JP2543763B2 - 内燃機関の燃料供給制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給制御装置

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JP2543763B2
JP2543763B2 JP1090671A JP9067189A JP2543763B2 JP 2543763 B2 JP2543763 B2 JP 2543763B2 JP 1090671 A JP1090671 A JP 1090671A JP 9067189 A JP9067189 A JP 9067189A JP 2543763 B2 JP2543763 B2 JP 2543763B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は内燃機関の燃料供給制御装置に関し、特に、
機関加速運転時の燃料供給量の補正制御を高精度に行っ
て加速運転性能を向上した装置に関する。
〈従来の技術〉 内燃機関の燃料供給制御装置としては、次のようなも
のが知られている。
機関の吸入空気量に関与する状態量として吸入空気流
量や吸気圧力を検出し、これらと機関回転速度の検出値
とに基づいて基本燃料供給量Tpを演算する。そして、該
基本燃料供給量Tpを、機関温度等の運転状態に基づいて
設定された各種補正係数COEF,排気中の酸素濃度の検出
を介して求められる空燃比に従って設定される空燃比フ
ィードバック補正係数LAMBDA,駆動電源であるバッテリ
電圧による燃料噴射弁の有効開弁時間の変化を補正する
ための補正分Ts等により補正して最終的な燃料供給量Ti
を演算し(Ti←Tp×COEF×LAMBDA+Ts)、該演算された
量の燃料が機関回転に同期したタイミングで燃料噴射弁
等により間欠的に機関に供給される(特開昭57−8328号
公報等参照)。
〈発明が解決しようとする課題〉 ところで、このように燃料供給量を演算設定して電子
制御する装置にあっては、過渡運転時に各種センサの検
出遅れや制御装置の演算遅れを生じると共に、吸入空気
流量や吸気圧力の検出時と吸入行程時とに時間差がある
ために、例えば加速時では実際の機関要求量よりも小さ
めに燃料供給量が設定され、空燃比がリーン化して排気
中の窒素酸化物NOxや炭化水素HCの排出量が増加した
り、平均有効圧力の応答遅れにより加速ショックや加速
応答性悪化を招くという問題がある。
そこで、本出願人は、スロットル弁開度(機関吸気系
の開口面積)と機関回転速度とから求めた機関負荷変動
量と、吸気行程の所定クランク角位置までの時間とに基
づいて、燃料制御の目標位置までにおける要求燃料量の
変化を予測し、この予測結果に基づいて燃料供給量の補
正量を設定するよう構成したものを先に提案した(特願
昭62−269467号参照)。
しかしながら、例えば前記吸気行程の所定クランク角
位置(燃料制御の目標位置)を吸気BDCとし、機関回転
に同期した燃料供給開始タイミングが各気筒の吸気BDC
の360゜CA前だとすると、通常の燃料供給量を補正する
ためには機関が360゜回転する間における機関負荷の変
動量を予測する必要があり、変動量を精度良く予測する
ことが困難であるために予測値のエラーが発生し、運転
性能上から高精度な空燃比制御性が要求される加速運転
時に大きな問題となっていた。
特に、要求燃料量の変化が立ち上がる機関の加速初期
(第10図参照)や、要求燃料量変化が頭打ちとなる加速
後期においては、前記予測エラーが大きくなり、更に、
予測期間が長くなれば、前記予測エラーは大きくなるか
ら、第10図に示すAのように、噴射開始タイミングを吸
気行程(インテークバルブオープン;INT/V OPEN)に近
づけるようにすれば、予測エラーを減少させることがで
きるが、第11図に示すように、燃料供給のタイミングに
よって排気性状や燃費などの機関性能が左右され、然
も、ベストタイミングが第11図の点線に示すように機関
によって異なるため、機関によっては前記のように吸気
BDCの360゜CA前で燃料供給を開始させる必要が発生する
場合があり、これによって長い機関の機関負荷変動を予
測する必要が発生し、予測制御の精度が確保できないこ
とがあったものである。
また、燃料噴射弁による噴射供給量の少ない領域で
は、第12図に示すように一般に設定噴射量に対する実際
の噴射量が精度良く供給できないので、特に小排気量の
機関では、機関の2回転毎に1回だけ全気筒同時に燃料
を噴射供給するなどの手法を用いて、燃料噴射弁から1
回に噴射供給する燃料量を確保して供給の精度を得るよ
うにしているため、この場合にも、機関負荷変動量を予
測する期間が長くなって、精度の良い予測制御が行えな
い。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、機関
回転に同期した通常の燃料供給がセットされてからの要
求燃料量の増大変化に対して、精度良く燃料供給量をリ
アルタイムで補正することができ、機関加速運転時の空
燃比制御性を向上させ得る燃料供給制御装置を提供する
ことを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 そのため本発明では、第1図に示すように、機関の各
気筒毎に設けられる燃料噴射弁と、機関の吸入空気量に
関与する機関の状態量を検出する機関運転状態検出手段
と、該機関運転状態検出手段で検出した状態量に基づい
て予め設定された単位時間毎に機関の要求燃料量を演算
する要求燃料量演算手段と、前記演算された要求燃料量
に応じて各燃料噴射弁による主たる燃料噴射を各気筒の
吸気行程にタイミングを合わせてそれぞれに行なわせる
主燃料噴射制御手段と、前記要求燃料量演算手段で演算
される要求燃料量の前記単位時間当たりの変化量を演算
する変化量演算手段と、該変化量演算手段で演算された
変化量と予め設定された値とを比較し、これにより機関
の急加速運転状態及び緩加速運転状態を検出する加速検
出手段と、該加速検出手段で急加速運転状態が検出され
たときに、前記主燃料噴射制御手段による主たる燃料と
は別に、前記変化量演算手段で演算した要求燃料量の変
化量に基づいて前記単位時間毎に全気筒同時に追加の燃
料噴射を行わせる追加噴射制御手段と、前記変化量演算
手段で変化量を演算した時点から予め設定されたクラン
ク角位置までの時間を推定する時間推定手段と、前記加
速検出手段で検出される機関の緩加速運転状態におい
て、前記変化量演算手段で演算された変化量に前記時間
推定手段で推定された前記時間を乗算して、前記変化量
演算手段で変化量を演算した時点から前記クランク角位
置までにおける要求燃料の変化量の予測値を演算する変
化量予測手段と、該変化量予測手段で予測された変化量
の予測値に基づいて前記主燃料噴射制御手段による燃料
量を補正する主燃料量補正手段と、を備えて構成され
る。
〈作用〉 かかる構成において、機関運転状態検出手段は、機関
の吸入空気量に関与する機関の状態量を検出し、この検
出結果に基づいて要求燃料量演算手段は、機関の要求燃
料量を予め設定された単位時間毎に演算する。そして、
変化量演算手段は、要求燃料量の単位時間当たりの変化
量を演算する。
一方、加速検出手段は、要求燃料量の単位時間当たり
の変化量と予め設定された値とを比較して、これにより
機関の急加速運転状態及び緩加速運転状態を検出する。
ここで、機関が急加速運転状態であるときには、主た
る燃料噴射とは別に、前記変化量に基づいて単位時間毎
に全気筒同時に追加の燃料噴射を行なわせる。
また、緩加速運転状態であるときには、前記変化量
に、該変化量を演算した時点から予め設定されたクラン
ク角位置までの時間を乗算して、前記クランク角位置ま
でにおける要求燃料量の変化量を予測し、該予測値に基
づいて主たる燃料噴射における燃料量を補正する。
即ち、機関の急加速運転状態においては、単位時間毎
に演算される要求燃料量の変化量に基づく燃料を単位時
間毎に主たる燃料供給とは別に追加供給するのに対し、
緩加速運転状態では、単位時間毎に要求燃料量の変化分
を追加供給しようとしても、その絶対量が少なく供給量
の制御精度が確保できないため(第12図参照)、変化量
と所定クランク角位置までの時間とに基づいて前記所定
クランク角位置までにおける要求燃料量の変化を予測し
て、主たる燃料供給による燃料量がこの予測結果に従っ
て補正制御されるようにしてある。
〈実施例〉 以下に本発明の実施例を説明する。
一実施例のシステム構成を示す第2図において、内燃
機関1には、エアクリーナ2,吸気ダクト3,スロットルチ
ャンバ4及び吸気マニホールド5を介して空気が吸入さ
れる。
スロットルチャンバ4には、図示しないアクセルペダ
ルと連動するスロットル弁7が設けられていて、吸入空
気流量Qを制御する。前記スロット弁7には、その開度
TVOを検出するポテンショメータと共に、その全閉位置
(アイドル位置)でONとなるアイドルスイッチ8Aを含む
スロットルセンサ8が付設されている。
スロットル弁7下流の吸気マニホールド5には、吸気
圧力PBを検出する吸気圧センサ9が設けられると共に、
各気筒毎に電磁式の燃料噴射弁10が設けられている。
前記電磁式の燃料噴射弁10は、後述するマイクロコン
ピュータを内蔵したコントロールユニット11から出力さ
れる駆動パルス信号によって間欠的に開弁駆動し、図示
しない燃料ポンプから圧送されプレッシャレギュレータ
により所定圧力に制御された燃料を吸気マニホールド5
内に噴射供給する。即ち、前記燃料噴射弁10による燃料
供給量は、燃料噴射弁10の開弁駆動時間で制御されるよ
うになっている。
更に、機関1の冷却ジャケット内の冷却水温度Twを検
出する水温センサ12が設けられると共に、排気通路13内
で排気中酸素濃度を検出することによって機関吸入混合
気の空燃比を検出する酸素センサ14が設けられている。
コントロールユニット11は、クランク角センサ15から
機関回転に同期して出力されるクランク単位角度信号PO
Sを一定時間カウントして、又は所定クランク角位置毎
(4気筒の場合180゜毎であり、本実施例ではBTDC120゜
としてある。)に出力されるクランク基準角度信号REF
の周期を計測して機関回転速度Nを検出する。
この他、機関1に付設されたトランスミッションに、
車速を検出する車速センサ16とニュートラル位置を検出
するニュートラルセンサ17が設けられ、これらの信号は
コントロールユニット11に入力される。
また、スロットル弁7をバイパスする補助空気通路18
には補助空気量を介してアイドル回転速度を制御する電
磁式のアイドル制御弁19が設けられている。
コントロールユニット11は、前記の各種センサからの
検出信号に基づいて燃料噴射量Ti(噴射パルス信号のパ
ルス巾)を演算すると共に、設定した燃料噴射量Tiに基
づい燃料噴射弁10を機関回転に同期した所定タイミング
でそれぞれに開駆動制御して通常の燃料供給を制御する
一方、要求燃料量の変化に応じて燃料供給量の補正制御
を行う。更に、コントロールユニット11は、アイドルス
イッチ8A及びニュートラルセンサ17に基づき検出される
アイドル運転時にアイドル制御弁19の開度を制御するこ
とによってアイドル回転速度を目標アイドル回転速度に
フィードバック制御する。
次にコントロールユニット11により行われる燃料供給
制御のための各種演算処理を第3図〜第6図のフローチ
ャートにそれぞれ示すルーチンに従って説明する。
本実施例において、要求燃料量演算手段,変化量演算
手段,主燃料噴射制御手段,加速検出手段,追加噴射制
御手段,時間推定手段,変化量予測手段,主燃料量補正
手段としての機能は、前記第3図〜第6図のフローチャ
ートに示すようにソフトウェア的に備えられている。ま
た、本実施例において、機関運転状態検出手段は、スロ
ットル弁7の開度TVOを検出するスロットルセンサ8
と、機関回転に同期した検出信号を出力するクランク角
センサ15と、吸気圧力PBを検出する吸気圧センサ9とが
相当する。
尚、本実施例における内燃機関1は4気筒機関であ
り、主たる燃料噴射は、各気筒毎に設けられた燃料噴射
弁10を各気筒の吸気行程に合わせて別々に駆動制御して
行うよう構成されている。
第3図のフローチャートに示すルーチンは、10ms毎に
実行される。
まず、ステップ1では、吸気圧センサ9によって検出
された吸気圧力PB,クランク角センサ15からの検出信号
に基づいて算出された機関回転速度N,スロットルセンサ
8によって検出されたスロットル弁開度TVO等を入力す
る。
ステップ2では、スロットル弁7で可変制御されるス
ロットルチャンバ4の(機関吸気系の)開口面積Amm
2を、ステップ1で入力したスロットル弁開度TVOに基づ
いて予め設定されたマップから検索して求める。
ステップ3では、ステップ2で求めた開口面積Aを機
関回転速度Nで除算した値に基づいて、定常運転時に対
応する機関1の基本体積効率QHφ(%)をマップから検
索して求める。即ち、開口面積Aと機関回転速度Nとか
ら機関の吸入空気量の予測を行う。
ステップ4では、ステップ3で求められる基本体積効
率QHφを、機関1の過渡運転時における真の機関負荷変
化に略対応させるべく加重平均するときに用いるための
加重重みXを、機関回転速度Nと開口面積Aとに基づい
て設定する。具体的には、機関回転速度Nに応じて設定
される定数aと、やはり機関回転速度Nに応じて設定さ
れる定数bに開口面積Aを乗算して得た値と、を加算し
て最終的に加重重みXを設定する。この加重重みXは、
最新の基本体積効率QHφに対する重み付けを示すもので
あり、高回転高負荷領域ほど真の機関負荷の変化はスロ
ットル弁の開度変化に対し早くなるため、前記加重重み
Xは、高回転高負荷領域ほど大きくなるようにしてあ
る。
次のステップ5では、下式に従って今回ステップ3で
求めた基本体積効率QHφと、本ルーチンの前回実行時に
このステップ5で演算された体積効率QCYLとを、前記加
重重みXを用いて加重平均して、その結果を最新の体積
効率QCYLとして設定する。
QCYL←(1−X)QCYL+X×QHφ 上記演算式に従って体積効率QCYLを求めるようにすれ
ば、定常運転時にはQHφ=QCYLとなって体積効率QCYLは
一定値に安定するが、機関1が過度運転されると、その
ときの機関運転状態に応じて体積効率QCYLの変化を基本
体積効率QHφの変化に対して鈍らし、これによって、開
口面積A及び機関回転速度Nの変化に対して遅れる実際
の機関負荷変化に略対応した体積効率QCYLが設定される
ようになっている。
ステップ6では、以下の式により開口面積Aと機関回
転速度Nとに従った体積効率QCYLに基づく基本燃料噴射
量(機関要求燃料量)ANTpを演算する。
ANTp←KCONA×QCYL ここで、演算される基本燃料噴射量ANTpは、機関1の
過度運転時における真の機関負荷変化に略対応した体積
効率QCYLに基づいて演算されるものであるが、後述する
吸気圧センサ9によって検出される吸気圧力PBに基づい
て設定される基本燃料噴射量TpPBに対しては、第7図に
示すように数十ms程度の位相が進んだ値となるようにし
てある。
前記基本燃料噴射量ANTpは、機関過渡運転時における
機関1の要求燃料量の変化を求めるために設定するもの
であり、基本燃料噴射量TpPBに対して数十ms程度だけ位
相が進んだ値とするのは、燃料噴射弁10から噴射された
燃料がシリンダ内に吸入されるまでのトラベルタイムを
考慮したもので、この基本燃料噴射量ANTpに基づいて要
求燃料量の変化を求めて、後述するように通常の噴射と
は別に要求燃料量変化に見合った燃料の追加供給(割込
噴射)を行えば、予め燃料のトラベルタイムが考慮され
ているため応答性良く要求燃料量の変化に対応できるも
のである。
また、吸気圧力PBは、吸気通路内に発生する圧力脈動
の影響を受けて脈動するために、基本燃料噴射量TpPBも
脈動して、基本燃料噴射量TpPBの変化が真の要求量変化
に一致しなくなることがあるが、要求燃料量の変化を、
上記のように開口面積Aと機関回転速度Nとから求めた
基本燃料噴射量ANTpに基づいて検出すれば、前記圧力脈
動の影響を受けることがなく、然も、検出応答性に優れ
ているため、要求燃料量の変化を精度良く捉えることが
できる。
次のステップ7では、今回ステップ6で演算した基本
燃料噴射量ANTpから、本ルーチンの前回実行時にステッ
プ6で演算された基本燃料噴射量ANTpOLDを減算して、
本ルーチンの実行周囲である10ms間における(単位時間
当たりの)基本燃料噴射量ANTpの変化量ΔANTpを演算す
る。この変化量ΔANTpは、10ms間における機関の要求燃
料量の変化に対応した値であり、機関1が加速されて要
求燃料量が増大傾向を示すときには、プラスの値とな
る。
ステップ8では、今回ステップ6で演算した基本燃料
噴射量ANTpを、前回値ANTpOLDにセットして、本ルーチ
ンの次回実行時におけるステップ7での変化量ΔANTpの
演算に用いられるようにする。
次のステップ9では、前記ステップ7で求めた変化量
ΔANTpと所定値とを比較することにより、基本燃料噴射
量ANTpが所定以上の割合で増大変化している機関1の急
加速運転状態であるか否かを判別する。
ここで、変化量ΔANTpが所定値以上であって機関1が
急加速運転状態であるときには、機関回転に同期して行
われる主たる燃料供給制御では、燃料供給量を最終的に
セットしてからの要求燃料の増大変化が大きく、主たる
燃料供給のみでは空燃比がリーン化してしまうため、ス
テップ10以降へ進み、前記変化量ΔANTpに基づく単位時
間毎の燃料割込噴射(追加供給)を制御する。
ステップ10では、ステップ7で求めた変化量ΔANTpを
2倍した値を、最近の10ms間における1つの気筒での要
求燃料噴射量の変化量とし、この変化量にバッテリ電圧
に基づいて設定される電圧補正分Tsを加算して、その結
果を機関回転に同期した通常の燃料噴射の間に割り込ま
せて追加供給される割込噴射量Yにセットする。
本実施例では、機関運転状態に基づいて演算される基
本燃料噴射量Tpを2倍した値が、1つの気筒に対する基
本燃料供給量となるように便宜上設定してあり、後述す
る機関回転に同期して行われる通常の燃料供給制御にお
いても吸気圧力PBから求めた基本燃料噴射量TpPBを2倍
して最終的な燃料噴射量Tiが演算されるようになってい
るので、前述のように変化量ΔANTpを2倍して割込噴射
量Yを設定するようにしてある。
また、この値2×ΔANTpに基づいて燃料噴射弁10を駆
動制御しても、実際には燃料噴射弁10の応答遅れ時間が
あり、然も、この遅れは燃料噴射弁10の駆動電源である
バッテリの電圧によって変化するので、バッテリ電圧に
基づいて設定される電圧補正分Tsを加算して、実際に燃
料噴射弁10から2×ΔANTp相当の燃料が噴射供給される
ようにしてある。
また、ステップ10では、割込噴射量Yからバッテリ電
圧補正分Tsを除いた値である10ms間における要求燃料量
の変化分2×ΔANTpを変化量Zにセットする。
そして、ステップ11では、ステップ10で設定した割込
噴射量Y(←2×ΔANTp+Ts)に、前回までに割込噴射
されることなく積算されている#4気筒における持ち越
し割込噴射量である積算値ΣQ4を加算した値と、割込噴
射制御が許可される最小噴射量Timinとを比較する。
そして、Y+ΣQ4がTiminよりも小さいときには、割
込噴射を実施することなくステップ12へ進み、前記ステ
ップ10でセットしたZに前回までの積算値ΣQ4を加算し
て、その結果を新たに積算値ΣQ4にセットする。このた
め、前記積算値ΣQ4は、#4気筒において変化量ΔANTp
に基づいて追加噴射すべきであるのに現状において噴射
されずに持ち越されている割込噴射量となる。
前記最小噴射量Timinは、このTimin未満の噴射量に基
づいて燃料噴射弁10を駆動制御すると、開弁駆動時間に
対して実際に燃料噴射弁10から噴射される燃料のバラツ
キが大きく、開弁駆動時間の制御によって燃料噴射量を
精度良く制御できない領域であることを示すものである
(第12図参照)。
従って、前記ステップ11で割込噴射量Y+積算値ΣQ4
が最小噴射量Timinよりも小さいと判別されたときに
は、今回は割込噴射(追加噴射)を行わず、今回分の割
込噴射量を次回にまで持ち越して(この持ち越し分がΣ
Q4に相当する。)、次回で更にこの待ち越し分に割込噴
射量Yが加算されて、その結果が最小噴射量Timinを越
えたときに割込噴射されるようにする。
即ち、割込噴射量が最小噴射量Timinよりも小さいと
きには、割込噴射を実施しても精度の良い燃料供給制御
が行えないので、今回の割込噴射分を次回にまで持ち越
して積算結果が最小噴射量Timinを越えたときに割込噴
射を実施させるものであり、積算値ΣQ4が#4気筒にお
ける通常の燃料噴射開始時期まで噴射されずに残ったと
きには、機関回転に同期した通常燃料供給にこの噴射さ
れずに持ち越された分ΣQ4を加算して燃料噴射させ、こ
のとき前記積算値ΣQ4をゼロリセットする。また、ステ
ップ10で設定される割込噴射量Yが、毎回最小噴射量Ti
minを越えるときは、10ms毎に割込が実施されることに
なる(第9図参照)。
ステップ11で割込噴射量Y+積算値ΣQ4が最小噴射量
Timin以上であると判別されると、ステップ13へ進み、
#4気筒における割込噴射の許容クランク角範囲を判別
するためのフラグF100d4の判別を行う。前記フラグF100
d4は、後述するように、気筒判別値n cy lが4になった
とき(基準角度信号REFが#1気筒の点火基準信号であ
ったときであり、また、#4気筒の通常噴射開始時期で
もある。)から、#4気筒の吸気BDC(又は吸気ATDC100
゜〜吸気BDCの間の所定クランク角)までの間でゼロが
セットされ、それ以外では1がセットされるものであ
り、フラグF100d4がゼロであるときに割込噴射が許可さ
れるようになっている(第8図参照)。
フラグF100d4にゼロがセットされるクランク角範囲
(吸気BTDC120゜から吸気ATDC100゜〜吸気BDC)は、#
4気筒において、通常の燃料供給が開始されてからこの
供給燃料が吸入される吸気行程(インテークバルブ オ
ープン;INT/V OPEN)で燃料が吸入される最後の燃料噴
射時期までを示すものであり、前記クランク角範囲を越
えた時期に割込噴射を行っても、今回の吸気行程ではシ
リンダに吸入されず、新たに通常の燃料噴射量が設定さ
れる次の吸気行程までインテークバルブの上流に滞留す
ることになる。本実施例では、通常の燃料噴射が開始
(セット)されてから吸気行程までの間における要求燃
料量の変化に対応しようとするものであるから、前記フ
ラグF100d4が1であるときの#4気筒に対する割込噴射
は、#4気筒において余剰補正となる。
従って、ステップ13でフラグF100d4がゼロであると判
別されたときは、変化量ΔANTpに基づく割込噴射量(2
×ΔANTp+Ts+ΣQ4)を割込噴射させるのに対し、フラ
グF100d4が1であるときには、割込噴射を禁止するか、
又は、割込噴射を実施するがこの直ちに吸入されずに次
の吸気行程まで持ち越される割込噴射量の積算値Σq4を
求めておいて、基準角度信号REF毎に行われる次回#4
気筒における通常噴射の燃料噴射量Tiからこの積算値Σ
q4を減算して燃料供給させる。
即ち、ステップ13でフラグF100d4がゼロであると判別
されると、ステップ15へ進んで2×ΔANTp+Ts+ΣQ4相
当のパルス巾の駆動パルス信号を#4気筒に備えられた
燃料噴射弁10に出力して、#4気筒に対して基準角度信
号REF毎の通常噴射とは別に要求燃料量の変化に見合っ
た燃料を割込噴射させる。そして、次のステップ16で
は、積算値ΣQ4分も含めて割込噴射がステップ15でなさ
れたので、積算値ΣQ4をゼロリセットする。
尚、割込噴射のタイミングが、#4気筒における通常
の燃料噴射中であるときには、通常燃料噴射の終了に続
けて2×ΔANTp+ΣQ4相当のパルス巾をもつ割込駆動パ
ルス信号を出力させれば良い。
一方、ステップ13でフラグF100d4が1であると判別さ
れると、#4気筒に対して割込噴射をしても最近の吸気
行程で吸入されない状態であるから、割込噴射を許可す
る場合には、ステップ14で今回の割込噴射量2×ΔANTp
+ΣQ4と前回までの非吸入割込噴射積算値Σq4とを加算
して、#4気筒において最近の吸気行程で吸入されずに
次回の吸気行程までインテークバルブ上流に滞留する割
込噴射量の総量を求める。
ここで、設定される積算値Σq4は、次回の#4気筒の
吸入行程まで吸入されないで#4気筒のインテークバル
ブの上流に滞留するものであるから、後述するように#
4気筒の今回の通常噴射からこの積算値Σq4を減算し
て、前記滞留分の補正を施し、割込噴射によりインテー
クバルブ上流に滞留している分が余分にシリンダ内に供
給されることがないようにする。
ステップ14で積算値Σq4を更新設定すると、次のステ
ップ15へ進み、フラグF100d4がゼロであると判別された
ときと同様に、2×ΔANTp+Ts+ΣQ4相当のパルス巾を
もつ割込駆動パルス信号を、#4気筒の燃料噴射弁10に
出力し、次のステップ16で積算値ΣQ4をゼロリセットす
る。
また、ステップ13でフラグF100d4が1であると判別さ
れたときには、割込噴射をしても#4気筒のシリンダに
直ちに吸入されないから、第3図で点線で示すようにス
テップ13からステップ14〜16をジャンプして進んで割込
噴射を禁止しても良く、この場合、割込噴射された燃料
は最近の吸気行程で全てシリンダ内に吸入されるため、
前記積算値Σq4の設定は不要となる。
上記ステップ11〜16は、#4気筒における割込噴射制
御のための演算処理であるが、その他の気筒#2,#1,#
3においても同様な演算処理がそれぞれ同時になされ
る。
即ち、各気筒毎に割込噴射されずに持ち越された割込
噴射量ΣQ1〜ΣQ4が設定され、この持ち越し分と最新で
演算された割込噴射量Yとの加算値が、最小噴射量Ti
min以上であるときに割込噴射が実施され、その割込噴
射時期がその気筒において割込噴射が許可されるクラン
ク各範囲でないことがフラグF100d1〜F100d4で判別され
たときには、割込噴射した分を次回の基準角度信号REF
に同期した通常噴射量から減算すべく、吸入されない割
込噴射量Σq1〜Σq4を各気筒毎に積算する。かかる割込
噴射制御が、#2気筒ではステップ17〜22で、#1気筒
ではステップ23〜28で、#3気筒ではステップ29〜34で
行われ、複数気筒で同時に割込噴射され得るようになっ
ている(第9図参照)。
従って、本実施例によると、機関1の急加速運転状態
において、Y+ΣQ1〜4≧Timinの条件が揃えば、各気
筒それぞれで本ルーチンの実行周期である10ms毎に割込
噴射が同時に行われるものであり、機関回転に同期した
通常の燃料供給(主たる燃料供給)が開始されてから、
換言すれば、通常の燃料供給量が最終的にセットされて
から機関の要求燃料量が増大変化した場合に、正にその
要求量増大分を機関に追加供給することができるので、
機関急加速時における空燃比制御性が向上する。然も、
前記割込噴射制御は、長い期間の要求燃料量変化を予測
するものではなく、単位時間(10ms)当たりの要求燃料
量の変化量を直接に演算するものであるから、燃料補正
制御のエラーが少なく、かつ、スロットル弁開度TVOの
変化等に基づいて割込噴射量を設定する場合のように割
込噴射量を機関要求にマッチングさせるための工数を必
要とするものではない。
このようにして、各気筒毎に要求燃料量変化に基づく
割込噴射を制御すると、次のステップ35では、吸気圧力
PBに基づく基本燃料噴射量TpPBを演算するのに用いる体
積効率補正係数KQCYLを設定する。体積効率補正係数KQC
YLは、吸気圧力PBに基づいて設定される基本補正係数KP
Bに対して、第4図に示すバックグラウンドジョブのス
テップ41において吸気圧力PBと機関回転速度Nとに基づ
いて設定される微小修正係数KFLATを乗算して求められ
る。
次のステップ36では、以下の式に従って吸気圧力PBに
基づく主たる燃料噴射用の基本燃料噴射量(機関の要求
燃料量)TpPBを演算する。
TpPB←KCOND×PB×KQCYL×KTA ここで、KCONDは燃料噴射弁10の噴射特性に基づく定
数、KTAは第4図に示すバックグラウンドジョブのステ
ップ42において吸気温センサ6で検出される吸気温度TA
に基づき設定される吸気温度(吸気密度)補正係数であ
る。
そして、次のステップ37では、以下の式に従って機関
回転に同期して供給する各気筒共通の燃料噴射量Tiを演
算する。
Ti←2×TpPB×LAMBDA×COEF+Ts ここで、LAMBDAは酸素センサ14によって検出される排
気中の酸素濃度を介して検出される空燃比を、目標空燃
比に近づけるようにフィードバック制御される空燃比フ
ィードバック補正係数、COEFは水温センサ12によって検
出される冷却水温度Tw等の運転状態に大じて設定される
各種補正係数、Tsは10ms間における要求燃料量の変化に
基づいて割込噴射を実施するときに用いたものと同じバ
ッテリ電圧補正分である。
上記ステップ37で演算された燃料噴射量Tiは、後述す
る基準角度信号REF毎に実行される第5図のフローチャ
ートに示すルーチンでその最新値が読み込まれ、この読
み込んだ燃料噴射量Tiに基づいて噴射タイミングにある
気筒の燃料噴射弁10が駆動制御されて機関回転に同期し
た通常の燃料供給が実施される。
ところで、スキップ9において、変化量ΔANTpが所定
値以下であると判別され、機関1が緩加速運転状態であ
るときに、機関1が急加速運転状態であると判別された
ときと同様に、変化量ΔANTpに基づいて単位時間毎に割
込噴射を行わせるようにすると、前記変化量ΔANTpが小
さいために、割込噴射量Yが燃料噴射弁10の流量精度
(計量精度)が確保される最小燃料量Timin以上となら
ず、割込噴射が実施されないまま割込噴射量が次々に持
ち越されることになって、次回の通常の燃料噴射量Tiへ
加算されることになる。
このように、次回の通常燃料供給にまで割込噴射が持
ち越されると、過去の要求燃料量の変化に基づいて通常
の燃料噴射量Tiを補正することになり燃料の増量補正が
後追い補正となってしまうために、緩加速状態が略同等
の変化量ΔANTpで継続する場合にのみ所望の空燃比制御
性が得られるものの、変化量ΔANTpが変化する場合には
所望の燃料補正が行えず、緩加速性能を向上が望めなく
なってしまう。また、前記のような後追い補正を嫌って
緩加速運転状態で燃料の補正を停止すると、要求燃料量
の増大変化による空燃比のリーン化を回避することがで
きない。
このため、ステップ9で変化量ΔANTpが所定値未満で
あると判別されたときには、前述のような単位時間毎の
割込噴射の代わりに、変化量ΔANTpを加算したときか
ら、予め設定されたクランク角位置(各気筒の吸気行程
における所定クランク角位置)までの要求燃料量の変化
を、変化量ΔANTpと所定クランク角位置までの時間とに
基づいて予測し、急加速時における割込噴射制御よりも
長い時間における要求燃料量の変化に基づいて燃料供給
量を補正するよう構成し、燃料の補正制御が後追いとな
らず補正制御の応答性が確保できるようにしてある。
即ち、ステップ9で変化量ΔANTpが所定値未満である
と判断されると、まずテップ91へ進み、単位時間毎の割
込噴射制御に用いる積算値ΣQ1〜4及びΣq1〜4をそれ
ぞれゼロリセットする。
ステップ92では、現時点から各気筒の最も近い吸気行
程中の所定クランク角位置(例えば吸気BDC)までの時
間#1TIME〜#4TIMEを、現時点のクランク角位置と各気
筒の所定クランク角位置までの角度差と、機関回転速度
Nとに基づいて推定する。
ステップ93では、ステップ7で求めた変化量ΔANTpに
角気筒に対応した時間#1TIME〜#4TIMEを乗算して、現
時点から各気筒の所定クランク角位置までにおける基本
燃料噴射量ANTpの変化量ΔTp1〜ΔTp4を各気筒毎に予測
演算する。
従って、前記変化量ΔTp1〜ΔTp4は、現時点の運転状
態に対応する基本燃料噴射量ANTpと、各気筒の最も近い
吸気行程における基本燃料噴射量ANTpとの差を示すこと
になり、現時点ではこの変化量ΔTp1〜ΔTp4分を増量補
正することで、要求燃料量の増大変化に略対応した補正
が行えることを示す。
また、ステップ94及びステップ95では、前記ステップ
35及びステップ36と同様に、吸気圧力PBに基づいて主た
る燃料供給制御における基本燃料噴射量TpPBを演算す
る。
そして、ステップ96では、ステップ95で演算した基本
燃料噴射量TpPBに対して各気筒毎の変化量ΔTp1〜ΔTp4
を加算して、各気筒毎に吸気行程までの要求燃料量の変
化分に見込んだ基本燃料噴射量TpPB1〜TpPB4を設定す
る。
次のステップ97では、後述する第5図のフローチャー
トに示すルーチンで設定される気筒判別値n cy lの判別
を行う。前記気筒判別値n cy lは、例えば4がセットさ
れているときには、#4気筒に対する通常の燃料供給制
御が済んでおり、次の燃料制御気筒が#2気筒であるこ
とを示すものであり、この気筒判別値n cy lによって次
にどの気筒に対する燃料供給量をセットすべきであるか
が判別できるようになっている。
従って、気筒判別値n cy lに4がセットされていると
きには、次に通常の燃料供給制御を行うのが、#2気筒
であるから、#2気筒に対応してステップ96で設定した
基本燃料噴射量TpPB2を最終的な基本燃料噴射量TpPBに
セットし、同様に、次に通常の燃料供給制御を行う気筒
に対応する基本燃料噴射量TpPB1〜TpPB4が最終的な基本
燃料噴射量TpPBにセットされる(ステップ98〜101)。
そして、ステップ102では、前記ステップ37と同様な
式に従って通常の燃料噴射制御に用いる燃料噴射量Tiを
演算する。ここで演算された燃料噴射量Tiの最新値が、
基準角度信号REF毎に実行される第5図のフローチャー
トに示すルーチンで読み込まれて、機関回転に同期した
通常の燃料噴射制御が行われる。
このように、現時点から各気筒の吸気行程における所
定クランク角位置までにおける要求燃料量の変化を予測
し、この予測結果に基づいて機関回転に同期して行われ
る通常の燃料供給制御における基本燃料噴射量TpPBを補
正するようにすれば、単位時間当たりの要求燃料量(基
本燃料噴射量ANTp)の変化が小さい緩加速運転状態にお
いても、予測誤差の発生は予期されるものの、要求燃料
量の変化分に略見合った増量補正を後追いでなく施すこ
とができるので、緩加速運転状態においても、空燃比の
オーバーリーン化を回避する空燃比制御性が確保され
る。
尚、上記のように所定クランク角位置までにおける要
求燃料量の変化を予測して、通常の基本燃料噴射量TpPB
を補正する構成では、機関1の減速運転時における要求
燃料量の減少変化に対応して基本燃料噴射量TpPBを減少
補正することも可能である。また、基本燃料噴射量TpPB
を補正する代わりに、機関回転に同期して行われる通常
の燃料噴射制御における駆動パルス信号の後に続けて、
緩加速運転状態における要求燃料量の増大変化分に見合
ったパルスを当該燃料噴射弁10に対して出力するように
しても良い。
次に第5図のフローチャートに示すルーチンは、クラ
ンク角センサ15から基準角度信号REFが出力される毎に
実行されるものである。
本実施例において前記基準角度信号REFは、BTDC120゜
で出力されるようになっており、この基準角度信号REF
は各気筒毎の点火時期制御の基準位置であると共に、こ
の基準角度信号REFに同期して各気筒毎に吸気行程にタ
イミングを合わせて通常の燃料噴射が行われるようにな
っている。基準角度信号REFは、点火基準位置である気
筒に対応して気筒判別できるようになっており、例えば
基準角度信号REFが#1気筒の点火基準位置であるとき
には#4気筒に対して燃料噴射を開始し、基準角度信号
REFが#3気筒の点火基準位置であるときには#2気筒
に対して燃料噴射を開始するようになっている(第8図
参照)。
まず、ステップ51では、今回の基準角度信号REFが#
1気筒の点火基準位置に相当するものであるか否かを判
別する。ここで、#1気筒の点火基準位置であることが
判別されると、ステップ52へ進み機関回転に同期した通
常の燃料噴射を開始すべき気筒である#4気筒の燃料噴
射弁10に対して、Ti+ΣQ4−Σq4相当のパルス巾の駆動
パルス信号を出力する。
ΣQ4は、交換の基準信号REFまでにおいて#4気筒で
割込噴射されずに残った要求燃料量変化に対応した値で
あり、また、Σq4は今回の基準信号REFまでにおいて#
4気筒に割込噴射したがシリンダに吸入されることなく
残留している燃料であるから、通常の燃料噴射量Tiから
それぞれ加減算して補正するようにしてある。更に、ス
テップ52で用いられる燃料噴射量Tiは、第3図のフロー
チャートに従って10ms毎に演算された燃料噴射量Tiの最
新値である。
次のステップ53では、#4気筒において割込噴射した
燃料がシリンダに吸入されるか否かを判別するためのフ
ラグF100d4にゼロをセットして、今回の基準角度信号RE
Fから#4気筒において噴射された燃料は、最近の吸気
行程でシリンダ内に吸入される状態であることが判別で
きるようにする。
尚、ここでゼロがセットされたフラグF100d4は、後述
する第6図のフローチャートに従って#4気筒の吸気BD
Cで1がセットされるよう構成されており、フラグF100d
4は#1気筒の点火基準位置(#4気筒の通常噴射開始
タイミング)から#4気筒の吸気BDCの間だけゼロがセ
ットされる。
また、ステップ54では、ステップ52において通常燃料
噴射量Tiの補正に用いたΣQ4とΣq4とをそれぞれゼロリ
セットして、#1気筒の点火基準位置に対応する基準角
度信号REFが次回出力されるまでにおいて、ΣQ4とΣq4
とがそれぞれ新たに設定されるようにする。
ステップ55では、気筒判別値n cy lに4をセットし
て、前記気筒判別値n cy lに基づいて#4気筒の通常噴
射開始時期から次の噴射気筒である#2気筒の通常噴射
開始時期の前までの時期であることが判別されるように
する。
一方、ステップ51で今回の基準角度信号REFが#1気
筒の点火基準位置に相当するものでないと判別される
と、ステップ56へ進んで今回の基準角度信号REFが#3
気筒の点火基準位置に相当するものであるか否かを判別
する。
ここで、今回の基準角度信号REFが#3気筒の点火基
準位置に相当するときには、前記ステップ52〜55と同様
にして、#2気筒の燃料噴射弁10に対して通常の燃料噴
射制御としてTi+ΣQ2−Σq2相当のパルス巾の駆動パル
ス信号を出力する(ステップ57)一方、フラグF100d2を
ゼロリセットし(ステップ58)、また、通常燃料制御を
用いたΣQ2及びΣq2のデータをゼロリセットし(ステッ
プ59)、更に気筒判別値n cy lに2をセットする(ステ
ップ60)。
一方、ステップ56で#3気筒の点火基準位置相当でな
いと判別されると、今度はステップ61へ進んで#4気筒
の点火基準位置に相当する基準角度信号REFであるか否
かを判別し、#4気筒の点火基準位置であるときには、
前記と同様にして#1気筒に対する通常燃料噴射と#1
気筒に対応する各種データのセットを行う(ステップ62
〜65)。
更に、ステップ61で#4気筒の点火基準位置でないと
判別されたときには、今回の基準角度信号REFは#2気
筒の点火基準位置であるはずだから、ステップ66〜69で
#3気筒に対する通常燃料噴射と#3気筒に対応する各
種データのセットを行う。
次に第6図のフローチャートに示すルーチンは、各気
筒のTDC位置で割込実行されるものであり、例えばクラ
ンク角センサ15からの基準角度信号REFと単位角度信号P
OSとを入力するカウンタを設け、このカウンタによりBT
DC 120゜で出力される基準角度信号REFから単位角度信
号POSをカウントすることによってTDC位置を検出して、
TDC位置においてCPUの外部割込端子に割込信号を出力す
ると、この第6図に示す割込ルーチンが実行されるよう
構成されている。
まず、ステップ81では、気筒判別値n cy lが2である
か否かを判別し、気筒判別値n cy lが2であるときには
ステップ82へ進んで、フラグF100d4に1をセットする。
気筒判別値n cy lが2であるときは、第8図に示すよう
に、#2気筒の吸気BTDC120゜から180゜の範囲であっ
て、このときのTDCは#2気筒の吸気TDCであると共に、
#4気筒の吸気BDCでもある。従って、気筒判別値n cy
lが2であるときのTDCでは、#4気筒が吸気BDCになっ
たことが検出され、#4気筒ではこの時期を越えて燃料
噴射を行っても次の吸気行程まで吸入されずに滞留する
ことになるので、フラグF100d4が1をセットして、#4
気筒に対する噴射燃料が滞留する時期であることが判別
できるようにする。
また、ステップ81で気筒判別値n cy lが2でないと判
別されると、ステップ83へ進んで気筒判別値n cy lが1
であるか否かを判別する。気筒判別値n cy lが1であれ
ば、第8図に示すように、今回のTDCが#2気筒の吸気B
DCに相当するから、ステップ84へ進んでフラグF100d2に
1をセットする。
更に、ステップ83で気筒判別値n cy lが1でないと判
別されたときには、ステップ85へ進んで気筒判別値n cy
lが3であるか否かを判別する。気筒判別値n cy lが3
であれば、前述と同様に、今回のTDCが#1気筒の吸気B
DCに相当するから、ステップ86へ進んでフラグF100d1に
1をセットする。
また、ステップ85で、気筒判別値n cy lが3でないと
判別されたときには、気筒判別値n cy lは4であるはず
だから、ステップ87へ進んでフラグF100d3に1をセット
する。
このようにして、各気筒の吸気BDCになるとフラグF10
0d1〜F100d4には1がセットされ、フラグF100d1〜F100d
4によってその気筒に燃料噴射を実施して最近の吸気行
程でシリンダ内に吸入される状態であるか否かが判別で
きるようにしてある。
尚、本実施例では、機関回転に同期した主たる燃料供
給制御における燃料供給量が吸気圧力PBに基づいて演算
されるものについて述べたが、吸気圧センサ9の代わり
に吸入空気量Qを検出するエアフローメータを備え、該
エアフローメータで検出された吸入空気流量Qに基づい
て通常の燃料供給量が演算される構成であっても良い。
また、機関回転に同期して行われる通常の燃料供給制御
において、本実施例のように、噴射開始時期を一定とす
る構成の他、噴射終了時期を一定として噴射開始時期が
可変制御されるものであっても良い。
〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明によると、機関の急加速
運転状態において、要求燃料量の単位時間当たりの変化
量に基づいて単位時間毎に燃料を追加供給するよう構成
したことにより、機関回転に同期した通常燃料供給では
対応し切れない要求燃料量の急激な増大変化に対応した
燃料補正を精度良く施すことができ、機関急加速時にお
ける空燃比制御性が向上する。一方、機関の緩加速運転
状態では、要求燃料量の変化と所定クランク角位置まで
の時間に基づき前記所定クランク角位置までにおける要
求燃料量の変化を予測し、この予測結果に基づいて回転
同期で噴射される主たる燃料量を補正するようにしたの
で、要求燃料量の変化が小さく単位時間毎の追加供給で
は、燃料供給量の制御精度が確保できないような場合で
あっても、要求燃料量の変化に略見合った補正を応答性
良く施すことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示すブロック図、第2図は本発
明の一実施例を示すシステム概略図、第3図〜第6図は
それぞれ同上実施例における制御内容を示すフローチャ
ート、第7図は同上実施例における要求燃料量の加重平
均演算における特性を説明するためのタイムチャート、
第8図及び第9図はそれぞれ同上実施例における制御特
性を説明するためのタイムチャート、第10図は従来の燃
料補正制御の問題点を説明するためのタイムチャート、
第11図は燃料供給タイミングと機関性能との関係を示す
線図、第12図は燃料噴射弁の噴射特性を示す線図であ
る。 1……機関、4……スロットルチャンバ 5……吸気マニホールド、7……スロットル弁 8……スロットルセンサ、9……吸気圧センサ 10……燃料噴射弁、11……コントロールユニット 15……クランク角センサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−46060(JP,A) 特開 昭53−41642(JP,A) 特開 昭60−62627(JP,A) 特開 昭60−169647(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関の各気筒毎に設けられる燃料噴射弁
    と、 機関の吸入空気量に関与する機関の状態量を検出する機
    関運転状態検出手段と、 該機関運転状態検出手段で検出した状態量に基づいて予
    め設定された単位時間毎に機関の要求燃料量を演算する
    要求燃料量演算手段と、 前記演算された要求燃料量に応じて各燃料噴射弁による
    主たる燃料噴射を各気筒の吸気行程にタイミングを合わ
    せてそれぞれに行なわせる主燃料噴射制御手段と、 前記要求燃料量演算手段で演算される要求燃料量の前記
    単位時間当たりの変化量を演算する変化量演算手段と、 該変化量演算手段で演算された変化量と予め設定された
    値とを比較し、これにより機関の急加速運転状態及び緩
    加速運転状態を検出する加速検出手段と、 該加速検出手段で急加速運転状態が検出されたときに、
    前記主燃料噴射制御手段による主たる燃料噴射とは別
    に、前記変化量演算手段で加算した要求燃料量の変化量
    に基づいて前記単位時間毎に全気筒同時に追加の燃料噴
    射を行わせる追加噴射制御手段と、 前記変化量演算手段で変化量を演算した時点から予め設
    定されたクランク角位置までの時間を推定する時間推定
    手段と、 前記加速検出手段で検出される機関の緩加速運転状態に
    おいて、前記変化量演算手段で演算された変化量に前記
    時間推定手段で推定された前記時間を乗算して、前記変
    化量演算手段で変化量を演算した時点から前記クランク
    角位置までにおける要求燃料量の変化量の予測値を演算
    する変化量予測手段と、 該変化量予測手段で予測された変化量の予測値に基づい
    て前記主燃料噴射制御手段による燃料量を補正する主燃
    料量補正手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関の燃料供
    給制御装置。
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