JP2547197B2 - 食用血液加工品の製造法 - Google Patents

食用血液加工品の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は食用血液加工品の製造法、さらに詳しくは、
食肉生産の屠畜の際に放出される等の血液や、それから
分離した血液成分を、その生臭さを消去して各種の食品
用素材として利用できるように加工した食用血液加工品
の製造法に関する。
従来の技術 食肉生産の屠畜等においては、非常に大量の血液が放
出されるが、我国においては、その大部分が廃棄されて
おり、廃棄処理に多大の経費を要している。一方、この
ような血液は、蛋白価が高く、ミネラル含量も多く、特
に鉄分を多く含有し、栄養的に非常にすぐれており、そ
の食品分野への利用は極めて意義あることと考えられ
る。
ところが、食習慣上、西欧では新鮮血液、冷凍血液、
乾燥血液の形態で血液を食品用素材として利用すること
が比較的多く行なわれているものの、血液は特有の生臭
さを有しており、その除去が非常に困難で、我国ではあ
まり食品用素材として利用されていない。例えば、血液
を遠心分離し、上清として分離される血漿をプラズマ蛋
白質と称し、その加熱ゲル化性を利用して畜肉練り製品
の保水剤として用いられている程度であり、他に、活性
炭処理により、多少、生臭さを減少させた、煮沸や乾燥
加工した血液が飼料や肥料に利用されているにすぎな
い。したがって、血液特有の生臭さが充分に除去できな
い限り、血液を食品用素材として広範に利用することは
できない。
従来、このような生臭さを除去する方法として、一般
に、前記の活性炭処理による方法のほか、アセトンやア
ルコール等の有機溶媒により除去する方法、水蒸気や酵
素等で処理して除去する方法、香辛料等によりマスキン
グする方法、あるいは糖質と共に加熱する方法などが知
られているが、有機溶媒の残留の問題があったり、血液
の生臭さの除去には充分な効果が得られない問題があ
り、血液を食品用素材として用いるための生臭さ除去に
適した方法は見当たらない。
近年、魚介類エキスに糖質を添加し、これに乳酸菌や
酵母を増殖させて魚介類エキスの生臭さを除去する方法
や、脱脂大豆や大豆蛋白質を酵母で発酵させて、その植
蛋臭を除去する方法が開発されている(特開昭54−5057
号および特開昭54−135249号)。また、脱皮大豆を、ア
ルコール生産能を有する酵母で発酵させ、得られた発酵
混合物をマイクロ波照射により加熱し、乾燥し、粉末化
する脱臭大豆分の製造法も提案されている(特公昭58−
30024号)。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、血液や血液成分を食品用素材として利
用するために、その生臭さの除去について種々検討を重
ねる間に、単にアルコールの添加だけではあまり効果が
ないが、酵母によるアルコール発酵が血液や血液成分の
生臭さ除去にも有効であることを見出したが、前記の特
開昭54−5057号等に開示されるような、酵母の発酵を応
用する脱臭方法は血液や血液成分に適用できないことが
判明した。
すなわち、血液蛋白質は粘稠性を有し、起泡性に富む
ので、血液や血液成分に糖質を添加し、酵母を作用させ
ると、約30分〜1時間のうちに激しく発泡し、過大な体
積増加が起こり、シリコーン油等の消泡剤を用いて防止
できず、仕込み量に対して著しく過大な容器を用いない
限り、実施は無理であり、前記の酵母の発酵を応用する
脱臭方法のように、脱臭すべき物質に直接酵母を作用さ
せることは、実際上、血液や血液成分の脱臭には適用で
きない。
そこで、現実に実施できる、酵母によるアルコール発
酵を用いる血液や血液成分の生臭さを充分に除去できる
方法を見出すべく、さらに検討を重ねた。その結果、予
め、糖質を酵母で発酵させ、ついで、酵母を失活させた
後、得られた発酵生成物を血液や血液成分と混合する
と、その目的が達成できることを知り、本発明を完成す
るにいたった。
問題点を解決するための手段 本発明は、糖質を食用酵母で発酵させ、発酵終了後、
酵母を失活させ、ついで、得られた発酵混合物を血液お
よび/または血液から分離した血液成分と混合すること
を特徴とする食用血液加工品の製造法を提供するもので
ある。予め、糖質を酵母で発酵させ、直接、これと血液
や血液成分を混合しても、また、その後、直ちに酵母の
失活を行なっても、前記のごとき発泡の問題を生じ、実
施が困難となる。本発明に基づいて、予め、糖質を発酵
させ、ついで、酵母を失活させた後、血液や血液成分と
混合することにより、はじめて、現実に実施することの
できる、血液や血液成分の生臭さ消去が可能となる。
用いる糖質は酵母が資化できるものであれば、特に限
定するものではなく、例えば、グルコース、フルクトー
ス、シュークロース、各種オリゴ糖、澱粉加水分解物な
どを単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。糖質の分散性、酵母による資化を向上さ
せ、発酵効率を上げるため、これらの糖質は、通常、5
〜60重量%程度の水溶液として用いることが好ましい。
また、発酵効果を挙げるためコーンスターチ、馬鈴薯澱
粉、甘薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉など
の澱粉類およびL−グルタミン酸ナトリウム、L−アス
パラギン酸ナトリウム、L−リジン塩酸塩などのアミノ
酸類、L−アスコルビン酸、その他の栄養源、第一リン
酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、過硫酸アンモニ
ウムなどの無機質を適宜添加してもよい。
酵母も特に限定するものではなく、食用酵母であれば
いずれでもよく、例えば、サッカロミセス(Saccharomy
ces)属に属する公知の、各種の酒類醸造酵母、パン酵
母、その他の食用酵母が好適に使用でき、市販の酵母が
利用できる。
また、用いる血液や血液成分としては、食肉生産の際
に屠畜により放出される血液をはじめ、各種の獣畜、魚
介類、スッポン、マムシ等の血液およびこれらから分離
された血漿、血球等の血液成分、さらに、これらを従来
法によって加工した液状、粉末状もの等、食品用素材と
して可能ないずれの血液、血液成分が挙げられ、単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
本発明の製造法を実施するには、例えば、まず、常法
に従って前記のような糖質の水溶液を調製し、要すれ
ば、発酵至適pHであるpH約5〜7に調整し、また、要す
れば、適宜殺菌を行なう。
ついで、発酵至適温度である5〜50℃、好ましくは、
20〜40℃に保持した糖質溶液に酵母を添加する。酵母、
通常は、予め種酵母から調製した酒母ないしスターター
あるいは、市販の酵母の場合は、その水懸濁液として用
い、糖質100重量部に対し、固形分比率で酵母(1×102
〜1×1012個/1g固形分)0.5〜200重量部の割合で添加
することが好ましい。酵母は少なすぎると発酵に時間が
かかり、多すぎると、生臭さの消去に良好な効果が得ら
れない。
発酵は、通常、前記の発酵至適pHおよび温度で0.5〜2
4時間行なう。発酵時間は、長すぎると雑菌による汚染
や生産効率の低下の問題が生じ、また、短すぎると一定
した品質の製品が得られない。発酵の終了は良好なワイ
ン臭の発生で確認できる。
本発明においては、発酵終了後、酵母を失活させる。
この失活は、通常、発酵混合物を60℃以上で5〜60分間
加熱することにより行なうことができるが、他の失活
法、例えば、発酵混合物のpHを強酸性または強塩基性に
することも採用できる。
酵母を失活させた発酵混合物を、ついで、血液および
/または血液から分離された成分と混合する。この混合
は常法に従って、充分に攪拌混合することにより行なわ
れ、発酵混合物と、血液および/または血液成分の混合
割合は特に限定するものではないが、通常、血液および
/または血液成分の固形分100重量部に対して、発酵混
合物5重量部以上を混合すると、良好な生臭さ除去効果
が得られる。
得られた生成物は、血液特有の生臭さがなく、そのま
ま、目的とする本発明の食用血液加工品として用いるこ
とができ、所望により、さらに、希釈、濃縮、乾燥等の
公知の加工技術によって、液状、ペースト状、固体状、
粉末状等の形状に加工することができる。
発明の効果 本発明の製造法によれば、発泡による実施上の問題な
しに、酵母による発酵を応用して血液や血液成分の生臭
さを充分に消去した、食品用素材として、ハム、ソーセ
ージ、ハンバーグ等の肉製品、魚肉練製品、健康食品、
ベビーフード、製菓、飲料等、広範な食品に利用できる
食用血液加工品が得られ、従来、そのほとんどが廃棄さ
れていた血液の高い栄養価を食品分野で利用することが
可能となる。
実施例 つぎに実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 ハイフラクトF(東和化成(株)製液糖、75゜Bx)6.
5kgを40℃に加温した。これに、市販のパン用酵母ダイ
ヤイースト(協和発酵(株)製、サッカロミセス・セレ
ビシエ、2×1010個/1g固形分)4.83kgを水6.5kgに均一
に分散させた懸濁液を加えた。この時点で、温度は36℃
となった。ついで、水酸化ナトリウム68gを水1700mlに
溶解した溶液150mlを徐々に加え、pH68とした後、36〜4
0℃で約2時間発酵を行なった。
約2時間後、良好なワイン臭の発生を確認してから、
発酵混合物を85℃に昇温させ、20分間保持して酵母の失
活および殺菌を行なった。ついで、ウシ冷凍血球(フジ
チク(株)製)60kgを解凍し、発酵混合物と均一に混合
した。得られた混合物に水30kgを加え、強力な攪拌下、
90℃に昇温させて約15分加熱殺菌し、ペースト状の目的
とする食用血液加工品を得た。
この時点まで全く発泡は起こらず、得られたペースト
には、全く生臭さは認められなかった。
実施例2 フジフラクF−100(日本食品加工(株)製液糖、70
゜Bx)10.8kgを36℃に加温した。これに、市販のパン用
酵母ダイヤイースト8.06kgを水10.8kgに均一に分散させ
た懸濁液を加えた。この時点で温度は30℃となった。つ
いで、水酸化ナトリウム68gを水1700mlに溶解した溶液2
70mlを徐々に加え、pH7.0とした後、30〜36℃で約90分
間発酵を行なった。
ワイン臭の発生を確認してから、直ちに75℃に昇温さ
せ、30分間保持して酵母の失活および殺菌を行なった。
ついで、ウシ冷凍血球100kgを加え、均一に混合し、さ
らに、水50kgを加え、強力に攪拌しながら、95℃にて10
分間加熱殺菌し、ペースト状にした。これに、パインデ
ックス(松谷化学(株)製、デキストリン)20kgを混合
し、噴霧乾燥して目的とする粉末状の食用血液加工品を
得た。
この間、全く発泡の問題は起こらず、得られた粉末に
は、全く生臭さは認められなかった。
実施例3 市販の乾燥酵母ニッテツ・ドライ・イースト(日本甜
菜製糖(株)製)、サッカロミセス・セレビシエ、5×
1010個/1g固形分)0.5kgを水3.0に分散させた。これ
を70%ショ糖液2.86kg(固形分2.0kg)と混合し、25℃
で約10時間発酵させた。
ワイン臭の発生を確認した後、75℃に昇温させ、30分
間保持して酵母を失活させ、殺菌した後、ウシ赤血球粉
末RBP(太陽化学(株)製)10kgの水20kg中均一懸濁液
と混合し、強力に攪拌しながら、95℃に昇温し、約15分
間保持して殺菌し、ペースト状の、所望の食用血液加工
品を得た。
この時点まで、全く発泡も起こらず、得られたペース
トは全く生臭さを有せず、好ましい風味を有するもので
あった。
各実施例で得られた加工品につき、各々、10名の専門
パネル員により、ウシ冷凍血球解凍品および、この解凍
品100重量部に対してパインデックス30重量部を加え、
噴霧乾燥した粉末を対照として生臭さの官能検査を行な
った。その結果、パネル員全員が対照品に生臭さを認め
たが、各実施例の加工品について生臭さを認めたパネル
員はいなかった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糖質を食用酵母で発酵させ、発酵終了後、
    酵母を失活させ、ついで、得られた発酵混合物を血液お
    よび/または血液から分離した血液成分と混合すること
    を特徴とする食用血液加工品の製造法。
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