JP3391579B2 - ドレン排出装置 - Google Patents

ドレン排出装置

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JP3391579B2
JP3391579B2 JP28297094A JP28297094A JP3391579B2 JP 3391579 B2 JP3391579 B2 JP 3391579B2 JP 28297094 A JP28297094 A JP 28297094A JP 28297094 A JP28297094 A JP 28297094A JP 3391579 B2 JP3391579 B2 JP 3391579B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品工業、化学工業、
医薬品工業、或いは宇宙ステーション等に好適なドレン
排出装置に関し、詳しくは、例えば空気圧縮機(コンプ
レッサー)から所定の配管を経てエアツールや端末機器
に圧縮空気を供給する過程において、その空気中に含ま
れる水分や油分等からなるドレンを除去するために用い
られるエアドライヤで、凝縮、分離されて発生するドレ
ンを外部に排出するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のドレン排出装置(以下、
単に「装置」ともいう)の代表的なものとしてはフロー
ト式のものがよく知られている。これに対して本願出願
人は、多孔質体のバブルポイント圧を利用した装置(特
開平3−140699、同4−187201)を提案し
ている。これは、内部に、ドレンの導入口と排出口との
間を仕切る形で、バブルポイント圧が導入口の受けるガ
スの圧力より大きい多孔質体を設けることで構成したも
のである。
【0003】この装置は、多孔質体の細孔内に浸透(吸
収)したドレンを排出(押出)してガスを通過させるた
めには、導入口が受けるガス圧の方が、毛細管現象によ
るドレンの吸収力を上回る圧力すなわち多孔質体のバブ
ルポイント圧より大きくなければならない、ということ
を利用したものである。この装置によれば、導入口が受
けるガス圧の方が多孔質体のバブルポイント圧より小さ
い限り、ガス漏れを起こすことなく、ドレンは連続して
多孔質体の細孔内に浸透していき、導入口側と排出口側
との圧力差により押出されるようにしてその細孔内を通
過し、連続的かつ自動的に排出口より排出される。した
がって、この装置は、フロート式のものと異なり、機械
的な可動部分のない単純な構造のものであるにもかかわ
らず、ドレンを自動的かつ連続的に排出でき、しかも、
排出時の飛散や騒音がない等の優れた特長を有してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ドレン中に
含まれている油が、多孔質体に付着し、細孔に入ると、
目詰まりを起こし、経時的に、多孔質体におけるドレン
の通過面積(細孔)の減少を来してしまい、主たるドレ
ンである水の排出能力を低下させてしまう。こうした課
題に対して、上記特開平3−140699号公報記載の
技術においては格別の配慮はされていない。すなわち、
このものでは、混在する油が浮上、分離されない状態の
下で排出がされると、多孔質体の表面(濡れ面)の全体
に亘って油が付着することになり、その結果として水の
排出(透水)性能の低下を招き易く、装置としての信頼
性や寿命の点での問題があった。
【0005】一方、特開平4−187201号公報記載
の技術においては、多孔質体を油用と水用とに上下に分
けるなどの工夫をしているが、ドレンの時間流量や、水
と油の構成比の不定などにより、例えば、ドレンの液面
レベルが低下したり、油分が予想以上に多かったりする
ことがあり、水用の多孔質体に油が付着してしまうとい
った問題があった。こうした問題に対して、実開平4−
117300号や実開平5−38370号公報記載の技
術のように、多孔質体の周囲に、油水分離用の隔壁(仕
切り部材)ないしオイルフェンスを配置することも提案
している。これらは、油分と水分とを別個に排出するよ
うに、水を多く含有するドレンを通過させる水排出用の
多孔質体(以下、水用多孔質体ともいう)と、油を多く
含有するドレンを通過させる油排出用の多孔質体(以
下、油用多孔質体ともいう)とを別個に設け、かつ別個
の排出口を設け、さらに、導入口から内部に入ったドレ
ン中に含まれる油分が、水用多孔質体の表面に付着する
のを防止するため、多孔質体の周りに、油水分離用の隔
壁を設けたものである。この技術によれば、導入口から
内部に流入したドレンは、油水分離用の隔壁の外側で、
比重差により油分が上方に分離される。そして、下方に
分離された水分が、油水分離隔壁の下縁を潜り抜けて水
用多孔質体に至り、外部に排出されるようになっている
が、ドレンの滞留ないし流動作用に伴い、油が隔壁を潜
り抜けて水用の多孔質体に付着してしまうことがある。
【0006】また、実開平4−117300号公報記載
の装置においては、隔壁の内側における水用多孔質体の
外周側の空間と、油用多孔質体の外周側の空間との圧力
の平衡を保つように、水用多孔質体の外周側の空間から
圧力調整手段として管が立ち上げられ、油用多孔質体の
外周側の空間にて開口している。このため、ドレンが多
く溜り、上方の油分が多くなるとそれが管(圧力調整手
段)の上端部開口から侵入して隔壁の内側に入り込み、
水用多孔質体に付着してしまう危険があった。このこと
は、水の排出能力の低下を招き、結果的にドレンの排出
能力を低下させてしまうことになる。
【0007】とりわけ、ドレンが、油の乳化された、い
わゆるエマルジョンとなっているものを含む場合には、
その油分(油の微細な粒子)の浮上速度が遅いために、
ドレン中の水の排出(流出)過程で、油分が円滑に上部
に集まらず、したがって、水に溶け込んだ油が水用多孔
質体に接し易く、したがって、細孔を塞いでしまい、排
水能力の低下を来し易いといった問題があった。そし
て、こうした問題により、上記した性能の低下を加味
し、安全率を大きく設定する必要から、従来は水用多孔
質体(通水面積)を大きくせざるを得ず、装置の大形化
を招いているとの指摘もあった。
【0008】このように、上記公報記載の技術は、如上
のメリットのあるものの、耐油性能の点における信頼性
などの点で、今一歩であった。本発明は、ドレン中に含
まれる油分の水用多孔質体への付着によりその排出能力
の低下を招いてしまうことを防止すべく、油分と水分と
を効果的に分離して排出することのできる装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、ドレンの導入口と排出口との間が、バブ
ルポイント圧がその導入口が受けるガスの圧力より大き
い多孔質体で仕切られてなる、圧縮空気等の圧縮ガスに
含まれるドレンを排出するためのドレン排出装置であっ
て、前記多孔質体を、水を多く含有するドレンを通過さ
せるための水用多孔質体と、油を多く含有するドレンを
通過させるための油用多孔質体とで構成し、また上記排
出口を、前記水用多孔質体を通過したドレンの排出を受
け持つ水用排出口と、前記油用多孔質体を通過したドレ
ンの排出を受け持つ油用排出口とに分けて設け、しか
も、内部には、前記導入口から入るドレンが受け入れら
れて溜まる第1ドレン溜め室と、前記水用多孔質体を介
して前記水用排出口に通じておりかつ該水用排出口から
排出させるドレンが溜まる第2ドレン溜め室とを備える
一方、第1ドレン溜め室に溜められたドレンを第2ドレ
ン溜め室に移送するための移送管が第1ドレン溜め室と
第2ドレン溜め室とを跨いだ形で設けられていると共
に、該移送管の各端部の開口はそれぞれ第1ドレン溜め
室内と第2ドレン溜め室内に配置され、さらに該移送管
の頂部近傍(上部)には該移送管の内外に貫通する貫通
孔が設けられる一方、前記油用多孔質体が、該貫通孔の
近傍にて、前記移送管の内部側と前記油用排出口側との
間を仕切る配置で設けられていることを特徴とする。こ
の場合、前記移送管は、第1ドレン溜め室側にある端部
の開口と、前記油用多孔質体との間に、ドレン中の油と
水とを分離する油水分離膜を備えているとよい。
【0010】
【作用】エアドライヤ等の装置の作動(運転)前は、第
1ドレン溜め室内及び第2ドレン溜め室内には水など
(ドレン)が溜まっており、また第1ドレン溜め室内に
溜められている液(水)面上の空間の圧力Pa、及び第
2ドレン溜め室内に溜められている液(水)面上の空間
の圧力Pbはともに大気圧である。このとき、第1ドレ
ン溜め室と第2ドレン溜め室とを跨いだ形で設けられて
いる移送管の内部は、予め、ドレン(又は水)で満たさ
れ、第1ドレン溜め室と第2ドレン溜め室とがドレンで
つながった状態にあるのが好ましいが、移送管の内部に
ガス(空気)が残存していてもかまわない。そして、水
用多孔質体の細孔内は水で、一方、油用多孔質体の細孔
内は油で浸され(濡らされ)ており、したがって、導入
口が所定のガス圧を受けても、いずれの多孔質体からも
そのガスを通過させないようになっている。
【0011】本装置のドレンの導入口が例えばエアドラ
イヤのドレン排出口に接続され、それが運転(稼動)さ
れると、第1ドレン溜め室内の液面上の空間の圧力Pa
は導入口を通じてガス(空気)の圧力を受ける。したが
って、この圧力Paと第2ドレン溜め室内に溜められて
いる液(水)面上の空間の圧力Pbとの関係は、装置の
作動前はともに大気圧で一定(Pa=Pb)であるが、
Pa>Pbとなる。そして、エアドライヤで、凝縮、分
離されて発生するドレンは、ガス圧Paを受けつつ本装
置内に導入口から流入する。本装置の運転開始時に移送
管内がドレンで満たされた状態でない場合には、流入し
たドレンは、第1ドレン溜め室内に溜りその液面を上げ
るが、溜ったドレンは、Pa>Pbにより移送管内を押
し上げられるように上昇し、その頂部の近傍にも溜まる
一方、貫通孔ないし油用多孔質体の部位を通過し、油用
多孔質体に触れたドレン中の水は、はじかれて移送管を
下降し、第2ドレン溜め室内に吐き出される。このと
き、移送管内に残存していたガスは、第2ドレン溜め室
側に排出される。以後、Pa>Pbの圧力差により、い
わゆるサイフォン(管)作用によってドレンは移送管を
流れる。また、予め、移送管内がドレンで満たされた状
態で運転を開始した場合も同様に圧力差によりドレン
は、第1ドレン溜め室から第2ドレン溜め室に流入す
る。
【0012】一方、移送管を上昇して油用多孔質体に触
れるドレン中の水と分離している油は、水との比重差に
より移送管を下降することなくその頂部近傍(付近)に
溜まっていき、油用多孔質体に触れて吸着される。とこ
ろで、油用多孔質体の油用排出口側の圧力Pcは大気圧
である。したがって、圧力差、Pa>Pcにより、油用
多孔質体に触れる油は細孔内に浸透していき、その圧力
差によって液(油)分のみが押し出されるようにして通
過し、油用排出口から外部に排出される。つまり、移送
管を上昇し、その頂部の油用多孔質体の部位を通過する
際に、油分が選択的に油用多孔質体に触れ、それを通過
して排出されるため、第2ドレン溜め室内に吐き出され
るドレン中の油分は少なくなる。この結果、水用多孔質
体に油が付着し難くなり、したがって、主たるドレンで
ある水の排出能力の低下を有効に防止できる。
【0013】一方、第2ドレン溜め室内に吐き出された
水を多く含むドレンにより、第2ドレン溜め室内はその
液面を上げ、液面上の空間のガス(空気)を圧縮しその
体積を減少させる。これにより、この液面上の空間の圧
力Pbは上昇し、Pa=Pbとなるところで止まる。ま
た、水用多孔質体の水用排出口側の圧力Pdは大気圧で
ある。したがって、この圧力差、Pb>Pdにより、第
2ドレン溜め室内にあるドレンは、水用多孔質体の細孔
内に浸透していき、その圧力差によって押し出されるよ
うにして通過し、水用排出口から外部に排出される。な
お、第2ドレン溜め室内に溜められたドレンの液面は、
Pa>Pbにより、第1ドレン溜め室内に溜められたド
レンの液面より液面レベルが上昇するので、その分、多
孔質体の濡れ面積、つまり水の通過(透過)面積を大き
くする結果、水の排出能力を大きくすることができる。
なお、Pa=Pbとなると、サイフォンによるドレンの
移送も止まるが、さらにドレンが導入口から入り込むこ
とにより、再びサイフォン作用によるドレンの移送が行
なわれる。かくして、エアドライヤの作動中は、連続し
てドレンが排出される。
【0014】さらに、移送管の第1ドレン溜め室側の端
部の開口から油用多孔質体に至るまでに、油水分離膜を
設けた、請求項2記載の発明においては、ドレン中のエ
マルジョン状の油が、この油水分離膜を透過(通過)す
る際に捕捉されて凝集し、水と分離される。分離された
油は、次第に粗大化(成長)し、油滴となって膜から離
脱し、水との比重差により浮上し、移送管の頂部付近に
集められ、油用多孔質体に吸着される。そして、前記と
同様、圧力差、Pa>Pcにより、油用多孔質体に触れ
る油は、油用多孔質体の細孔内に浸透していき、その圧
力差によって押し出されるようにして通過し、油用排出
口から外部に排出される。これにより、油と水とが容易
に分離しない、エマルジョン状のドレンを含む場合で
も、水用多孔質体への油分の付着防止に有効である。
【0015】
【実施例】本発明に係る装置を具体化した実施例につい
て図を参照して詳細に説明する。本例において、装置本
体(以下、本体という)1は、有底の円筒状に形成さ
れ、上部には、蓋2がその周縁下部にリングパッキン3
を介して気密状に取着されている。ただし、本例では蓋
2の下部外周に形成されたねじに、本体1の上端部外周
に周設されたフランジを介して、袋ナット4を螺締する
ことで取着されている。そして、蓋2の上面(図1右
上、破線で示す)にはドレンの導入口5を備えており
(図2参照)、蓋2の下面(図1右側)に開口されてい
る。また、蓋2の一側(図1右側)には、水を多く含有
するドレンを通過させるための(水用)多孔質体を通過
したドレンの排出を受け持つ水用排出口7を備え、管路
6を介して中央下面に開口している。なお本例では、導
入口5及び水用排出口7には配管接続のための管用テー
パーねじ加工が施されている。
【0016】蓋2の中央下面には、後述するセラミック
製で円筒状の水用多孔質体8が上下端面部にリングパッ
キン9,9を介して垂下状に配置され、その下端面部側
を円盤状のフランジ10を介してその上面により持ち上
げる形で保持し、その中央にボルト11を通し、蓋2下
面中央のねじ孔に螺締し、蓋2と水用多孔質体8、さら
に水用多孔質体8とフランジ10との間を気(液)密状
に保持している。
【0017】一方、水用多孔質体8の外側には、導入口
5と水用多孔質体8との間を仕切る配置で、内径が水用
多孔質体8の外径と本体1の内径とのほぼ中間をなす大
きさの略円筒状をなす仕切り部材(隔壁)12が、蓋2
の下面に対して水用多孔質体8と同心状に配設されてい
る。ただし仕切り部材12は、本例では上端部と下端部
にリングパッキン13,13が介在されて気(液)密が
保持されている。なお、本例における仕切り部材12は
アクリル樹脂製の円管とされている。
【0018】しかして、本体1内部には、仕切り部材1
2の外側に、導入口5に通じている第1ドレン溜め室
(空間)D1を備えており、仕切り部材の内側に、第2
ドレン溜め室(空間)D2を備えており、第2ドレン溜
め室D2は、水用多孔質体8を介して水用排出口7に通
じている。なお、第1ドレン溜め室D1と第2ドレン溜
め室D2ともに平面視、同芯状の環状をなしている(図
3参照)。
【0019】一方、蓋2の一側(図1左)の上面には、
平面視、略円形をなす凹部21が形成されており、同一
側には、油を多く含有するドレンを通過させるための油
用多孔質体を通過したドレンの排出を受け持つ油用排出
口22が横向きに開口されている(図4,図5参照)。
ただし、油用排出口22には配管接続のための管用テー
パーねじ加工が施されている。凹部21の底部23に
は、貫通する2つの断面略円形穴24,24が仕切り部
材12を跨ぐ配置で穿設されており、この円形穴24,
24に略逆U字状に曲げられてなる円管製の移送管25
が、その左右両脚部26,27を凹部21の上方から差
し込まれ、円形穴24との隙間が図示しないシール材で
シールされ、気(液)密が保持されている。これにより
移送管25は、第1ドレン溜め室D1と第2ドレン溜め
室D2を跨いだ形になっており、底部(低部)寄り部位
にて各脚部26,27端部の開口28,29が下向きに
位置している。なお、本例では、この移送管25は、内
径が8mmとされている。しかして、移送管25は、第
1ドレン溜め室D1と、第2ドレン溜め室D2を跨いだ
形で設けられている一方、移送管25の頂部にはその内
外に貫通する貫通孔31が設けられ、そして、その上部
に円筒状をなすセラミック製の多孔質体、すなわち油を
多く含有するドレンを通過させるための油用多孔質体3
2が配置されている。ただし、本例では、凹部21の内
周上縁に形成されためねじ部33に、外周にねじを備え
たプラグ(蓋)34が螺着され、その底面略中央部で油
用多孔質体32の上端面を押圧し、それを固定してい
る。なお、プラグ(蓋)34の下面の中央および周縁、
さらに移送管25の頂部の貫通孔31の外周縁に形成さ
れたパッキン装着部35,36,37には、それぞれパ
ッキン35a,36a,37aが装着されており、移送
管25ないし油用多孔質体32の内部と油用排出口22
(外気)との間の気(液)密が保持されている。なお、
プラグ(蓋)34の上面には、その開閉用のツマミ38
が設けられている。
【0020】さて、本例における移送管25には、その
第1ドレン溜め室D1側に配置されている脚部26の下
端部開口28と油用多孔質体32との間であって下端部
寄りの部位(図1中A)に、次記するようにして、ドレ
ン中の油と水とを分離する油水分離膜が取り外し自在に
取着されている。すなわち、本例では、図6に示される
ように、移送管25の左脚部26は、その上部管体26
aと下部管体26bからなり、下部管体26bの上端部
には、外周におねじを備えたフランジ41を備えてお
り、また、上部管体26aの下端部には外周にフランジ
42を備えている。そして、円形板状に形成された油水
分離膜43をその周縁の上下にリング状の平パッキング
44,44を配置し、両フランジ41,42にて挟みつ
けるようにして袋ナット45が螺着されている。本例で
は、この袋ナット45を螺進し、或いは螺退すること
で、油水分離膜43を着脱できるようになっている。し
かして、この油水分離膜43を取り付けたときは、エマ
ルジョン状のドレンがこれを通過(透過)する際、油と
水とに分離されるよう構成されている。なお、本例で
は、油水分離膜43は、極細の合成繊維(太さ(径)1
〜3μmのポリエステル繊維)からなる繊維膜(商品
名、ユーテック・コアレッサータイプ・旭化成工業
(株)製)を使用した。
【0021】なお、本例では、本体1の底部中央に、ド
レン抜き50が設けられている。ドレン抜きは、本体1
底部を貫通して螺挿されたブュシュ51と、その内側に
螺入され、上部にフランジ部52aを有するとともに軸
部52bにオリフィス通路52cを有する栓体52とか
ら構成されている。そして、図1に示すように、栓体5
2が下側の位置にあるときには、気(液)密が保持され
ドレンの流出が防止される一方、栓体52が上に移動す
ると、フランジ部52aとブッシュ51間に間隙がで
き、オリフィス通路52cを通ってドレンが排出される
よう構成されている。
【0022】ところで、本例では、水用多孔質体8、油
用多孔質体32をセラミック製としたが、ここでその製
法を例示すると、次のようである。2種類のアルミナ多
孔質管(水用多孔質体用:外径φ20mm×内径φ16
mm、気孔率40%、平均気孔径3.5μm、長さ10
0mmと、油用多孔質体用:外径φ10mm×内径φ5
mm、気孔率40%、平均気孔径3.5μm、長さ30
mm)を準備し、次の2種類の組成のスラリー(A、
B)を調製する。スラリーAは、アルミナ(平均粒径3
μm,純度99.7%、市販品)50g、水280g、
カルボキシメチルセルロース10gおよびポリカルボン
酸アンモニウム塩0.5gからなるもので、アルミナ製
ポット内でアルミナ球石にて24時間、混合、粉砕して
調製したものである。また、スラリーBは、アルミナ
(平均粒径0.4μm,純度99.7%、市販品)50
g、水450g、カルボキシメチルセルロース10gお
よびポリカルボン酸アンモニウム塩0.5gからなるも
ので、同様、アルミナ製ポット内でアルミナ球石にて2
4時間、混合、粉砕して調製したものである。
【0023】次に、各アルミナ多孔質管の両端部をシリ
コンゴム栓などでプラグして前記スラリーAに10秒間
浸して外側をコーティングし、その後、このアルミナ多
孔質管を80℃で1時間乾燥させた後、電気炉にて焼成
(1400℃、3時間)し、外面にアルミナ多孔質膜
(平均気孔径:0.6μm、膜厚:40μm)を形成し
た。そして、同様にしてこのものの外側にスラリーBを
コーティングし、1250℃で3時間焼成し、別のアル
ミナ多孔質膜(平均気孔径:0.15μm、膜厚:30
μm)を形成し、各多孔質体(水用多孔質体8、油用多
孔質体32)を得た。なお、この多孔質膜は、多孔質管
の内側に形成してもよいが、本例のように外側に形成す
ると、ドレンに混在するゴミや錆などによる多孔質体の
目詰まり防止に極めて有効である。なお、こうして得ら
れた本例に使用した各多孔質体8,32のバブルポイン
ト圧は、水に対して10kgf/cm2 であり、油に対
して5kgf/cm2 であった。そして、水を通過させ
る能力つまり透水性能(透水率)は、純水を使用したと
き、1.5m3 /m2 ・hr(差圧1kgf/cm2
であり、また油を通過させる能力つまり透油性能(透油
率)は、機械油を使用したとき、0.1m3/m2 ・h
r(差圧1kgf/cm2 )であった。
【0024】さて次に、このような本例装置の作用ない
し効果について説明する。本装置のドレンの導入口5が
例えばエアドライヤのドレン排出口に配管接続され、そ
れが運転(稼動)されると、第1ドレン溜め室D1内の
液面(ドレン)E1上の空間の圧力Paは導入口5を通
じてガス(空気)の圧力を受ける。したがって、この圧
力Paと第2ドレン溜め室D2内に溜められている液
(水)面E2上の空間の圧力Pbとの関係は、装置の作
動前はともに大気圧で一定(Pa=Pb)であるが、P
a>Pbとなる。そして、エアドライヤで、凝縮、分離
されて発生するドレンは、ガス圧Paを受けつつ本装置
内に導入口5から流入する。流入したドレンは、第1ド
レン溜め室D1内に溜りその液面E1を上げるが、溜っ
たドレンは、Pa>Pbにより移送管25内を押し上げ
られるように上昇し、油水分離膜43を経て、その頂部
の貫通孔31ないし油用多孔質体32の部位を通過す
る。油用多孔質体32に触れたドレン中の水は、はじか
れて移送管25を下降し、第2ドレン溜め室D2内に吐
き出される。しかして、以後は、Pa>Pbのもと、サ
イフォン(管)作用によってドレンは移送管25を流
れ、第1ドレン溜め室D1から第2ドレン溜め室D2に
流入する。そして、第2ドレン溜め室D2内はその液面
E2を上げ、液面上の空間のガス(空気)を圧縮しその
体積を減少させる。そして、水用多孔質体8の水用排出
口7側の圧力Pdは大気圧であるから、この圧力差、P
b>Pdにより、第2ドレン溜め室D2内にあるドレン
は、水用多孔質体8の細孔内に浸透していき、その圧力
差によって押し出されるようにして通過し、水用多孔質
体8の内側でその液面を上げていき、オーバーフローす
る形で水用排出口7から図示しない排出配管を経て外部
に排出される。なお図中の矢印は、ドレンのフローを示
す。
【0025】一方、導入口5から入り、第1ドレン溜め
室D1でエマルジョン状となっていたドレンは、移送管
25を上昇し、油水分離膜43を通過する際に油と水に
分離される。そして、この油は、水との比重差により移
送管25を下降することなくその頂部ないしその付近に
溜まり、油用多孔質体32に触れて吸着される。この
際、油用多孔質体32の油用排出口22側の圧力Pcは
大気圧であるから、圧力差、Pa>Pcにより、頂部に
溜まっており油用多孔質体32に触れている油は、油用
多孔質体32の細孔内に浸透していき、その圧力差によ
って押し出されるようにして通過する。ただし、本例で
は、油用排出口22の下縁22aは、油用多孔質体32
の下端部より上になっているので、通過した油は、一
旦、凹部21の底部23に溜まり、さらに液面レベルを
上げ、オーバーフローする形で油用排出口22から図示
しない排出管を通って外部に排出される。なお、油用排
出口22側の凹部21の底部23には油が溜まっている
ので、油用多孔質体32は油で浸され(濡らされ)てお
り、水をはじくようになっているが、セラミック製の場
合は予め疎水処理若しくは親油性処理をしておくとよ
い。例えば、油用多孔質体32の外周に、小孔(径が
0.1mmで、1cm2 当り、5〜10個程度)が平均
に貫設されたフッ素樹脂(PTFE等)製の膜体を張り
付けておく。このようにしておけば、油用多孔質体32
の細孔中の油が水と置換されるのが防止されるからであ
る。
【0026】本例では、移送管25を上昇し、その頂部
の油用多孔質体32の部位を通過する際に、油分が選択
的に油用多孔質体32を通過して排出されるため、第2
ドレン溜め室D2内に吐き出されるドレン中の油分は少
なくなる。このように本例では、ドレンが移送管25を
経て水用多孔質体8に至る前に、油を効率的に分離させ
て排出することができるので、油の処理が容易となるだ
けでなく、水用多孔質体8に油が付着し難くなる。した
がって、主たるドレンである水の排出能力の低下を有効
に防止できる。さらに、多孔質体の安全率を小さく設定
できるので、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0027】なお、第2ドレン溜め室D2内に溜められ
たドレンの液面E2は、Pa>Pbにより、第1ドレン
溜め室D1内に溜められたドレンの液面E1より液面レ
ベルが上昇するので、その分、水用多孔質体8の濡れ面
積、つまり水の通過(透過)面積が大きくなる結果、水
の排出能力も高い。
【0028】なお、本例では、油水分離膜43を設けた
ので、ドレン中のエマルジョン状の油は、この油水分離
膜43を透過(通過)することにより水とよく分離され
るから、油と水とが容易に分離しないエマルジョン状の
ドレンを含む場合でも、水用多孔質体8への油分の付着
防止に有効である。エマルジョン状のドレンを多く含む
場合、つまり油分の比率が比較的大きいドレンを排出す
る場合に効果的である。もっとも、油の比率が少なく、
しかもエマルジョン状のドレンを殆ど含まない場合やド
レン中の油が水と分離されている場合には、油水分離膜
43がなくともよい。したがって、本例ではそれを取り
外しておけばよい。なお、この場合、移送管25を上昇
して油用多孔質体32に触れるドレン中の水と分離して
いる油は、水との比重差により移送管25を下降するこ
となくその頂部近傍(付近)に溜まっていき、油用多孔
質体32に触れて吸着されるが、分離していない油は、
第2ドレン溜め室D2に移ってしまう。
【0029】因みに、本例装置において油水分離膜43
を取り付けなかった場合のもので、圧縮空気、4.5k
gf/cm2 の下、導入口5をエアドライヤの排出口に
配管接続して試験した結果は次のようであった。ただ
し、ドレンは、油が乳化していないもので、成分は、油
が約10vol%、水が約90vol%のものである。
すなわち、この試験においては、導入口5から流入した
ドレン中の油分は、比重差により、そのほとんどが数分
以内に第1ドレン溜め室D1内で上層に明確に分離し、
第2ドレン溜め室D2内に移送することなく、油用排出
口22から少しづつ排出された。一方、水用排出口7か
らは油の排出は殆どなかった。また、試験後、水用多孔
質体8を取り外して確認したが、問題となるような油の
付着はなかった。これらのことは、油分が少なくかつエ
マルジョン状となっていないドレンを排出する場合に
は、油水分離膜43がなくとも、油と水が別個に排出さ
れることを実証するものである。なお、本例のように油
分の比率の小さいドレンの排出にあたっては、油用排出
口22側に開閉弁(コック)をつけておき、適宜開閉す
ることで、断続的に油分の排出をするようにしてもよ
い。
【0030】一方、本例装置において油水分離膜43を
取り付けた場合のもので、圧縮空気、4.5kgf/c
2 の下、導入口5をエアドライヤの排出口に配管接続
して試験した結果は次のようであった。ただし、ドレン
は、油が約50vol%、水が約50vol%のもので
あり、油が乳化している(エマルジョン状)ドレンの下
で試験した。この場合は、エマルジョン状のドレンであ
っても、油は、油用排出口22から、水は、水用排出口
7から、それぞれ略同比率で別個に排出された。これら
のことは、油水分離膜43が効果的に作用しているとと
もに、分離された油が移送管25の頂部から第2ドレン
溜め室D2へ移送することなく、油用多孔質体32に集
中して通過したことを示している。なお、水用多孔質体
8への油の付着もほとんどなかった。
【0031】上記においては、本体1内に円筒状の仕切
り部材12を配置し、その上下端部の気密を保持するこ
とで第1ドレン溜め室D1と第2ドレン溜め室D2を形
成したが、これについては、図1中、2点鎖線で示した
ように底板Sを設け、コップ(有底の筒)状としても形
成できるし、このような仕切り部材12によることな
く、本体そのものの内部構造として形成してもよいな
ど、適宜に設計すればよい。因みに、上記実施例のよう
に本体1内に仕切り部材12を配置することにより、第
1ドレン溜め室D1と第2ドレン溜め室D2を形成する
際のその材質としては、ステンレス鋼板等の金属板、ア
クリル板、塩化ビニル等のプラスチック板など、耐油、
耐水性に支障のないものから選択すればよい。
【0032】また、移送管25については、第1ドレン
溜め室D1側に配置される脚部26の端部の開口28
が、なるべく本体1の底部に近いところにあるとよい。
上層に分離している油の侵入防止に有効だからである。
また、第2ドレン溜め室D2側に配置される脚部27の
端部の開口29も、なるべく底部に近いところにあると
よい。第1ドレン溜め室D1に溜まっているドレンが少
ない場合でも、サイフォン作用が得られるようにするた
めである。なお移送管25の内径は、ドレンの単位時間
当りの量(エアドライヤの場合には、機種(容量)、使
用条件などにもよるが一般的には、0.5〜10cc/
min)などとの関係で適宜に設定すればよいが、一般
のエアドライヤ用として使用する場合には2mm以上で
あることが好ましい。ただし、移送管25の内径が太す
ぎると、運転開始時に移送管25内がドレンで満たされ
ていない場合には、移送管25内が完全にドレンで満た
された状態にならず、サイフォンの状態にならない虞が
あるため、その内径は10mm程度以下とすることが好
ましい。また、移送管25の頂部にガスが溜らないのが
好ましいため、移送管25の頂部の曲部の曲り具合は可
及的に滑らかであることが好ましい。なお、移送管25
の内径は太い方がその頂部で油分を蓄積する容量が増え
るために好ましいといえるが、前記の理由から、時間当
りのドレンの流量などを考慮して適宜の太さに設計すれ
ばよい。このようなことから、とくに移送管25が太め
の場合には、その内部に予め(装置の稼働前)ドレン
(又は水)を満たしておくのが好ましい。そして、移送
管25の材質は、ステンレス鋼等の金属管、アクリル
管、塩化ビニル等のプラスチック管、フッ素樹脂(PT
FE等)管など、化学的に安定でかつ耐圧性に支障のな
いものから選択すればよい。もっとも、移送管25は、
第1ドレン溜め室D1に溜められたドレンを第2ドレン
溜め室D2に移送することができればよく、したがっ
て、硬質の管のみならず、軟質の(例えば可撓性のあ
る)管とすることも可能である。
【0033】なお、水用多孔質体8は、上記においては
円筒形状のものとして具体化したが、本発明におけるそ
の形状ないし構造は隔壁状(板状)など、適宜のものと
すればよい。さらに、油用多孔質体32についても上記
においては円筒状とし、移送管25の頂部の貫通孔31
の上に配置したが、本発明はこのようなものに限定され
るものではないのは、水用多孔質体8の形状(構造)の
場合と同じである。本発明においては、油用多孔質体3
2はその貫通孔31の近傍にて移送管25の内部側と油
用排出口22側との間を仕切る配置で設けられていれば
よく、したがって、貫通孔31にちょうど嵌まる円盤
状、或いは、円柱状のものとしてもよい。また、貫通孔
が矩形であれば、矩形の板状のものとすればよい。ま
た、本例のような円筒状(又は円柱状)のものを使用す
る場合でも、第1ドレン溜め室D1から第2ドレン溜め
室D2へのドレンの移送を阻害しないかぎり、その油用
多孔質体32が移送管25の内部に一部或いは全部が入
り込んでいてもよい。なお、このようにすれば、ドレン
の移送過程で油分が油用多孔質体32に触れ易くなるの
で、第2ドレン溜め室D2への油分の移送が有効に防止
される。この結果、水用多孔質体8の排出能力の低下防
止に有効である。なお、移送管25の貫通孔31はその
頂部近傍(上端部寄り部位)に設けられていればよい。
また、油用多孔質体32の内側に残存するガスを排出す
るためのガス抜き口を別途設けてもよい。また、多孔質
体(水用多孔質体、油用多孔質体)はアルミナ製に限定
されるものでなく、ジルコニア、ムライト等の他のセラ
ミック製、或るいは金属製やプラスチック製のもの等を
使用したものであってもよい。
【0034】また、上記実施例では油水分離膜43は、
移送管25の第1ドレン溜め室D1側に配置される脚部
26の1か所に設けた場合を例示したが、油の分離作用
ないし効果を高めるためには、間隔をおいてなるべく多
く設けるとよい。なお、油水分離膜43は、繊維径が
0.5〜10μmの合成繊維からなるものが好ましい。
このものにおいては、ドレンがこの繊維膜を通過する
際、その中に含まれるエマルジョンにより微分散した油
分が、この微細な太さの繊維に効率よく捕捉されて凝集
し、水と分離されるからである。ただし、油水分離効率
を高めるため、繊維膜は表面が平坦なものよりプリーツ
状をなしているなどその表面積、つまりドレンの通過面
積が大きいものほど好ましい。この面積が大きい分、油
を捕捉する面積が大きくなるので、その分、油がよく分
離されるからである。なお、油水分離膜が合成繊維から
なるものであるとき、その繊維としては、ポリエチレン
テレフタレート(ポリエステル)、ポリアミド、ポリプ
ロピレンなどが好ましい。ただし、一般には、なるべく
極細の繊維からなるもの(繊維径0.5〜10μm)が
油の捕捉性能、凝集性能の点で優れており好ましいが、
油水分離膜(フィルター)として市販されている適宜の
ものを、処理するドレンに含まれる油の物性などに応じ
て選択して使用することもできる。また、繊維膜の厚さ
やそれを構成する繊維の緻密性(又は嵩高性)について
も、処理するドレンや油分の構成、比率などに応じて適
宜のものを選択して使用すればよい。もっとも、本発明
において油水分離膜は、繊維膜に限られるものではな
い。ドレンを透過させることによりそのドレン中に含ま
れるエマルジョン状の油と水とを分離可能の膜状をなす
ものであればよい。したがって、合成繊維をフェルト状
に形成した膜でもよいし、ガラス繊維を膜状に結着させ
たもの、或いはフェルト状に成形した膜でもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、ドレンが移送管を経て
水用多孔質体に至る前に、油を効率よく分離させて排出
することができるので、油の処理が容易となるだけでな
く、油分の水用多孔質体への付着が有効に防止される。
この結果、主たるドレンである水の排出を受け持つ水用
多孔質体の排出能力の低下の防止に有効であるとともに
装置としての信頼性が向上する。この結果、多孔質体の
安全率を小さく設定できるので、その分、装置のコンパ
クト化を図ることができる。
【0036】そして、油水分離膜を設けた請求項2記載
の発明によれば、こうした効果に加え、ドレン中のエマ
ルジョン状の油といえども、この油水分離膜を透過する
ことにより水と分離される。そして、水との比重差によ
り浮上し、移送管の頂部付近に集められ、油用多孔質体
に触れて吸着され、その細孔内に浸透していき、その空
気圧(圧力差)によって押し出されるようにして通過
し、油用排出口から外部に排出される。したがって、水
と容易に分離しない油の処理が容易となるだけでなく、
このようなドレン中の油が水用多孔質体に触れてその細
孔をふさぐことを有効に防止できるので、排水能力の低
下の防止に有効であるとともに装置としての信頼性も向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドレン排出装置を具体化した実施
例を示す中央縦断正面図。
【図2】図1における平面図。
【図3】図1におけるA−A線断面図。
【図4】図1における移送管の上部付近の拡大図。
【図5】図4におけるB−B線断面図。
【図6】移送管に装着された油水分離膜の取付け状態を
説明する拡大断面図。
【符号の説明】
1 装置本体 5 導入口 7 水用排出口 8 水用多孔質体 12 仕切り部材 22 油用排出口 25 移送管 28 移送管の第1ドレン溜め室側にある端部の開口 29 移送管の第2ドレン溜め室側にある端部の開口 31 移送管の頂部近傍の貫通孔 32 油用多孔質体 43 油水分離膜 D1 第1ドレン溜め室 D2 第2ドレン溜め室
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−187201(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16T 1/00 - 1/48 B01D 17/022 501 B01D 17/022 502

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドレンの導入口と排出口との間が、バブ
    ルポイント圧がその導入口が受けるガスの圧力より大き
    い多孔質体で仕切られてなる、圧縮空気等の圧縮ガスに
    含まれるドレンを排出するためのドレン排出装置であっ
    て、前記多孔質体を、水を多く含有するドレンを通過さ
    せるための水用多孔質体と、油を多く含有するドレンを
    通過させるための油用多孔質体とで構成し、また上記排
    出口を、前記水用多孔質体を通過したドレンの排出を受
    け持つ水用排出口と、前記油用多孔質体を通過したドレ
    ンの排出を受け持つ油用排出口とに分けて設け、しか
    も、内部には、前記導入口から入るドレンが受け入れら
    れて溜まる第1ドレン溜め室と、前記水用多孔質体を介
    して前記水用排出口に通じておりかつ該水用排出口から
    排出させるドレンが溜まる第2ドレン溜め室とを備える
    一方、第1ドレン溜め室に溜められたドレンを第2ドレ
    ン溜め室に移送するための移送管が第1ドレン溜め室と
    第2ドレン溜め室とを跨いだ形で設けられていると共
    に、該移送管の各端部の開口はそれぞれ第1ドレン溜め
    室内と第2ドレン溜め室内に配置され、さらに該移送管
    の頂部近傍には該移送管の内外に貫通する貫通孔が設け
    られる一方、前記油用多孔質体が、該貫通孔の近傍に
    て、前記移送管の内部側と前記油用排出口側との間を仕
    切る配置で設けられていることを特徴とするドレン排出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記移送管は、第1ドレン溜め室側にあ
    る端部の開口と、前記油用多孔質体との間に、ドレン中
    の油と水とを分離する油水分離膜を備えていることを特
    徴とする請求項1記載のドレン排出装置。
  3. 【請求項3】 前記油水分離膜が、繊維径が0.5〜1
    0μmの合成繊維からなることを特徴とする請求項2記
    載のドレン排出装置。
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