JP2547038B2 - クリーニング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明はクリーニング装置に関し、より詳細には、粉
体トナーを用いる複写機等の画像形成装置において感光
体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置に関
する。

＜従来の技術＞ 従来、感光体を帯電、露光して形成された静電潜像を
粉体トナーで現像すると共に、トナー像を複写紙等の基
材に転写し、トナー像を定着することにより複写画像を
形成する画像形成装置が広く用いられている。また、上
記画像形成装置においては、上記トナー像の転写効率が
80〜90％程度であり、感光体上に画像形成に寄与しない
トナーが残留することから、感光体上に残留した残留ト
ナーを、クリーニング装置のクリーニングブレードで除
去して、感光体表面を清浄化している。

一方、上記画像形成装置は、種々の環境下で使用され
るので、温度や湿度等の変化によっても感光体の帯電特
性、画像特性等が変化しないことが要求される。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかしながら、画像形成装置が湿度変化の大きな環境
下、例えば、急に高湿度環境下に置かれ、画像形成装
置、特にクリーニング装置内のクリーニングブレードに
結露が生じると、感光体の帯電特性および画像特性に悪
影響を及ぼす場合がある。より詳細には、低温環境下に
長時間置かれた後、画像形成装置が高温高湿度下に晒さ
れると、画像形成装置が冷却されているため、画像形成
装置に結露が生じる。特に、クリーニング装置のクリー
ニングブレードに結露が生じ、該結露が水滴状となる
と、感光体に残留するトナーをクリーニングする際、上
記水滴が感光体と接触し、感光体の帯電不良、不完全現
像、画像むら等が生じ、画像品質を低下させるという問
題がある。

＜発明の目的＞ 本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ク
リーニングブレードに結露、水滴が生じるような環境下
でも、結露および水滴の発生を防止し、感光体の帯電不
良、画像むら等を発生させることがなく、高品質の画像
を形成することができるクリーニング装置を提供するこ
とを目的とする。

＜問題点を解決するための手段および作用＞ 上記目的を達成するため、本発明のクリーニング装置
は、感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング
ブレードを備えたクリーニング装置において、上記クリ
ーニングブレードが、感光体の回転方向に対して下流側
の面の、感光体と非接触位置に吸湿性シートを有するこ
とを特徴とするものである。

上記の構成のクリーニング装置によれば、クリーニン
グブレードが吸湿性シートを有するため、湿度変化によ
り結露が生じるような条件下でも、水分を吸湿性シート
で吸水することができる。また、万一結露が生じても、
吸湿性シートにより吸収することができる。また、クリ
ーニングブレードが感光体と非接触位置に吸湿性シート
を有するため、クリーニング時に、感光体と吸湿性シー
トとが接触することがなく、感光体の帯電特性、現像特
性に悪影響を及ぼすことがない。

＜実施例＞ 以下に、実施例を示す添付図面に基づき本発明を詳細
に説明する。

第１図はクリーニング装置の要部概略図、第２図は画
像形成装置としての複写機の概略図である。

感光体ドラム（11）の外周には、該感光体ドラム（1
1）を均一に帯電させるための帯電チャージャ等からな
る帯電装置（12）と、原稿を露光し、原稿からの反射光
を感光体ドラム（11）の表面に導く光学系（図示せず）
と、露光により原稿像に対応して形成された静電潜像を
現像する現像装置（13）と、現像により感光体ドラム
（11）上に形成されたトナー画像を複写紙等の基材に転
写する転写チャージャ等からなる転写装置（14）と、ト
ナー像が転写された基材を感光体ドラム（11）から剥離
する分離チャージャ等からなる分離装置（15）と、感光
体ドラム（11）上に残留したトナーを除去するクリーニ
ング装置（16）とが順次配設されている。従って、帯電
装置（12）により均一に帯電した感光体ドラム（11）
に、上記光学系により原稿像を導くことにより、感光体
ドラム（11）の表面に静電潜像を形成し、現像装置（1
3）内に収容された粉体トナーによりトナー像として顕
像化し、転写装置（14）により、レジストローラ（図示
せず）を通して搬送されてきた基材上にトナー像を転写
し、分離装置（15）により基材を剥離させ、感光体ドラ
ム（11）の表面に残留するトナーをクリーニング装置
（16）により除去し感光体ドラム（11）を清浄化するこ
とができる。また、感光体ドラム（11）から剥離された
基材を定着装置（17）に導いてトナー画像を定着させる
ことができる。

また、クリーニング装置（16）の装置本体（18）に
は、感光体ドラム（11）上に残留したトナーを除去する
除去手段としてのクリーニングブレード（19）と、該ク
リーニングブレード（10）の下方に位置し、感光体ドラ
ム（11）とクリーニング装置本体（18）と、をシールす
るシールブレード（20）とが取付けられている。なお、
クリーニングブレード（19）はホルダ（21）に保持され
ている。また、上記クリーニングブレード（19）により
掻き取られたトナーを、シールブレード（20）によりク
リーニング装置本体（18）の底部に案内すると共に、ク
リーニング装置本体（18）の底部に配設された回動可能
なスパイラル（22）の搬送作用によりトナー回収容器
（23）に回収している。

なお、トナー回収容器（23）は、クリーニング装置本
体（18）のトナー回収容器用カバーに対して着脱自在に
取付けられている。

上記クリーニグブレード（19）の素材としては、例え
ば、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ク
ロロプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレ
ン−ジエン系ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴ
ム、フッ素系ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム等の
エラストマーなど種々の材料が使用できるが、摩擦によ
り感光体ドラム（11）を傷付けず、耐摩耗性の大きなポ
リウレタンが好ましい。

そして、環境湿度が大きく変化してもクリーニングブ
レード（19）に結露が生じるのを防止するため、上記ク
リーニングブレード（19）は、図にみるように感光体ド
ラム（11）の回転方向に対して下流側で、かつ感光体ド
ラム（11）と対向する側の面の、当該感光体ドラム（1
1）と非接触位置に吸湿性シート（24）を有している。

上記吸湿シート（24）としては、結露の発生を防止で
きるものであればいかなるものも使用でき、例えば、
紙、吸水紙、織成布、編成布、不織布等の布の他、スポ
ンジ、発泡体等の多孔質材料からなるものが例示でき
る。上記吸湿性シート（24）は、一種または二種以上用
いられる。上記吸湿性シート（24）のうち、吸湿により
強度が低下せず寸法安定性に優れる不織布が好ましい。
なお、上記吸湿性シート（24）の素材としては、レーヨ
ン、セルロースアセテート、ビニロン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリル、ナイロ
ン等の各種合成繊維、天然繊維などが使用される。これ
らの素材のうち、親水性を有するものや親水化処理され
たものが好ましい。また、吸湿性シート（24）は高い吸
水能を有する吸水性樹脂を含有していてもよい。

なお、上記吸湿性シートは、多孔質であり断熱保温作
用を有するので、環境温度や湿度が急激に変化しても、
クリーニングブレードの温度変化、湿度変化を緩和する
ことができる。

また、感光体ドラム（11）との接触を避けるため、上
記吸湿性シート（24）は、吸湿性シート（24）の厚み等
に応じて、前記感光体ドラム（11）と接触しない非接触
位置、すわなち感光体ドラム（11）との接触部より所定
距離隔てて長手方向に取付けられている。なお、吸湿性
シート（24）は、粘着、接着等の他面ファスナ等、種々
の手段により取付けることができる。なお、面ファスナ
によるときは、吸湿性シートを着脱自在に取付けること
ができる。また、吸湿性シート（24）は、一枚に限ら
ず、条片状の複数のシートを所定間隔隔ててクリーニン
グブレード（19）の長手方向に取付けてもよい。さらに
は、結露の程度が大きい雰囲気下に対応できるようにす
るため、前記吸湿性シート（24）は、多層に積層しても
よく、下方に流下する水分を保持するため、クリーニン
グブレード（19）の下部側に吸水性の高い吸湿性シート
を配したり、吸湿性シートの下部側の厚みを大きくした
りしてもよい。

また、吸湿性シート（24）は、表面積を大きくすると
共に水分を効率的に保水するため、凹凸状に取付けても
よい。

また吸湿性シート（24）は、図の場合、クリーニング
ブレード（19）の、感光体ドラム（11）と対向する側
で、かつ当該感光体ドラム（11）の回転方向の下流側に
配置されるため、上記吸湿性シート（24）が、感光体ド
ラム（11）の表面のトナーと接触するおそれがない。し
たがって、吸湿性シート（24）に集められた水分が、ト
ナーを介して感光体ドラム（11）に移行して、帯電不
良、画像むら等を生じたり、あるいは水分によって湿っ
たトナーが塊となって、感光体ドラム（11）とクリーニ
ングブレード（19）との接触部付近に滞留したりするお
それがない。

上記の構成のクリーニング装置によれば、吸湿性シー
トを有するため、湿度変化により結露が生じるような条
件下でも、水分を吸湿性シートで吸水することができ、
結露が発生しない。また、万一結露が生じても吸湿性シ
ートに吸収されるため、水滴状になることがない。ま
た、吸湿性シートが感光体ドラムと非接触位置に取付け
られているため、クリーニング時に、感光体ドラムと吸
湿性シート、ひいては感光体ドラムと結露や水滴とが接
触することがなく、感光体ドラムの帯電特性、現像特性
に悪影響を及ぼすことがない。従って、感光体ドラムの
帯電不良、画像むら等を発生させることがなく、高品質
の画像を形成することができる。

なお、感光体はドラム状に限らず、エンドレスのシー
ト状であってもよい。また、前記クリーニングブレード
は裏面にも吸湿性シートを有していてもよい。また吸湿
性シートは、上記クリーニングブレードだけでなく、か
かるクリーニングブレードに加えてさらに、感光体の近
傍に配された他の部材、例えば、シールブレードにも取
付けることができる。

なお、本発明のクリーニグ装置は、複写機、ファクリ
ミリ、レーザプリンタなど、粉体トナーを用いて画像を
形成する画像形成装置に適用する上で好適である。

＜発明の効果＞ 以上のように、本発明のクリーニング装置によれば、
湿度変化により結露が生じるような条件下でも、水分を
吸湿性シートで吸水することができ、結露や水滴がクリ
ーニングブレードに発生しない。またクリーニングブレ
ードが感光体と非接触位置に吸湿性シートを有するた
め、クリーニング時に、感光体と吸湿性シート、ひいて
は感光体と結露や水滴とが接触することがなく、感光体
の帯電特性、現像特性に悪影響を及ぼすことがない。従
って、結露が生じるような環境雰囲気下で画像形成装置
を使用しても、結露および水滴の発生を防止でき、感光
体の帯電不良、画像むら等を発生させることがなく、高
品質の画像を形成することができるという特有の効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はクリーニング装置の要部概略図、 第２図は複写機の概略図である。 （11）……感光体ドラム、（16）……クリーニング装
置、 （18）……クリーニング装置本体、 （19）……クリーニングブレード、 （24）……吸湿性シート。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】感光体上に残留する残留トナーを除去する
   クリーニングブレードを備えたクリーニング装置におい
   て、上記クリーニングブレードが、感光体の回転方向に
   対して下流側の面の、感光体と非接触位置に吸湿性シー
   トを有することを特徴とするクリーニング装置。
2. 【請求項２】吸湿性シートが、不織布である上記特許請
   求の範囲第１項記載のクリーニング装置。