JPH07275602A - ドレン排出装置 - Google Patents

ドレン排出装置

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JPH07275602A
JPH07275602A JP9050394A JP9050394A JPH07275602A JP H07275602 A JPH07275602 A JP H07275602A JP 9050394 A JP9050394 A JP 9050394A JP 9050394 A JP9050394 A JP 9050394A JP H07275602 A JPH07275602 A JP H07275602A
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JP
Japan
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oil
drain
porous body
water
inlet
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Application number
JP9050394A
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English (en)
Inventor
Terubumi Okada
光史 岡田
Masahiko Okuyama
雅彦 奥山
Migiwa Ando
汀 安藤
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多孔質体のバブルポイント圧を利用したドレ
ン排出装置で、ドレンにエマルジョンで混入している油
が多孔質体に付着して細孔を塞ぐのを防ぎ、ドレン排出
能力を高める。 【構成】 導入口5と多孔質体8との間に、ドレンを透
過させることによりそのドレン中に含まれるエマルジョ
ン状の油と水とを分離可能の合成繊維等から成る繊維膜
15を設ける。導入するドレン中のエマルジョン状の油
は、繊維膜15を透過することにより水と分離され、水
との比重差により浮上し、液面E付近に集められる。こ
の結果、油分が多孔質体8に付着するのが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品工業、化学工業、
医薬品工業、或いは宇宙ステーション等に好適なドレン
排出装置に関し、詳しくは、例えば空気圧縮機(コンプ
レッサー)から所定の配管を経てエアツールや端末機器
に圧縮空気を供給する過程において、その空気中に含ま
れる水分や油分等からなるドレンを除去するために用い
られるエアドライヤで、凝縮、分離されて発生するドレ
ンを外部に排出するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のドレン排出装置(以下、
単に「装置」ともいう)の代表的なものとしてはフロー
ト式のものがよく知られている。これに対して本願出願
人は、多孔質体のバブルポイント圧を利用した装置(特
開平3−140699、同4−187201)を提案し
ている。これは、内部に、ドレンの導入口と排出口との
間を仕切る形で、バブルポイント圧が導入口の受けるガ
スの圧力より大きい多孔質体を設けることで構成したも
のである。
【0003】この装置は、多孔質体の細孔内に浸透(吸
収)したドレンを排出(押出)してガスを通過させるた
めには、導入口が受けるガス圧の方が、毛細管現象によ
るドレンの吸収力を上回る圧力すなわち多孔質体のバブ
ルポイント圧より大きくなければならない、ということ
を利用したものである。この装置によれば、導入口が受
けるガス圧の方が多孔質体のバブルポイント圧より小さ
い限り、ガス漏れを起こすことなく、ドレンは連続して
多孔質体の細孔内に浸透していき、導入口側と排出口側
との圧力差により押出されるようにしてその細孔内を通
過し、連続的かつ自動的に排出口より排出される。した
がって、この装置は、フロート式のものと異なり、機械
的な可動部分のない単純な構造のものであるにもかかわ
らず、ドレンを自動的かつ連続的に排出でき、しかも、
排出時の飛散や騒音がない等の優れた効果を有してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ドレン中に
含まれている油が、多孔質体に付着し、細孔に入ると、
目詰まりを起こし、経時的に、多孔質体におけるドレン
の通過面積(細孔)の減少を来してしまい、主たるドレ
ンである水の排出能力を低下させてしまう。こうした課
題に対して、上記特開平3−140699号公報記載の
技術においては格別の配慮はされていない。すなわち、
このものでは、混在する油が浮上、分離されない状態の
下で排出がされると、多孔質体の表面(濡れ面)の全体
に亘って油が付着することになり、その結果、水の排出
(透水)性能の低下を招き易く、装置としての信頼性や
寿命の点での問題があった。
【0005】一方、特開平4−187201号公報記載
の技術においては、多孔質体を油用と水用とに上下に分
けるなどの工夫をしているが、ドレンの時間流量や、水
と油の構成比の不定などにより、例えば、ドレンの液面
レベルが低下したり、油分が予想以上に多かったりする
ことがあり、水用の多孔質体に油が付着してしまうとい
った問題があった。こうした問題に対して、実開平5−
38370号公報記載の技術のように多孔質体の周囲
に、仕切り部材(壁)ないしオイルフェンスを配置する
ことも提案しているが、ドレンの滞留ないし流動作用に
伴い、油がオイルフェンスを潜り抜けて多孔質体に接す
ることは避けられない。
【0006】とりわけ、ドレンが、油の乳化された、い
わゆるエマルジョンとなっているものを含む場合には、
その油分(油の微細な粒子)の浮上速度が遅いために、
ドレン中の水の排出(流出)過程で、油分が円滑に上部
に集まらず、したがって、水に溶け込んだ油が多孔質体
に接し易く、細孔を塞いでしまい、排水能力の低下を来
し易いといった問題があった。そして、こうした問題に
より、上記した性能の低下を加味し、安全率を大きく設
定する必要から、従来は多孔質体(通水面積)を大きく
せざるを得ず、装置の大形化を招いているとの指摘もあ
った。このように、上記公報記載の技術は、如上のメリ
ットのあるものの、耐油性能の点における信頼性などの
点で、今一歩であった。本発明は、上記した問題点を解
決し、長期間に亘って初期の排出能力を維持できる信頼
性の高いドレン排出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る第1の手段は、ドレンの導入口と排出
口との間が、バブルポイント圧がその導入口が受けるガ
スの圧力より大きい多孔質体で仕切られてなる、圧縮空
気等の圧縮ガスに含まれるドレンを排出するためのドレ
ン排出装置において、前記導入口と前記多孔質体との間
に、ドレンを透過させることによりそのドレン中に含ま
れるエマルジョン状の油と水とを分離可能の油水分離手
段を設けたことにある。
【0008】また、第2の手段は、ドレンの導入口と排
出口との間が、バブルポイント圧がその導入口が受ける
ガスの圧力より大きい多孔質体で仕切られ、この多孔質
体を、水を多く含有して下層に分離されるドレンを通過
させるための水用多孔質体と、この水用多孔質体より上
に配置され、油を多く含有して上層に分離されるドレン
を通過させるための油用多孔質体とで構成し、かつ、上
記排出口を、前記水用多孔質体を通過したドレンの排出
を受け持つ水用排出口と、前記油用多孔質体を通過した
ドレンの排出を受け持つ油用排出口とに別けて設けてな
る、圧縮空気等の圧縮ガスに含まれるドレンを排出する
ためのドレン排出装置において、前記導入口と前記水用
多孔質体との間でありかつ該導入口と前記油用多孔質体
との間に、ドレンを透過させることによりそのドレン中
に含まれるエマルジョン状の油と水とを分離可能の油水
分離手段を設けたことにある。この第2の手段では、前
記油用多孔質体は、その導入口側の表面に、複数の小孔
を貫設してなるフッ素樹脂製の膜体を備えてなるものと
するとよい。
【0009】また、第1の手段および第2の手段におけ
る油水分離手段は、繊維径が0.5〜10μmの合成繊
維からなる繊維膜が好ましく、とくに、この合成繊維の
絡み合いで結着されてなる繊維膜が好ましい。そして、
こうした繊維膜は、プリーツ(ひだ)状のものとすると
よい。
【0010】
【作用】本装置のドレンの導入口がエアドライヤのドレ
ン排出口に接続され、それが運転(稼動)されると、凝
縮、分離されて発生するドレンは、所定の空気圧を受け
つつ本装置内に導入口から流入する。流入したドレン
は、多孔質体の細孔内に浸透していき、その空気圧によ
って押し出されるようにして通過し、排出口から排出さ
れる。
【0011】この際、第1の手段および第2の手段によ
れば、ドレン中のエマルジョン状の油は、前記油水分離
手段を透過することにより水と分離される。分離された
油分は水との比重差により浮上し、液面付近に集められ
る。そして、第2の手段において、油用多孔質体が、そ
の導入口側の表面に、複数の小孔を貫設してなるフッ素
樹脂製の膜体を備えたものである場合には、油用多孔質
体の細孔中の油が水と置換されるのが防止される。
【0012】また、油水分離手段が、繊維径が0.5〜
10μmの合成繊維からなる繊維膜である場合には、ド
レンがこの繊維膜を通過する際、その中に含まれる微分
散した油分が、繊維膜をなすこの微細な太さの繊維に効
率よく捕捉されて凝集し、水と分離される。そして、こ
うして分離された油は次第に粗大化(成長)し、油滴と
なって繊維膜から離脱し、その繊維膜における導入口と
反対側のドレンの液面に、水との比重差により浮上して
集められる。また、油水分離手段が、繊維径が0.5〜
10μmの合成繊維の絡み合いで結着されてなる繊維膜
であるときは、ドレン中に結着材が溶出しないし、絡み
合いによる結着のために湿潤時の形状保持性能が高いの
で、耐久性に優れる。そして、こうした繊維膜がプリー
ツ状をなすものであるときは、平坦なものに比べドレン
の透過面積ないし油を捕捉する面積が大きくなるので、
その分、目詰りによるドレン透過能力の低下防止の作用
ないし効果がある。
【0013】
【発明の効果】本発明においては、その第1の手段によ
れば、ドレン中のエマルジョン状の油は、前記油水分離
手段を透過することにより水と分離され、比重差により
ドレンの上層部に集められるから、従来の装置における
ようにエマルジョン状の油分を自然的な浮上により分離
させる場合に比べ、迅速かつ効率的に上部に集められる
ので油の処理が容易となる。また、その油分が上部に集
められるので多孔質体の全体に付着することが防止され
るから、主たるドレンである水の排出能力の低下の防止
に有効であるとともに装置としての信頼性が向上する。
この結果、多孔質体の安全率を小さく設定できるので、
その分、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0014】また、第2の手段によれば、こうした効果
に加え、透過して上部に集められた油が油用多孔質体に
触れる位置となれば、そこを通過して油用排出口から排
出されるので、水と分離した油を選択的かつ自動的に排
出させることができる。したがって、油の処理がより容
易となる。また、水用多孔質体の細孔が全体に亘って油
で塞がれるのが有効に防止されるので、その排出性能の
低下防止に効果があり、装置としての信頼性が向上す
る。また、排出能力の低下を小さくできるから、水用多
孔質体の安全率を小さく設定できる。したがって、その
分、装置のコンパクト化を図ることができる。また、第
2の手段において、前記油用多孔質体の導入口側の表面
に、複数の小孔を貫設してなるフッ素樹脂製の膜体を備
えたものである場合には、油用多孔質体の細孔中の油が
水と置換されるのを防止するから、油用多孔質体は常に
油を排出できる状態に保つことが可能となる。
【0015】
【実施例】第1の手段に係る装置を具体化した実施例に
ついて図1ないし図3を参照して詳細に説明する。本例
において、装置本体(以下、本体という)1は、有底の
円筒状に形成され、上部には、蓋2がその周縁下部にリ
ングパッキン3を介して気密状に取着されている。ただ
し、本例では蓋2の下部外周に形成されたねじに、本体
1の上端部外周に周設されたフランジを介して、袋ナッ
ト4を螺締することで取着されている。そして、蓋2の
一方の側(図1左側)にはドレンの導入口5を備えてお
り、蓋2の下面に開口されている。また、蓋2の他方の
側(図1右側)には排出口7を備え、管路6を介して中
央下面に開口している。なお本例では、導入口5及び排
出口7には配管接続のための管用テーパーねじ加工が施
されている。
【0016】蓋2の中央下面には、後述するセラミック
製で円筒状の多孔質体8が上下端面部にリングパッキン
9,9を介して垂下状に配置され、その下端面部側を円
盤状のフランジ10を介してその上面により持ち上げる
形で保持し、その中央にボルト11を通し、蓋2下面中
央のねじ孔に螺締し、蓋2と多孔質体8、さらに多孔質
体8とフランジ10との間を気密状に保持している。
【0017】一方、多孔質体8の外側には、導入口5と
多孔質体8との間を仕切る配置で内径が多孔質体8の外
径よりやや大きい略円筒状をなす仕切り部材12が、蓋
2の下面に対して多孔質体8と同心状に垂設されてい
る。ただし仕切り部材12は、本例では上端部を内側に
折り曲げてなるフランジ12aの内周縁を多孔質体8の
上端部側のリングパッキン9の上面に挟持させ、同多孔
質体8の下端部のやや下まで同径で垂設されている。
【0018】さて、導入口5と仕切り部材12との間に
は、この間を仕切る配置で、ドレンを透過させることに
よりそれに含まれるエマルジョン状の油と水とを分離可
能とした油水分離手段として、本例では略円筒状に形成
された繊維膜15が設けられている。ただし、排出口7
につづく管路6部位は、図3に示したように、切欠状と
なっている。本例では、極細の合成繊維(太さ(径)1
〜3μmのポリエステル繊維)からなる繊維膜(商品
名、ユーテック・コアレッサータイプ・旭化成工業
(株)製)とされ、多孔質体8および仕切り部材12を
同芯状に包囲し、かつ上端部が蓋2下面に当接しかつ下
端部が本体1の底部に形成された凹部16の外周寄り部
位に当接するようにして本体1内部に配置されている。
なお、本例における繊維膜15は、縦列するプリーツ状
を成すように形成されている(図2参照)。
【0019】しかして、本体1内には、図中矢印で示す
ように、導入口5から流入したドレンは、繊維膜15を
透過し、仕切り部材12の下縁12bを潜り抜けて多孔
質体8の外側に至り、そして多孔質体8を通過して排出
口7に至るようになっている。
【0020】ところで、本例では、多孔質体8をセラミ
ック製としたが、ここでその製法を例示する。アルミナ
多孔質管(φ22mm×φ18mm、気孔率40%、平
均気孔径3.5μm、長さ80mm)および次の2種類
の組成のスラリー(A、B)を調製、準備する。スラリ
ーAは、アルミナ(平均粒径1μm,純度99.9%)
50g、水280ml、カルボキシメチルセルロース1
0gおよびポリカルボン酸アンモニウム塩0.5gから
なるもので、アルミナ球石(φ10mm)300gとと
もにポリエチレン製ポットに入れ、混合(120rp
m、48時間)して調製したものである。また、スラリ
ーBは、アルミナ(平均粒径0.6μm,純度99.9
%)50g、水450ml、カルボキシメチルセルロー
ス10gおよびポリカルボン酸アンモニウム塩0.5g
からなるもので、アルミナ球石(φ10mm)300g
とともにポリエチレン製ポットに入れ、混合(120r
pm、48時間)して調製したものである。
【0021】次に、アルミナ多孔質管の両端部をプラグ
して前記スラリーAに10秒間浸して外側をコーティン
グし、その後、このアルミナ多孔質管を80℃で1時間
乾燥させた後、電気炉にて焼成(1400℃、6時間)
し、外面に細孔層(多孔質薄膜)を形成した。因みに、
こうして得られたアルミナ多孔質管の細孔層は、厚さ約
35μm、平均細孔径0.7μmであった。そして、さ
らに、その外側にスラリーBをコーティングし、125
0℃で6時間焼成し、別の細孔層を形成した。こうして
得られた細孔層は、厚さ約30μm、平均細孔径0.2
μmであった。なお、細孔層は、多孔質管の内側に形成
してもよいが、本例のように外側に形成すると、ドレン
に混在するゴミや錆などによる多孔質体の目詰まり防止
に極めて有効である。なお、こうして得られた本例に使
用した多孔質体8のバブルポイント圧は、水で10kg
f/cm2 であり、油で5kgf/cm2 であった。そ
して、水を通過させる能力つまり透水性能は、純水を使
用したとき、1.2m3 /m2 ・hr(差圧1kgf/
cm2 )であり、また油を通過させる能力つまり透油性
能は、機械油を使用したとき、0.05〜0.1m3
2 ・hr(差圧1kgf/cm2 )であった。
【0022】次に、本例装置の作用ないし効果につい
て、これを圧縮空気(5kgf/cm2 )を供給する配
管に取り付けられた図示しないエアフィルター(ドレン
排出口)に取り付けて使用した場合で説明する。ただ
し、ドレンの成分は、油がエマルジョンの状態で約20
%、水が約80%のものであり、多孔質体8は、本体1
内に給水された水であらかじめ浸漬され、湿潤状態に保
持され、細孔内は水で塞がれた状態にある。
【0023】導入口5から流入するドレンは、繊維膜1
5を透過した後は、図中の矢印のように従来のこの種の
装置と同様に、仕切り部材12の内側へ至り、多孔質体
8の細孔内を通過して内部の液面を上昇させ、オーバー
フローする形で排出口7から外部に排出されるが、繊維
膜15を透過する際、エマルジョン化により微分散して
混在する油は、繊維膜15をなす極細繊維に捕捉され凝
集される。そして、繊維膜15の内側(多孔質体側)で
油滴となって分離するが、油分は水より比重が小さいの
で上部に浮き、液面Eに展開する。したがって、本例で
は、ドレン中の油分は繊維膜15の内側でありかつ多孔
質体8を包囲する仕切り部材12の外側のドレン上層部
に集められる。この結果、多孔質体8の表面全体への油
の付着は阻止され、多孔質体8の透水性能の低下が防止
される。これより明らかなように本発明においては、仕
切り部材12を設けると一層その効果が大きい。
【0024】なお、ドレンをなす水分は、繊維膜15お
よび多孔質体8を通過してその内側に積極的に移動し、
排出口7から排出される。そして、油分は、上部(液面
E)に集められるので、装置の稼働停止後において、ナ
ット4を弛緩して本体1を取り外すなどして定期的に除
去すればよい。本例では、多孔質体8の全体に油が付着
することが防止されるので、安全率を小さく設定するこ
とができ、多孔質体8及び装置の小形化が可能となる。
【0025】また、本例では、繊維膜15をプリーツの
あるものとしたので、その分、表面積が大きく、油分を
多く凝集させることができる。また、ごみや鉄錆等の微
細な粒子が繊維間で濾過(捕捉)されて目詰りを起こし
ても、ドレン(流量)の必要な透過能力を長時間(期
間)保持できる。
【0026】上記実施例において、油水分離手段を合成
繊維からなる繊維膜としたが、本発明においてはこれに
限られるものではない。ドレンを透過させることにより
そのドレン中に含まれるエマルジョン状の油と水とを分
離可能のものであれば、合成繊維をフェルト状に形成し
たものでもよいし、合成繊維でなくともよい。ガラス繊
維を膜状に結着させたもの、或いはフェルト状に成形し
てなるものでもよい。さらに、微細な網目(メッシュ)
をもつ網体でも具体化できる。なお、合成繊維による繊
維膜ないしフェルトにあっては、バインダー(結着材)
によることなく繊維の絡み合いで結着させ、形状が保持
されているものがよい。使用過程でバインダーがドレン
中に溶出することがないので、ドレンの処理が容易とな
るし、繊維膜のウエット時の形状保持性能の低下も少な
いためである。
【0027】なお、油水分離手段(繊維膜)をなす合成
繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(ポリエス
テル)、ポリアミド、ポリプロピレンなどが好ましい。
ただし、一般には、なるべく極細の繊維からなるもの
(繊維径0.5〜10μm)が油の捕捉性能、凝集性能
の点で優れており好ましいが、油水分離膜(フィルタ
ー)として市販されている適宜のものを、処理するドレ
ンに含まれる油の物性などに応じて選択して使用するこ
ともできる。また、繊維膜の厚さやそれを構成する繊維
の緻密性(又は嵩高性)についても、処理するドレンや
油分の構成比率などに応じて適宜のものを選択使用すれ
ばよい。
【0028】なお、上記実施例では、油水分離手段を繊
維膜としかつ円筒状として多孔質体を包囲する配置で設
けた場合を例示したが、このように設ける必要は必ずし
もない。本例では、ドレン中の油分が比較的少ない場合
に好適であるが、油分の比率が大きい場合には、後述す
るように、それを排出させる専用の多孔質体および排出
口を設けたものとするとよい。なお、油水分離手段とし
ては、上記実施例におけるように油分の構成比率が小さ
い場合には、上記の繊維膜に代え、ドレンを透過させる
ことによりそのドレン中に含まれるエマルジョン状の油
を吸着させることで、油分と水とを分離可能とした油水
分離手段としてもよい。すなわち、油水分離手段とし
て、水を透過させつつ油を吸着して捕集する油吸着材
(油吸着フィルター)を設けておき、油分が所定量とな
ったときに、その吸着材を取り出して廃棄し、新品と交
換するようにしてもよい。
【0029】なお、図1のように仕切り部材12を設け
る場合、その高さは、多孔質体8のなるべく全体を覆う
ものであるとよい。油分の多孔質体8への付着防止効果
が高くなるからである。なお、仕切り部材12のオイル
フェンスとしての働きを高めるためには、油が透過(浸
透)しない材質とすべきであるが、ある程度の性能の低
下を許容できるなら、内外を完全に遮断できる材質ない
し材料で形成しなくともよい。例えば多孔質体ないし微
細な網目の網体を用いることも可能である。
【0030】さて次に、第2の手段に係る装置を具体化
した実施例について図4ないし図7を参照して詳細に説
明するが、このものは、図1のものに対し、多孔質体を
上下2つに分割して重ね、上の多孔質体を油用多孔質体
とし、下のそれを水用多孔質体として別けて形成し、か
つそれぞれ専用の排出口を設けてなる装置において具体
化したもので、前例の改良とでもいうべきものである
が、基本的には前例と同じであるので相違点を中心に説
明し、同一部位には同一の符号を付し、適宜その説明を
省略する。
【0031】本例における蓋22は、図1のものと基本
的に同じであが、図4右側の排出口27が油専用の油用
排出口とされ、流路26を介して中央下面に開口してお
り、その下に、同芯にして円筒状に形成されたセラミッ
ク製の油用多孔質体28が、上下端面部にリングパッキ
ン9,9を備えて垂下状に配置され、下端部を上へ持上
げる形で、支持部材31で支承されている。ただし、支
持部材31は、中央に円孔を備えた略円板状に形成され
ている。支持部材31の下側には、油用多孔質体28と
同様に円筒状に形成された水用多孔質体38が上下端面
部にリングパッキン9,9を備えて垂下状に配置され、
次記する締め付け具32に一体的に形成されてたフラン
ジ33の上面を介して下端部を上へ持上げる形で配設さ
れている。締め付け具32は、その管体34を支持部材
31の円孔にOリング等で気密を保持して内挿し、その
上端に形成された雌ねじ部35を、蓋22下面中央に形
成されたねじ孔に螺締して垂下されたボルト36の下端
部に螺着しており、それぞれのリングパッキン9を介し
て蓋22と油用多孔質体28、油用多孔質体28と支持
部材31、支持部材31と水用多孔質体38、及び水用
多孔質体38とフランジ33との間の液(気)密が保持
されている。
【0032】さて、締め付け具32の管体34における
水用多孔質体38の上端寄り部位には、適宜の大きさの
横穴41を備えており、また同管体34の下端部が本体
21の底部から下方に突出して開口され、水用排出口3
7を構成している。これにより、水用多孔質体38の内
側の空間と大気とが連通されている。なお、底部には、
Oリングを備えたブッシュ42が螺着され水密が保持さ
れている。
【0033】また、本例においては、油用多孔質体28
の外周には、小孔(図示せず)が適数個貫設されたフッ
素樹脂製の膜体51が張設され、水をはじくと同時にそ
の小孔から、油分を選択的に透過させるようになってい
る。ただし膜体51は厚さが、0.1mmで、小孔はそ
の径が0.1mmで、1cm2 当り、5〜10個程度、
平均に貫設されており、熱収縮により油用多孔質体28
の外側に密着されている。一方、水用多孔質体38の周
囲に対しては、円筒状の仕切り部材43が垂下状に設け
られ、ドレン中の油分が水用多孔質体38に直接に接
(付着)するのを防止するようになっている。ただし、
本例ではその上端部の内側にフランジ44が突出形成さ
れ、油用多孔質体28とその下端部のリングパッキン9
との間に挟持されている。これにより、本体21内に流
入したドレン中の主として水分が、この仕切り部材43
の下縁の連通する部位を図中矢印で示したように外側か
ら潜って内側に移行し、水用多孔質体38の外側に至る
よう構成されている。ただしこの仕切り部材43は、本
例では、下端部が水用多孔質体38の下端部よりやや下
に位置する配置とされている。
【0034】さて、本発明の特徴である油水分離手段
は、前例と同様に円筒状に形成された繊維膜15であ
り、導入口5と、水用多孔質体38及び油用多孔質体2
8との間に、この間を仕切る配置で底部に形成された凹
部16の外周寄り部位に載置状にして設けられている。
【0035】このように構成された本装置を、導入口5
を所定の配管に接続して使用する場合には、次のようで
ある。すなわち、エマルジョン化により微分散して混在
する油は、前記したのと同様にして繊維膜15を透過
し、その際油分が捕捉され凝集される。そして、成長す
ると、油滴となって繊維膜15の内側において分離し、
浮上して仕切り部材43の外側におけるドレンの上層部
に集まる。したがって、油分の水用多孔質体38への付
着が積極的に防止される。そして、この上層部に集めら
れた油分を主体とするドレンは、上の油用多孔質体28
を通過して内側の空間に溜まり、オーバーフローして
(油用)排出口27に至り外部に排出される。したがっ
て、油分の水用多孔質体38への付着が有効に防止さ
れ、その排出性能の低下が防止される。一方、ドレン中
の比重の大きい水を主体とするドレンは、仕切り部材4
3の下縁を潜り、水用多孔質体38を通過してその内側
の空間に入り、液面を上昇させて横穴41でオーバーフ
ローし、水用排出口37から外部に自動的に排出され
る。
【0036】本例では、多孔質体を水排出用のものと油
排出用のものとに分け、かつそれぞれ専用の排出口を設
けたので、排出されたドレンの処理が容易となる。油分
の比率が比較的大きいドレンを排出する場合に効果的で
ある。また、本例では、油用多孔質体28の外周に多数
の小孔を備えたフッ素樹脂製の膜体51を密着させてあ
るので疎水性がある。したがって、ドレン中の油分の比
率が低下し、ドレンの液面付近が水で占められ油用多孔
質体28に触れるようになっても膜体51の作用によ
り、油用多孔質体28の細孔内の油が水で置換されるこ
とが防止され、或いは細孔内への水の侵入が防止され
る。この結果、その後で多量の油分を含むドレンが流入
してきても、油分の排出に支障が生じない。なお、油用
多孔質体の表面などに疎水処理をしておいても同様の効
果がある。ただし、本例のように、フッ素樹脂製の膜体
51を張設すると、多孔質体の表面の割れや欠けなどの
発生を未然に防止する効果もある。なお、フッ素樹脂製
の膜体51に設ける小孔は、直径が0.05〜0.4m
m程度(好ましくは0.1〜0.2mm)が好ましい。
この範囲より小さいと油の透過面積が小さいために油の
排出性能の低下を招く一方、大きいと多孔質体の細孔が
水に濡れるためである。なお、小孔の数は、1cm2
り、5〜10個程度、なるべく平均に設けるとよい。
【0037】なお、本発明におけるドレン排出装置とし
て、上記においては、多孔質体を円筒形状のものとして
具体化したが、導入口と排出口との間を仕切って多孔質
体が設けられるものであればよく、したがって多孔質体
を隔壁状に配置したドレン排出装置において具体化する
こともできる。また、多孔質体はアルミナ(セラミッ
ク)製に限定されるものでなく、他のジルコニア、或る
いは金属製やプラスチック製のもの等を使用したもので
あってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドレン排出装置の第1の手段を具
体化した実施例を示す中央縦断正面図。
【図2】図1におけるA−A線断面図。
【図3】図1におけるB−B線部分断面図。
【図4】本発明に係るドレン排出装置の第2の手段を具
体化した実施例を示す中央縦断正面図。
【図5】図4におけるC−C線断面図。
【図6】図4におけるD−D線断面図。
【図7】図4におけるE−E線部分断面図である。
【符号の説明】 1 ドレン排出装置本体 5 導入口 7 排出口 8 多孔質体 12 仕切り部材 15 繊維膜(油水分離手段) E ドレンの液面 21 ドレン排出装置本体 27 油用排出口 28 油用多孔質体 37 水用排出口 38 水用多孔質体 43 仕切り部材 51 フッ素樹脂製の膜体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドレンの導入口と排出口との間が、バブ
    ルポイント圧がその導入口が受けるガスの圧力より大き
    い多孔質体で仕切られてなる、圧縮空気等の圧縮ガスに
    含まれるドレンを排出するためのドレン排出装置におい
    て、前記導入口と前記多孔質体との間に、ドレンを透過
    させることによりそのドレン中に含まれるエマルジョン
    状の油と水とを分離可能の油水分離手段を設けたことを
    特徴とするドレン排出装置。
  2. 【請求項2】 ドレンの導入口と排出口との間が、バブ
    ルポイント圧がその導入口が受けるガスの圧力より大き
    い多孔質体で仕切られ、この多孔質体を、水を多く含有
    して下層に分離されるドレンを通過させるための水用多
    孔質体と、この水用多孔質体より上に配置され、油を多
    く含有して上層に分離されるドレンを通過させるための
    油用多孔質体とで構成し、かつ、上記排出口を、前記水
    用多孔質体を通過したドレンの排出を受け持つ水用排出
    口と、前記油用多孔質体を通過したドレンの排出を受け
    持つ油用排出口とに別けて設けてなる、圧縮空気等の圧
    縮ガスに含まれるドレンを排出するためのドレン排出装
    置において、前記導入口と前記水用多孔質体との間であ
    りかつ該導入口と前記油用多孔質体との間に、ドレンを
    透過させることによりそのドレン中に含まれるエマルジ
    ョン状の油と水とを分離可能の油水分離手段を設けたこ
    とを特徴とするドレン排出装置。
  3. 【請求項3】 前記油用多孔質体は、その導入口側の表
    面に、複数の小孔を貫設してなるフッ素樹脂製の膜体を
    備えている請求項2記載のドレン排出装置。
  4. 【請求項4】 前記油水分離手段が、繊維径が0.5〜
    10μmの合成繊維からなる繊維膜である請求項1,2
    又は3記載のドレン排出装置。
  5. 【請求項5】 前記油水分離手段が、繊維径が0.5〜
    10μmの合成繊維の絡み合いで結着されてなる繊維膜
    である請求項1,2又は3記載のドレン排出装置。
  6. 【請求項6】 前記繊維膜がプリーツ状をなしている請
    求項4又は5記載のドレン排出装置。
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