JP2548377B2 - H形鋼の圧延方法 - Google Patents

H形鋼の圧延方法

Info

Publication number
JP2548377B2
JP2548377B2 JP1142170A JP14217089A JP2548377B2 JP 2548377 B2 JP2548377 B2 JP 2548377B2 JP 1142170 A JP1142170 A JP 1142170A JP 14217089 A JP14217089 A JP 14217089A JP 2548377 B2 JP2548377 B2 JP 2548377B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
web
roll
width
rough
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1142170A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0280102A (ja
Inventor
宏之 林
恒雄 瀬戸
啓徳 三浦
洋二 藤本
有秀 河村
博 吉田
邦夫 磯辺
俊幸 阿久根
隆文 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP1142170A priority Critical patent/JP2548377B2/ja
Publication of JPH0280102A publication Critical patent/JPH0280102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2548377B2 publication Critical patent/JP2548377B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はH形鋼の圧延方法に関し、とくにウェブ高
さが一定でしかも断面寸法の良好なH形鋼を安定して製
造しようとするものである。
(従来の技術) 一般に、H形鋼は、第6図(a)(b)に示すように
ブレークダウン圧延機6の下流に粗ユニバーサル圧延機
7、エッジャー圧延機8および仕上げユニバーサル圧延
機9を配設したラインにおいて、第7図(a)(b)及
び(c)に示すような種々の断面形状を有する素材1,2
又は3を熱間圧延することによって製造されている。
上掲第7図(a)(b)及び(c)に示す各素材(つ
まり、符号1はスラブ、符号2は矩形鋼片、符号3はH
形鋼用鋼片)はまずブレークダウン圧延機6にて所定形
状にまで粗造型されるが、このような圧延に適した圧延
機6としては、通常第8図(a)(b)に示すような開
孔形4あるいは閉孔形5を刻設した上下ロールを有する
2重式ブレークダウン圧延機が用いられていた。
ブレークダウン圧延機6による圧延は、具体的に複数
個の孔形を使用して順次各複数パスによる圧延にて素材
を以後の中間圧延に適合した形状にまで加工する工程で
ある。
上記の圧延にて粗造形された素材はつぎに第9図
(a)に示す如き形状になるロールを備えた1基以上の
粗ユニバーサル圧延機7と第9図(b)に示す如き形状
になるロールを備えた1基以上のエッジャー圧延機8と
によって、1パスあるいは複数パスにて中間圧延され、
次いで第9図(c)に示す如き形状になるロールを備え
た仕上げユニバーサル圧延機9にて通常は1パスでH形
鋼製品に圧延される。従って、製品寸法が決まれば、仕
上げユニバーサル圧延機9のロール寸法とそれ以前の圧
延機のロール寸法が決まる。
つまり、第8図(a)における寸法(イ)、第9図
(a)〜(c)における寸法(ロ)〜(ニ)はほぼ等し
くなる如く設計されているのである。
このようにH形鋼の圧延においては特にブレークダウ
ン圧延後の素材の形状変化は限定されたものであるが、
特定のシリーズ(例えばH600×300等)のH形鋼を圧延
する場合にはそれに適合した特定幅の水平ロールが使用
される。
このような特定幅になる水平ロールによって圧延され
たH形鋼はウェブ内幅が一定になるが、例えば1つのシ
リーズにおいて、厚さの異なる多種サイズの形鋼を製造
するには通常、水平ロールと垂直ロールのロール間隔を
変えて圧延することにより製造され、この場合形鋼製品
のフランジ厚の最大のものと最小のものとの厚み差は一
例を示せば片側で16mm前後、両側ではその2倍、つま
り、32mm程度ウェブ高さが変化することになる。
同一シリーズ内でのウェブ高さの変化はこのように従
来の圧延法では避けられないものであり、これを例え
ば、建築材として用いる場合に大きな問題となることが
あった。
すなわち、梁を同一シリーズ内の数サイズのH形鋼を
複数接合して造る場合、上述したように同一シリーズ内
のH形鋼であってもウエブ高さにばらつきがあるから、
それらの一方のフランジ外面を合わせると他方に大きな
(フランジ厚み差の2倍)ずれを生じ、施工上問題とな
る。
また、通常、建築物の構造を設計する場合は、外側か
ら内側へと寸法が順次決定されていく。これに対し、圧
延H形鋼はウェブ内幅寸法が一定で、フランジ厚の分だ
け外幅寸法(ウェブ高さ寸法)が変わる場合があるので
施工個所での他との寸法のとり合いに厳密さを要求され
る場合には非常に問題となる。
さらに圧延H形鋼には寸法精度上の問題もある。すな
わち、H形鋼の圧延においては、第10図に示すように粗
ユニバーサル圧延機7の水平ロール10の側面部11が圧延
本数の増加とともに摩耗して水平ロール10の内幅寸法が
減少する傾向がある。ここに垂直ロール12は、水平ロー
ル10とともに摩耗するが、垂直ロール12の摩耗について
はその開度を摩耗分だけ調整すればよく、水平ロールほ
どの問題は生じない。
しかしながら、水平ロールの摩耗に対しては、第11図
で示す如く、フランジ厚み(ホ)を一定にして圧延する
場合にウェブ内幅(ヘ)だけでなくウェブ高さ(ト)が
水平ロール10の側面部11の摩耗分だけ低くなるので、通
常は、寸法公差の許す範囲でフランジ厚み(ホ)を厚く
してウェブ高さ(ト)を確保していた。
ところが、製品のウェブ高さの許容差はウェブ高さ40
0mm未満のものについては±3.0mm、同400mm以上600mm未
満のものについては±4.0mm、同600mm以上のものについ
ては±5.0mmとJIS G 3192に規定されている。材料のウ
ェブ高さ(ト)は水平ロール10の幅の大小に影響される
ので、通常、ウェブ高さ(ト)の寸法許容差の範囲内で
使用する有効ロール幅が制限される。
従って、使用する水平ロール10の幅によってフランジ
厚みが異なり、特に、摩耗して幅が減少した水平ロール
10で圧延すると同一圧延チャンス内でも製品のフランジ
厚は厚くなる。当然、圧延チャンス毎に所定のロール幅
になるロールに取替えたとしても、摩耗の進行に伴ない
ロール幅が変わることになるからチャンス毎の製品寸法
にもばらつきが生じ、これらは寸法精度上好ましくな
い。
圧延H形鋼には以上のような問題があるため、とくに
建築用には、フランジ厚が変化してもウェブ高さが一定
になるようにプレートを溶接して製造したH形鋼が用い
られるが、当然、この場合圧延H形鋼より製造コストが
高くなるという不利があった。
この点に関する先行文献としては、例えば特開昭59−
133902号公報、特開昭60−82201号公報、特開昭61−262
404号公報などが参照される。
(発明が解決しようとする課題) 特開昭59−133902号公報に開示の方法は軸方向の位置
を変更できる分割ロールを第6図(a)の粗ユニバーサ
ル圧延機7、エッジャー圧延機8ならびに仕上げユニバ
ーサル圧延機9に組込み、これによってウエブの部分圧
延、フランジ端部圧延を行ない同一ロールで異なったウ
ェブ高さサイズの圧延を可能とする圧延方法である。
また、特開昭60−82201号公報に開示の方法は軸方向
の位置を変更できる分割ロールを第6図(b)の1次粗
ユニバーサル圧延機7a、エッジャー圧延機8、2次粗ユ
ニバーサル圧延機7bならびに仕上げユニバーサル圧延機
9に組込んで同一ロールで異なったウェブ高さサイズ、
フランジ幅サイズの圧延を可能にする圧延方法あるいは
軸方向の位置を変更できる分割ロールを第6図(b)の
1次粗ユニバーサル圧延機7a、2次粗ユニバーサル圧延
機7bならびに仕上げユニバーサル圧延機9に組込んで同
一ロールで異なったウェブ高さサイズの圧延を可能とす
る圧延方法である。
これらの先行技術はウェブ高さを大きな範囲にわたっ
て変更でき、数シリーズを連続して圧延できるので、従
来の圧延に比してロール交換頻度の減少等多くの効果を
有する。
しかしながら、同一シリーズ内の全サイズのウェブ高
さを一定にすることに関しては、分割ロール間隔の調整
量が30mm程度でよいのにも拘らず、粗ユニバーサルミ
ル、エッジャーミルならびに仕上げユニバーサルミルの
全てに水平ロールとして軸方向に移動可能な2つの分割
ロールを用いるため、その設備費が非常に大きくなると
いう不利があった。
一方特開昭61−262404号公報に開示の方法は、ブレー
クダウン圧延後の素材を粗圧延ならびにその後、仕上げ
圧延等の過程を経てH形鋼を熱間圧延するに際し、粗圧
延時においては、ウエブの両端部に突起を形成するよう
に粗圧延し、その後ロール軸方向の位置をパス毎に変化
できる少なくとも2つの分割ロールを有する水平ロール
により、これら分割ロールの位置を適宜変化させて仕上
圧延しようとするものであるが、この方法は、厚みが薄
くしかも温度の低下した前記ウェブ突起部を仕上げ圧延
工程において部分圧延することからロール面圧の増大に
よって、分割ロールに過負荷が加わるという問題点があ
った。
同一シリーズ内において異なるフランジ厚みであって
もウェブ高さがほぼ一定になるH形鋼を製造コストの増
大を伴なったり圧延機に過大な負荷を加えることなく効
率よく製造できる圧延方法を提案することがこの発明の
目的である。
(課題を解決するための手段) この発明はブレイクダウン圧延を経た素材に粗圧延次
いで仕上げ圧延を施してH形鋼を製造するに当り、全域
にわたってほぼ厚みの均一なウエブを有しそのウエブの
両側端フランジを備えた粗形鋼片を粗圧延したのち、該
鋼片のパスラインを左右に挟む一対の垂直ロールと粗圧
延段階よりもロール幅を小さく設定したロール幅の変更
可能な上下一対の水平ロールとを備えたユニバーサル圧
延機にて、該鋼片のフランジ部の角度起こしとウェブ高
さ圧下およびフランジ部の厚み圧下を行なう仕上げ圧延
を施してウェブ内幅寸法を縮小調整することを特徴とす
るH形鋼の圧延方法である。
上述したような従来の部分圧延法における問題点を解
消するためこの発明では、粗ユニバーサル圧延段階まで
は通常の圧延を行なうが、これに引続く仕上げユニバー
サル圧延段階では、ロール幅の変更可能な水平ロール対
の外幅寸法(チ)を第12図に示すように目標とするH形
鋼のウェブ内幅寸法(w)に調整した圧延機にて、上記
の如く粗形鋼片のフランジ部の角度起こし、ウェブ部の
高さ圧下さらにフランジ部の厚み圧下を行ないウェブ高
さ一定のH形鋼を製造しようとするものである。
なお、この発明においては、ウエブの中心偏りなどの
発生による形状劣化を防止するために仕上げ圧延におけ
る1パス当たりのウエブ内幅寸法の縮小量は、仕上げ圧
延前のウエブ厚みをTW0、仕上げ圧延前のウエブ内幅寸
法をBW0としたとき、 80・TW0 2/BW0 を越えない範囲に設定することが好ましい。
(作 用) この発明においてはH形鋼断面各部における圧下率の
均一化が可能であるため、部分圧延法で問題となる局部
的強圧下によるロール面圧の著しい増加を生じないとい
う利点がある。
すなわちH形鋼の圧延において例えば第1図(a)に
示すような粗ユニバーサル圧延後の粗形鋼片(ウェブ高
さ:HW0)を仕上ユニバーサル圧延にて第1図(b)に示
すようなウェブ高さHW1になるH形鋼に仕上げる場合ウ
ェブ高さ方向の圧下率γHwは式で示される。
また、これと同じ圧下率でフランジ厚を圧下する仕上
ユニバーサル圧延における水平ロールの外幅BW1は式
で示される。
ここに、 Hw:ウェブ高さ〔mm〕 BW:ウェブ内幅〔mm〕 Tf:フランジ厚み〔mm〕 添字0:仕上圧延前 1:仕上圧延後 目標のウェブ高さHW1、フランジ厚Tf1が与えられ粗ユ
ニバーサル圧延後のフランジ厚Tf0が求まれば式にお
いて仕上ユニバーサル圧延機の水平ロール間隔を設定す
ることにより全断面がほぼ均一の圧下率で圧延される。
このため従来の圧延において問題となる局部的な面圧の
増大なしに安定した圧延が可能となる。
ここで粗ユニバーサル圧延機と仕上ユニバーサル圧延
機では通常の圧延においても、両者の水平ロール幅にあ
る程度の許容差があり2〜3mm程度のウェブ内幅縮小を
行なう場合がある。しかしながらこの発明は前述のよう
にウェブ高さの圧下をロールの組替なしに積極的に行な
うものであり、ウェブ高さを、5mm以上圧下する場合が
この発明により有利に適合する。
なおこのようにウェブ高さ圧下を行なう場合において
ウエブ内幅の縮小調整量が大きくなるとR部の折れこみ
やウェブの座屈あるいはウエブの中心偏りの発生などが
懸念される。
このような問題は仕上げユニバーサル圧延機の入側に
ウェブガイドを配設したり粗形鋼片の案内精度を向上さ
せることによりある程度は防止できるが、1パス当たり
の縮小調整量を上記の条件に従って設定するのが好まし
い。
以下その理由について述べる。
仕上げユニバーサル圧延機の水平ロールのロール幅を
粗圧延を経た粗形鋼片のウエブ内幅よりも小さく設定し
てウエブ内幅の縮小調整を行う場合にはロールと粗形鋼
片の接触状態は第2図に示すようになる。
ここでウエブ内幅BWの縮小は垂直ロールVによっ
て行われることになるから、通常のロール径、圧下率の
もとでは垂直ロールVが水平ロールに先行して粗形鋼片
hと接触し次いで水平ロールのロール側面と外周面が圧
延材である粗形鋼片に接触してフランジ厚とウエブ厚の
圧下が行われる。
このようにウエブ内幅の縮小は主として圧延機の水平
ロールと粗形鋼片hのウェブとの接触部Kよりやや入り
側の領域で行われるが、ウェブの圧下が始まる前の領域
では水平ロールのすき間が第3図(a)に示すようにウ
エブ厚より大きいことから、場合によっては第3図
(b)(c)に示すようにウエブ部の座屈やねじれが発
生する。
粗形鋼片hのウエブ部haは水平ロールHによって圧下
されるから、たとえ圧延機の入り側で座屈等が発生して
も圧延後はほぼロールのすき間通りの形状となるので比
較的問題は少ない。
しかしながら圧延機の入り側におけるウエブのねじれ
は、フランジhbの幅方向の中心が水平ロールHのすき間
から外れた状態で圧延機を通過することになるから第4
図(a)(b)に示すようなウエブ中心の偏りやウエブ
の付け替え現象などの不具合が発生する。この現象は圧
延前における粗形鋼片のウエブ厚みが薄いほど、またウ
エブの幅が大きいほど顕著であり、また縮小調整量が大
きいほど発生し易い。
なお、仕上げ圧延前の粗形鋼片のウエブ厚みはユニバ
ーサル圧延での適性圧下量から決定され、また圧延前の
ウエブ内幅は同一圧延チャンス内で最もフランジ厚みの
薄いサイズになる粗形鋼片のウエブ内幅とほぼ同等の値
となる。このことから仕上げ圧延における上述のような
形状不良を防止するためには、ウエブの厚みとその内幅
寸法に応じて、1パス当たりの縮小量に限界を設けて必
要縮小量がその限界値を越える場合は2パス以上に分割
するのが望ましい。
第5図は製品呼称寸法がH750×200、H600×200および
H450×200になる各H形鋼においてウエブ厚みが6〜16m
mの範囲で種ゝの幅縮小圧延を行い、圧延後のウエブ中
心の偏りの変化について調査した結果を示すものであ
る。
仕上げ圧延前のウエブ厚をTW0,仕上げ圧延前のウエブ
内幅をBW0,仕上げ圧延によるウエブ内幅の縮小量をΔ
BW,仕上げ圧延前後のウエブ中心の偏りの増加量をΔC
とした場合、第5図の横軸におけるΔBW・BW0/(TW0
が大きくなる程、すなわち、あるウエブ厚みの値に対
しウエブの内幅縮小量が大きくかつウエブの内幅が大き
いほどウエブ中心の偏りの値が指数的に増加していて、
ウエブ中心の偏りをある目標値以内に抑えようとする場
合には1パスでの縮小には限界があることがわかる。
なお、ウエブの中心偏りは建築向けH形鋼の場合でJI
S G3192より厳しい±2mmを目標とし、フランジの作業側
と操作側とを別個に扱うこととした。
上記の結果からウエブ厚みに関しては、現行のH形鋼
の圧延では最も厚みの薄い6mmサイズになる形鋼製品を
考慮すると縦軸におけるΔC/TW0では0.33の値が限界で
ある。
この際の横軸におけるΔBW・BW0/(TW0は80であ
り、これがウエブ縮小量の限界値を示す指標となる。
この発明においては上記の結果から、1パスあたりの
縮小量ΔBWが下記式 ΔBWmax=80・TW0 2/BW0 から計算されるΔBWmaxの値を越えるときには2パス以
上に分割することとして1パスでの縮小量に制約を設け
たので仕上げ圧延時に懸念されるウエブ中心の偏りやウ
エブの付け替え現象などの形状不良の発生は効果的に回
避される。
(実施例) 代表的な製品呼称寸法であるH450×200になるH形鋼
の製造を対象とした場合の実施例について説明する。
ウェブ厚およびフランジ厚がそれぞれ(8mm×14m
m),(9mm×16mm),(10mm×19mm),(11mm×22m
m),(14mm×28mm)の素材を粗ユニバーサル圧延で所
定の厚さまで圧延した後、これらの中で最もフランジ厚
みの小さいH450×200×8×14のH形鋼のウェブ高さに
そろうように仕上ユニバーサル圧延機の垂直ロールの間
隔を各々について設定し、またこのときのウェブ高さ方
向の圧下率に相当するフランジ厚圧下率となるように水
平ロールの外幅間隔を表1に示すような寸法に調整し
た。なおユニバーサル圧延機の垂直ロールは通常無駆動
なのでウェブ高さ方向の圧下量の大きいH450×200×14
×28ではとくに先端の噛みこみ不良が生じるため、入側
の補助的な押しこみ装置を用い噛みこむまでは材料を押
し込んだ。
また粗ユニバーサル圧延機の水平ロールは通常使用し
ているものである。仕上げ圧延後のH形鋼のウェブ高さ
を測定した結果を表−1に併せて示す。
つぎに代表的な製品呼称寸法であるH500×200のH形
鋼を製造すべく、目標のウエブ厚、フランジ厚がそれぞ
れ(6mm×9mm)、(9mm×12mm)、(9mm×16mm)、(12
mm×16mm)、(12mm×22mm)になる素材を、ロール幅が
482mmになる水平ロールを備えた粗ユニバーサル圧延機
にて所定の厚みになるまで圧延した後、これらの中で最
もフランジ厚みの小さいH500×200×6×9のH形鋼に
ウエブ高さが揃うように仕上げユニバーサル圧延機の垂
直ロールのロール間隔を設定し、各素材のフランジの厚
みに応じて該圧延機の水平ロールのロール幅の調整を行
った。このときのウエブ内幅の縮小パス回数と1回当た
りの縮小量及び製品形鋼の長手方向中央部での中心偏り
量の測定結果を表−2に示す。
なお(9mm×16mm)、(12mm×22mm)の素材は1パス
の縮小量がこの発明に従う縮小限界を超えるため2パス
の圧延としている。
またこの実施例では比較のため(9mm×16mm)、(12m
m×22mm)の素材については縮小限界を超える圧下量の
条件ではあるが1パスでウエブの内幅縮小を行なう圧延
を行った。その結果についても表−2に併せて示す。
表−2から明らかなように1パス当たりの内幅縮小量
に制約を設けた場合にはとくに形状不良の発生防止効果
が顕著に表れウエブの中心偏りは極めて小さいことが確
かめられた。
(発明の効果) この発明(請求項1に係わる発明)によれば、粗ユニ
バーサル圧延段階では通常の圧延を行ない、仕上ユニバ
ーサル圧延段階では水平ロールのロール外幅寸法を調整
してウェブ高さの積極的な圧下を行ない、フランジの厚
さに応じてウェブ内幅を縮小するので同一シリーズにお
いてフランジ厚みが異なる場合であってもウェブ高さが
ほぼ同一のH形鋼をロールの組替を要することなしに効
率的に製造することができる。
また、この発明(請求項2に係わる発明)によればウ
エブ内幅の縮小圧延を行うに際して、1パス当たりの縮
小調整量を規制しているので過大な縮小調整によるとこ
ろのウエブ中心の偏りやウエブの付け替え現象などの形
状不良を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)はこの発明に従う仕上ユニバーサル
圧延の前後におけるH形鋼の断面模式図、 第2図はH形鋼の圧延状況の説明図、 第3図(a)(b)(c)はH形鋼圧延用素材の断面を
示す図、 第4図(a)(b)は形状不良の発生したH形鋼の断面
を示す図、 第5図はH形鋼の圧延過程で生じる形状不良の発生限界
を調査したグラフ、 第6図(a)(b)はH形鋼の圧延要領の説明図、 第7図(a)(b)(c)はH形鋼圧延用素材の断面を
示した図、 第8図(a)(b)はブレークダウン圧延における圧延
ロールのカリバー形状を示した図、 第9図(a)(b)(c)は粗ユニバーサル圧延、エッ
ジャ圧延および仕上げユニバーサル圧延の各圧延状況を
示した図、 第10図は水平ロールの摩耗状況を示した図、 第11図はH形鋼の主要寸法を示した図、 第12図はロール幅の変更可能な圧延ロールを模式的に示
した図である。 1……スラブ、2……矩形鋼片 3……H形鋼用鋼片、4……オープンカリバー 5……クローズドカリバー 6……ブレークダウン圧延機 7……粗ユニバーサル圧延機 8……エッジャー圧延機 9……仕上ユニバーサル圧延機
フロントページの続き (72)発明者 藤本 洋二 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 河村 有秀 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 吉田 博 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (72)発明者 磯辺 邦夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (72)発明者 阿久根 俊幸 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 橋本 隆文 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭61−262404(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレイクダウン圧延を経た素材に粗圧延次
    いで仕上げ圧延を施してH形鋼を製造するに当たり、 全域にわたってほぼ厚みの均一なウエブを有しそのウエ
    ブの両側端にフランジを備えた粗形鋼片を粗圧延したの
    ち、該粗形鋼片を左右に挟む一対の垂直ロールと粗圧延
    段階よりもロール幅を小さく設定したロール幅の変更可
    能な上下一対の水平ロールとを備えたユニバーサル圧延
    機を用いて、該形鋼片のフランジ部の角度起こしとウエ
    ブ高さ圧下およびフランジ部の厚み圧下を行う仕上げ圧
    延を施してウエブ内幅寸法を微小調整することを特徴と
    するH形鋼の圧延方法。
  2. 【請求項2】仕上げ圧延における1パス当たりのウエブ
    内幅寸法の縮小量を、仕上げ圧延前のウエブ厚みを
    TW0、仕上げ圧延前のウエブ内幅寸法をBW0としたとき、 80・TW0 2/BW0 を超えない範囲に設定し、これを超える場合には複数パ
    スに分割して縮小圧延を行う、請求項1記載の圧延方
    法。
JP1142170A 1988-06-29 1989-06-06 H形鋼の圧延方法 Expired - Lifetime JP2548377B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1142170A JP2548377B2 (ja) 1988-06-29 1989-06-06 H形鋼の圧延方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15951888 1988-06-29
JP63-159518 1988-06-29
JP1142170A JP2548377B2 (ja) 1988-06-29 1989-06-06 H形鋼の圧延方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0280102A JPH0280102A (ja) 1990-03-20
JP2548377B2 true JP2548377B2 (ja) 1996-10-30

Family

ID=26474257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1142170A Expired - Lifetime JP2548377B2 (ja) 1988-06-29 1989-06-06 H形鋼の圧延方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2548377B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2522059B2 (ja) * 1989-06-13 1996-08-07 住友金属工業株式会社 フランジを有する形材の熱間圧延方法
US5203193A (en) * 1990-11-05 1993-04-20 Kawasaki Steel Corporation Method of rolling h-beams

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58135705A (ja) * 1982-02-06 1983-08-12 Sumitomo Metal Ind Ltd H形鋼の圧延方法
JPH0763722B2 (ja) * 1985-05-17 1995-07-12 川崎製鉄株式会社 H形鋼の熱間圧延方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0280102A (ja) 1990-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0348913B1 (en) Rolling method of h-shaped steels
JP2548377B2 (ja) H形鋼の圧延方法
KR100217295B1 (ko) 플랜지와 웹을 갖는 형강을 압연하는 방법 및 상기 방법을 위한 압연기 라인
US5203193A (en) Method of rolling h-beams
JP3064870B2 (ja) 形鋼の圧延装置およびその装置を用いた形鋼の圧延方法
JPH0763722B2 (ja) H形鋼の熱間圧延方法
JP5037418B2 (ja) フランジを有する形鋼の圧延方法
JP2908456B2 (ja) 形鋼の圧延方法
JPH0775722B2 (ja) H形鋼の圧延方法
JPH0481201A (ja) フランジを有する形材の熱間圧延方法
JP2001018002A (ja) H形鋼の製造方法
JPH03268803A (ja) H形鋼の圧延方法
JPH0364201B2 (ja)
JPH0832333B2 (ja) フランジを有する形材の圧延方法
JP2732698B2 (ja) H形鋼の圧延方法
JPH069681B2 (ja) H形鋼の圧延方法
JP3627703B2 (ja) フランジを有する形材の圧延方法
JP2804346B2 (ja) 形鋼の圧延方法
JPH0747401A (ja) フランジを有する形材の圧延方法および圧延装置列
EP0760263A1 (en) Method of and apparatus for hot rolling h-steel
JPH10323701A (ja) H形鋼の圧延方法
JPH0780503A (ja) フランジを有する形材の圧延方法
JPH07214101A (ja) フランジを有する形鋼の自在圧延方法
JP3206392B2 (ja) 形鋼のエッジング圧延装置
KR100214730B1 (ko) 에이치형 비임의 압연방법

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070808

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080808

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080808

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090808

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term