JP2548298B2 - バリスタの製造方法 - Google Patents
バリスタの製造方法Info
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- JP2548298B2 JP2548298B2 JP63119528A JP11952888A JP2548298B2 JP 2548298 B2 JP2548298 B2 JP 2548298B2 JP 63119528 A JP63119528 A JP 63119528A JP 11952888 A JP11952888 A JP 11952888A JP 2548298 B2 JP2548298 B2 JP 2548298B2
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- mol
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Thermistors And Varistors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は半導体電子部品をサージ電流から保護するた
めの低電圧用のバリスタの製造方法に関するものであ
る。
めの低電圧用のバリスタの製造方法に関するものであ
る。
従来の技術 従来、ZnOを主成分とし、Bi2O3,CoO,Sb2O3,Cr2O3
を始めとする数種の金属酸化物を副成分とする酸化亜鉛
型バリスタが、優れた電圧非直線性により、サージ吸収
用の素子として広く利用されてきた。この酸化亜鉛型バ
リスタは焼結体1mm当たりの立上がり電圧(バリスタ電
圧:V1mA)を調整することにより、種々の電圧回路に適
用できる。現在、実用化されている酸化亜鉛型バリスタ
のV1mA/mmは概ね10〜300Vである。また酸化亜鉛型バリ
スタのバリスタ電圧は、焼結体中のZnO粒子の直列数に
依存し、焼結体の厚みを一定とすると、バリスタ電圧を
上げるためにはZnO粒子の成長を阻害し、逆に下げるた
めには促進させれば良い。例えば、ZnO,Bi2O3,CoO,Sb2
O3,SiO2,NiO,Cr2O3,MnO2などから適当に調製された酸
化亜鉛型バリスタでは、ZnO粒子の大きさは10〜30μm
程度、V1mA/mmは80〜300Vである。一方、これらの成分
にTiO2を加えた酸化亜鉛型バリスタは低電圧化し、ZnO
粒子径は50〜100μm,V1mA/mmは20〜50Vとなる。
を始めとする数種の金属酸化物を副成分とする酸化亜鉛
型バリスタが、優れた電圧非直線性により、サージ吸収
用の素子として広く利用されてきた。この酸化亜鉛型バ
リスタは焼結体1mm当たりの立上がり電圧(バリスタ電
圧:V1mA)を調整することにより、種々の電圧回路に適
用できる。現在、実用化されている酸化亜鉛型バリスタ
のV1mA/mmは概ね10〜300Vである。また酸化亜鉛型バリ
スタのバリスタ電圧は、焼結体中のZnO粒子の直列数に
依存し、焼結体の厚みを一定とすると、バリスタ電圧を
上げるためにはZnO粒子の成長を阻害し、逆に下げるた
めには促進させれば良い。例えば、ZnO,Bi2O3,CoO,Sb2
O3,SiO2,NiO,Cr2O3,MnO2などから適当に調製された酸
化亜鉛型バリスタでは、ZnO粒子の大きさは10〜30μm
程度、V1mA/mmは80〜300Vである。一方、これらの成分
にTiO2を加えた酸化亜鉛型バリスタは低電圧化し、ZnO
粒子径は50〜100μm,V1mA/mmは20〜50Vとなる。
近年、家電機器,産業機器の制御回路のマイコン化が
進展し、これに伴い駆動回路電圧が低下し、そのほとん
どが10V以下である。ところが、トランジスタICを始め
とする半導体電子部品はサージ電流に極めて弱く、その
対策が不可欠のものとなっている。このような背景によ
り、バリスタ電圧が10V程度の低電圧回路用の酸化亜鉛
型バリスタが市場から強く求められている。このために
はZnO粒子径を200〜300μmにする必要がある。
進展し、これに伴い駆動回路電圧が低下し、そのほとん
どが10V以下である。ところが、トランジスタICを始め
とする半導体電子部品はサージ電流に極めて弱く、その
対策が不可欠のものとなっている。このような背景によ
り、バリスタ電圧が10V程度の低電圧回路用の酸化亜鉛
型バリスタが市場から強く求められている。このために
はZnO粒子径を200〜300μmにする必要がある。
上記低電圧回路用の酸化亜鉛型バリスタを製造する方
法として、例えば特公昭56-39526号公報に記載のものが
知られている。これは、ZnO99.5モル%,BaCO30.5モル%
を混合したのち焼結し、加水分解により30〜200μmのZ
nO結晶を得る。さらに、ZnO,Sb2O3,CoO,MnO2,NiO,Cr2
O3などを混合したのち焼結し、スピネル相成分を得
る。このスピネル相成分とZnO結晶を適当に分級し、別
に用意したZnO粉末にスピネル相成分を1〜50重量%,Zn
O結晶を1〜40重量%添加し、混合,成型,焼結し、V
1mA/mmが約10Vの低電圧バリスタが作成される。
法として、例えば特公昭56-39526号公報に記載のものが
知られている。これは、ZnO99.5モル%,BaCO30.5モル%
を混合したのち焼結し、加水分解により30〜200μmのZ
nO結晶を得る。さらに、ZnO,Sb2O3,CoO,MnO2,NiO,Cr2
O3などを混合したのち焼結し、スピネル相成分を得
る。このスピネル相成分とZnO結晶を適当に分級し、別
に用意したZnO粉末にスピネル相成分を1〜50重量%,Zn
O結晶を1〜40重量%添加し、混合,成型,焼結し、V
1mA/mmが約10Vの低電圧バリスタが作成される。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のような従来の方法によれば、Zn
O結晶粒を得るために焼成後、加水分解、分級が必要で
あり、さらにスピネル相成分の作成にも同様の工程が必
要なため、工数が非常に多く、時間的、エネルギー的ロ
スが高いという欠点を有していた。さらに、ZnO結晶粒
とスピネル相成分、ZnO粉末を混合する際、それらの比
重の違いから均一な混合が困難で、ZnO結晶粒の偏在に
よりバリスタ電圧が大きく、バラツキが大きいという欠
点も同時に有していた。
O結晶粒を得るために焼成後、加水分解、分級が必要で
あり、さらにスピネル相成分の作成にも同様の工程が必
要なため、工数が非常に多く、時間的、エネルギー的ロ
スが高いという欠点を有していた。さらに、ZnO結晶粒
とスピネル相成分、ZnO粉末を混合する際、それらの比
重の違いから均一な混合が困難で、ZnO結晶粒の偏在に
よりバリスタ電圧が大きく、バラツキが大きいという欠
点も同時に有していた。
本発明はこのような問題点を解決するもので、半導体
電子部品をサージ電流から保護するための低電圧用のバ
リスタの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
電子部品をサージ電流から保護するための低電圧用のバ
リスタの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
課題を解決するための手段 本発明では、上記従来の問題点を解決するため、酸化
亜鉛型バリスタの造粒粉を基材とし、これにスプレード
ライヤーにて別途用意したTiO2からなる造粒粉を粒成長
促進剤として添加し、混合,成型,焼結させることを特
徴とするものである。
亜鉛型バリスタの造粒粉を基材とし、これにスプレード
ライヤーにて別途用意したTiO2からなる造粒粉を粒成長
促進剤として添加し、混合,成型,焼結させることを特
徴とするものである。
作用 上記方法を採用することにより、焼結体内部に80〜30
0μmのZnOの結晶粒が分散して配置され、電圧非直線指
数の優れた低電圧のバリスタを容易に得ることとなる。
0μmのZnOの結晶粒が分散して配置され、電圧非直線指
数の優れた低電圧のバリスタを容易に得ることとなる。
実施例 以下、本発明の詳細を実施例に基づき説明する。
まず、ZnO粉末にBi2O3,CoO,MnO2,Sb2O3,NiO,Cr2O3
をそれぞれ1.00モル%,0.50モル%,1.00モル%,0.05モ
ル%,0.50モル%,0.10モル%添加し、これにバインダー
と水を加え混合しスラリーを得る。このスラリーをスプ
レードライヤーにて乾燥,造粒し基材を得る。次に、粒
成長促進剤として、平均粒径1.2μmに粉砕したTiO2粉
末にバインダーと水を加え混合し、スプレードライヤー
にて乾燥,造粒し造粒粉を得る。この際、スプレードラ
イヤーの乾燥条件を適当に変え、メッシュカットを行い
平均粒径5μm,10μm,50μm,100μm,150μmの5種類の
粒成長促進剤を得た。この粒成長促進剤を基材に対し適
当量混合し低電圧バリスタの原料粉とした。この原料粉
を加圧成型後、1250℃で1〜5時間焼結させ、バリスタ
電圧,電圧非直線指数などを調べた。
をそれぞれ1.00モル%,0.50モル%,1.00モル%,0.05モ
ル%,0.50モル%,0.10モル%添加し、これにバインダー
と水を加え混合しスラリーを得る。このスラリーをスプ
レードライヤーにて乾燥,造粒し基材を得る。次に、粒
成長促進剤として、平均粒径1.2μmに粉砕したTiO2粉
末にバインダーと水を加え混合し、スプレードライヤー
にて乾燥,造粒し造粒粉を得る。この際、スプレードラ
イヤーの乾燥条件を適当に変え、メッシュカットを行い
平均粒径5μm,10μm,50μm,100μm,150μmの5種類の
粒成長促進剤を得た。この粒成長促進剤を基材に対し適
当量混合し低電圧バリスタの原料粉とした。この原料粉
を加圧成型後、1250℃で1〜5時間焼結させ、バリスタ
電圧,電圧非直線指数などを調べた。
第1図〜第5図は基材に平均粒径5μm,10μm,50μm,
100μm,150μmにそれぞれメッシュカットした粒成長促
進剤(TiO2)を0.05〜10.00モル%の濃度範囲で添加し
た試料の単位素子厚み当りのバリスタ電圧(V1mA/mm)
および電圧非直線指数(α)であるを示す特性図。比較
検討例として基材,粒成長促進剤を分離せず、出発原料
にTiO2を0.05〜10.00モル%添加した試料の単位素子厚
みのバリスタ電圧および電圧非直線指数を第6図に示し
た。
100μm,150μmにそれぞれメッシュカットした粒成長促
進剤(TiO2)を0.05〜10.00モル%の濃度範囲で添加し
た試料の単位素子厚み当りのバリスタ電圧(V1mA/mm)
および電圧非直線指数(α)であるを示す特性図。比較
検討例として基材,粒成長促進剤を分離せず、出発原料
にTiO2を0.05〜10.00モル%添加した試料の単位素子厚
みのバリスタ電圧および電圧非直線指数を第6図に示し
た。
第1図から平均粒径5μmの粒成長促進剤を用いた試
料では添加量が1.0〜5.0モル%の時、V1mA/mmが最も低
下し約20Vとなるが、目標とする10Vまでは低下しないこ
とがわかる。一方、第2図〜第4図より平均粒径10〜10
0μmの粒成長促進剤を用いた試料では添加量が0.1〜5.
0モル%の時、V1mA/mmが約10Vまで低下し、αは30〜50
と良好な値を示す。また、添加量が5.0モル%を越えた
場合、V1mA/mmはむしろ上昇し、αも低下する。第5図
より平均粒径150μmの粒成長促進剤を用いた場合、V
1mA/mmは低下するもののαが30以下と低くなることがわ
かる。第6図より、基材,粒成長促進剤を分離して添加
しない従来法を用いた場合、TiO2添加量が1.0モル%付
近で最も低下し約20Vとなるものの10Vまでは低下しな
い。
料では添加量が1.0〜5.0モル%の時、V1mA/mmが最も低
下し約20Vとなるが、目標とする10Vまでは低下しないこ
とがわかる。一方、第2図〜第4図より平均粒径10〜10
0μmの粒成長促進剤を用いた試料では添加量が0.1〜5.
0モル%の時、V1mA/mmが約10Vまで低下し、αは30〜50
と良好な値を示す。また、添加量が5.0モル%を越えた
場合、V1mA/mmはむしろ上昇し、αも低下する。第5図
より平均粒径150μmの粒成長促進剤を用いた場合、V
1mA/mmは低下するもののαが30以下と低くなることがわ
かる。第6図より、基材,粒成長促進剤を分離して添加
しない従来法を用いた場合、TiO2添加量が1.0モル%付
近で最も低下し約20Vとなるものの10Vまでは低下しな
い。
以上の結果より、粒成長促進剤の平均粒径10〜100μ
m、添加量0.1〜5.0モル%の時、V1mA/mm約10V、α30
〜50の低電圧バリスタを製造することができる。
m、添加量0.1〜5.0モル%の時、V1mA/mm約10V、α30
〜50の低電圧バリスタを製造することができる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、バリスタ特性を有する
造粒粉に、TiO2からなる粒成長促進剤を添加することに
より、バリスタ電圧が低く、電圧非直線性の高い酸化亜
鉛バリスタを極めて容易に製造することができる。
造粒粉に、TiO2からなる粒成長促進剤を添加することに
より、バリスタ電圧が低く、電圧非直線性の高い酸化亜
鉛バリスタを極めて容易に製造することができる。
なお、本実施例では基材にZnO,Bi2O3,CoO,MnO2,Cr2
O3,NiO,Sb2O3を用いたが、バリスタとしての特性を向
上させる他の金属酸化物、例えばAl2O3,SiO2,PbO,Sn
O2,Ag2O,MgO,Pr5O11などを用いても本発明の効果に変
わりはない。
O3,NiO,Sb2O3を用いたが、バリスタとしての特性を向
上させる他の金属酸化物、例えばAl2O3,SiO2,PbO,Sn
O2,Ag2O,MgO,Pr5O11などを用いても本発明の効果に変
わりはない。
第1図〜第5図はいずれも本発明例、参考例の特性図
で、それぞれ平均粒径5μm,10μm,50μm,100μm,150μ
mの粒成長促進剤を用いた場合の粒成長促進剤添加量と
V1mA/mmおよびαの関係を示す特性図、第6図は従来の
製造法によるバリスタの特性図である。
で、それぞれ平均粒径5μm,10μm,50μm,100μm,150μ
mの粒成長促進剤を用いた場合の粒成長促進剤添加量と
V1mA/mmおよびαの関係を示す特性図、第6図は従来の
製造法によるバリスタの特性図である。
Claims (2)
- 【請求項1】焼結体自身がバリスタ特性を有する酸化亜
鉛を主成分とする造粒粉を基材とし、スプレードライヤ
ーにて10μm〜100μmに造粒したTiO2を粒成長促進剤
とし、上記基材に上記粒成長促進剤を混合してなる原料
粉を成形、焼結してなるバリスタの製造方法。 - 【請求項2】原料粉中に0.1〜5.0モル%のTiO2を含むこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のバリスタ
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63119528A JP2548298B2 (ja) | 1988-05-17 | 1988-05-17 | バリスタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63119528A JP2548298B2 (ja) | 1988-05-17 | 1988-05-17 | バリスタの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01289214A JPH01289214A (ja) | 1989-11-21 |
JP2548298B2 true JP2548298B2 (ja) | 1996-10-30 |
Family
ID=14763518
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63119528A Expired - Lifetime JP2548298B2 (ja) | 1988-05-17 | 1988-05-17 | バリスタの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2548298B2 (ja) |
-
1988
- 1988-05-17 JP JP63119528A patent/JP2548298B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01289214A (ja) | 1989-11-21 |
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