレン排出装置。
  2. 【請求項2】 内部にはドレンの導入口と排出口との間
    を仕切って多孔質体が設けられるとともに、その多孔質
    体はバブルポイント圧が前記導入口が受けるガスの圧力
    より大きく設定され、また、前記多孔質体と前記導入口
    との間にドレン溜めを備えてなる、圧縮空気等の圧縮ガ
    スに含まれるドレンを排出するためのドレン排出装置に
    おいて、上記ドレン溜めに対して、前記導入口と多孔質
    体との間を仕切る仕切り部材を、その上端部がドレンの
    液面より上となる配置で設け、また、その仕切り部材と
    前記導入口との間に、ドレンに混在する油を毛細管作用
    により上部に吸上げる油吸上げ手段を、その上端部が前
    記仕切り部材の下端部より上となる配置で設けたことを
    特徴とするドレン排出装置。
  3. 【請求項3】 油吸上げ手段を、疎水性を備えて成るも
    のとした、請求項1又は2記載のドレン排出装置。
  4. 【請求項4】 油吸上げ手段を、疎水性を有する連続多
    孔を備えた多孔質体から成るものとした、請求項1又は
    2記載のドレン排出装置。
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