JP3760107B2 - 湿式電子写真装置および現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿式電子写真装置および現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
湿式電子写真装置は、乾式電子写真装置では実現できない利点を有しており、近年その価値が見直されている。湿式電子写真装置ではキャリア液中にトナー粒子を分散させた液体現像剤を使用するため、サブミクロンサイズの極めて微細なトナー粒子を用いることが出来る。そのため高画質を実現でき、また、少量のトナー粒子で十分な画像濃度が得られるため経済的であり、さらには軟化点の低いトナー粒子が使用できるために比較的低温でトナー像を用紙に定着出来るため省エネルギーで高速化を達成できる、などの利点がある。
【0003】
従来の湿式電子写真技術として、USP5,899,606には、図5に示すような現像ローラとかぶり取りローラとを有するコンパクトな現像装置が記載されている。
【0004】
この現像装置は、右回りに回転するローラ状の潜像保持体101と、この潜像保持体101の回転方向とは逆の回転方向(図では左回り)に回転する現像ローラ102と、潜像保持体101の回転方向と同じ回転方向(図では右回り)に回転するスクイーズローラ103とを有している。キャリア液中にトナー粒子を分散させた液体現像剤104は、液体現像剤供給用の配管105によって潜像保持体101表面の移動方向上流側(図では上側)から潜像保持体101−現像ローラ102間へ供給される。潜像保持体101−現像ローラ102間では液体現像剤が現像されて、潜像保持体表面にトナー像を形成する。現像に使用された後の液体現像剤104は、潜像保持体101表面に表面張力などによって保持できる程度にスクイーズローラ103によって液厚が規制され、残りの液体現像剤104は、現像ローラ102−スクイーズローラ103間に設置された排出用配管106から回収される。
【0005】
一方、一台の現像装置を搭載する単色の湿式電子写真装置では、比較的装置設計にも余裕があり、図5に示すように現像ローラ102をスクイーズローラ103の重力方向上側に配置させることは可能であるが、潜像保持体101表面に4台の現像装置を配置しなければならないフルカラーの湿式電子写真装置では、4台の現像装置すべてにおいて現像ローラ102をスクイーズローラ103の重力方向上側に配置するにはローラ状の潜像保持体101の直径を大きくしなければならず、湿式電子写真装置を小型化することが困難である。
図5に示す構造の現像装置で、現像ローラ102がスクイーズローラ103に対して重力方向下側に配置された場合には、液体現像剤は加圧された状態で現像ローラ102と潜像保持体101との間に供給しなければならない。そのため、供給された液体現像剤104が、液体現像剤供給用配管105と潜像保持体101との隙間から液体現像剤の液だれが発生する。その結果、湿式電子写真装置中を液体現像剤で汚染してしまったり、潜像保持体表面をつたって重力方向下側に配置された他の現像装置中で混色が生じてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の湿式電子写真装置は、搭載位置によっては液体現像剤の液だれが生じてしまうため、設計の自由度が低くなり、例えば湿式電子写真装置の小型化に適するものではなかった。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、液体現像剤漏れを防止し、設計の自由度の高い湿式電子写真装置および現像装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の湿式電子写真装置は、静電潜像を保持して回転する潜像保持体と、前記静電潜像をそれぞれ色の異なる液体現像剤にて現像してトナー像を形成する複数の現像装置とを具備する湿式電子写真装置において、前記複数の現像装置は、夫々前記潜像保持体に近接して配置され、前記潜像保持体と同じ回転方向に回転しながら前記静電潜像に液体現像剤を供給する現像剤担持体と、前記潜像保持体の表面移動方向の前記現像剤担持体より下流側にて前記潜像保持体に近接して対向配置され、前記潜像保持体と同じ回転方向に回転して前記現像剤担持体により供給される前記液体現像剤の液厚を規制するスクイーズローラと、少なくとも前記潜像保持体、前記現像剤担持体及び前記スクイーズローラに接していて、前記液体現像剤を溜める液溜め部と、前記液溜め部に前記液体現像剤を供給する液体現像剤供給装置と、前記現像剤保持体の表面移動方向の前記液溜め部より下流側にて、前記液溜め部から搬出される前記液体現像剤を回収する回収器と、前記潜像保持体に近接する位置にて前記回収器に接触して配置され、前記液溜め部から前記潜像保持体の表面移動方向の上流側に漏出される前記液体現像剤をせき止める、液漏れ防止用ローラとを具備することを特徴とする。
【0010】
前記液溜め部は、前記潜像保持体、前記現像剤担持体、前記スクイーズローラ及び密閉用部材で囲んでなることが好ましい。
【0011】
前記密閉用部材は、前記現像剤担持体及び前記スクイーズローラに接触するクリーニングローラであることが好ましい。又前記密閉用部材は、前記現像剤担持体及び前記スクイーズローラに接触する液溜め用ベースであることが好ましい。又、前記液体現像剤供給装置が、前記液溜め用ベースに設けられることが好ましい。
【0012】
本発明の現像装置は、回転する潜像保持体に形成された静電潜像を、液体現像剤で現像する現像装置において、前記潜像保持体と同じ回転方向に回転しながら前記静電潜像に液体現像剤を供給する現像剤担持体と、前記潜像保持体の表面移動方向の前記現像剤担持体より下流側にて前記潜像保持体に近接して対向配置され、前記潜像保持体と同じ回転方向に回転して前記現像剤担持体により供給される前記液体現像剤の液厚を規制するスクイーズローラと、前記潜像保持体、前記現像剤担持体、前記スクイーズローラ及び密閉用部材で囲んでなり、前記液体現像剤を溜める液溜め部と、前記液溜め部に前記液体現像剤を供給する液体現像剤供給装置と、前記現像剤保持体の表面移動方向の前記液溜め部より下流側にて、前記液溜め部から搬出される前記液体現像剤を回収する回収器と、前記潜像保持体の表面移動方向の前記現像剤担持体より上流側にて、前記潜像保持体に近接して配置され、前記液溜め部から前記潜像保持体の表面移動方向の上流側に漏出される前記液体現像剤をせき止める、液漏れ防止用ローラとを具備することを特徴とする。
前記密閉用部材は、前記現像剤担持体及び前記スクイーズローラに接触するクリーニングローラであることが好ましい。又前記密閉用部材は、前記現像剤担持体及び前記スクイーズローラに接触する液溜め用ベースであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に湿式電子写真装置の一例を示し、以下図面を参照して本発明を説明する。
【0014】
図1に示す湿式電子写真装置は、導電性支持体1−1と、この導電性支持体1−1の表面にアモルファスシリコンなどの感光性材料でできた感光層1−2とを有する潜像保持体と、この潜像保持体1の周囲に配置された4つの画像形成装置A〜Dとを具備しており、潜像保持体1表面には4つの画像形成装置A〜Dによって現像されたトナー像を含有した液体現像剤層を形成する。
【0015】
液体現像剤層中のキャリア液(液体現像剤の液体成分)をキャリア液除去装置11によって除去した後、潜像保持体表面に形成されたトナー像は、転写装置5によって記録媒体8へ転写される。
【0016】
潜像保持体1表面から転写されなかった転写残りトナー粒子は、残留トナー用クリーナ9によって除去され、さらに除電装置によって潜像保持体表面を除電した後、表面にトナー粒子が全くない状態で潜像保持体1は画像形成装置A〜Dによる次の画像形成に供される。
【0017】
以下、各構成について、より詳細に説明する。
【0018】
潜像保持体1は、前述したように導電性支持体1−1と、この導電性支持体1−1の表面に形成された感光層1−2とを具備する。
【0019】
導電性支持体1−1は、例えばアルミニウムなどの導電性材料で形成された、直径100mm以上、300mm以下程度、層厚3mm以上、10mm以下程度の円筒体を使用することができ、また、この導電性支持体はアースされている。
【0020】
感光層1−2は、アモルファスシリコンに代表される無機系の感光性材料や、他にも有機系の感光性材料を使用することもできる。この感光層1−2は例えば50μm以上、500μm以下程度に成膜すれば良い。
【0021】
また、この潜像保持体1は所定方向(図1では右回り)に回転可能であり、例えば100m/sec以上、220m/sec以下程度の周速度で回転する。
【0022】
図2に画像形成装置Dの一例を示して、画像形成工程を説明する。
【0023】
画像形成装置は、帯電装置2、露光装置3、現像装置4とを具備している。
【0024】
帯電装置2は、コロトロン帯電器、スコロトロン帯電器などコロナ放電を生じさせる既知の帯電装置が使用でき、この帯電装置2による放電によって潜像保持体1表面を例えば500V以上、1000V以下に均一に帯電する。
【0025】
露光装置3は、レーザー光学系装置やLEDなどを用いることができる。この露光装置3から画像情報に応じて潜像保持体1表面に選択的に光照射することで、光照射された部分の電荷を選択的に減衰させる。例えば露光された部分の電位を20V以上、200V以下に減衰させる。その結果、潜像保持体1表面には静電潜像が形成される。
【0026】
現像装置4は、ローラ状の現像剤担持体(以下、現像ローラと呼ぶ)4−1およびスクイーズローラ4−2とからなる、潜像保持体1の回転軸と平行な回転軸をもつ一対のローラと、液体現像剤供給装置4−3とを有している。現像ローラ4−1およびスクイーズローラ4−2は、それぞれ潜像保持体1に近接して配置されており、潜像保持体1の表面移動方向(図では右から左)に対して現像ローラ4−1は上流側(図では右側)、スクイーズローラ4−2は下流側(図では左側)に配置されている。また、液体現像剤供給手段4−3は、現像ローラ4−1とスクイーズローラ4−2との間に液体現像剤4−4を供給し、少なくとも潜像保持体1、現像ローラ4−1、スクイーズローラ4−2及び現像ローラ4−1とスクイーズローラ4−2に接触する密閉用部材であるクリーニングローラ4−12で囲まれ、両側に側壁4−11が設けられる液溜め部40内の空間を液体現像剤4−4で満たしている(以下、この空間を液溜めと呼ぶ)。なお、図2においては、さらに現像ローラ4−1およびスクイーズローラ4−2に接触するクリーニングローラ4−12を配置しており、このようにクリーニングローラ4−12などの密閉用部材を用いて、液溜めを略密閉空間とすることが望ましい。
【0027】
現像ローラ4−1は、潜像保持体1に対して50μm以上、250μm以下程度の間隙をもって近接して配置されており、また、潜像保持体1の回転方向(図では右回り)と同じ回転方向(右回り)に回転する。その結果、液溜め中の液体現像剤4−4は、現像ローラ4−1の回転方向下流側へ向かって液溜め外へ搬出される。この時、現像ローラ表面に乗って搬出される液体現像剤4−4は、潜像保持体1によって液厚を前記間隙以下に規制されて、液体現像剤の層が形成された状態で搬出され、重力によって回収器4−10に流れ込む。そして回収器4−10に接続された配管から排出される。
【0028】
また、現像ローラ4−1には、静電潜像の露光された部分の電位と露光されていない部分の電位との間の現像電位、例えば400V以上、600V以下程度の現像電位が供給されている。潜像保持体1表面に形成された静電潜像は、潜像保持体1と現像ローラ4−1との間にできる電界によって液体現像剤4−4で現像される。
【0029】
液体現像剤4−4は、キャリア液(絶縁性で非極性の液体)中にトナー粒子(樹脂と着色剤との混合物)を分散させたものが使用され、潜像保持体1と現像ローラ4−1との間にできる電界に応じて、潜像保持体1表面に近づくように、あるいは潜像保持体1から遠ざかるように電気泳動させる。例えばトナー粒子の帯電極性が潜像保持体1の帯電極性と同極性の場合、潜像保持体1の露光された部分に向かってトナー粒子が電気泳動し、露光されなかった部分には潜像保持体1表面から遠ざかる方向にトナー粒子が電気泳動する。その結果、潜像保持体1表面には露光された部分のみにトナー粒子が付着してトナー像を形成する。
【0030】
スクイーズローラ4−2は、潜像保持体1に対して10μm以上、250μm以下程度の間隙をもって近接して配置されており、通常、現像ローラ4−1よりも近接して配置される。また、潜像保持体1の回転方向(図では右回り)と同じ回転方向(右回り)に回転する。液溜め中の液体現像剤4−4の一部は、潜像保持体1によって潜像保持体1表面移動方向に搬送され、液溜め外に搬出される。この時、潜像保持体1と同じ回転方向に回転するスクイーズローラ4−2は、潜像保持体1表面の液体現像剤の液厚を規制し、潜像保持体1表面に液体現像剤層を形成する。その結果、現像ローラによって形成されたトナー像を含む液体現像剤層が潜像保持体1表面に形成される。
【0031】
また、スクイーズローラ4−2には、かぶり取り用の電位を供給することが好ましい。かぶり取り用の電位とは、トナー粒子をスクイーズローラ側に電気泳動させるように、スクイーズローラ4−2と潜像保持体1との間に電界を形成するための電位であり、少なくとも前述の現像電位よりも小さな電位、具体的には100V〜0V程度の電位をスクイーズローラ4−2へ供給する。このようにすることで、キャリア液を主体とする相中のトナー粒子をスクイーズローラ表面に付着させることが可能になり、ひいては潜像保持体1表面の露光されなかった部分へのトナー粒子の付着、所謂画像かぶりを低減することが可能になる。
【0032】
液体現像剤供給装置4−3は、液溜めに液体現像剤を充填できるものであれば特に限定されることなく使用できる。
【0033】
なお、通常現像ローラ4−1およびスクイーズローラ4−2のローラ端部には側壁4−11が設けらて、この側壁4−11によって潜像保持体1の回転軸方向からの液体現像剤の液漏れを防止する。図2に示す液体現像剤供給装置4−3は、この側壁4−11から液溜めに接続された配管と、この配管に接続された液体現像剤供給用ポンプとを有している。
【0034】
また、この液体現像剤供給装置4−3によって液溜め中の液体現像剤4−4に一定の加圧がなされるようにすることが好ましい。加圧状態としては、現像ローラ4−1およびスクイーズローラ4−2が停止している状態で液溜め内に液体現像剤を保持できる程度の加圧状態とすることが好ましい。すなわち、潜像保持体1と現像ローラ4−1との間隙、あるいは潜像保持体1とスクイーズローラ4−2との間隙で、表面張力などにより液体現像剤を保持し、これらの間隙から液体現像剤が漏出しない程度の加圧状態とすることが好ましい。
【0035】
液溜め内の液体現像剤4−4を一定の加圧状態に保つことで、現像ローラ4−1によって液体現像剤が搬出されたり、潜像保持体1表面に液体現像剤層として形成された分の液体現像剤を液溜め中に供給して液溜め中に液体現像剤を常に充填した状態を維持することができる。
【0036】
クリーニングローラ4−12などの密閉用部材は、現像ローラ4およびスクイーズローラ12と接触して配置されることで液溜めを略密閉空間にしている。
【0037】
このクリーニングローラ4−12は現像ローラ4−1やスクイーズローラ4−2の回転方向と同じ回転方向に回転しており(右回り)、現像ローラ4−1およびスクイーズローラ4−2と摺動する。その結果、現像ローラ4−1あるいはスクイーズローラ4−2に付着したトナー粒子は摺動部で掻き落とされて両ローラ表面はクリーニングされる。
【0038】
図1に示す画像形成装置A〜Dは、異なる色のトナー粒子を使用する点を除けば、その他の構造は全て同じ条件としても良いし、また、各画像形成装置毎に帯電電位、露光量、現像電位などを、例えばトナー粒子の帯電特性に応じて異なる条件に調整して用いても良い。
【0039】
このような現像装置を用いれば、図2に示すように、現像ローラ4−1がスクイーズローラ4−2よりも重力方向下側に配置されても、回収器4−10、潜像保持体1および現像ローラ4−1で囲まれる空間に液体現像を不必要に加圧した状態で保持する必要がないため、液溜めから現像ローラ4−1側に搬出される液体現像剤は前述した回収器4−11によって回収される。また、図1に示す画像形成装置Aに用いられる現像装置のように、現像ローラ4−1がスクイーズローラ4−2よりも重力方向上側に配置されても、液溜めからスクイーズローラ側に搬出される液体現像剤は、スクイーズローラ4−2に液厚を制御して、潜像保持体1表面に表面張力などにより付着し得る量にまで低減できるため、現像装置からの液体現像剤の漏出を防ぐことができる。
【0040】
また、液溜め内の液体現像剤は、現像装置が停止している間も液溜め内に保持することが可能なため、湿式電子写真装置によるファーストコピー時にも、液溜め内に新たに液体現像剤を溜めるための時間が不要となり、ファーストコピーを行う際の画像形成時間を短縮することが可能になる。
【0041】
以下に説明するようにして潜像保持体1表面に形成された、トナー像を含んだ液体現像剤層から、キャリア液除去装置11によってキャリア液相の除去が行われる。
【0042】
キャリア液除去装置は、キャリア液吸収ローラ11−1や、キャリア液乾燥装置11−2などを使用すればよい。
【0043】
キャリア液吸収ローラ11−1は、例えばスポンジなどの多孔質材料でできたローラが使用でき、このローラ表面を潜像保持体1表面に押し当てて潜像保持体1表面のキャリア液を吸収して回収する。またキャリア液乾燥装置は、液体現像剤層を加熱する加熱装置や、液体現像剤層に乾燥用ガスを吹き付ける送風装置などを使用することができ、加熱装置や送風装置などによって液体現像剤中のキャリア液を蒸発・乾燥して除去する。
【0044】
キャリア液が除去された潜像保持体表面のトナー像を図1に示す転写装置5によって転写媒体へ転写する。
【0045】
転写装置5は、表面に弾性層を有し、この弾性層を潜像保持体1に加圧して配置された中間転写ローラ6と、この中間転写ローラ6に加圧された加圧ローラ7とを具備している。
【0046】
潜像保持体1表面に形成されたトナー像をトナー粒子の粘着力を利用して中間転写ローラ6に1次転写し、中間転写ローラ6に転写されたトナー像は、加圧ローラ7によって中間転写ローラ6に加圧された記録媒体8にトナー粒子の粘着力を利用して2次転写される。
【0047】
このようなトナー粒子の粘着力を利用して転写を行う場合、中間転写ローラ6や記録媒体8を70℃程度に加熱するなどして、トナーの粘着性を高めることが好ましい。
【0048】
潜像保持体1から中間転写ローラ6への1次転写、あるいは中間転写ローラ6から記録媒体紙への2次転写は、トナーの粘着力の他に、静電力を利用して転写を行っても良い。この場合、潜像保持体1と中間転写ローラ6との間、あるいは中間転写ローラ6と加圧ローラ7との間に所定方向の電界を形成すればよい。
【0049】
静電力を利用した転写としては、トナー像をキャリア液中で電気泳動させる方法を採用することも可能である。この場合、中間転写ローラ6は潜像保持体1と所定の間隙をもって配置する。またキャリア液除去装置11は使用せずに、潜像保持体1表面にキャリア液を保持した状態とし、このキャリア液と中間転写ローラ1とを接触させる。このようにして中間転写ローラ6と潜像保持体との間に電界を形成し、静電力によりトナー像を潜像保持体1表面から中間転写ローラ6表面へ電気泳動させることが可能になる。また、電気泳動によって中間転写ローラ表面に転写されたトナー像は、同様に電気泳動によって記録媒体8へ転写してもよいし、中間転写ローラ6表面のキャリア液を除去した後にトナー粒子の粘着力を利用して記録媒体8へ転写しても良い。
【0050】
また、中間転写ローラを使用せず、潜像保持体表面から用紙へ直接転写しても良い。
【0051】
残留トナー用クリーナ9は、潜像保持体1表面に残留するトナー粒子を除去するためのものであり、例えばシリコンゴムなどの弾性ブレードを用い、この弾性ブレードを潜像保持対1表面に押圧することで、潜像保持体1表面のトナー粒子を掻き落としてもよいし、織布あるいは不織布などによってトナー粒子をふき取っても良い。
【0052】
除電装置10は、例えば潜像保持体10表面を全面露光できる除電ランプを使用すればよく、露光されることで感光層1−1の電気抵抗が低下して表面の電荷が導電性支持体1−1へ移動して、潜像保持体1表面が除電される。
【0053】
図3に、本発明に係る現像装置の第1の変形例を示す。
【0054】
この現像装置は、クリーニングローラ31を現像ローラ4−1のクリーニング専用に使用し、密閉用部材として潜像保持体1、現像ローラ4−1およびスクイーズローラ4−2と接触する液溜め用ベース32を用いて、少なくとも潜像保持体1、現像ローラ4−1、スクイーズローラ4−2及び液溜め用ベース32で囲まれ、両側に側壁4−11が設けられる液溜め部41内の液溜めを略密閉空間にしている点で図2に示した現像装置と異なっている。
【0055】
液溜め用ベース32は、底部支持板32−1、シール部材32−2およびクリーニングブレード32−3とを有している。シール部材32−2は、底部支持板32−1と現像ローラ4−1との間からの液体現像剤の漏出を防止している。クリーニングブレード32−3は、ブレード状の弾性体からなり、スクイーズローラ4−2と底部支持板32−1との間からの液体現像剤漏れを防止し、またスクイーズローラ4−2に摺接して、スクイーズローラ4−2に付着するトナー粒子を掻き落とす。
【0056】
液溜め用ベースを用いることで液溜め中に多量の液体現像剤を保持することが可能になる。液溜め内の液体現像剤中のトナー粒子濃度は、現像によって消費されるトナー粒子量によって変化し、その結果得られる画像濃度が不安定になるが、液溜め中に多量の液体現像剤を保持することでトナー粒子濃度の変化を緩和し、得られる画像濃度を安定化することが可能になる。
【0057】
図4に本発明に係る現像装置の第2の変形例を示す。
【0058】
この現像装置は、液溜め用ベースに液体現像剤供給装置の配管を接続した点、さらに、回収器4−10と潜像保持体1との間隙に液漏れ防止用ローラ33を配置した点で図3に示した現像装置と異なっている。
【0059】
図3に示す現像装置構造の場合、クリーニングブレードによって掻き落とされた液体現像剤が液溜め用ベース上に堆積してしまい、外部からの振動などにより液溜め内の液体現像剤中のトナー粒子濃度が急激に変化する恐れがある。これに対して、液溜め用ベースから液体現像剤を供給すると、液溜め内全体に液体現像剤を循環させることが可能になり、液溜め中の液体現像剤のトナー粒子濃度を常に均一に保つことが可能になる。
【0060】
また、液垂れ防止用ローラ33は、現像ローラ4−1やスクイーズローラ4−2に比べて、より潜像保持体1に近接して配置されており、回収器4−10とは接触して配置されている。また、この液漏れ防止用ローラ33は潜像保持体1の回転方向と逆の回転方向に回転する(反時計回転)。
【0061】
液溜め中の液体現像剤は主に、現像ローラ4−1表面に液体現像剤層を形成して液溜め外へ搬出されるが、一部の液体現像剤4−4は、潜像保持体表面をつたって重力方向下側の現像装置、例えば図4に示す現像装置が図1に示す画像形成装置Dの場合、画像形成装置Cに混入する恐れがある。液垂れ防止用ローラ33は、潜像保持体1表面から垂れてくる液体現像剤4−4を回収器4−10内へ回収するためのものである。回収器4−10、潜像保持体1および現像ローラ4−1で囲まれる空間に液体現像剤が加圧された状態で保持されている場合には、潜像保持体1と液垂れ防止用ローラとの間隙から液体現像剤が漏出してしまうが、潜像保持体表面を垂れてくる程度の液体現像剤の量であれば、この液垂れ防止用ローラで液垂れを十分に抑制することが可能になる。
【0062】
なお、液垂れ防止用ローラは、回収器4−10および潜像保持体1との間隙に配置されるため、その直径が10以上、30mm以下程度のものが使用でき、そのため潜像保持体表面との間隙を10以上、150μm以下程度に極めて近接して配置することが可能になる。
【0063】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、液体現像剤漏れを防止し、設計の自由度の高い湿式電子写真装置および現像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の湿式電子写真装置の一例を示す概略構成図。
【図2】 画像形成装置の一例を示す断面図。
【図3】 現像装置の第1の変形例を示す断面図。
【図4】 現像装置の第2の変形例を示す断面図。
【図5】 従来の現像装置の断面図。
【符号の説明】
1…潜像保持体
2…帯電装置
3…露光装置
4…現像装置
4−1…現像ローラ
4−2…スクイーズローラ
4−3…液体現像剤供給装置
4−4…液体現像剤
4−10…回収器
4−11…側壁
4−12…クリーニングローラ
5…転写装置
6…中間転写ローラ
7…加圧ローラ
8…記録媒体
9…残留トナー用クリーナ
10…除電装置
11…キャリア液除去装置
A〜D…画像形成装置
Claims (8)
- 静電潜像を保持して回転する潜像保持体と、前記静電潜像をそれぞれ色の異なる液体現像剤にて現像してトナー像を形成する複数の現像装置とを具備する湿式電子写真装置において、
前記複数の現像装置は、夫々前記潜像保持体に近接して配置され、前記潜像保持体と同じ回転方向に回転しながら前記静電潜像に液体現像剤を供給する現像剤担持体と、
前記潜像保持体の表面移動方向の前記現像剤担持体より下流側にて前記潜像保持体に近接して対向配置され、前記潜像保持体と同じ回転方向に回転して前記現像剤担持体により供給される前記液体現像剤の液厚を規制するスクイーズローラと、
少なくとも前記潜像保持体、前記現像剤担持体及び前記スクイーズローラに接していて、前記液体現像剤を溜める液溜め部と、
前記液溜め部に前記液体現像剤を供給する液体現像剤供給装置と、
前記現像剤保持体の表面移動方向の前記液溜め部より下流側にて、前記液溜め部から搬出される前記液体現像剤を回収する回収器と、
前記潜像保持体に近接する位置にて前記回収器に接触して配置され、前記液溜め部から前記潜像保持体の表面移動方向の上流側に漏出される前記液体現像剤をせき止める、液漏れ防止用ローラとを具備することを特徴とする湿式電子写真装置。 - 前記液溜め部は、前記潜像保持体、前記現像剤担持体、前記スクイーズローラ及び密閉用部材で囲んでなることを特徴とする請求項1記載の湿式電子写真装置。
- 前記密閉用部材は、前記現像剤担持体及び前記スクイーズローラに接触するクリーニングローラであることを特徴とする請求項2記載の湿式電子写真装置。
- 前記密閉用部材は、前記現像剤担持体及び前記スクイーズローラに接触する液溜め用ベースであることを特徴とする請求項2記載の湿式電子写真装置。
- 前記液体現像剤供給装置が、前記液溜め用ベースに設けられることを特徴とする請求項4記載の湿式電子写真装置。
- 回転する潜像保持体に形成された静電潜像を、液体現像剤で現像する現像装置において、
前記潜像保持体と同じ回転方向に回転しながら前記静電潜像に液体現像剤を供給する現像剤担持体と、
前記潜像保持体の表面移動方向の前記現像剤担持体より下流側にて前記潜像保持体に近接して対向配置され、前記潜像保持体と同じ回転方向に回転して前記現像剤担持体により供給される前記液体現像剤の液厚を規制するスクイーズローラと、
前記潜像保持体、前記現像剤担持体、前記スクイーズローラ及び密閉用部材で囲んでなり、前記液体現像剤を溜める液溜め部と、
前記液溜め部に前記液体現像剤を供給する液体現像剤供給装置と、
前記現像剤保持体の表面移動方向の前記液溜め部より下流側にて、前記液溜め部から搬出される前記液体現像剤を回収する回収器と、
前記潜像保持体の表面移動方向の前記現像剤担持体より上流側にて、前記潜像保持体に近接して配置され、前記液溜め部から前記潜像保持体の表面移動方向の上流側に漏出される前記液体現像剤をせき止める、液漏れ防止用ローラとを具備することを特徴とする現像装置。 - 前記密閉用部材は、前記現像剤担持体及び前記スクイーズローラに接触するクリーニングローラであることを特徴とする請求項6記載の現像装置。
- 前記密閉用部材は、前記現像剤担持体及び前記スクイーズローラに接触する液溜め用ベースであることを特徴とする請求項6記載の現像装置。
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