JP2545004B2 - ボビン・ホルダ―に於けるスラスト軸受構成 - Google Patents
ボビン・ホルダ―に於けるスラスト軸受構成Info
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Description
る。さらに詳しくは、紡績の分野において、後紡を占め
る粗紡および精紡工程に不可欠な主要機能部品たるボビ
ンホルダに関する。
抵抗値を実質的に0とするころがり軸受構造部を軸心に
据え、別途捲ばねによりブレーキシュー7Bd(図7参
照)を回動部に押圧する「ブレーキ機構」を軸受部に併
置した構造となっている。したがって、捲ばねによる押
圧力を変更しない限り、軸受側のブレーキトルクb・k
は実質的に不変である。ここでbは押圧力に摩擦係数μ
を乗じたものであり、kは回動部の回動中心から摩擦力
の作用点までの距離である。したがって軸受側ブレーキ
トルクb・kと粗糸の引出しにより回動部に加わる篠巻
側回動トルクR・Tとが厳密な均衡を保持する(T・R
=b・k)ことに照せば、粗糸引出し張力Tは粗糸引出
しに伴う篠巻半径Rの減少に反比例して増加する、いわ
ば2次元的関係を有する結果となる。実地には、篠巻径
Rの変化割合いは現行3〜6倍に及ぶため、満管時(篠
巻半径Rf)の粗糸引出張力Tfを仮に2.0gに設定
した場合でも空管時(篠巻半径R0)の粗糸張力T0は
実に6〜12gにまで達し、紡績技術上の最適許容範囲
(3.0±1g)を大幅に食み出すという欠陥を露呈す
る。図7に示すとおり、従来のボビンホルダーはその軸
受部周辺の空隙4Bはその殆んどが軸受構造で埋め尽く
された窮屈な空隙であり、そこに塵埃を伴った風綿が次
々に引き込まれて堆積を重ね、ついに軸部材3Brに固
く巻きつくとしう致命的現象を引き起こす。さらにボビ
ン着脱操作時の往復衝撃によって生起される上下両レー
ス22R、35R面の鋼球5Bによる打痕損傷が前記着
脱操作度毎に進行する。このように宿命的な欠陥要因が
相乗的に作用し、当初設定されたブレーキトルクに累積
加算される結果、軸受側ブレーキ・トルクb・kは予想
外の短期(1〜2年間)に顕著な上昇を続ける。その結
果ボビンホルダBHの有効寿命の極端な短縮のみなら
ず、原糸品質、操業両面に亘った致命的トラブルが激増
している。すでに従来技術ではこれらの問題に応じ難
く、とくに工程の自動化、連続化、ならびに細番高級化
への対応は不可能な現況に立ち至っている。
績の牽伸性能との間には強い負の相関がある。すなわち
紡出原糸の品質の向上、安定化にとって、許容限界ぎり
ぎりの甘撚粗糸を長期に亘って不変かつ均整に、適切な
る張力で牽伸部に供給可能な軸受構造の開発が緊急課題
となっている。信頼しうるデーターによれば、万錘単位
の設備グループにおける各錘を対象とした錘内、錘間に
おける粗糸引出し張力Tの期待値は紡出番手並びに紡績
全品種を通じ、3.0±1.0gの範囲に規制されてい
る。この技術水準を満足しうる機能を具えた新規軸受構
造を具現実用化し、これに関連する製造組立て、調整、
保全ならびに保護等に係る包括的合理体系を確立するこ
とが本発明の主要課題である。
「すべり形式によるスラスト軸受方式」は、軸受自体の
「回動摩擦トルクb・k」が篠巻径Rの変化に伴う主に
篠巻重量による回動部負荷P(以下、篠巻重量という)
の増減に比例して変化する特性を基礎として、関連の先
願発明に関わる「特許第996924号」、「特許第9
95381号」、および「特願昭59−162304
号」などに開示された技術を援用し、さらに新規な構成
を加えることにより、さらなる高度革新技術として集約
されたものである。本発明により、すべり方式のスラス
ト軸受に固有のブレーキ特性をボビンホルダーBHに活
用の途を開くと共に、ボビンホルダーBHの軸受機能の
信頼性を最高レベルにまで高めるための基本体系が完成
された。
吊持すると共に、粗糸の引出しに伴う、篠巻外径の変化
に比例して変化するボビン回動トルクT・Rによって回
動しうる回動部と、架台などに固定するための固定部
と、前記固定部に前記回動部を回動、揺動自在に吊架す
るための吊架機構とを有しており、前記吊架機構が、前
記回動部と固定部とのうち少なくともいずれか一方に形
成された部分円錐段部を有する軸部材と、他方に形成さ
れた、前記段部と係合して回動部の重量Pを支持するこ
とにより、回動部重量Pに比例する前記段部との間の摩
擦力を発生せしめる係合孔とから構成されており、それ
により、篠巻外径Rに比例する回動部重量Pの増減に比
例して変動する制動トルクb・kが加わるようにされて
おり、前記ボビン回動トルクT・Rと前記制動トルクb
・kとが釣合状態にあることにより、粗糸の引出し張力
Tが常時実質的に不変となるのである。そして、前記係
合孔の周縁を構成する部材の少なくとも一部が適宜交換
組合せ自在にされることにより、前記軸部材側を基準と
して前記係合孔の内径および(または)周縁部材の摩擦
係数を変更して、前記ブレーキトルクb・kを可変調節
しうるように構成されている。かかる構成については、
たとえば、2等分割成型してなる独自の半円筒形軸受部
材から構成される「選択組合せ、(または組替え)合体
手法」を創出することにより、軸部材側に対応しうる軸
受(係合孔)側の内径を適宜変更し、さらに摩擦係数を
も適宜選定してすべり軸受のブレーキトルクb・kを任
意の水準に段階的に設定しうる軸受構成を完成した。か
かる軸受構成により、供給される粗糸の張力を種々変更
設定するという緊急の課題を解決しえた。本発明の「す
べり形式によるスラスト軸受」におけるブレーキトルク
b・kは、摩擦に関するクーロンの法則から、下記式
で表わされる。 b・k=P・d/2・μ さらに、粗糸が半径Rの篠巻表層から張力Tで引き出さ
れることにより回動部に加わる回動トルクT・Rは前記
ブレーキトルクb・kと完全均衡を保っているため、下
記式が成立する。 T・R=P・d/2・μ ここで、d/2・μ(以下、抵抗係数kという)を定値
とすることで粗糸の引出し張力Tについて下記式が導
かれる。 T=P/R・k 一方、篠巻重量Pは、粗糸引出しに伴う篠巻半径Rの漸
減に比例追随して漸減し続けるため、式中の両者の比
(P/R)は実質的に常数と見做しうる。したがって、
篠巻の満管時Rfから空管時R0に至る全工程を通じて
粗糸引出し張力Tを「特定不変」に設定することができ
る。かかる機能に加えて、粗糸引出し張力Tを所要の特
定値に設定するに当り、軸部材側を基準として変更しう
る軸受側の孔径dと軸受部材固有の摩擦係数μとを有す
る軸受部材、たとえば、同一の孔径dと互いに同一また
は相違する摩擦係数μとを有する半円筒形2等分割成形
部材により、前記式におけるk値(k=d/2・μ)
を容易かつ合理的に特定調整し得る手段を具現しえた。
すなわち、本発明のボビンホルダにおいて、以下図3を
参照しつつ説明するように、粗糸引出し張力Tは軸受側
の孔径dおよびパラメータとなる軸受部材の摩擦係数μ
との間で、いわば3次元的関係にあるといえる。図3
は、軸受部材の機能条件設定の目安となる特性表の一例
で、X軸に軸受孔径dを、Y軸に粗糸引出し張力Tをと
った座標系に、経験値でなる「ブレーキトルク係数OB
(OB=tanθ=P/R・μ)」を示した独自の概念
図表である。本図表に拠って、粗糸引出張力T11を基
本設定するための軸受孔径d1を求めるばあい、T11
からX軸に平行線T11−C11を引き、初期に選定し
た摩擦係数に相当する斜線OB1との交点C11をX軸
上に正投影した交点d1が求める軸受孔径d1となる。
ついで、求められた軸孔径d1を共有する前記半円筒形
2等分割成形部材の一方を変更して、軸受部材固有のブ
レーキ・トルク係数のみをtanθ1からtanθ2に
変更してブレーキトルク値を微調整する場合には、線分
d1−c11の延長線d1−c12と斜線OB2との交
点c12をy軸上に正投影した交点T12が微調整後の
粗糸引出し張力T12となる。以下同様の手法に準じ
る、粗糸引出し張力Tの不変性に係る任意的かつ段階的
調整の選定体系が本発明の成果として整備確立されるに
至った。さらに本発明では、軸受機能を長期(10年以
上)に亘って万全に保護し続ける対策として、軸受部材
の周囲に余裕ある空隙を形成せしめ、この空隙に回動重
室層でなる独自の防塵帯域を配備した構成となした。す
なわち、実質的に上下対称に向い合うようにボビンホル
ダの固定部の内壁天面に形成された上位円環状溝と、前
記回動部の頂面に形成された下位円環状溝とから、前記
吊架機構を軸心とする円環状空間が形成されており、該
空間内であってかつ前記回動部の溝底部に、ボビンホル
ダの外部空間と吊架機構とを実質的に隔離するための防
塵輪が前記両溝によってその上部および下部共に覆い被
せられ、かつ前記空間を複数室に区画しつつ吊架機構の
全周辺を囲むように回動自在に遊置されたものである。
この構造により、たとえば、図2に示した外周室aに侵
入した風綿や塵埃は、吊持本体2Aの緩慢な回動に伴っ
て薄肉円筒401を介して風綿同士による球状集塵効果
のため殆んどの風綿はこの室aに留り、次室b1、b2
にあっても同様の作用が波及生起されるため、軸受部に
向う風綿同士の能動的集塵現象に処る、抜群の防塵効果
が検証されるに至っている。なお、この部位には捲きば
ね402を装填し、特殊用途を目的としたブレーキ機構
を併置することも可能である(図2参照)。この場合、
上、下平行面共にフリクションディスクとして有効に作
用しうる構成となっている。本発明のボビンホルダにお
いては、その分解・組立を容易ならしめ、さらに接続部
の耐久性および密嵌合性を飛躍的に向上させうる接続手
段を実現している。すなわち、その接続手段は、ボビン
ホルダの回動部が、その頂部端面に開口する円柱上画室
を備えた、ボビンを吊持するための吊持本体と、前記画
室に嵌合される実質的に円柱状を呈するブロックと、該
ブロック外周の上端縁全周にわたって形成される斜面と
前記画室内周面の前記斜面に対応する位置に全周にわた
って形成されるV字断面の溝とがその3側面を形成する
ように構成される実質的に矩形断面を有する円環状凹所
と、該凹所に弾性的に密嵌着されるC字形状を呈する止
め輪とから構成されており、それによって回動部の重量
がC形止め輪の長手方向全周にわたり均等に分散される
と共に、かかる回動部重量をたくみに利用して接続を強
固かつ密ならしめることにより前記三者(吊持本体、ブ
ロック、C形止め輪)を一体化している。
説明する。本発明では、従来形式の軸受構造部およびそ
の周囲の空間部位を改め、新規に「すべり方式に準拠し
た独自スラスト軸受構造」に転換することによって、軸
受自体の機能特性を根本的に改変したものである。図1
において、上部構造体1Aは、ボルト30とスラスト受
軸(以下ピボットと呼称)606とを新たに分離独立せ
しめ、両者部品を2等分割成型の独自軸受部材でなるカ
プラー(以下ピボットハウジングと呼称)101によっ
て同心状に連結包蔵した形態の合体構成となす。すなわ
ち、ピボットハウジング101は、円筒部材をその軸芯
に沿って従割りした2等分割円周形成型部材によった2
体合掌構造にされている。ピボットハウジング101の
腹部に同心直列に上位室11Gおよび中位室10Gがそ
れぞれ形成されている。そのうち、上位室11Gにはボ
ルト頭部31が固定収納され、中位室10Gには、頭部
を円錐面(または同等曲面)に形成したピボット606
の上端頭部61が回動、揺動自在に収納されることによ
って、ボルト3Aとピボット606とがピボットハウジ
ング部材101を仲介に同心連結された形態にされてい
る。そのピボットハウジング部材101をトップキャッ
プ102の軸芯y−y部を貫通する細窓孔10Hに下方
から圧嵌入のうえ、更にボルト30、ワッシャー33、
およびナット32で締結一体化することにより上部構造
体1Aを形成せしめる。他方、下部構造体2Aは、吊持
本体2Aの頂部に充填されたブロック201の中心部に
堀設された下位室12Gに、軸芯y−y同心に上方に向
け貫いた細窓孔20Hに沿わせてピボット606の下端
膨大基部62を収容せしめている。この状態で、ボビン
ホルダーHBを機台に垂下配列したときにピボットハウ
ジング101の中位室10Gに上端頭部61が包蔵され
たピボット606を介して、吊持本体2Aは完全に連結
垂下支持され、中位室10Gの底面中心部位に穿設され
た特定径dを有する軸受孔の接圧周面601とピボット
606の首部61の円錐面との間に生起される摩擦力に
より、「すべり方式軸受構造固有のブレーキトルク(b
・k=P・d/2・μ)」が完璧に機能する。この場
合、下位室12Gを形成するブロック201は一体型ま
たは2等分割型のいずれの方式をも選択しうるが、後者
の方が機能、成型、並びに組立ともに優れて有効、簡便
なため好ましい。また、下位室12Gの天面は揺動のた
めの臼面座に、または図2に示すごとく中位室10Gと
上、下逆転の形態となした軸受構造としての活用も可能
である。また、両端部の形状が対称相似となしたピボッ
ト606を共有せしめ、下位室12Gを中位室10Gの
軸受構造に倣って、対称相似と成し、同心に上下2重に
回動摺動部を備えた軸受構成は、ボビンホルダーBHの
軸受として最適である事実が検証されている。すなわ
ち、2か所の回動摺動部のうち、生起される摩擦力の小
さい方が回動摺動し、万一の事由により当該回動摺動部
の摩擦力が増加すれば他方の回動摺動部が代って回動し
始め、それによりぼぼ不変のブレーキトルクが長期維持
されるのである。図5は、吊持本体2Aの頂部に形成さ
れた円筒22の所定部位に、その上側から嵌め込まれた
ブロック201を完全拘束形態に密圧合体せしめるため
の独自構成の実施例を示す。ブロック201の円錐肩面
G1と、円筒22の内壁に堀設した軸心y−yに直交す
るV形溝22Gとは、両者の連関によって両者の下縁部
位G2を共有し、かつその底周面G3に後述のC形止め
輪202(図4参照)の線材径dS相当の隙間幅をもた
せた矩形断面(G1、G3およびG4の三面からなる)
を有する環状凹所22Uを形成している。この環状凹所
22Uの懐中に、線材径dSおよび自由外径DCのばね
線材からなる独自のC形止め輪202(図4参照)をそ
の直径を縮小するようにたわませつつ円筒22の内壁に
沿わせて嵌め込んだ構成となすことによって、環状凹所
22Uの両斜周面G1、G4と底周面G3とからなる3
方直交接圧周面に働く内力の力学的原理に基づいたベク
トル均衡状態での3体合体密圧構造を具現しうる。環状
凹所22U内に嵌着されたときのC形止め輪202の外
径DSは、ほぼ円筒22の内径DHとC形止め輪の素線
径dSとを合わせた大きさであり、前記自由外径DCよ
り小さくされている。すなわち、DC≧DS≒DH+d
Sの関係にある。かかる構造において、篠巻重量Pの作
用を巧みに利用することにより、前記吊持本体2A、ブ
ロック201およびC型止め輪202の密な合体および
強固な連結がえられるのである。図6は、篠巻重量Pが
作用する図5中の接圧周面G1、G3、G4における力
のベクトル分布を示す断面図である。すなわち、C形止
め輪202の素線断面20Eの中心Oを原点とし、3接
圧点P1,P2,P3を含む直角座標X−Y上に展開し
た篠巻重量Pに起因する各力のベクトルFの均合分布状
態を表示したものである。このうち、0点に働く別の内
力F0は、C形止め輪202の復元力によるもので、環
状凹所22U内部に、より確実に密嵌着し、たとえ篠巻
重量Pが作用しないばあいでも脱出することを許されな
い構成にされている。図2は、軸受に侵入してくる風綿
および塵埃の阻止に高い効果を発揮する本発明独自の防
塵構造の実施例である。ピボット606を軸芯として軸
受部を取り囲む空隙4Aを形成するトップキャップ10
2の内側天面と、吊持本体2Aの頂面とは水平的平行状
に対面している。両面共に上下対称位に、軸芯y−yを
中心とした上位および下位の円環状溝102M、201
Mが堀設されており、この空間に所定高さの薄肉円筒4
01が、上下両円環状溝102M、201Mが互いに覆
い被さり合う形態に占位遊置せしめられている。ピボッ
ト606の周辺隙間を緩慢に回動する薄肉円筒401の
輪形壁面と、これに対峙する静止壁面(トップキャップ
102の内壁面)によって区画形成された防塵各室a、
b1、b2、cで生起される風綿同士の絡み合い現象を
巧みに活用した輪形防塵帯域で包囲する形態に軸受構造
を外周雰囲気から能動的に遮断保護する構成と成す。
の機能革新がボビンホルダ自体の性能向上に寄与すると
ころ顕著である。すなわち、錘内、錘間に於ける粗糸繰
出し張力Tのバラツキ巾に至っては、特定基準値に対し
±0.5gの水準で長期(実用実験では半永久的)に安
定する事実が検証されるに至っており、殊にこれまで、
実用上困難とされていた極甘撚ならびに極細粗糸の安定
供給をも安全、確実に実現するに至った成果は特筆に値
する。紡績向上におけるラージパッケージ化、高速化、
自動化、連続化などの設備合理化の伸展に着実に適応し
ながら、さらなる高度技術伸展への扉を開くと同時に、
現時点における原糸品質の向上、操業の安定化、ならび
に新鋭設備の稼働効率向上など万般技術への高度寄与が
期待されるところとなっている。さらに詳述すれば、 1)軸受負荷能力が格段に増強され、とくに耐久性に優
れ、機能の信頼性、安全性ともに抜群の水準に達し、ま
た、ボビン操作衝撃に対しては復元性をも伴った格段の
靱性を発揮し、軸受有効性能寿命が実地に半永久域にま
で達した驚異的成果が検証されるに至っている。 2)優れた独自風綿防止構造の併設により、軸受機能の
致命的劣化を抑制するため、長期(15年以上)に亘る
「メンテナンス・フリー」を実現しえた。 3)最適粗糸張力Tの調整が合理的、且つ容易となり、
前2項を含めて、工場に於ける粗糸張力管理が格段に徹
底強化されうる。 4)軸受構成の合理化、単純化に伴って、規格化、標準
化を促進し、さらなる汎用化の方途を拡げ、併せて部品
組立ての自動化をも可能と成し、コスト低減に限りない
寄与をもたらす効果を得た。 5)殊に独自C形止め輪によった合体構成は、力の均合
いによる負荷分散効果で、従来方式のピン接合303、
またはカシメなどの手法に比し、負荷特性、耐久性、な
らびに利便性、安全性など万般に優れ、信頼性とも抜群
の優位にあり、かつ、組立て、分解ともに簡便な特性に
至っては秀逸である。従って、本システムの応用に関し
ては、今後一般産業界への普及、とくにプラスチック成
型分野での広範囲な活用が期待される。 6)尚、本発明の成果に関しては本用途に留まらず、広
く一般産業機器分野(特に電子機器)に於ける特殊精密
軸受としての広範な活用の途が開かれている。
ったスラスト軸受構造の一実施例を示す断面図。
離帯域を配備し、かつ図1のピボットを上下逆に配設し
たすべり方式に拠るスラスト軸受構造の他の実施例を示
す断面図。
能条件設定基準となる粗糸張力T、軸受孔径d、並びに
部材摩擦係数μそれぞれの関連を示す概念図表。
を示す平面図。
一実施例を示す断面図。
力のベクトル分布、ならびにその均合い状態を示す断面
図。
置でなる従来形式の軸受構成の一例を示す断面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 ボビンを吊持すると共に、粗糸の引出し
に伴う、篠巻外径の変化に比例して変化するボビン回動
トルク(T・R)によって回動しうる回動部と、架台な
どに固定するための固定部と、前記固定部に前記回動部
を回動・揺動自在に吊架するための吊架機構とを有して
おり、前記吊架機構が、前記回動部と固定部とのうち少
なくともいずれか一方に形成された部分円錐段部を有す
る軸部と、他方に形成された、前記段部と係合して回動
部の重量(P)を支持することにより、回動部重量
(P)に比例する前記段部との間の摩擦力を発生せしめ
る係合孔とから構成されており、それにより、篠巻外径
(R)に比例する回動部重量(P)の増減に比例して変
化する制動トルク(B・K)が加わるようにされてお
り、該係合孔の周縁を構成する特定部材の少なくとも一
部が、前記軸受側を基準として、適宜交換組み合わせ自
在されることにより、該制動トルク(B・K)が段階的
に、変更、調節しうるように構成されており、叙上の構
成によって、前記ボビン回動トルク(T・R)と前記制
動トルク(B・K)とが釣合状態にあることにより、粗
糸の引出し張力(T)が常時実質的に適正不変の状態に
選択設定されると同時に、実質的に上下対称に向い合う
ように、前記固定部の内壁天面に形成された上位円環状
溝と、前記回動部の頂面に形成された下位円環状溝とか
ら、前記吊架機構を軸心とする円環状空間が形成されて
おり、該空間内であって、かつ前記回動部の溝底部に、
ボビン・ホルダーの外部空間と吊架機構とを仕切るため
の薄肉円筒が、回動、揺動自在に遊置され、前記両溝に
よってその上端部および下端部共に、所定のすきまを保
って覆い被せられ、かつ前記空間を同心2室に区画しつ
つ、その外周空間で、独自に生起される集塵自浄作用を
介して、吊架機構の全周辺を囲みながら、該軸受性能を
持久、保全するように成した、ボビン・ホルダーに於け
る軸受構成。 - 【請求項2】 前記回動部が、その頂端面に開口する円
柱状画室を備えたボビンを吊持するための吊持本体と、
前記画室に嵌合される実質的に円柱状を呈する軸受用ブ
ロックと、該ブロック外周の上端縁全周にわたって形成
される実質的に斜面と、前記画室内周面の前記斜面に対
応する位置に全周にわたって形成される実質的にV字断
面の溝とが、その3側面を形成するように構成される実
質的に矩形断面を有する円環状凹所と、該凹所に弾性的
に密嵌着される線材からなるC字形状を呈する止め輪と
から構成されてなる請求項1、記載のボビン・ホルダ
ー。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3145353A JP2545004B2 (ja) | 1991-05-21 | 1991-05-21 | ボビン・ホルダ―に於けるスラスト軸受構成 |
EP92910581A EP0540760B1 (en) | 1991-05-21 | 1992-05-20 | Bobbin holder |
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