JP2009269017A - フィルタエレメント、油水分離装置および油水分離システム - Google Patents

フィルタエレメント、油水分離装置および油水分離システム Download PDF

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Abstract

【課題】異物捕集機能を有しつつ油吸着材の充填有効容積を増大させる。
【解決手段】容器本体21における周壁21cの一端側に形成された底壁21aと、その他端側に装着される蓋体22とで中空柱体に形成されて油吸着材12a,12bおよび不織布13を収容可能に構成され、かつ底壁21aに流入口21bが形成されると共に蓋体22に流出口22aが形成されて、底壁32aの内面に底壁21aの周縁部Aが当接した状態で第2のハウジング32内に装着される油水分離装置1a用のフィルタエレメント用容器11と、容器11内に充填された油吸着材12a,12bとを備えたフィルタエレメント2aであって、底壁21aの表面から周壁21cの表面に至るスリット部21dが周縁部Aに形成されて容器11が構成されると共に、流入口21bを閉塞するようにして不織布13(エマルジョン破壊材)が配設されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、フィルタエレメント用容器に油吸着材が収容されたフィルタエレメント、このフィルタエレメントを備えて圧縮空気除湿装置のドレン水のように油分が混入した排水から油分を除去する油水分離装置および油水分離システムに関するものである。
この種の油水分離装置の一般的な構造は、本願出願人による下記の特許文献1にも記載されているように、ハウジングと、このハウジング内に収容されるフィルタとを備えた構造となっている。この場合、ハウジングは、配管(ドレン水の供給用配管およびドレン水の排出用配管)に接続された第1のハウジングと、フィルタ(フィルタエレメント)を収容する第2のハウジングとで構成されている。フィルタエレメントは、中筒と、この中筒内に充填された油吸着材とで構成されている。また、フィルタエレメントは、一端側がドレン水の供給用配管と連結された状態でハウジング内に配置されている。この油水分離装置では、供給用配管から流入したドレン水は、一端側からフィルタエレメント内に入り、油分が油吸着材で吸着され、フィルタエレメントの他端側からハウジング内に流出する。さらに、ドレン水は、ハウジングの内周面とフィルタエレメントの外周面との間の隙間を経由して排出用配管から排出される。
ところで、ドレン水には、油分だけでなく異物が混入する場合もあり、この異物を油水分離装置にて捕集したいという要請がある。そこで、出願人は、図7に示すような油水分離装置51を既に開発している。この油水分離装置51は、異物捕集手段57を備えたフィルタエレメント52を備えている。このフィルタエレメント52は、円筒状の本体53と、中央にドレン出口54aを有して本体53の上部側を仕切る円形の上部仕切板54と、中央にドレン入口55aを有すると共に周辺部に下側へ延出する脚部55bを有して本体53の下部を仕切る下部仕切板55とを有し、本体53内における上部仕切板54と下部仕切板55との間に吸着材56が充填される共に、脚部55bに異物捕集手段(小孔)57が配設されている。この油水分離装置51では、フィルタエレメント52に異物捕集手段57が配設されているため、ドレン水に含まれる異物58をフィルタエレメント52で捕集して除去することが可能となっている。また、フィルタエレメント52単位で交換可能となるため、吸着材56の交換が容易になっている。
特開2001−113269号公報(第2−3頁、第1図)
ところが、本願発明者が、出願人の開発した上記の油水分離装置についてさらに検討を加えた結果、異物捕集手段57を配設した脚部55bの存在により、フィルタエレメント52における吸着材56の充填有効容積が減少していることを見出した。
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、異物捕集機能を有しつつ、油吸着材の充填有効容積を増大させ得るフィルタエレメント用容器を有するフィルタエレメント、油水分離装置および油水分離システムを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のフィルタエレメントは、筒状の周壁および当該周壁の両端部に配設された一対の側壁で中空柱体に形成されて内部に油吸着材を収容可能に構成され、かつ前記一対の側壁のうちの一方の側壁に流入口が形成されると共に他方の側壁に流出口が形成されて、フィルタハウジングにおけるドレン口の形成端面に当該一方の側壁の周縁部が当接した状態で当該フィルタハウジング内に装着される油水分離装置用のフィルタエレメント用容器と、当該フィルタエレメント用容器内に充填された前記油吸着材とを備えたフィルタエレメントであって、前記一方の側壁の表面から前記周壁の表面に至るスリット部が前記周縁部に形成されて前記フィルタエレメント用容器が構成されると共に、当該フィルタエレメント用容器における前記流入口を閉塞するようにしてシート状のエマルジョン破壊材が配設されている。
請求項2記載のフィルタエレメントは、請求項1記載のフィルタエレメントにおいて、前記エマルジョン破壊材が、アミン系のエマルジョン破壊材で構成されている。
請求項3記載のフィルタエレメントは、請求項1または2記載のフィルタエレメントにおいて、前記油吸着材としてのシート状吸着材および当該油吸着材としての短冊状吸着材の少なくとも一方が充填された第1の油吸着層と、前記油吸着材としての細紐状吸着材および当該油吸着材としての綿状吸着材の少なくとも一方が充填された第2の油吸着層とが前記エマルジョン破壊材の上にこの順で設けられて構成されている。
請求項4記載のフィルタエレメントは、請求項1または2記載のフィルタエレメントにおいて、前記油吸着材としての細紐状吸着材および当該油吸着材としての綿状吸着材の少なくとも一方が充填された油吸着層が前記エマルジョン破壊材の上に設けられて構成されている。
請求項5記載のフィルタエレメントは、請求項1から4のいずれかに記載のフィルタエレメントにおいて、前記フィルタエレメント用容器が、筒状の容器本体および当該容器本体に装着される蓋体とを備え、当該蓋体が前記一方の側壁または前記他方の側壁として構成されている。
請求項6記載のフィルタエレメントは、請求項1から5のいずれかに記載のフィルタエレメントにおいて、前記油吸着材が、前記流入口からドーム状に突出している。
請求項7記載の油水分離装置は、請求項1から6のいずれかに記載のフィルタエレメントと、内径が当該フィルタエレメントにおける前記フィルタエレメント用容器の外径よりも大径な中空柱体に形成されると共にドレン口の形成端面に当該フィルタエレメント用容器の前記一方の側壁の周縁部が当接した状態で当該フィルタエレメントを装着可能なフィルタハウジングとを備えている。
請求項8記載の油水分離システムは、粗処理用フィルタエレメントとしての請求項3記載のフィルタエレメントが装着された第1の油水分離装置と、本処理用フィルタエレメントとしての請求項4記載のフィルタエレメントが装着された第2の油水分離装置とを備え、処理対象のドレン水が前記第1の油水分離装置および前記第2の油水分離装置をこの順で通過するように当該両油水分離装置が連結されている。
請求項1記載のフィルタエレメントでは、その一方の側壁の周縁部がフィルタハウジングにおけるドレン口の形成端面に当接した状態でフィルタハウジング内に装着され、一方の側壁の表面から周壁の表面に至るスリット部がこの周縁部に形成されたフィルタエレメント用容器と、フィルタエレメント用容器内に充填された油吸着材とを備えると共に、フィルタエレメント用容器におけるドレン水の流入口を閉塞するようにしてシート状のエマルジョン破壊材が配設されている。したがって、このフィルタエレメントによれば、その一方の側壁をフィルタハウジングの底壁と直接当接させることで油吸着材の充填有効容積を増大させつつ、スリット部を異物捕集部として機能させてドレン水に含まれている異物を捕集することができるだけでなく、油吸着材に付着し難い(油吸着材によって除去し難い)エマルジョンが含まれている処理対象のドレン水がシート状のエマルジョン破壊材を通過する際にエマルジョン破壊(油分および水分の分離)されるため、処理対象のドレン水からエマルジョン化した油分を確実に取り除くことができる。
また、請求項2記載のフィルタエレメントによれば、エマルジョン破壊材をアミン系のエマルジョン破壊材で構成したことにより、エマルジョン化した油分および水分を確実に破壊(油分と水分とに分離)することができる。
さらに、請求項3記載のフィルタエレメントによれば、シート状吸着材および短冊状吸着材の少なくとも一方を充填した第1の油吸着層と、細紐状吸着材および綿状吸着材の少なくとも一方を充填した第2の油吸着層とをエマルジョン破壊材の上にこの順で設けて構成したことにより、エマルジョン破壊材によってエマルジョン破壊された直後に、第1の油吸着層において油吸着材によって油分が吸着されるため、エマルジョン破壊した油分および水分が再びエマルジョン化する事態を回避して油分を確実に取り除くことができる。また、このフィルタエレメントによれば、第1の油吸着層において比較的大きな油分の塊だけが除去されるため、例えばシート状のエマルジョン破壊材の直ぐ後ろに第2の油吸着層を設ける構成と比較して、第1の油吸着層を構成する油吸着材が短期間で目詰まりする事態を回避して十分に長い期間に亘って粗処理用フィルタエレメントの浄化能力を維持することができ、しかも、第1の油吸着層において取り除くことができなかった油分を第2の油吸着層において十分に取り除くことができる。
また、請求項4記載のフィルタエレメントによれば、細紐状吸着材および綿状吸着材の少なくとも一方を充填した油吸着層をエマルジョン破壊材の上に設けて構成したことにより、エマルジョン破壊材によってエマルジョン破壊された直後に、油吸着層を構成する油吸着材によって油分が吸着されるため、エマルジョン破壊した油分および水分が再びエマルジョン化する事態を回避して油分を確実に取り除くことができる。
さらに、請求項5記載のフィルタエレメントによれば、筒状の容器本体と蓋体とでフィルタエレメント用容器を構成したことにより、蓋体を外すことによって油吸着材を容易に交換することができるため、フィルタエレメント用容器を使い捨てることなく、再利用することができる。
また、請求項6記載のフィルタエレメントによれば、フィルタエレメント用容器の一方の側壁に形成された流入口からエマルジョン破壊材がドーム状に突出しているため、流入口から露出するエマルジョン破壊材の表面積(捕集面積)が、流入口においてエマルジョン破壊材が平面状態となるときと比較して増加している。したがって、このフィルタエレメントによれば、油分や異物の付着によるエマルジョン破壊材の目詰まりを低減することができる結果、フィルタエレメント全体および油水分離装置としての目詰まりを低減することができる。
また、請求項7記載の油水分離装置によれば、上記のフィルタエレメントを用いたことにより、フィルタエレメント用容器に対するスリット部の形成によって異物の捕集機能を確保しつつ、フィルタエレメント用容器での油吸着材の充填有効容積の増大によって油水分離機能を長期間に亘って発揮させることができる。したがって、この油水分離装置によれば、フィルタエレメントの長寿命化、言い換えれば、交換回数を低減することができる。
また、請求項8記載の油水分離システムによれば、粗処理用フィルタエレメントが装着された第1の油水分離装置と、本処理用フィルタエレメントが装着された第2の油水分離装置とを備え、処理対象のドレン水が第1の油水分離装置および第2の油水分離装置をこの順で通過するように両油水分離装置を連結したことにより、第1の油水分離装置における粗処理用フィルタエレメントで除去し切れなかった油分や異物を第2の油水分離装置における本処理用フィルタエレメントによって確実に除去することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るフィルタエレメント、油水分離装置および油水分離システムの最良の形態について説明する。
最初に、油水分離システムS1(油水分離装置1a,1b)の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す油水分離システムS1は、本発明に係る油水分離システムの一例であって、本発明における油水分離装置の一例である油水分離装置1a,1bを備えて構成されている。油水分離装置1aは、本発明における第1の油水分離装置の一例であって、図5に示すように、フィルタエレメント2a(本発明に係るフィルタエレメントの一例)および本体(本発明におけるフィルタハウジング)3を備えている。また、油水分離装置1bは、本発明における第2の油水分離装置の一例であって、図6に示すように、フィルタエレメント2b(本発明に係るフィルタエレメントの他の一例)および本体(本発明におけるフィルタハウジング)3を備えている。この場合、図1に示すように、この油水分離システムS1では、上流側に配置された油水分離装置1aにドレン配管における供給側配管4が接続されると共に、下流側に配置された油水分離装置1bにドレン配管における排出側配管5が連結され、かつ、油水分離装置1a,1bが連結用配管6を介して連結されて、供給側配管4から流入するドレン水に含まれている油分および異物を分離して排出側配管5に排出する機能を備えている。
フィルタエレメント2aは、本発明における粗処理用フィルタエレメントの一例であって、図5に示すように、フィルタエレメント用容器11と、フィルタエレメント用容器11内に収容された油吸着材12a,12bおよび不織布13とを備えている。本例では、フィルタエレメント用容器11は、一端側(図5中の下端側)が底壁(本発明における周壁の両端部に配設された一対の側壁のうちの一方の側壁)21aによって閉塞されると共に他端側(図5中の上端側)が開放された筒状(一例として円筒状)の容器本体21と、容器本体21の他端側に装着(一例として螺合によって装着)された蓋体(本発明における一対の側壁のうちの他方の側壁)22とを備えている。また、容器本体21の底壁21aには、図3,5に示すように、その中央部位に流入口21b(一例として円形の1つの開口部)が形成されている。
また、容器本体21は、フィルタエレメント2aとして構成された状態で後述するように本体3内に装着された際には、図5に示すように、底壁21aの周縁部A(リブ状に突出した部位)が本体3の底面(後述するドレン口の形成面)と当接するが、この底壁21aの周縁部Aの表面には、図2〜5に示すように、底壁21aの表面(外面)から周壁21c(底壁21aを除く筒状の部位)の表面(外面)に至るスリット部21dが1または2以上(本例では複数(一例として4つ))形成されている。このスリット部21dは、一例として周壁21cの一部を凹ませることで形成されている。この場合、周縁部Aをリブ状に突出させることなく、底壁21aを平坦に形成してその周縁部にスリット部21dを形成してもよい。また、スリット部21dは、一例として、底壁21aの表面から周壁21cの表面にかけて同じ幅に形成されて、ドレン水に含まれている異物を捕集する異物捕集部として機能する。このように油吸着材12a,12bおよび不織布13を収容する容器本体21の底壁21aが本体3の底面と直接当接するように構成され、かつ異物捕集部として機能するスリット部21dが上記のように形成されているため、従来の構成(脚部55bを使用する構成)と比較して、容器本体21における油吸着材12a,12bや不織布13を収容する部位を長くできる結果、容器本体21についての油吸着材12a,12bの充填有効容積が大幅に増大している。なお、このような構成を備えた容器本体21は、樹脂材料(一例としてポリプロピレン)を用いてブロー成形で形成されている。
蓋体22は、その中央に流出口22aが形成されている。流出口22aは、一例として、円形の領域内に複数の小孔が開口されて網目状に構成されている。また、蓋体22の外面における流出口22aの周縁部分には、後述する本体3との連結管として機能する円筒体22bが立設されて、その内面にシール用のOリング22cが配設されている。蓋体22は、樹脂成形(一例として、ポリエチレンを用いた射出成型)で形成されている。このように容器本体21と蓋体22とで構成されるフィルタエレメント用容器11は中空柱体として構成されて、その内部に油吸着材12a,12bおよび不織布13が収容されている。具体的には、図5に示すように、容器本体21の底壁21aに不織布13が流入口21bを覆うようにして複数枚敷設され、フィルタエレメント用容器11内の残りの空間内に油吸着材12a,12bが充填されている。不織布13は、本発明における「シート状のエマルジョン破壊材」に相当し、一例として、アミン系のエマルジョン破壊シート(繊維状のポリプロピレンをベースとしてシート状に形成された材)で構成されている。この場合、このフィルタエレメント2aでは、上記したように、流入口21bを覆うようにして(閉塞するようにして)数枚の不織布13が容器本体21内に積層されるようにして配設されている。また、このフィルタエレメント2aでは、不織布13の一部が油吸着材12a,12bから圧力を受けて変形して、流入口21bからドーム状に突出した状態となっている。
また、油吸着材12aは、容器本体21内に充填されて本発明における第1の油吸着層を構成する材であって、一例として、短冊状に裁断したポリプロピレンの小片(本発明における「短冊状吸着材」の一例)で構成されている。この場合、短冊状に裁断したポリプロピレンの小片に代えて、シート状のポリプロピレン(本発明における「シート状吸着材」の一例)を巻回または折り重ねた状態で容器本体21内に充填することで本発明における第1の油吸着層を構成することもできる。なお、油吸着材12aとしてシート状吸着材を採用する場合には、容器本体21の側方から見て各シート状吸着材に重なりが生じるように(流入口21bから流入したドレン水が各シート状吸着材の間を通過して流出口22aに向かって流れるように)充填することで、フィルタエレメント2aを通過する際のドレン水の流動抵抗が過剰に大きくなる事態を回避することができる。
さらに、油吸着材12bは、容器本体21内に充填されて本発明における第2の油吸着層を構成する材であって、一例として、綿状に加工されたポリプロピレン(本発明における「綿状吸着材」の一例)で構成されている。この場合、綿状に加工されたポリプロピレンに代えて、ポリプロピレンの繊維を編んだ細紐(本発明における「細紐状吸着材」の一例)を容器本体21内に充填することで本発明における第2の油吸着層を構成することもできる。このフィルタエレメント2aでは、不織布13を積層した上に、上記の油吸着材12aが充填された層(本発明における第1の油吸着層)および上記の油吸着材12bが充填された層(本発明における第2の油吸着層)がこの順で設けられて、流入口21bから容器本体21内に流入したドレン水が、不織布13、油吸着材12aの層および油吸着材12bの層を順に通過して流出口22aから流出する構成が採用されている。この場合、ポリプロピレンは、油吸着性に優れていることが知られている。したがって、油吸着材12a,12bおよび不織布13だけでなく、容器本体21もポリプロピレンで形成したこのフィルタエレメント2aによれば、ドレン水に含まれている油分を十分に除去することができる。
一方、フィルタエレメント2bは、本発明における本処理用フィルタエレメントの一例であって、図6に示すように、上記のフィルタエレメント2aと同じ構成のフィルタエレメント用容器11を備えると共に、フィルタエレメント2aにおいて油吸着材12aが充填された層および油吸着材12bが充填された層に代えて、フィルタエレメント用容器11の容器本体21内に油吸着材12bが充填された層だけが設けられている。この場合、このフィルタエレメント2bでは、流入口21bを閉塞するようにして数十枚の不織布13が容器本体21内に積層されるようにして配設されている。また、このフィルタエレメント2bでは、不織布13を積層した上に、上記の油吸着材12bが充填された層(本発明における油吸着層)が設けられて、流入口21bから容器本体21内に流入したドレン水が、不織布13および油吸着材12bの層を順に通過して流出口22aから流出する構成が採用されている。この場合、フィルタエレメント用容器11内に配設する不織布13の枚数や、油吸着材12a,12bの充填量については、処理対象のドレン水の状態(処理対象のドレン水に含まれる異物や油分の量)に応じてフィルタエレメント2a,2b毎に適宜規定することができる。なお、以下の説明において上記のフィルタエレメント2a,2bを区別しないときには「フィルタエレメント2」ともいう。
本体3は、図5,6に示すように、第1のハウジング31と第2のハウジング32とで構成されている。第1のハウジング31は、有底円筒体に形成されて、その内部にフィルタエレメント2を取り付けるためのフィルタヘッド33が配設されている。また、第1のハウジング31の周壁31aには、供給側配管4(または連結用配管6)と連結される第1接続口34、および排出側配管5(または連結用配管6)と連結される第2接続口35が取り付けられている。この場合、第2接続口35は、フィルタヘッド33に連結されて、フィルタヘッド33を排出側配管5(または連結用配管6)と連通させる。
第2のハウジング32は、有底円筒体に形成されて、その内部にフィルタエレメント2が収容される。また、第2のハウジング32の底壁32aは、中央部分へ近づくに従って外側に突出するドーム状に形成されて、その最も突出した部位(中央部)にドレン口32bが配設されている。第2のハウジング32に収容されて装着されたフィルタエレメント2は、容器本体21の底壁21aにおける周縁部Aが底壁32aの内面(本発明におけるドレン口の形成端面)と当接する。また、第2のハウジング32は、その周壁32cの内径がフィルタエレメント2の外径(フィルタエレメント用容器11を構成する容器本体21の外径および蓋体22の外径のいずれか大きい方)よりも大径に形成されている。これにより、第2のハウジング32の内周面とフィルタエレメント2の外周面との隙間Bが、供給側配管4(または連結用配管6)からフィルタエレメント2に供給されるドレン水の流路として機能する。また、上記のように構成された第1のハウジング31および第2のハウジング32は、一例として、図5,6に示すように、第1のハウジング31の周壁31aにおける開口側端部(下端部)に、第2のハウジング32の周壁32cにおける開口側端部(上端部)が挿入されて互いに連結されている。また、第1のハウジング31の周壁31aおよび第2のハウジング32の周壁32cの各重合部分には、シール用のOリング36が配設されている。
次いで、油水分離システムS1(油水分離装置1a,1b)の油水分離動作について説明する。
この油水分離システムS1では、油分および様々な大きさの異物58を含むドレン水が供給側配管4から供給された際に、ドレン水は、まず、図5において二点鎖線で示すように、油水分離装置1aにおける第1のハウジング31の内部から第2のハウジング32内に形成された隙間Bに達する。この場合、本例の油水分離装置1aでは、第2のハウジング32の底壁32aと当接する容器本体21の底壁21aには、底壁21aの表面から周壁21cの表面に至るスリット部21dが形成されている。このため、ドレン水は、このスリット部21dを流路として、第2のハウジング32の底壁32aと容器本体21の底壁21aとの間の隙間Cに流入する。この際に、ドレン水に含まれている異物58のうちのスリット部21dの幅よりも大きな異物58は、スリット部21dを通過できないため、通過が阻止されて、隙間Bの下部に留まる。つまり、スリット部21dは、その幅よりも大きな異物58を捕集する異物捕集部として機能する。
続いて、スリット部21dを通過して隙間Cに流入したドレン水は、容器本体21の底壁21aに形成された流入口21bからフィルタエレメント2aの内部に流入する。この際に、ドレン水に含まれる異物58のうちでも大きなものは、第2のハウジング32の底壁32aの内面に沈殿する。また、ドレン水に含まれる異物58のうちでも小さなものは、流入口21bからフィルタエレメント2a内に進入しようとした際に、不織布13によって捕集(捕捉)されて、油吸着材12a,12bへの進入が阻止される。この場合、上記したように不織布13が流入口21bからドーム状に突出しているため、流入口21bから突出する不織布13の表面積(捕集面積)が平面状態と比較して増加している。したがって、この油水分離装置1aでは、異物58の付着による不織布13の目詰まり、つまりフィルタエレメント2aの目詰まりが発生しにくくなっている。なお、不織布13は油吸着材12a,12bほどではないにしても油分についても吸着するため、本発明における油吸着材としても機能する。また、第2のハウジング32の底壁32aの内面に沈殿した異物58は、底壁32aが上記したようなドーム状に形成されているため、底壁32aの中央部分に移動してドレン口32b内に落下し、ドレン口32b内に集められる。これにより、ドレン口32bを開くことにより、集まった(溜まった)異物58を容易に排出することができる。
また、このフィルタエレメント2aでは、前述したように、処理対象のドレン水が流入口21bからフィルタエレメント用容器11内に流入し、不織布13が積層された層、油吸着材12aが充填された層、および油吸着材12bが充填された層をこの順で通過させられる。この場合、処理対処のドレン水には、油分と水分とが混じり合ってエマルジョン化した液(乳濁液:以下、単に「エマルジョン」ともいう)が含まれている。したがって、この油水分離システムS1では、まず最初に、エマルジョンを含んだドレン水が油水分離装置1aにおけるフィルタエレメント2a内の不織布13(シート状のエマルジョン破壊材)の層を通過するようにドレン水の流路を構成して、ドレン水中のエマルジョンを破壊(油分と水分とを分離)させる構成が採用されている。また、不織布13の層を通過してエマルジョン破壊されたドレン水は、油吸着材12a(この例では、短冊状に裁断したポリプロピレンの小片)の層を通過する際に、比較的大きな油分の塊が油吸着材12aに付着して取り除かれた後に、油吸着材12b(この例では、綿状に加工されたポリプロピレン)の層を通過する際に、油吸着材12aの層において取り除くことができなかったある程度小さな油分の塊が油吸着材12bに付着して取り除かれる。これにより、フィルタエレメント2aによるドレン水の粗処理が完了する。この後、粗処理が完了したドレン水は、フィルタエレメント用容器11内を移動して蓋体22に達して、蓋体22に形成された流出口22aを介してフィルタエレメント2aの外部に流出して、蓋体22に連結されているフィルタヘッド33内に流入する。これにより、油水分離装置1aによるドレン水の粗処理が完了して、ドレン水は、フィルタヘッド33から接続口35を介して連結用配管6に排出される。
一方、連結用配管6を介して油水分離装置1bに供給されたドレン水は、図6において二点鎖線で示すように、まず、接続口34から第1のハウジング31内に導入され、第1のハウジング31の内部から第2のハウジング32内に形成された隙間Bに達する。なお、上記したように油水分離装置1bは、フィルタエレメント2aに代えてフィルタエレメント2bを備えている点を除き、上記の油水分離装置1aと同様の構成が採用されている。したがって、導入されたドレン水がフィルタエレメント2b内に流入するまでに異物58が捕集される原理については上記の油水分離装置1aと同様であるため、その説明を省略する。次いで、第2のハウジング32の底面に達したドレン水は、フィルタエレメント2bにおける流入口21bからフィルタエレメント用容器11内に流入し、不織布13が積層された層、および油吸着材12bが充填された層をこの順で通過させられる。この際に、油水分離装置1a(フィルタエレメント2a)による粗処理が完了したドレン水には、極く少量の(極く小さな塊の)エマルジョンが依然として含まれていることがある。したがって、この油水分離システムS1では、粗処理が完了したドレン水がまず最初に油水分離装置1b内のフィルタエレメント2bにおける不織布13(シート状のエマルジョン破壊材)の層を通過するようにドレン水の流路を構成して、ドレン水中のエマルジョンを完全に破壊させる構成が採用されている。
また、不織布13の層を通過してエマルジョンが破壊されたドレン水は、油吸着材12b(この例では、綿状に加工されたポリプロピレン)の層を通過する際に、油水分離装置1a(フィルタエレメント2a)によって取り除くことができなかった小さな油分の塊や、フィルタエレメント2bにおける不織布13の層によって新たにエマルジョン破壊された小さな油分の塊が油吸着材12bに付着してほぼ完全に取り除かれる。これにより、フィルタエレメント2b(油水分離装置1b)によるドレン水の本処理が完了する。この後、本処理が完了したドレン水は、流出口22aからフィルタヘッド33内に流出し接続口35から排出側配管5に排出される。この場合、この油水分離システムS1では、上記の油水分離装置1a,1bの双方において、ドレン水がフィルタエレメント2内を上昇する方向で各処理層(不織布13の層、油吸着材12aの層および油吸着材12bの層)を通過する構成が採用されている。この場合、ドレン水に含まれている油分やエマルジョン破壊によって生じた油分は、水分よりも軽量であるため、フィルタエレメント2内をフィルタヘッド33に向かって浮上しようとする力が働く。したがって、この油水分離システムS1では、除去すべき油分が、水分と共に上方に向かって圧送されつつ、自らが浮上しようとする力によって上記の各処理層を通過することとなる。これにより、油分が第2のハウジング32の底部に留まることなく各油吸着材12a,12bに付着し易くなっている。
一方、フィルタエレメント2が汚れて油水分離能力が低下したときには、フィルタエレメント2を交換する。この際には、まず、ドレン口32bを開いて本体3内のドレン水を排出する。次いで、第1のハウジング31から第2のハウジング32を取り外して、フィルタエレメント2を露出させる。続いて、フィルタヘッド33からフィルタエレメント2を外し、新品のフィルタエレメント2をフィルタヘッド33に装着する。次いで、第1のハウジング31に第2のハウジング32を連結させる。これにより、フィルタエレメント2の交換が完了する。この場合、油吸着材12a,12bや不織布13自体を取り出す必要がないため、交換は短時間で完了する。また、交換のための特殊な工具や技術が不要なため、交換作業が初めてのユーザであってもフィルタエレメント2を容易に交換できる。
この場合、特許第4064157号公報には、ロール状の油分吸着材を積層した油分吸着材層(4)と、粒体(6)の表面に凝集剤(7)を充填付着させることによって一体化した支持体層(5)とがドレン水の流路に沿って交互に設けられた油分分離装置(1)が開示されている。この油分分離装置(1)では、油分含有液(処理対象のドレン水)が、まず、通液板(9)によって分散されながら、槽(2)の内部に流入する。また、流入した油分含有液は、支持体層(5)の粒体(6)の間の凝集剤(7)中を流通し、凝集剤層(8)を通過して油分吸着材層(4)に到達する。この際に、凝集剤(7)および凝集剤層(8)中で微細なコロイド状油分が凝集、粗大化される結果、油分吸着材層(4)において分離された油分が吸着、除去される。しかしながら、この油分分離装置(1)では、粒体(6)の表面に凝集剤(7)を充填付着させて支持体層(5)を形成する処理が煩雑であると共に、この支持体層(5)と油分吸着材層(4)とを交互に幾重にも積層する作業が非常に煩雑となっている。このため、この油分分離装置(1)では、その製造コストの低減が課題となっている。
これに対して、この油水分離システムS1では、フィルタエレメント用容器11内に不織布13を積層し、この不織布13の層の上に油吸着材12aを充填して本発明における第1の油吸着層を形成し、その上に油吸着材12bを充填して本発明における第2の油吸着層を形成しただけの非常に簡易な構成のフィルタエレメント2aを備えて油水分離装置1aが構成されると共に、フィルタエレメント用容器11内に不織布13を積層し、この不織布13の層の上に油吸着材12bを充填して本発明における油吸着層を形成しただけの非常に簡易な構成のフィルタエレメント2bを備えて油水分離装置1bが構成されている。したがって、前述したように、不織布13によってエマルジョンを破壊して油吸着材12a,12b(または油吸着材12bのみ)によって油分を確実に吸着可能としつつ、その製造コストを十分に低減することが可能となっている。
また、特許第3541886号公報には、油水を分離する油分離槽(10)と、エマルジョン破壊をおこさせるフィルターエレメント(22)が配設された異物捕捉槽(20)と、エマルジョン破壊粒子付吸着材(32)、油吸着材(33)および活性炭(34)が配設されたエマルジョン破壊油吸着槽(30)とを備えた油水分離装置(1A)が開示されている。この場合、この油水分離装置(1A)では、上記の油分離槽(10)、異物捕捉槽(20)およびエマルジョン破壊油吸着槽(30)がそれぞれ別体に構成されると共に、油分離槽(10)と異物捕捉槽(20)とが接続管(272)によって相互に接続され、かつ異物捕捉槽(20)とエマルジョン破壊油吸着槽(30)とが接続管(273)によって相互に接続されている。したがって、この油水分離装置(1A)では、油分離槽(10)において分離された油分と水分とが接続管(272)を通過する際に、エマルジョン化したり、異物捕捉槽(20)においてエマルジョン破壊された油分と水分とが接続管(273)を通過する際に再びエマルジョン化したりすることが想定される。
このため、この油水分離装置(1A)では、ドレン水の流路における末端に位置するエマルジョン破壊油吸着槽(30)内にエマルジョン破壊粒子付吸着材(32)の層を幾重にも設ける必要が生じており、その製造コストの低減が課題であると共に、エマルジョン破壊油吸着槽(30)内において十分にエマルジョン破壊できなかったエマルジョンが処理済みのドレン水として水分と共に排出されるおそれがある。また、ドレン水の流路が非常に長い上記の油水分離装置(1A)では、ドレン水に加わっている圧力の損失(ドレン水の圧送力の低下)が非常に大きくなっている。このため、エマルジョンや油分を含んだドレン水が、複数の処理層を幾重にも重ねた上記のエマルジョン破壊油吸着槽(30)内を通過するのが困難となっており、スムーズな浄化処理が課題となっている。
これに対して、この油水分離システムS1(油水分離装置1a,1bにおけるフィルタエレメント2a,2b)では、上記したように、エマルジョン破壊を目的とした不織布13の層と、油分を吸着するための油吸着材12a,12b(または油吸着材12bのみ)とが1つのフィルタエレメント用容器11内に収容されている。したがって、この油水分離システムS1では、不織布13の層を通過する際にエマルジョン破壊で生じた油分が再びエマルジョン化する前に油吸着材12a,12b(または油吸着材12bのみ)に付着して取り除かれる。また、ドレン水の流路を十分に短くすることができるため、ドレン水に加わっている圧力の損失を十分に低減することができる結果、スムーズかつスピーディな浄化処理が可能となっている。
このように、このフィルタエレメント2a,2bでは、第2のハウジング32の底壁32a(ドレン口32bの形成端面)と当接するフィルタエレメント用容器11を構成する容器本体21の底壁21aにおける周縁部Aに、底壁21aの表面から容器本体21の周壁21cの表面に至るスリット部21dが形成されたフィルタエレメント用容器11と、フィルタエレメント用容器11内に充填された油吸着材12a,12b(または油吸着材12bのみ)とを備えると共に、フィルタエレメント用容器11におけるドレン水の流入口21bを閉塞するようにして不織布13(シート状のエマルジョン破壊材)が配設されている。したがって、このフィルタエレメント2a,2bによれば、容器本体21の底壁21aを第2のハウジング32の底壁32aと直接当接させることで容器本体21における油吸着材12a,12b(または油吸着材12bのみ)の充填有効容積を増大させつつ、スリット部21dを異物捕集部として機能させてドレン水に含まれている異物58を捕集することができるだけでなく、油吸着材12a,12bに付着し難い(油吸着材12a,12bによって除去し難い)エマルジョンが含まれている処理対象のドレン水が不織布13の層を通過する際にエマルジョン破壊(油分および水分の分離)されるため、処理対象のドレン水からエマルジョン化した油分を確実に取り除くことができる。
また、このフィルタエレメント2a,2bによれば、本発明におけるエマルジョン破壊材(この例では、不織布13)をアミン系のエマルジョン破壊材で構成したことにより、エマルジョン化した油分および水分を確実に破壊(油分と水分とに分離)することができる。
さらに、このフィルタエレメント2aによれば、シート状吸着材および短冊状吸着材の少なくとも一方(この例では、短冊状に裁断したポリプロピレンの小片からなる油吸着材12a:短冊状吸着材)を充填した第1の油吸着層と、細紐状吸着材および綿状吸着材の少なくとも一方(この例では、綿状に加工されたポリプロピレンからなる油吸着材12b:綿状吸着材)を充填した第2の油吸着層とを不織布13の層の上にこの順で設けて構成したことにより、不織布13によってエマルジョン破壊された直後に、油吸着材12aによって油分が吸着されるため、エマルジョン破壊した油分および水分が再びエマルジョン化する事態を回避して油分を確実に取り除くことができる。また、このフィルタエレメント2a,2bによれば、油吸着材12aの層において比較的大きな油分の塊だけが除去されるため、例えば不織布13の層の直ぐ後ろに油吸着材12bの層を設ける構成と比較して、油吸着材12aの層が短期間で目詰まりする事態を回避して十分に長い期間に亘ってフィルタエレメント2aの浄化能力を維持することができ、しかも、油吸着材12aの層において取り除くことができなかった油分を油吸着材12bの層において十分に取り除くことができる。
また、このフィルタエレメント2bによれば、細紐状吸着材および綿状吸着材の少なくとも一方(この例では、綿状に加工されたポリプロピレンからなる油吸着材12b:綿状吸着材)を充填した油吸着層を不織布13の層の上に設けて構成したことにより、不織布13によってエマルジョン破壊された直後に、油吸着材12bによって油分が吸着されるため、エマルジョン破壊した油分および水分が再びエマルジョン化する事態を回避して油分を確実に取り除くことができる。
また、このフィルタエレメント2a,2bによれば、フィルタエレメント用容器11を容器本体21と蓋体22とで構成したことにより、油吸着材12a,12b(または油吸着材12bのみ)および不織布13を容易に交換することができるため、フィルタエレメント用容器11を使い捨てることなく、再利用することができる。
また、フィルタエレメント2a,2bによれば、容器本体21の底壁21aに形成された流入口21bから不織布13がドーム状に突出しているため、流入口21bから露出する不織布13の表面積(捕集面積)が、流入口21bにおいて不織布13が平面状態となるときと比較して増加している。したがって、このフィルタエレメント2a,2bによれば、油分や異物58の付着による不織布13の目詰まりを低減することができる結果、フィルタエレメント2a,2b全体および油水分離装置1a,1b全体としての目詰まりを低減することができる。
また、この油水分離装置1a,1bによれば、上記のフィルタエレメント2a,2bを用いたことにより、フィルタエレメント用容器に対するスリット部21dの形成によって異物58の捕集機能を確保しつつ、フィルタエレメント用容器11での油吸着材12a,12b(または油吸着材12bのみ)の充填有効容積の増大によって油水分離機能を長期間に亘って発揮させることができる。したがって、この油水分離装置1a,1bによれば、フィルタエレメント2a,2bの長寿命化、言い換えれば、交換回数を低減することができる。
また、この油水分離システムS1によれば、本発明における粗処理用フィルタエレメントとしてのフィルタエレメント2aが装着された油水分離装置1aと、本発明における本処理用フィルタエレメントとしてのフィルタエレメント2bが装着された油水分離装置1bとを備え、処理対象のドレン水が油水分離装置1a,1bをこの順で通過するように両油水分離装置1a,1bを連結したことにより、油水分離装置1aにおけるフィルタエレメント2aで除去し切れなかった油分や異物を油水分離装置1bにおけるフィルタエレメント2bによって確実に除去することができる。
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、不織布13や油吸着材12a(または油吸着材12b)を流入口21bからドーム状に突出させる構成に代えて、逆に、容器本体21の内側にドーム状に凹ませる構成を採用することもできる。この構成においても、不織布13や油吸着材12a,12bの表面積(捕集面積)を平面状態と比較して増加させることができるため、上記のフィルタエレメント2a,2bおよび油水分離装置1a,1b(油水分離システムS1)と同様にして、油分や異物58の付着による不織布13や油吸着材12a,12bの目詰まりを低減することができる。この構成は、例えば、流入口を流出口22aと同様にして複数の小孔が開口された網目状に形成して、この部分を容器本体21の内部に凹むドーム状に形成することで実現することができる。
また、容器本体21の底壁21aに流入口21bを形成し、かつ蓋体22に流出口22aを形成してフィルタヘッド33に連結させる構成のフィルタエレメント用容器11について上記したが、図示はしないが、逆の構成とすることもできる。つまり、蓋体22に流入口およびスリット部を形成し、かつ容器本体21の底壁21aに流出口を形成して、底壁21aをフィルタヘッド33に連結させる構成とすることもできる。この場合、蓋体22の周縁部が本体3の底面と当接するようにし、かつこの周縁部に蓋体22のスリット部に繋がるスリット部を形成する構成とする。この構成においても、上記したフィルタエレメント用容器11と同様の作用効果を奏することができ、このフィルタエレメント用容器11を用いるフィルタエレメント2a,2bおよび油水分離装置1a,1b(油水分離システムS1)も、上記した作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の例では、スリット部21dの幅について、底壁21aの表面から周壁21cの表面にかけて同じになるように形成しているが、この方向に従って徐々に幅広になる構成や、幅狭になる構成を採用することもできる。
油水分離システムS1の正面図である。 容器本体21の底壁21aおよびその近傍の要部拡大図である。 図2の下方側から見た容器本体21の底面図である。 図3におけるW−W線断面図である。 油水分離装置1aの構成を示す一部切欠き断面図である。 油水分離装置1bの構成を示す一部切欠き断面図である。 油水分離装置51の構成を示す断面図である。
符号の説明
S1 油水分離システム
1a,1b 油水分離装置
2a,2b フィルタエレメント
3 本体
11 フィルタエレメント用容器
12a,12b 油吸着材
13 不織布
21 容器本体
21a 底壁
21b 流入口
21c 周壁
21d スリット部
22 蓋体
22a 流出口
31 第1のハウジング
32 第2のハウジング
32b ドレン口
A 周縁部

Claims (8)

  1. 筒状の周壁および当該周壁の両端部に配設された一対の側壁で中空柱体に形成されて内部に油吸着材を収容可能に構成され、かつ前記一対の側壁のうちの一方の側壁に流入口が形成されると共に他方の側壁に流出口が形成されて、フィルタハウジングにおけるドレン口の形成端面に当該一方の側壁の周縁部が当接した状態で当該フィルタハウジング内に装着される油水分離装置用のフィルタエレメント用容器と、当該フィルタエレメント用容器内に充填された前記油吸着材とを備えたフィルタエレメントであって、
    前記一方の側壁の表面から前記周壁の表面に至るスリット部が前記周縁部に形成されて前記フィルタエレメント用容器が構成されると共に、当該フィルタエレメント用容器における前記流入口を閉塞するようにしてシート状のエマルジョン破壊材が配設されているフィルタエレメント。
  2. 前記エマルジョン破壊材は、アミン系のエマルジョン破壊材で構成されている請求項1記載のフィルタエレメント。
  3. 前記油吸着材としてのシート状吸着材および当該油吸着材としての短冊状吸着材の少なくとも一方が充填された第1の油吸着層と、前記油吸着材としての細紐状吸着材および当該油吸着材としての綿状吸着材の少なくとも一方が充填された第2の油吸着層とが前記エマルジョン破壊材の上にこの順で設けられて構成されている請求項1または2記載のフィルタエレメント。
  4. 前記油吸着材としての細紐状吸着材および当該油吸着材としての綿状吸着材の少なくとも一方が充填された油吸着層が前記エマルジョン破壊材の上に設けられて構成されている請求項1または2記載のフィルタエレメント。
  5. 前記フィルタエレメント用容器は、筒状の容器本体および当該容器本体に装着される蓋体とを備え、当該蓋体が前記一方の側壁または前記他方の側壁として構成されている請求項1から4のいずれかに記載のフィルタエレメント。
  6. 前記エマルジョン破壊材は、前記流入口からドーム状に突出している請求項1から5のいずれかに記載のフィルタエレメント。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のフィルタエレメントと、
    内径が当該フィルタエレメントにおける前記フィルタエレメント用容器の外径よりも大径な中空柱体に形成されると共にドレン口の形成端面に当該フィルタエレメント用容器の前記一方の側壁の周縁部が当接した状態で当該フィルタエレメントを装着可能なフィルタハウジングとを備えている油水分離装置。
  8. 粗処理用フィルタエレメントとしての請求項3記載のフィルタエレメントが装着された第1の油水分離装置と、本処理用フィルタエレメントとしての請求項4記載のフィルタエレメントが装着された第2の油水分離装置とを備え、処理対象のドレン水が前記第1の油水分離装置および前記第2の油水分離装置をこの順で通過するように当該両油水分離装置が連結されている油水分離システム。
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