JP2592499Y2 - 制振装置 - Google Patents

制振装置

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JP2592499Y2
JP2592499Y2 JP1993073061U JP7306193U JP2592499Y2 JP 2592499 Y2 JP2592499 Y2 JP 2592499Y2 JP 1993073061 U JP1993073061 U JP 1993073061U JP 7306193 U JP7306193 U JP 7306193U JP 2592499 Y2 JP2592499 Y2 JP 2592499Y2
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久義 石橋
茂樹 草場
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はパッシブ型制振装置の構
造に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】建物の制振装置は、アクティ
ブ型制振装置とパッシブ型制振装置に大別され、後者の
パッシブ型制振装置では、従来、振り子の原理を応用し
たTMD (TunedMass Dumper)が知られている。TMD
は重錘、ばねおよびダンパー等を組み合わせて構成さ
れ、従来のTMDの代表例を図3に示す。同図(a)は
重錘20をローラー22で支持するタイプであり、同図
(b)は重錘20を吊り材24で吊って、振り子とした
もである。(b)のタイプであっても、図示したように
ばね材26が追加される場合もある。
【0003】上記TMDでは、制振装置内の重錘20が
建物の固有周期とほぼ同じ周期で振動するように、ばね
材26のばね定数や吊り材24の吊り長さを設定し、建
物が風や地震で揺れようとしたときに、重錘20が建物
の揺れに共振して大きく、しかも位相がずれて揺れるこ
とにより、建物の揺れを小さくするように作用するもの
である。また、重錘20の両側面に設けたダンパー30
により、重錘20の振動エネルギーを吸収し、建物の揺
れが小さくなったときに、重錘20の揺れで逆に建物を
揺らすことがないような工夫がなされている。
【0004】従って、上記制振装置が作動するために
は、建物が揺れて重錘20に慣性力が作用することが必
要であり、一方、この制振装置には、ローラー22の転
動部、吊り材24の回転軸受部、ダンパー30のシール
材などの滑りを生ずる部分に摩擦が存在し、それらの摩
擦力を上回るだけの慣性力が重錘20に作用しなけれ
ば、制振装置は作動しない。そこで、比較的小さな揺れ
から制振装置を作動させるためには、これらの摩擦力を
極力小さくすることが必要となる。
【0005】
【考案の目的】本考案は重錘20に慣性力を初期段階に
おいて作用させるべく、上記摩擦力のうち、低減するこ
とが難しいダンパー30のシール抵抗による摩擦力を回
避することにより、微小な揺れから作動可能な制振装置
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【考案の構成】本考案は、制振対象物の固有周期とほぼ
同じ周期で振動する重錘と、該重錘の振動エネルギーを
減衰するためのダンパーを具えた制振装置において、前
記ダンパーの初期作動を制止する規制手段を有すること
を特徴とするものである。
【0007】前記規制手段は、前記ダンパーを構成する
ピストンロッドの先端に形成した該ロッドより大径のロ
ッドヘッドと、該ロッドヘッドを被包する把持部とを有
し、該把持部により前記ピストンロッドを所定範囲内に
おいて摺動自在に支持してなるものが好ましい。
【0008】また、前記規制手段は、前記ダンパーを構
成するピストンロッドと軸心を同じくするスライドロッ
ドと、該スライドロッドの先端に形成され大径化したロ
ッドヘッドを被包する把持部とを有し、該把持部により
前記スライドロッドを所定範囲内において摺動自在に支
持してなるものが好ましい。
【0009】
【作用】地震力や風圧を受けて制振対象物が揺れると重
錘が振動を開始する。このとき、前記規制手段がダンパ
ーの初期作動を制止するので、小さな揺れから制振装置
が作動する。特に、前記把持部により前記ピストンロッ
ドまたはスライドロッドを摺動自在に支持する構成を採
用すれば、その摺動抵抗はダンパーのシール抵抗と比べ
て非常に小さいので、確実に作動することになる。而し
て、重錘の振動エネルギーはダンパーによってその一部
を吸収され、制振対象物の揺れが減衰される。
【0010】他方、この制振装置は前記規制手段の作用
により、極微少レベルの揺れに対しては、ダンパーを無
作動の状態に保つことができる。
【0011】
【実施例】以下、本考案の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。図1は制振装置10の概要図であり、同装
置10は制振対象物である建物8の屋上部などに設置さ
れる。この実施例では、制振装置10は、フレーム12
を介して建物8に取り付けられているが、フレーム12
を介在させることなしに、建物8の構成部材である梁や
床スラブに支持させることもできる。また、制振装置1
0は、地震力や風力を受けて揺れる建物8の最も揺れの
大きい部分である屋上や、最上階層内に設置することが
望ましい。
【0012】制振装置10は、比較的偏平なブロック状
の重錘20を有し、重錘20はワイヤ、ロープ、チェー
ン、または棒状部材等からなる複数の吊り材24を介し
てフレーム12の上部から吊り下げられている。重錘2
0の重量は、建物8の重量の1%程度とすることが望ま
しく、建物8の重量が比較的大きいときには、複数台の
本装置10を方向を揃えて配置すればよい。
【0013】重錘20の各側部と、これに対向する前記
フレーム12の側部との間には、油圧ダンパー30、3
0がそれぞれ配置され、この油圧ダンパー30、30は
重錘20の振動を減衰させる機能を担っている。従っ
て、油圧ダンパー30に代えて、または、油圧ダンパー
30と共に、粘性ダンパー、空気ダンパーの他、油圧緩
衝器、ばね緩衝器などの減衰手段を使用してもよい。ま
た、符号26、26は、重錘20の周期を調節するため
に油圧ダンパー30と並列に配置されたコイルばねであ
る。
【0014】図2は上記油圧ダンパー30の詳細図であ
り、同図(a)において左部は従来の油圧ダンパーの機
構と同様であり、シリンダー32、ピストン34、ピス
トンロッド36等から構成される。
【0015】図2の右部が本考案において付加された規
制手段40であり、該規制手段40は、ピストンロッド
36より大径のロッドヘッド42と、ロッドヘッド42
が収容される円筒形状の把持部44とからなる。把持部
44はロッドヘッド42を包むような形で、これを保持
し、把持部44の軸心は、ピストンロッド36の軸心と
一致している。
【0016】把持部44のヘッド46(図2(a)にお
いて把持部44の左端部)の中央部に穿設した通孔に
は、ピストンロッド36が挿通し、同通孔の内周面に設
けたリニアブッシュ等のベアリング48により、ピスト
ンロッド36は摺動自在に支持されている。一方、把持
部44のボトム50(図2(a)において把持部44の
右端部)はロッドヘッド42との当接面を形成し、重錘
20の静止時(制振装置の非作動時)におけるボトム5
0またはヘッド46の内壁面とロッドヘッド42との間
隙長さにより油圧ダンパー30の作動範囲を制御するこ
とができる。
【0017】この実施例では、ロッドヘッド42側に一
定の距離だけピストンロッド36を自由に摺動させるス
ライド機構により規制手段40を構成したが、これに限
らず、油圧ダンパー30の初期作動範囲を規制する遊び
またはガタのようなものとしてもよい。
【0018】なお、規制手段40は、図2(b)〜
(d)に示すように、油圧ダンパー30のピストンロッ
ド側、シリンダー側のいずれに設けてもよい。また、そ
の際には、ピストンロッド36の代わりに、ピストンロ
ッド36と軸心を同じくするスライドロッド52を設け
て上記のようなスライド機構を構成してもよい。
【0019】次に、この制振装置の作用を説明する。重
錘20の振動周期は建物8の固有振動周期と合致するよ
うに設定されているので、地震力や風圧を受けて建物8
が揺れると重錘20が振動を開始する。このとき、本考
案の制振装置10は、従来型のTMDに比較して建物の
小さな揺れから装置を作動させることができる。
【0020】即ち、前記規制手段40を構成するベアリ
ング48の摩擦は、油圧ダンパー30のシール抵抗と比
べて非常に小さいので、油圧ダンパー30に軸方向の力
が作用すると、図2(a)においてシリンダー32と把
持部44とが接近して、先ずピストンロッド36がヘッ
ド46の通孔を摺動しながら右進する。次いで、シリン
ダー32と把持部44とが更に接近して、ピストンロッ
ド36のロッドヘッド42と把持部44のボトム50が
当接した時点で、油圧ダンパー30が作動を開始する。
このようにして、重錘20の振動エネルギー、即ち、建
物8の振動エネルギーは油圧ダンパー30によってその
一部を吸収され、建物8の揺れが緩和される。
【0021】他方、本考案の制振装置10は、比較的頻
繁に作用するレベルの揺れに対して、油圧ダンパー30
を無作動の状態に保つことができる。前記したように油
圧ダンパー30の役割は重錘20の振動エネルギーを吸
収することであるが、極微小な揺れであれば振動エネル
ギーも小さく、吊り材24の軸受部など、ダンパー以外
の摩擦力により十分吸収されてしまうから、微小な揺れ
の時に油圧ダンパー30が作動しなくても制振効果が確
保される。また、揺れが大きくなれば、前記したように
油圧ダンパー30が作動し、重錘20の慣性力も大きく
なるので、シール抵抗力は相対的に小さくなり、装置の
作動上問題とならなくなる。
【0022】なお、本考案は、前記図3(a)に示すよ
うな重錘20をローラー22、その他、静圧軸受、磁気
浮上装置等で支持することにより、平面上を水平に振動
するタイプの制振装置にも適用することができる。
【0023】
【考案の効果】本考案の制振装置は、装置内の摩擦力の
うち、低減することが比較的困難なダンパー部のシール
抵抗による摩擦力を回避することにより、微小な揺れか
ら制振装置を作動することができる。従って、地震時や
強風時に建物に入る振動エネルギーを確実に吸収して、
建物の揺れを小さくすることができ、建物の居住性を一
層改善することができる。
【0024】また、本考案の制振装置は、極微少レベル
の揺れに対して、ダンパーを無作動の状態に保つことが
できるので、ダンパーのシール材等の消耗が少なくなる
という効果をも有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る制振装置の概要図である。
【図2】規制手段を有する油圧ダンパーの詳細図であ
る。
【図3】(a)、(b)共、従来のTMDの代表例を示
す概要図である。
【符号の説明】
10 制振装置 20 重錘 24 吊り材 26 ばね材(コイルばね) 30 油圧ダンパー 32 シリンダー 34 ピストン 36 ピストンロッド 40 規制手段 42 ロッドヘッド 44 把持部 48 ベアリング 52 スライドロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−140648(JP,A) 特開 平2−200976(JP,A) 特開 平2−147775(JP,A) 特開 平2−38668(JP,A) 実開 平5−1746(JP,U) 実開 平3−62245(JP,U) 実開 平2−90443(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04H 9/02

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制振対象物の固有周期とほぼ同じ周期で
    振動する重錘と、該重錘の振動エネルギーを減衰するた
    めのダンパーを具えた制振装置において、前記ダンパー
    の初期作動を制止する規制手段を有することを特徴とす
    る制振装置。
  2. 【請求項2】 前記規制手段が前記ダンパーを構成する
    ピストンロッドの先端に形成した該ロッドより大径のロ
    ッドヘッドと、該ロッドヘッドを被包する把持部とを有
    し、該把持部により前記ピストンロッドを所定範囲内に
    おいて摺動自在に支持してなることを特徴とする請求項
    1記載の制振装置。
  3. 【請求項3】 前記規制手段が、前記ダンパーを構成す
    るピストンロッドと軸心を同じくするスライドロッド
    と、該スライドロッドの先端に形成され大径化したロッ
    ドヘッドを被包する把持部とを有し、該把持部により前
    記スライドロッドを所定範囲内において摺動自在に支持
    してなることを特徴とする請求項1記載の制振装置。
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JP7304109B1 (ja) * 2023-02-22 2023-07-06 株式会社ティイソリューション 制振装置

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