JP2546342B2 - 強誘電性液晶組成物 - Google Patents

強誘電性液晶組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、液晶表示パネル等に使用される強誘電性液
晶組成物に関するものであり、特に応答速度,使用温度
範囲,配向性等の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
液晶表示素子は、薄形,軽量,低電圧駆動,低消費電
力といった利点を有し、平面ディスプレーとして広く用
いられている。
ところで、従来の液晶表示素子のほとんどはネマチッ
ク液晶を用いたTN(Twisted Nematic)型表示素子であ
るが、当該TN型表示素子では前記利点を有する反面、応
答速度が遅いこと、視野角依存性があること、表示品位
が不十分であること等、解決すべき問題を数多く残して
いるのが現状である。表示品位については、スーパーツ
イステッドネマチック(STN)液晶の出現により白黒表
示が可能になりつつあり著しい改善が見られるが、その
応答速度は150msec程度と遅い。例えば、動画表示を行
ったり単純マトリックスを採用しようとする場合には、
応答速度は100μsec以下程度という厳しい要求が出され
る。
このような状況下で、カイラルスメクチック相(以下
SC相と称する。)の光スイッチング効果を利用した強
誘電性液晶は、マイクロセカンド(μsec)オーダーの
高速応答性を有すること、双方安定メモリー効果があり
高速応答性と相俟って時分割駆動が容易であること等の
特徴を有し、その将来性が大いに期待されている。
強誘電性液晶の実用化のために必要とされる条件とし
ては、 (1)SC相を室温を含む広い温度範囲で示すこと、 (2)容易に良好な配向状態が得られること、 (3)大きい自発分極を持つこと、 (4)最適なチルト角(複屈折型で22.5゜,ゲストホス
ト型で45゜)を有すること、 (5)化学的に安定であること、 (6)低粘性であること、 (7)双安定で急峻なしきい値特性を示すこと、 等である。これらの諸条件を満足して初めて実用的な強
誘電性液晶と言える。
〔発明が解決しようとする問題点〕
強誘電性液晶の自発分極に関しては各方面で研究が進
められ、200〜300nC/cm2程度のものが得られるまでにな
っている。
しかしながら、特に化学的安定性や使用温度範囲等を
考慮すると充分なものとは言い難く、ましてや前述の各
条件を全て満足する強誘電性液晶材料は未だ得られてい
ないのが現状である。
そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、室温を中心に広い温度範囲でSC相を
示し、容易に良好な配向状態が得られるとともに、100
μsec以下の高速応答性を有する強誘電性液晶組成物を
提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、前述の目的を達成せんものと長期に亘
り鋭意研究を重ねた結果、不斉炭素部にF原子を有する
ビフェニルエステル系強誘電性液晶が化学的に安定であ
り大きな自発分極を有すること、これを逆のらせん向き
を有する液晶やスメクチック相(SC相)の高温側にネマ
チック相(N相)を有する液晶,低温低粘性液晶とブレ
ンド(混合)することで前述の諸条件改善に大きな効果
を有すること、等の知見を得るに至った。
本発明は前記知見を基に完成されたものであって、一
般式 (但し、式中mは6〜15の整数を表し、nは3〜16の整
数を表す。) で示される強誘電性の液晶Iと、次式 あるいは次式 (但し、式中lは6〜15の整数を表す。) で示され前記液晶Iとは逆のらせん向きを有する液晶II
aあるいは液晶II bとをカイラル成分とし、さらに一般
(但し、式中p及びqはそれぞれ6〜15の整数を表
す。) で示される液晶III及び一般式 (但し、式中j及びkはそれぞれ6〜15の整数を表
す。) で示される液晶IVを非カイラル成分として含有すること
を特徴とするものである。
強誘電性の液晶Iは、不斉炭素部に電気陰性度の高い
フッ素原子を置換基として導入することにより、双極子
であるカルボニルの分極を大きくし、大きな双極子モー
メントを確保するようにしたものであって、200nC/cm2
程度と大きな自発分極を発揮するとともに、化学的にも
安定な強誘電性液晶材料である。
したがって、後述の各液晶材料とブレンドしたとして
も、所定の自発分極値が得やすく、高速応答性が実現さ
れる。
上述の液晶Iは、フッ化カルボン酸とビフェノール誘
導体より容易に合成される。すなわち、フッ化カルボン
酸を例えばチオニルクロライドにより酸クロリドとした
後、前記ビフェノール誘導体に作用させればよい。反応
式を示せば次の通りである。
ここで、不斉炭素にF原子を持つ強誘電性液晶を得る
には、それに相当する光学活性フッ化カルボン酸を必要
とする。かかる光学活性フッ化カルボン酸は、光学活性
アミノ酸やカイラルエポキシド等を原料として合成すれ
ばよい。合成法としては、次の3種類の方が挙げられ
る。
液晶IIは、らせんピッチを長くするために混合される
ものであり、これによりカイラルネマチック相(以下、
相と称する。),SC相での配向制御を容易なもの
とする。
一般に、らせんピッチを長くする方法としてはらせん
が右回りの化合物と左回りの化合物とを混合し、これら
のらせんのねじれ方向を相殺させる方法が考えられる。
そこで、先の液晶Iとはらせんの向きが逆の液晶II aあ
るいは液晶II bを選び、これを当該液晶Iと混合するこ
とでらせんピッチを長いものとする。この液晶II aある
いは液晶II bの自発分極の向きは先の液晶Iと同じであ
ることが好ましいが、自発分極が液晶Iに比べて著しく
小さい場合にはその向きはいずれであってもよい。
本発明の液晶組成物では、上述の液晶Iと液晶II aあ
るいは液晶II bとの混合系をカイラル成分とするが、当
該カイラル成分の液晶組成物中に占める割合は5〜50重
量%の範囲内とすることが好ましい。これらカイラル成
分の割合が少なすぎると、自発分極を確保することが難
しい。逆にカイラル成分が多すぎると、温度条件を満足
させることができず、特に低温側での使用温度域が限ら
れることになる。
また、カイラル成分中に液晶Iが占める割合として
は、5〜70重量%の範囲内であることが好ましい。これ
はらせんピッチの観点から決まり、前記範囲内であれば
らせんピッチを十分に長くすることができる。ただし、
液晶Iのらせんピッチがセルギャップ(通常2μm)よ
り十分長ければ液晶II aあるいは液晶II bを使用する必
要がない場合も生ずる。
一方、液晶IIIや液晶IV等の非カイラル成分は、配向
性や使用温度域等の実用特性の改善のために混合される
ものである。
例えば、液晶Iの分子配向は、特にSC相の高温側の
相系列に大きく依存するが、SC相(スメクチック相)の
高温側にN相(ネマチック相)を持つ液晶IIIを混合す
ることで、等方性液体(Iso)→N相→SA相(スメク
チックA相)→SC相なる相系列とすることができる。
ここで、らせんピッチの長いN相は、ネマチック相と
同様良好な配向性を示し、これを徐冷すればSA相でホモ
ジニアス配向が得られ、次いで分子が傾いてSC相とな
る一連の過程が無理なく受け入れられ、良好な配向状態
が得られる。
液晶IVは、低温低粘性を示す液晶材料で、これを配合
することで液晶組成物の粘度が下がり、室温を中心に広
い温度範囲でSC相が実現される。
非カイラル成分中、SC相の高温側にN相を持つ液晶II
Iの占める割合は、20〜80重量%とすることが好まし
い。液晶IIIが20重量%未満であるとN相が発現しな
くなり、80重量%を越えると温度条件を満足させること
ができなくなる。
〔実施例〕
以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて説明す
る。
実施例1 先ず、自発分極の大きな強誘電性の液晶(1a)〔液晶
Iに相当する。〕を、次の方法で合成した。
L−ロイシン20gを50%酢酸水溶液200mlに溶解し、21
gの亜硝酸ナトリウムを溶解した亜硝酸水溶液30mlを氷
冷下で滴下した。
これを室温で1時間攪拌した後、エーテルで抽出し、
エーテル留去後、残留物にトルエンスルホン酸0.5g,エ
タノール300ml,ベンゼン100mlを加え、加熱還流した。
このとき、生成した水は、酢酸エチル,ベンゼン,エタ
ノールと共沸除去した。
12時間後、エーテル抽出,洗浄,乾燥を行い、減圧蒸
留によりイソロイシン酸エチル15.9gを得た。得られた
イソロイシン酸エチルの沸点は67〜70℃(2mmHg)であ
った。
次に、イソロイシン酸エチル11g,ルチジン8ml,ジクロ
ロメタン20mlからなる溶液を氷冷しながら15.4mlのトリ
フルオロメタンスルホン酸無水物を滴下し、滴下終了後
30分間そのまま攪拌を続けた。
シリカゲルカラム(ショートカラム)を通した後、減
圧蒸留してイソロイシン酸エチルのトリフルオロメタン
スルホン酸エステル17.7gを得た。得られた化合物の沸
点は71〜75℃(2mmHg)であった。
このスルホン酸エステル17.7gをアセトニトリル150ml
に溶解し、テトラ(n−ブチル)アンモニウムフルオラ
イド3水和物18gを加え、5℃で一晩放置した。
シリカゲルカラムに通した後、減圧蒸留して2−フル
オロ−3−メチルペンタン酸エチル6.1gを得た。得られ
た化合物の沸点は、70〜74℃(22mmHg)であった。
これを1N−NaOH水溶液150mlに加え、室温で12時間攪
拌した。希塩酸で中和した後、エーテル抽出,乾燥,エ
ーテル留去することにより2−フルオロ−3−メチルペ
ンタン酸約4gを得た。
次に、この2−フルオロ−3−メチルペンタン酸を常
法により酸クロライド化(約3g)し、これとp,p′−ビ
フェノール−モノ−n−ドデシルエーテルと反応させ、
目的の強誘電性液晶(1a)を得た。得られた強誘電性液
晶(1a)の構造式は下記の通りである。
この強誘電性液晶(1a)の不斉炭素部の立体配置は、
カルボニル基側から順にR−配置,S−配置である。ま
た、比施光度は〔α〕D 61.1゜(C=1,CHCl3)であっ
た。
また、転移温度は等方性液体(Iso)→SA相が93.5℃,
SA相→SC相が80℃,SC相→結晶が71.6℃であった。
自発分極は74℃で200nC/cm2であった。
上記強誘電性液晶(1a)15重量%と非カイラル成分で
あるフェニルベンゾエート系の液晶(3a)〔液晶IIIに
相当する。以下、非カイラルエステル系液晶(3a)と称
する。〕85重量%との混合物のらせんピッチをカノーの
ウェッジ法(Cano's Wedge法)で測定したところ、N
相2.4μm,SC相8.6μmであった。また、そのらせんの
向きは右であった。
なお、使用した非カイラルエステル系液晶(3a)の構
造式は次の通りであり、転移温度は等方性液体(Iso)
→N相が89℃,N相→SC相が65℃,SC相→結晶が55℃であ
る。
ここで、N相,SC相においてはらせんピッチが長
い方が配向制御が容易である。らせんピッチを長くする
方法としては、右回りらせんの化合物と左回りのらせん
の化合物とを混合してらせんのねじれ方向を相殺させる
方法が考えられる。
そこで、らせんの向きが左回りのフェニルベンゾエー
ト系の液晶(2a)〔液晶II aに相当する。以下、逆らせ
んエステル系液晶(2a)と称する。〕を合成し、これを
上記強誘電性液晶(1a)と混合し、らせんピッチの変化
を調べた。
なお、合成した逆らせんエステル系液晶(2a)は、下
記の構造式で示されるもので、比施光度〔α〕D 64.8゜
(C=1,CHCl3),自発分極4nC/cm2である。また、その
転移温度は、等方性液体(Iso)→SA相が60℃,SA相→SC
相が47℃,SC相→結晶が45℃である。
測定に際しては、強誘電性液晶(1a)+逆らせんエス
テル系液晶(2a)15重量%,エステル系液晶(3a)85重
量%なる混合比とし、カイラル成分である強誘電性液晶
(1a)と逆らせんエステル系液晶(2a)の混合比率を変
えてピッチの長さを測定した。結果を第1図に示す。な
お、この図において縦軸にピッチの逆数(ピッチ-1)を
とってある。したがって、このピッチの逆数が小さいほ
どピッチが長いことになり、ピッチ-1=0のときピッチ
は無限大であることを示す。
この第1図からも明らかなように、N相のらせんピ
ッチは、強誘電性液晶(1a)と逆らせんエステル系液晶
(2a)の比率が(1a):(2a)=35:65のときに無限大
となる。強誘電性液晶(1a)と逆らせんエステル系液晶
(2a)の比率が(1a):(2a)=40:60のとき、N
のらせんピッチは63μmであり、SC相のらせんピッチ
は充分に長く測定できなかった。(他の測定点から類推
すると、100〜200μmである。) 実際の強誘電性液晶と共に使用される液晶セルのセル
厚は2μm程度であり、これからすると前記組成とする
ことでらせんピッチは充分に長いものとなっていると言
える。
そこで、カイラル成分として強誘電性液晶(1a)と逆
らせんエステル系液晶(2a)の比率を(1a):(2a)=
40:60に固定し、非カイラル成分,すなわち非カイラル
エステル系液晶(3a)とフェニルピリミジン系液晶(4
a),(4b)〔液晶IVに相当する。〕の混合物(iv)
〔以下、フェニルピリミジン系液晶混合物(iv)と称す
る。〕の混合物に混ぜ合わせて最終的な液晶組成物を得
た。なお、使用したフェニルピリミジン系液晶(4a),
(4b)は次式で表されるものである。
このフェニルピリミジン系液晶混合物(iv)の転移温
度は、等方性液体(Iso)→N相が69℃,N相→SA相が66
℃,SA相→SC相が35℃,SC相→結晶が−10℃である。
ここで、非カイラルエステル系液晶(3a)とフェニル
ピリミジン系液晶混合物(iv)の比率を(3a):(iv)
=53:47に固定し、カイラル成分の濃度を変えて相図を
作成した。結果を第2図に示す。
その結果、カイラル成分の濃度が15重量%付近である
ときに、SC相の温度範囲が大きく広がり、−8〜45℃
までSC相を示すことが明らかとなった。
以上の結果を基に、カイラル成分濃度15重量%の液晶
組成物(組成物1)及びカイラル成分濃度25重量%の液
晶組成物(組成物2)を用い、2μmギャップの液晶セ
ルを作成して、その特性を評価した。
すなわち、配向処理剤としてポリイミドを塗布し表面
をラビングして平行配向処理した透明電極を備えた2μ
mギャップのセルに、80℃でこれら組成物を注入し、等
方性液体領域よりSC相になるまで徐冷し、均一なモノ
ドメインセルを得た。
この液晶セルを直交ニコル状態に配置した2枚の偏光
子の間に挾み、電圧を印加して極性を反転させると表示
状態が変化した。
そこで、液晶セルの配置を最大コントラストがとれる
配置に固定し、その時の応答速度を室温(25℃)で±10
V,±20Vの直流電圧印加で測定した。なお、応答速度は
電界印加時より輝度が90%変化するまでの時間で表し
た。結果を第1表に示す。
その結果、本発明の実施例に相当する各液晶組成物
は、室温を中心に広い温度範囲でSC相を示し、これを
液晶セルとすることで良好な配向状態が容易に得られ、
100μsec以下の高速応答性が実現されることがわかっ
た。
実施例2 本実施例では、まず互いにらせんの向きの異なる2種
類の液晶を含むカイラル成分の相変化挙動を調べた。
使用した液晶の一方は上述の強誘電性液晶(1a)であ
り、他方はらせんの向きに異なる次の構造式で示される
ビフェニル系の液晶(2b1)〔液晶II bに相当する。以
下、逆らせんエステル系液晶(2b1)と称する。〕であ
る。
この液晶の転移温度は、等方性液体(Iso)→SA相が1
23℃,SA相→SCが99℃,SC相→結晶が79℃であった。
自発分極は82℃で47nC/cm2であった。
第3図に上記強誘電性液晶(1a)と逆らせんエステル
系液晶(2b1)の混合系の相図を示す。
一方、非カイラル成分の相変化挙動も調べた。使用し
た液晶は非カイラルエステル系液晶(3b)とフェニルピ
リミジン系液晶混合物(iv)であり、前述の実施例1と
同じであるが、フェニルピリミジン系液晶(4a),(4
b)の混合比率は(4a):(4b)=30:70に固定した。こ
のフェニルピリミジン液晶混合物(iv)を上記非カイラ
ルエステル系液晶(3a)と種々の割合で混合して相変化
を調べた結果を第4図に示す。この図から、この非カイ
ラル成分は非カイラルエステル系液晶(3a)とフェニル
ピリミジン系液晶混合物(iv)の比が(3a):(iv)=
40:60となる付近で結晶化温度を極小とすることがわか
る。
さらに、上記カイラル成分と上記非カイラル成分を混
合した組成物の相変化挙動を調べた。ここでカイラル成
分としては上記強誘電性液晶(1a)と逆らせんエステル
系液晶(2b1)を(1a):(2b1)=60:40の重量比にて
混合したものを使用し、非カイラル成分としては上記非
カイラルエステル系液晶(3b)とフェニルピリミジン系
液晶混合物(iv)を43:57を重量比にて混合したものを
使用した。結果を第5図に示す。この図より、この組成
物は広い温度範囲にわたってSC相を示すことがわかる。
カイラル成分の濃度が7.5重量%の時の相転移温度は、
等方性液体(Iso)→N相が73℃,N相→SA相が60℃,
SA相→SC相が50℃,SC相→結晶−4℃である。また自発
分極は室温で6.5nC/cm2であった。
実施例3 本実施例は、液晶I,液晶II b,液晶III,液晶IVをそれ
ぞれ2種類ずつ使用した例である。ここで新たに使用さ
れる各液晶は次式で表されるものである。
上記強誘電性液晶(1b)は前述の強誘電性液晶(1a)
と等量ずつ混合して強誘電性液晶混合物(i)とし、上
記逆らせんエステル系液晶(2b2)は前述逆らせんエス
テル系液晶(2b1)と等量ずつ混合して逆らせんエステ
ル系液晶混合物(ii)とし、上記非カイラルエステル系
液晶(3b)は前述の非カイラルエステル系液晶(3a)と
等量ずつ混合して非カイラルエステル系液晶混合物(ii
i)とした。フェニルピリミジン系液晶混合物(iv)は
上述の実施例2と同じものである。
まず、強誘電性液晶混合物(i)と逆らせんエステル
系液晶混合物(ii)を種々の割合で混合して調製したカ
イラル成分の相変化挙動を調べた結果を第6図に示す。
この図より、混合物(i)と混合物(ii)をほぼ等量ず
つ混合した場合に低い結晶化温度が達成されることがわ
かった。
そこで次に、混合物(i)と混合物(ii)を等量ずつ
含むカイラル成分と、非カイラルエステル系液晶混合物
(iii)とフェニルピリミジン系液晶混合物(iv)を(i
ii):(iv)=57:43の重量比で混合して調製した非カ
イラル成分とを種々の割合で混合した液晶組成物につい
て相変化挙動を調べた。その結果、カイラル成分の濃度
が10重量%の時の相転移温度は、等方性液体(Iso)→
相が73.7℃,N相→SA相が60℃,SA相→SC相が52℃,
SC相→結晶−14℃である。また自発分極は室温で7.5 nC
/cm2であった。
さらに、この液晶組成物のSC相のらせんピッチは30
μm以上であり、セルギャップ(2μm)に比べて十分
に長いことが確認された。
このカイラル成分濃度10重量%の液晶組成物を用いて
実施例1に記載した方法と同様に液晶セルを作成し、そ
の特性を評価した。
この結果、初期状態のチルト角は25゜(印加電圧±15
V)、メモリー状態では21.5゜であった。この値は、複
屈折モードにおけるチルト角22.5゜に近い。また、光透
過率の変化は電圧を印加した時に3.9%,しない時に96.
8%であり、きわめて高いコントラストが達成された。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明において
は、化学的に安定で大きな自発分極を示す強速光学シャ
ッタや表示情報量の高いディスプレーとしての応用が可
能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における強誘電性液晶の割合
によるらせんピッチの変化を示す特性図であり、第2図
は同じ実施例におけるカイラル成分の濃度による液晶組
成物の相変化を示す相図である。第3図は本発明の他の
実施例におけるカイラル成分の相図であり、第4図は同
じ実施例における非カイラル成分の相図であり、第5図
は同じ実施例におけるカイラル成分の濃度による液晶組
成物の相変化を示す相図である。第6図はさらに他の実
施例における強誘電性液晶混合物の割合によるカイラル
成分の相変化を示す相図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (但し、式中mは6〜15の整数を表し、nは3〜16の整
    数を表す。) で示される強誘電性の液晶Iと、次式 (但し、式中lは6〜15の整数を表す。) で示された前記液晶Iとは逆のらせん向きを有する液晶
    II aとをカイラル成分とし、 さらに一般式 (但し、式中p及びqはそれぞれ6〜15の整数で表
    す。) で示される液晶III及び一般式 (但し、式中j及びkはそれぞれ6〜15の整数を表
    す。) で示される液晶IVを非カイラル成分として含有すること
    を特徴とする強誘電性液晶組成物。
  2. 【請求項2】一般式 (但し、式中mは6〜15の整数を表し、nは3〜16の整
    数を表す。) で示される液晶Iと、次式 (但し、式中lは6〜15の整数を表す。) で示された前記液晶Iとは逆のらせん向きを有する液晶
    II bとをカイラル成分とし、 さらに一般式 (但し、式中p及びqはそれぞれ6〜15の整数を表
    す。) で示される液晶III及び一般式 (但し、式中j及びkはそれぞれ6〜15の整数を表
    す。) で示される液晶IVを非カイラル成分として含有すること
    を特徴とする強誘電性液晶組成物。
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