JPH0628498U - ドレン排出装置 - Google Patents

ドレン排出装置

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JPH0628498U
JPH0628498U JP6946192U JP6946192U JPH0628498U JP H0628498 U JPH0628498 U JP H0628498U JP 6946192 U JP6946192 U JP 6946192U JP 6946192 U JP6946192 U JP 6946192U JP H0628498 U JPH0628498 U JP H0628498U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多孔質体のバブルポイント圧を利用したドレ
ン排出装置で、ドレン中の油が同多孔質体の細孔を塞ぐ
のを防ぎ、水の排出能力の低下を防止する。 【構成】 装置本体1のドレン溜めDに、多孔質体8の
ほぼ上端部から下端部の近傍に至る部位を仕切る仕切り
部材13を設ける。仕切り部材13と導入口5との間
に、ドレンに混在する油を毛細管作用により上部に吸上
げる油吸上げ部材16を上下方向に設ける。油吸上げ部
材16は、疎水性のある連続多孔を備えた多孔質体で形
成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、食品工業、化学工業、医薬品工業、或いは宇宙ステーション等に好 適なドレン排出装置に関し、詳しくは、例えば空気圧縮機(コンプレッサー)か ら所定の配管を経てエアツールや端末機器に圧縮空気を供給する過程において、 その空気中に含まれる水分や油分(ドレン)などを除去するために用いられるエ アドライヤで、凝縮、分離されて発生するドレンを外部に排出するための装置に 関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のドレン排出装置(以下、単に「装置」ともいう)の代表的なも のとしてはフロート式のものがよく知られている。これに対して本願出願人は、 多孔質体のバブルポイント圧を利用した装置(特開平3−140699、同4− 187201)を提案している。これは、内部に、ドレンの導入口と排出口との 間を仕切る形で、バブルポイント圧が導入口の受けるガスの圧力より大きい多孔 質体を設けることで構成したものである。
【0003】 この装置は、多孔質体の細孔内に浸透(吸収)したドレンを排出(押出)して ガスを通過させるためには、導入口が受けるガス圧の方が、毛細管現象によるド レンの吸収力を上回る圧力すなわち多孔質体のバブルポイント圧より大きくなけ ればならない、ということを利用したものである。この装置によれば、導入口が 受けるガス圧の方が多孔質体のバブルポイント圧より小さい限り、ガス漏れを起 こすことなく、ドレンは連続して多孔質体の細孔内に浸透していき、導入口側と 排出口側との圧力差により押出されるようにしてその細孔内を通過し、連続的か つ自動的に排出口より排出される。したがって、この装置は、フロート式のもの と異なり、機械的な可動部分のない単純な構造のものであるにもかかわらず、ド レンを自動的かつ連続的に排出でき、しかも、排出時の飛散や騒音がない等の優 れた効果を有している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、ドレン中に含まれている油が、多孔質体に付着し、細孔に入ると、 目詰まりを起こし、経時的に、多孔質体におけるドレンの通過面積(細孔)の減 少を来してしまい、主たるドレンである水の排出能力を低下させてしまう。こう した課題に対して、上記特開平3−140699号公報記載の技術においては格 別の配慮はされていない。つまり、従来の装置では、混在する油が浮上、分離さ れない状態の下で排出がされると、多孔質体の濡れ面の全体に亘って油が付着す ることになり、その結果、水の排出(透水)性能の低下を招き易く、装置として の信頼性や寿命の点での問題があった。
【0005】 一方、特開平4−187201号公報記載の技術においては、多孔質体を油用 と水用とに上下に分けるなどの工夫をしているが、ドレンの時間流量や、水と油 の構成比の不定などにより、例えば、ドレンの液面レベルが低下したり、油分が 予想以上に多かったりすることがあり、水用の多孔質体に油が付着してしまうと いった問題があった。こうした問題に対して、多孔質体の周囲に、仕切り部材な いし隔壁状の、いわばオイルフェンスを配置することも提案しているが、ドレン の滞留ないし流動作用に伴い、油がオイルフェンスを潜り抜けて多孔質体に接す ることは避けられない。
【0006】 とりわけ、ドレンが、油の乳化された、いわゆるエマルジョンとなっているも のを含む場合には、その油分(油の微細な粒子)の浮上速度が遅いために、ドレ ン中の水の排出(流出)過程で、油分が円滑に上部に集まらず、したがって、水 に溶け込んだ油が多孔質体に接し易く、したがって、細孔を塞いでしまい、排水 能力の低下を来し易いといった問題があった。そして、こうした問題により、上 記した性能の低下を加味し、安全係数を大きく設定する必要から、従来は多孔質 体(通水面積)を大きくせざるを得ず、装置の大形化を招いているとの指摘もあ った。 このように、上記公報記載の技術は、如上のメリットのあるものの、耐油性能 の点における信頼性などの点で、今一歩であった。 本考案は、上記した問題点を解決し、長期間に亘って初期の排出能力の維持で きる信頼性の高いドレン排出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本考案による第1の手段は、内部にはドレンの導 入口と排出口との間を仕切って多孔質体が設けられるとともに、その多孔質体は バブルポイント圧が前記導入口が受けるガスの圧力より大きく設定され、また、 前記多孔質体と前記導入口との間にドレン溜めを備えてなる、圧縮空気等の圧縮 ガスに含まれるドレンを排出するためのドレン排出装置において、上記ドレン溜 めに、ドレンに混在する油を毛細管作用により上部に吸上げる油吸上げ手段を設 けたものである。
【0008】 また、第2の手段は、前記第1の手段における上記ドレン溜めに対して、前記 導入口と多孔質体との間を仕切る仕切り部材を、その上端部がドレンの液面より 上となる配置で設け、また、その仕切り部材と前記導入口との間に、ドレンに混 在する油を毛細管作用により上部に吸上げる油吸上げ手段を、その上端部が前記 仕切り部材の下端部より上となる配置で設けたものである。 なお、両手段において、油吸上げ手段は、疎水性を備えたものとすると、油を 選択的に吸上げることができるので好ましく、また、その場合、連続多孔を備え た多孔質体から成るものとすると、油の吸上げ効率が一層向上する。
【0009】
【作用】
上記の構成により、本装置のドレンの導入口が例えばエアドライヤのドレン排 出口に接続され、それが運転(稼動)されると、凝縮、分離されて発生するドレ ンは、所定の空気圧を受けつつ本装置内に導入口から流入する。流入したドレン は、ドレン溜めに溜まり、多孔質体の細孔内に浸透していき、その空気圧によっ て押し出されるようにして通過し、排出口から排出される。 この排出過程において、上記の第1の手段では、ドレン溜め中の油及び油粒子 を含むドレンは、油吸上げ手段に至ると毛細管作用によって吸い込まれる。そし て、吸い込まれたドレン中の油は水より比重が小さいので、差圧によって次第に 上方に押し上げられ、上部において解放(吐出)され、ドレンの液面上において 油の層となって展開し、下部の水と分離される。これにより、ドレン溜めにおい ては、油が、油吸上げ手段のない従来の装置における自然的に浮上、分離される にすぎない場合に比べ、効率的に上部に集められ、多孔質体の細孔が全体に亘っ て油で塞がれるのが有効に防止される。とりわけ、油のある上部の領域より、下 方に対して、導入口と排出口との間を仕切る多孔質体を配置する構成とすれば、 その細孔が塞がれることが一層、有効に防止される。
【0010】 また、第2の手段では、仕切り部材を有しているので、ドレン溜めに流入した ドレンは、その下部を潜り抜けて多孔質体に至る。このとき、油よりも水の方が 比重が大きい分、優先的に潜り抜けるから、ドレン溜めにおける仕切り部材と導 入口との間は油分が多くなる。したがって、ドレン溜めに流入した油が直接多孔 質体に付着することが防止される上に、上記した油吸上げ手段による作用により 、油は仕切り部材の下端部よりも上方において解放され、上部に集められるから 、細孔が油で塞がれるといったことの防止に効果的である。
【0011】 さらに、油吸上げ手段を、疎水性を備えて成るものとすると、それが水に濡れ ることなく油を選択的に吸上げる作用を果たす。とくに、疎水性を有する連続多 孔を備えた多孔質体から成るものとすると、油の吸上げ効率がよく、したがって ドレン流量が大きい場合でも、ドレン溜めにおいて、油は積極的に上部に集めら れ、下部(層)の水とよく分離される。
【0012】
【実施例】
次に本考案に係る装置を具体化した実施例について、図1ないし図2を参照し て詳細に説明する。 本例において、装置本体(以下、本体という)1は、有底の円筒状に形成され 、上部には、蓋2がその下部周縁にリングパッキン3を介して気密状に取着され ている。ただし本例では、蓋2の下部外周に形成されたねじに、本体1の上端部 外周に周設されたフランジを介して、袋ナット4を螺締することで取着されてい る。 そして、この蓋2の一方の側(図1左側)にはドレンの導入口5を備えており 、管路6を介して蓋2の下面に開口されている。また、蓋2の他方の側(図1右 側)には排出口7を備え、中央下面に開口している。なお、本例では、導入口5 及び排出口7には配管接続のため管用テーパーねじ加工が施されている。
【0013】 また、蓋2の中央下端には、後述するセラミック製で円筒状の多孔質体8が上 下端面部にリングパッキン9,9を介して垂下状に配置され、その下端面部側を 円盤状のフランジ10を介してその上面により持ち上げる形で保持し、その中央 にボルト11を通し、蓋2下部中央のねじ孔に螺締し、蓋2と多孔質体8、さら に多孔質体8とフランジ10との間を気密状に保持している。また、多孔質体8 の外周面にはフェルト12が張設され、多孔質体8への油分等の付着を防止して いる。
【0014】 一方、多孔質体8の外側には、導入口5と多孔質体8とを仕切る仕切り部材1 3が、蓋2の下面に対して多孔質体8と同心状に垂設されている。この仕切り部 材13は、本例では、多孔質体8のほぼ上端部から下端部を覆う拡径部13aと 、拡径部13aの下端部の有孔底13bを介して拡径部13aに連続する縮径部 13cとを備え、さらに、縮径部13cの下端部は、カップ状に形成された底蓋 13dが接着され、該部を閉鎖している。ただし、仕切り部材13の上端部は流 入するドレンの液面Eより上となるように設定されている。そして、拡径部13 aの下端部及び底蓋13dの側面13eの上端との間に、また、有孔底13b及 び底蓋13dの間には、それぞれ間隙K1,K2が設けられ、また、縮径部13 cには貫通孔14が設けられており、これら間隙K1,K2及び貫通孔14によ ってドレンの流通経路が形成されている。なお、拡径部13aの上端のやや下側 には、空気抜きとしての貫通孔15が設けられている。
【0015】 さて、次に本例装置の要部を構成する、ドレンに混在する油を上部に集める油 吸上げ手段をなす油吸上げ部材16について説明するが、本例では、この油吸上 げ部材16は、疎水性かつ親油性を有し、かつ連続多孔を有する多孔質体から成 るもので、詳しくは次記するが細長板状をなし、ドレン溜めDの底部に載置され たストレーナー状の上げ底板17に下端部を取着して、上下方向に、適宜の配置 で起立状態にして、多数(20本)配設されている。ただし、ドレン溜めDに設 けられた仕切り部材13と導入口5との間で、上端部が、仕切り部材13の上端 部とほぼ同じレベルとなるようにして設けられている。 なお、本例における油吸上げ部材16は、ポリフッ化ビニリデン製のシート( 厚さ2mm,気孔率41%,平均気孔径10μm)を細長板状(長さ100mm ,幅5mm)に切断し、これを適宜に捩じったものである。因みに、捩じったの は、こうすることで、表面積(ドレンとの接触面積)を多くするためである。
【0016】 なお、本例においては、本体1の一側(図1左)であって、ドレンの設定液面 Eレベル部位に油排出手段21を備えている。因みに、この油排出手段21は、 本体1側壁に貫通孔を設け、目の細かいフェルト(多孔質体)22を内側に張り 付け、同フェルト22の内部を介して外部に連通する、ねじ部材から成る管体2 3を取着してなるものであって、油をフェルト22内を通過させ、サイホン管2 4により排出するものであり、バブルポイント圧を利用したドレン排出手段と全 く同じ原理によるものである。
【0017】 また、本例では、本体1の底部中央に、ドレン抜き31が設けられている。ド レン抜き31は、本体1底部を貫通して螺挿されたブュシュ32と、その内側に 螺入され、上部にフランジ部33aを有するとともに軸部33bにオリフィス通 路33cを有する栓体33とから構成されている。そして、図1に示すように、 栓体33が下側の位置にあるときには、水密が保持されドレンの流出が防止され る一方、栓体33が上に移動すると、フランジ部33aとブッシュ32間に間隙 ができ、オリフィス通路33cを通ってドレンが排出される。
【0018】 ところで、多孔質体8のバブルポイント圧は、導入口5の受けるガスの圧力よ り大きくないといけない。本例では、セラミックのものとしたが、ここで、その 製法を例示する。 まず、アルミナ(平均粒径0.3μm,純度99.8%)100g、水100 ml、ポリビニルアルコール1gを、アルミナ球石(φ10mm)300gとと もにポリエチレン製ポットに入れ、それらを混合(120rpm、48時間)し て泥漿を得る。次に、アルミナ多孔管(φ22mm×φ18mm、気孔率35% 、平均気孔径2.1μm、長さ80mm)の外周部をビニルテープで巻いて前記 泥漿に浸す(30秒間)。その後、アルミナ多孔管を泥漿から引き上げて自然乾 燥させる(15時間)。さらに、このアルミナ多孔管を電気炉にて焼成(摂氏1 270度、2時間)し、アルミナ多孔管の内面に微細孔層(薄膜)を焼き付ける 。因みに、こうして得られたアルミナ多孔管の微細孔層は、厚さ約25μm、平 均細孔径0.21μm、バブルポイント圧(水)は7.8kg/cm2 であった 。
【0019】 さて、次に本装置の作用ないし効果について説明する。ただし、多孔質体8は 、予め水に浸漬されることで湿潤ないし湿潤状態に保持され、細孔内は水で塞が れた状態にある。すなわち、導入口5から流入したドレンは、ドレン溜めDに溜 まるが、仕切り部材13によるオイルフェンスの働きにより、直接多孔質体8に 接することなく、一旦、仕切り部材13の下部の、隙間K1,K2及び貫通孔1 4から成る流通経路を潜り抜けて多孔質体8の側に至る。そして、フェルト12 を通過して、多孔質体8の細孔内に浸透していき、空気圧によって押し出される ようにして通過し、液面を上昇させてオーバーフローする形で、排出口7から外 部に排出される。図中の矢印はドレンのフローを示している。 一方、ドレン中の油及び油粒子は、油吸上げ部材16の外周面の細孔に接する と、その連続多孔に、毛細管作用によって吸い込まれる。このとき、吸い込まれ たドレン中の油は水より比重が小さいので、ヘッドの差圧によって上方に押し上 げられ、液面Eの上部において解放(吐出)され、油の層Aとなって展開する。
【0020】 本例では、油吸上げ部材16を、疎水性のあるポリフッ化ビニリデンとしたの で、水に濡れることなく油を選択的に吸上げる。また、仕切り部材13があるの で、油が直接多孔質体8に付着することがない上に、その下部は、水が優先的に 潜り抜けるから、ドレン溜めDにおける仕切り部材13と導入口5との間は油の 比率が多くなり、油の吸上げ効率がよく、ドレン流量が大きい場合に有効である 。さらに、多孔質体8の外周にフェルト12が被覆してあるから、その目詰まり の防止に極めて有効である。なお、上部に分離された油は、油排出手段21から 自動的に排出される。
【0021】 なお、こうした本例装置の効果は、図3に示すように、マイコンパンチャーと 称する孔開加工機械(図示しない)に供給する圧縮空気を除湿するためのエアド ライヤ(図示しない)のドレン排出口(空気圧5kg/cm2 )に、本装置を接 続し、油吸上げ部材16の有無による相違の下で、約6か月間、比較試験をした 結果からも実証される。すなわち、同図より明らかなように、油吸上げ部材の無 いものにおいては、約1か月後には、排出能力は1/3に低下したが、本例のも のにおいては、6か月後においても低下はほとんどみられない。
【0022】 上記実施例においては、油吸上げ手段である、油吸上げ部材16は、ポリフッ 化ビニリデン製の連続多孔を有する多孔質体からなるものとしたが、これに限定 されるものではない。毛細管作用により、ドレンに混在する油を上部に吸上げる ことのできる材質ないし組成のものであればよい。したがって、例えば、親油性 のある細い繊維を編んで成る紐状体をドレン溜めD中、上下に張設してもよい。 ただし、疎水性ある材質のものであれば、油の分離効率がよいことは前記したと おりである。疎水性かつ親油性を有する材質としては、例えば、ポリエチレンが 挙げられる。
【0023】 また、上記実施例では、油吸上げ手段16をシートを細長板状に切断し、これ を適宜に捩じったものとしたが、その形状は、当然のことながら、これに限定さ れるものではない。ドレンに混在する油を毛細管作用により上部に集めることの できる手段であれば、適宜の形状とすることができる。例えば、同シートから形 成する場合であっても、細長板状とすることなく、全体を筒状に丸めて、多孔質 体8の周囲に遊挿される形態で装着してもよい。因みに、こうした形態とすれば 、油吸上げ手段自体が仕切り部材(オイルフェンス)の作用も果たすことができ る。
【0024】 なお、油吸上げ手段16は、なるべくドレン溜めDの底部からドレンの設定液 面Eまでの全体(高)の領域をカバーする配置ないし高さで設けることが、吸上 げ効率向上のために好ましい。なお、仕切り部材13を設ける場合、その高さは 、多孔質体8の全高をなるべく覆うようなものであるとよいが、この場合の油吸 上げ手段16は、その上端が仕切り部材13の下端部より上に、好ましくは上端 部より上となる配置とするとよい。油はドレン溜めDにおいて、より上方で解放 される結果、水との分離がよく行われるからである。
【0025】 なお、仕切り部材のオイルフェンスとしての働きを高めるためには、例えばス テンレス鋼板とか、合成樹脂板とかのように、油が透過(浸透)しない材質とす べきであるが、ある程度の性能の低下を許容できるなら、内外を完全に遮断でき る材質ないし材料でなくともよい。例えば多孔質体ないし微細な網目の網様に形 成されたものを用いることも可能である。
【0026】 本願考案が具体化される装置を成す多孔質体の形状は、上記実施例では筒状の ものを例示したが、ドレンの導入口と排出口との間を仕切る形態のものであれば 、例えば隔壁状のものであってもよいことはいうまでもない。
【0027】 上記実施例において使用した多孔質体8はセラミック製としたが、これに限定 されるものでなく、例えば金属製やプラスチック製のもの等を使用してもよい。 装置の目的、用途などに応じて適宜選択して用いることとなるが、ドレンと親和 性を有し、かつそれを細孔内に浸透させ易いものであることがその排出効率の向 上の上で好ましい。また、平均気孔率や気孔径は受けるガス圧やバブルポイント 圧等に応じて適宜のものを選択して使用すればよい。
【0028】 なお、上記の実施例では本装置をエアドライヤに取付けた場合を例示したが、 例えばエアブレーキシステムなどのように圧縮空気を動力源とする各種のエア装 置、或いは空気圧配管等に取付けて使用できることは当然である。また、適用で きる圧縮ガスは、空気のみに限定されるものでない。
【0029】
【考案の効果】
以上の説明から明らかなように、本考案に係るドレン排出装置においては、ド レン溜め中の油及び油粒子を含むドレンが、油吸上げ手段の毛細管作用によって 吸い込まれ、そのうちの油が比重差により上方に押し上げられ、ドレンの液面上 に展開され、ドレン溜めにおいて上部に集められるので、油吸上げ手段のない従 来の装置における自然的に浮上、分離されるにすぎない場合に比べ、油が効率的 に上部に集められ、したがって、多孔質体の細孔が全体に亘って油で塞がれるの が有効に防される。したがって、水の排出能力の低下の防止に効果があり、装置 としての信頼性が高くなる。また、排出能力の低下が小さくなるので、多孔質体 の安全係数を小さく設定でき、したがって、その分、装置のコンパクト化や製造 コストの低減が期待される。
【0030】 とくに、仕切り部材を設けた技術においては、それがオイルフェンスとして作 用し、油の多孔質体への付着を積極的に阻止するとともに、ドレン溜めにおける 仕切り部材と導入口との間に油分を集める作用を果たすから、その分、油吸上げ 手段により効率的に油を上部に集めることができる。これにより、多孔質体の細 孔が油で塞がれるといったことの防止に、より一層有効である。
【0031】 さらに油吸上げ手段を、疎水性を備えたものとすると、油を選択的に吸上げる ので、油を上部に分離する効率がよい。とくに、疎水性を有する連続多孔を備え た多孔質体から成るものでは、その効率がより高く、ドレン流量が大きい場合で も、ドレン溜めにおいて油は積極的に上部に集められるし、油が乳化された状態 のドレンを含む場合でも、多孔質体の細孔への油の付着の防止に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るドレン排出装置の一実施例を示す
中央縦断正面図である。
【図2】図1における一部省略横断面図である。
【図3】実施例による装置と油吸上げ手段を有しない従
来の装置による排出能力の経時的変化を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1 ドレン排出装置本体 5 導入口 7 排出口 8 多孔質体 13 仕切り部材 16 油吸上げ部材(油吸上げ手段) E ドレンの液面 D ドレン溜め A 油の層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 徳本 淳一 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)考案者 水嶋 康之 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)考案者 竹村 朱 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にはドレンの導入口と排出口との間
    を仕切って多孔質体が設けられるとともに、その多孔質
    体はバブルポイント圧が前記導入口が受けるガスの圧力
    より大きく設定され、また、前記多孔質体と前記導入口
    との間にドレン溜めを備えてなる、圧縮空気等の圧縮ガ
    スに含まれるドレンを排出するためのドレン排出装置に
    おいて、上記ドレン溜めに、ドレンに混在する油を毛細
    管作用により上部に吸上げる油吸上げ手段を設けたこと
    を特徴とするドレン排出装置。
  2. 【請求項2】 内部にはドレンの導入口と排出口との間
    を仕切って多孔質体が設けられるとともに、その多孔質
    体はバブルポイント圧が前記導入口が受けるガスの圧力
    より大きく設定され、また、前記多孔質体と前記導入口
    との間にドレン溜めを備えてなる、圧縮空気等の圧縮ガ
    スに含まれるドレンを排出するためのドレン排出装置に
    おいて、上記ドレン溜めに対して、前記導入口と多孔質
    体との間を仕切る仕切り部材を、その上端部がドレンの
    液面より上となる配置で設け、また、その仕切り部材と
    前記導入口との間に、ドレンに混在する油を毛細管作用
    により上部に吸上げる油吸上げ手段を、その上端部が前
    記仕切り部材の下端部より上となる配置で設けたことを
    特徴とするドレン排出装置。
  3. 【請求項3】 油吸上げ手段を、疎水性を備えて成るも
    のとした、請求項1又は2記載のドレン排出装置。
  4. 【請求項4】 油吸上げ手段を、疎水性を有する連続多
    孔を備えた多孔質体から成るものとした、請求項1又は
    2記載のドレン排出装置。
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