JP2546579Y2

JP2546579Y2 - コネクタ

Info

Publication number: JP2546579Y2
Application number: JP1990118624U
Authority: JP
Inventors: 正光千島
Original assignee: Sumitomo Wiring Systems Ltd
Current assignee: Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority date: 1990-11-13
Filing date: 1990-11-13
Publication date: 1997-09-03
Anticipated expiration: 2005-11-13
Also published as: JPH0474873U

Description

【考案の詳細な説明】「産業上の利用分野」本考案は、一対のコネクタハウジングを嵌合して電気
導通させるコネクタに関するもので、詳しくは、その一
対のハウジングが正常に嵌合したかどうか、嵌合姿勢の
ロックが正常かどうかを検知確認する検知機構を有する
コネクタに関するものである。

「従来の技術」一対のコネクタハウジングを嵌結合する場合、嵌合量
の不足によって正常に嵌結合しない半嵌合コネクタの発
生防止手段として、嵌合検知機構を有するコネクタが特
開昭62-160674号公報に示されている。即ち、この公知
例のコネクタは、棒状の別体の検知スペーサを、一側の
コネクタハウジングの上側に、ハウジングの嵌合方向に
装着して係止し、他側のコネクタハウジングと嵌合した
後、その検知スペーサを前方へ押すことによって、検知
スペーサの先端が嵌合姿勢のコネクタの上側に位置する
検知部から「突き出すか、突き出さないか」によって、
正常嵌合か半嵌合かを目視判断する構造になっている。

一方、コネクタには一対のコネクタハウジングの一側
に設けた弾性ロック片と、他側に設けたロック爪をかみ
合せて正常嵌合姿勢をロックする嵌合姿勢ロック機構を
設けたものが多く使用されている。

「考案が解決しようとする課題」以上の公知の嵌合検知機構つきコネクタによると、該
検知スペーサの突き出し確認によってコネクタの嵌合状
態の視覚確認が出きるものの、・自動車用ワイヤハーネスのコネクタは、車体の狭い空
間で接続するケースが多く、場合によっては目視できな
い手さぐり接続があるので、前記の検知スペーサの視覚
確認ができないことがある。

・作業者の嵌合忘れによる未嵌合コネクタが検知できな
い品質保証上の重要な難点がある。

・そして、検知スペーサの視覚確認を的確にするために
は、検知スペーサの先端が見やすくなるよう、コネクタ
の接続姿勢が規制される。

・相手のハウジングが機器用に取付けられるコネクタの
場合は、相手側に検知スペーサの先端の検知部が設定で
きないので、この嵌合検知機構が採用できない。

・さらに、前記の嵌合姿勢のロック機構は、ロック操作
のフィーリング、または、目視によってロックが正常か
どうかが確認されており、確認信頼性が良好とは言い難
く、ロック不備の不良コネクタを生ずることがある。

本考案は、以上の従来手段の難点を解消するコネクタ
を提供するものである。

以上の技術課題を解決するため、請求項１に記載考案
では、一側のコネクタハウジングのロック片と他側のコネクタ
ハウジングのロック爪からなり、該ロック爪によって該
ロック片を下方撓させた後、自由姿勢復元の該ロック片
とロック爪を係合する嵌合姿勢のロック機構を有するコ
ネクタにおいて、一側のコネクタハウジングのロック片
の先端下方に検知突起を設けると共に、下方撓姿勢のロ
ック片の前記検知突起を嵌入して、嵌合状態を確認する
検知窓部を有する別体の検知スペーサを、仮係止手段を
設けて抜き取り自在に挿着仮係止した構造を特徴とする
コネクタ、を提供している。

また、請求項２に記載の考案では、一側のコネクタハウジングのロック片と他側のコネク
タハウジングのロック爪からなり、該ロック爪によって
該ロック片を下方撓させた後、自由姿勢復元の該ロック
片とロック爪を係合する嵌合姿勢のロック機構を有する
コネクタにおいて、一側のコネクタハウジングのロック
片の先端下方に検知突起を設けると共に、下方撓姿勢の
ロック片の前記検知突起を嵌入して、嵌合状態を確認す
る検知窓部と係止切欠を有する弾性係止片を前方に突設
し、かつ、コネクタハウジング側の弾性梁と該係止切欠
からなる後退係止手段を有する検知スペーサを、該後退
係止手段の係止解離によって抜き取り自在に、コネクタ
ハウジングの嵌合方向に挿着し、さらに、他側のコネク
タハウジングに、コネクタハウジングの正常嵌合姿勢の
みにおいて、前記弾性係止片と係合する前記後退係止手
段の係止解離部を設けた構造を特徴とするコネクタ、を
提供している。

なお、請求項１に記載の考案の仮係止手段とは、具体
的には挿着した検知スペーサをコネクタハウジングへ仮
止め係止し、指先等で引くと容易に引抜きできる係止爪
のかみ合等の構成を意味する。

「作用」請求項１に記載の考案では、コネクタのロック機構が
正常ロック状態になると、自由姿勢に復元したロック片
の検知突起が検知スペーサの衝合部と無干渉となって検
知スペーサは抜き取り自在になると共に、そのロックが
不備にしてロック片が下方撓姿勢になっていると、その
ロック片の検知突起が衝合部に衝接して検知スペーサは
抜き取り不能になる。従って、ロックが正常の場合は、
検知スペーサが抜き取られて不存在状態となること、一
方ロックが不備の場合は、検知スペーサの抜き取りが不
能となることで、ロック姿勢の良否が検知できる。な
お、コネクタにおけるロック機構は、コネクタハウジン
グが正常嵌合になったときのみロックする構造が不可欠
となっているので、請求項１の考案のロック姿勢の良否
検知は、コネクタハウジングの嵌合良否の検知をあらわ
す作用がある。

また、請求項２に記載の考案では、上記請求項１に記
載の考案の作用に加えて、一対のコネクタハウジングが
正常嵌合姿勢にならなければ、一側に挿着係止した検知
スペーサは、他側の係止解離部による後退係止が解離さ
れて抜き取り自在とならないので、コネクタハウジング
の嵌合操作前、もしくは嵌合初期段階でロック片が下方
撓姿勢になってない段階、即ち、ロック片の検知突起が
衝合部に衝接して検知スペーサは抜き取り不能の状態に
なっていないときの検知スペーサの不意の抜けが防止で
きる。

「実施例」以下、実施例について説明する。第１図を参照して、
雄端子（図示しない）を収容した雄コネクタハウジング
２（以下、単に雄ハウジング２という）の前半部分の嵌
合部３に、雌端子（図示しない）を収容した雌コネクタ
ハウジング１（以下、単に雌ハウジング１という）の前
半を嵌合して、両者の端子を接続するコネクタにおい
て、雌ハウジング１の端子収容部４の上側には、スペーサ
収容部５が設けられ、別体の検知スペーサ６をスペーサ
収容部５の後方から挿着係止して、その検知スペーサ６
の先端を雌ハウジング１の前方に臨ませて組合せられ
る。

詳しくは、検知スペーサ６は基部７から前方に伸長す
る平行二本の片持梁状の弾性係止片８を突設して、その
係止片の側縁には、左右側方に突出した係止爪９が形成
されている。そして、この検知スペーサ６を受け入れる
スペーサ収容部５は、雌ハウジング１の上部に形成され
て後方から前方に貫通する溝状をなすと共に、そのスペ
ーサ収容部５の側壁に爪状係止部11が突設されており、
第１図（Ｂ）のように、検知スペーサ６が雌ハウジング
１の後方から挿着されると、弾性係止片８の係止爪９と
係止部11が「パチン」とかみ合って、検知スペーサ６が
抜き取り不能に係止される検知スペーサ６の後退係止手
段が設けられている。

そして、その係止姿勢の係止爪９が、嵌合する雄ハウ
ジング２の係止解離部12（後述）と対峠すると共に、検
知スペーサ６の後端の摘み部10が雌ハウジング１の後壁
から突き出しており、この突き出し部分が検知スペーサ
６の「挿着存在確認部」と、引き抜くときの摘み部分と
なっている。

一方、雄ハウジング２の嵌合部３の後底部位には、前
方へ突出する平行二本の棒体の係止解離部12があり、こ
の係止解離部12は、雌雄ハウジング１・２が正常姿勢に
なったとき、雌ハウジング１の弾性係止片８の先端と係
合して、弾性係止片８を図示矢印Ａの内側へ弾性変位さ
せ、係止爪９と係止部11のかみ合いを開放して検知スペ
ーサ６の後退係止を解離する形状を有している。なお、
係止爪９の外側面と係止解離部12の先端内側面には、両
者が接触して前記の弾性変位を円滑にさせるテーパー14
が付してある。また、このコネクタにはロック片16とロ
ック爪15からなる嵌合姿勢のロック機構が設けてある。

以上の検知スペーサ６を有するコネクタは、ハウジン
グ相互が正常姿勢に嵌合すると、第１図（Ｃ）のよう
に、雄ハウジング２の係止解離部12が、弾性係止片８の
先端外側に接触して係止部11と係合している弾性係止片
８を内側へ弾性撓させ、その係止を解離するので検知ス
ペーサ６は抜き取り自由となり、その抜取りによる検知
スペーサ６なしのものが正常嵌合のコネクタとなる。

そして、雌雄ハウジング１・２の嵌合量が不足する半
嵌合のときは、第１図（Ｄ）のように嵌合量不足による
係止解離部12の前進量不足によって、弾性係止片８と係
止解離部12が充分に接触しないので、その係止姿勢が解
離されず、検知スペーサ６は抜き取り不能となり、その
抜き取り不能の挿着存在のものが嵌合不足の不良コネク
タとなる。

つぎに、第２図のものは、第１図の実施例と同様の検
知スペーサ６と係止解離部12を有するコネクタにおい
て、検知スペーサ６の弾性係止片８は上下撓自在の板状
片をなし、その板状片の両側縁に係止切欠17が設けられ
ている。

そして、その検知スペーサ６を受け入れるスペーサ収
容部５の側壁には、検知スペーサ６の挿入方向に伸び、
かつ、前記の係止切欠17に嵌着する係止部11を先端に有
する片持弾性梁18が設けられ、第２図（Ｂ）のように、
検知スペーサ６を後方から挿着すると係止部11が係止切
欠17に「パチン」と嵌着して検知スペーサ６の後退を防
止する後退係止手段を構成している。

そして、雄ハウジング２には、雌雄ハウジング１・２
が正常な嵌合姿勢になったとき、片持弾性梁18の先端の
内側に干渉して弾性梁18を外方へ弾性撓させて係止切欠
17と係止部11の嵌着を解離する棒体状の係止解離部12
が、前記実施例と同様に嵌合凹部３の底に突設されてお
り、先端外側面にテーパー14が付してある。

この第２図示のコネクタも、第２図（Ｃ）（Ｄ）参
照、雌雄ハウジング１・２が正常嵌合姿勢になると、係
止解離部12によって検知スペーサ６の後退係止手段が解
離されて、抜き取り自在となり、その嵌合量が不足する
半嵌合のときは、係止解離部12の前進量不足によって弾
性係止片８の係止状態が接続され、検知スペーサ６が抜
き取り不能となる前記第１図実施例と同一の作用があ
る。

つぎに、第３図の実施例を説明する。即ち、雄ハウジ
ング２の嵌合部３に雌ハウジング１の前半部を嵌合する
と共に、雌ハウジング１の上方に設けた弾性梁のロック
片16と雄ハウジング２に設けたロック爪15からなり、ロ
ック爪15によってロック片16を下方撓させた後、自由姿
勢復元のロック片16とロック爪15をかみ合せて嵌合姿勢
をロックするロック機構を有するコネクタにおいて、雌ハウジング１のロック片16の下方にスペーサ収容部
５が設けられ、前記実施例と同様に、別体の検知スペー
サ６が挿着されるようになっている。そして、検知スペ
ーサ６は基部７の前方に帯状の検知板20を有し、その検
知板20の前半に検知窓部21が設けられ、この検知窓部21
の前縁が衝合部24となっている。

そして、ロック片16の先端下方に検知突起19が設けら
れ、スペーサ収容部５に検知スペーサ６が挿着される
と、検知スペーサ６の検知窓部21の上方にロック片16の
検知突起19が臨むと共に、ロック爪15に押されて下方撓
したロック片16の検知突起19が検知窓部21に嵌入すると
共に、検知スペーサ６を引くと検知突起19の先端が衝合
部24と衝接して検知スペーサ６の後退を防止する形状と
相対位置が満たされている。

さらに、この検知スペーサ６の検知板20の中間側方に
掛止爪22が突設されると共に、スペーサ収容部５の側壁
に他の掛止爪23が突設され、検知スペーサ６が正常位置
に挿着されると掛止爪22・23が軽くかみ合って検知スペ
ーサ６の抜けを防止すると共に、その検知スペーサ６を
指先等で引くと掛止爪22・23が容易に解離して抜き取り
自在となる検知スペーサ６の挿着仮係止手段が設けられ
ている。なお、この検知スペーサ６は基部７が雌ハウジ
ング１より突き出し、この基部７が検知スペーサ６の挿
着存在確認部と抜き取るときの摘み部として機能する。

この第３図示のコネクタは、ロック片16とロック爪15
が正常にかみ合ったロック姿勢になると、第３図（Ｃ）
のように検知スペーサ６の検知窓部21と自由姿勢のロッ
ク片16の検知突起19は遊離して検知スペーサ６が抜き取
り自由になると共に、そのロック不備によってロック片
16が下方撓姿勢になっていると、第３図（Ｄ）のように
ロック片16の検知窓部19が検知スペーサ６の検知窓部21
に嵌入しているので、検知スペーサ６は抜き取り不能と
なり、検知スペーサ６の抜き取り不存在、または抜き取
り不能挿着存在によってロック機構が正常にロックした
かどうかが検知できる。

つぎに、第４図の実施例を説明する。即ち、この第４
図示のものは、前記第２図と第３図実施例の構成を複合
構成したもので、検知スペーサ６には、係止切欠17と衝
合部24を有する検知窓部21が設けられると共に、雌ハウ
ジング１には、第２図示と同一の係止部11を有する弾性
梁18が設けられ、雄ハウジング２には第３図示と同一の
係止解離部12が設けられている。

この第４図示のコネクタは、前記第２図と第３図実施
例の複合した作用があり、雌雄ハウジング１・２の嵌合
不良とロック不備が検知できる。

以上の実施例のコネクタは、検知スペーサ６の視覚・
触覚による存在不存在確認によってコネクタの嵌合姿勢
の良否またはロックの良否が判別できる前記の作用があ
り、例えば検知スペーサ６を判別し易い「赤色」等に着
色しておくと、存在不存在の視覚判別がやり易くなる。
そして、触覚確認ができるので、手さぐり嵌合によるコ
ネクタ結合や、コネクタの視覚把握が困難なケースが多
い自動車ワイヤハーネスのコネクタとして極めて敵し、
それ等のコネクタの結合不良またはロック不良を未然防
止することができると共に、コネクタの取付方向の規制
もなく、その上、検知スペーサ６の挿着抜き取りが一側
のコネクタハウジングのみに限定されるので、他側が機
器側に固定される機器用コネクタの嵌合検知機構として
も有用に利用することができる。

そして、抜き取った検知スペーサ６を資材管理するこ
とによって、嵌合忘れの未嵌合コネクタも検知できる。

なお、本考案の前記構成において、検知スペーサ６の
後退係止手段と挿着仮係止手段は、前記の実施例に限定
されず他の公知手段によって変更することがある。

「考案の効果」以上の説明のとおり、本考案のコネクタは検知スペー
サの存在・不存在の視覚・触覚把握によって、コネクタ
の嵌合とロックの良否、および未嵌合コネクタの検知確
認ができるので、視覚確認が困難な自動車用ワイヤハー
ネスのコネクタ等に優れた適性を有すると共に、機器用
コネクタにも応用可能であり、それ等コネクタの嵌合・
ロック・嵌合忘れの不良を未然防止して品質保証を向上
する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図：第１実施例のコネクタを示し、（Ａ）はその構
成部材の斜視図、（Ｂ）はその平面図、（Ｃ）（Ｄ）は
その作用状態の平面図、第２図：第２実施例のコネクタ
を示し、（Ａ）はその構成部材の斜視図、（Ｂ）はその
平面図、（Ｃ）（Ｄ）はその作用状態の平面図、第３
図：第３実施例のコネクタを示し、（Ａ）はその構成部
材の斜視図、（Ｂ）はその雌コネクタハウジングの平面
図、（Ｃ）（Ｄ）はその作用状態の正面図、第４図：第
３実施例のコネクタの構成部材の斜視図主な符号、1:雌コネクタハウジング、2:雄コネクタハウ
ジング、3:嵌合部、5:スペーサ収容部、6:検知スペー
サ、7:基部、8:弾性係止片、9:係止爪、10:摘み部、11:
係止部、12:係止解離部、15:ロック爪、16:ロック片、1
7:係止切欠、18:片持弾性梁、20:検知片、21:検知窓
部、22・23:掛止爪、24:衝合部

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一側のコネクタハウジングのロック片と他
側のコネクタハウジングのロック爪からなり、該ロック
爪によって該ロック片を下方撓させた後、自由姿勢復元
の該ロック片とロック爪を係合する嵌合姿勢のロック機
構を有するコネクタにおいて、一側のコネクタハウジン
グのロック片の先端下方に検知突起を設けると共に、下
方撓姿勢のロック片の前記検知突起を嵌入して、嵌合状
態を確認する検知窓部を有する別体の検知スペーサを、
仮係止手段を設けて抜き取り自在に挿着仮係止した構造
を特徴とするコネクタ。
【請求項２】一側のコネクタハウジングのロック片と他
側のコネクタハウジングのロック爪からなり、該ロック
爪によって該ロック片を下方撓させた後、自由姿勢復元
の該ロック片とロック爪を係合する嵌合姿勢のロック機
構を有するコネクタにおいて、一側のコネクタハウジン
グのロック片の先端下方に検知突起を設けると共に、下
方撓姿勢のロック片の前記検知突起を嵌入して、嵌合状
態を確認する検知窓部と係止切欠を有する弾性係止片を
前方に突設し、かつ、コネクタハウジング側の弾性梁と
該係止切欠からなる後退係止手段を有する検知スペーサ
を、該後退係止手段の係止解離によって抜き取り自在
に、コネクタハウジングの嵌合方向に挿着し、さらに、
他側のコネクタハウジングに、コネクタハウジングの正
常嵌合姿勢のみにおいて、前記弾性係止片と係合する前
記後退係止手段の係止解離部を設けた構造を特徴とする
コネクタ。