JP2543453Y2

JP2543453Y2 - カートリッジボンベの接続装置

Info

Publication number: JP2543453Y2
Application number: JP40253990U
Authority: JP
Inventors: 建三江口; 達也雨宮
Original assignee: 安西メディカル株式会社
Priority date: 1990-12-28
Filing date: 1990-12-28
Publication date: 1997-08-06
Anticipated expiration: 2005-12-28
Also published as: JPH0495199U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、カートリッジボンベ、
特に、医療用ガスとして用いるキセノンガス用カートリ
ッジボンベの接続装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】キセノンガスは、例えばプロパン等の液
化ガスと異なり、気体のまま高圧で圧縮してボンベに詰
める必要がある。従来は、大形の高圧ガスボンベが使用
されていた。しかし、高圧のガスボンベを取扱うには、
高圧ガス取扱のための免許の取得が必要であり、従っ
て、医療機関においても、その資格者を確保しなければ
ならないという問題があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、高圧ガス取扱者としての資格
を必要としないガス圧範囲のキセノンガスカートリッジ
ボンベを用意し、取扱を簡便にしようとするものであ
る。この場合、前述のように、液化ガスのカートリッジ
ボンベでは、その圧力も３kg／cm²程度と低圧である
が、キセノンガスでは８kg／cm²程度になり、かつ、キ
セノンガスは極めて高価であるから、このキセノンガス
カートリッジボンベを医療用機器に接続する際に、瞬時
の漏れもあってはならない。つまり、瞬時の漏れも、ガ
ス圧が比較的高いため多量のガスの損失を招くことにな
るからである。

【０００４】本考案は、このように、ガス圧力が比較的
高く、かつ高価なキセノンガスのカートリッジボンベに
対し、瞬時の漏れも生じない接続装置を提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案は、板状基体の一方の面の中央部に、内部に
ガス通路と先端に前記ガス通路に連通するスイッチ棒と
を有する円筒体を立設し、他方の面に前記ガス通路に連
通する配管を施した第１の部材と、円筒体を同心円状に
取り囲むように板状基体の一方の面に固定し、側壁の一
部に略逆コの字形の貫通孔を有する円筒状の第２の部材
と、円筒体と第２の部材との間に摺動自在に配置し、内
面の一端寄りに円筒体との間を気密にするシール用Ｏリ
ングと内面の他端にカートリッジボンベの口金部とねじ
結合する雌ねじとを有すると共に、第２の部材の貫通孔
を通って外部へ突出するピンを有する第３の部材と、第
３の部材の一端面と板状基体との間に介在させた圧縮ス
プリングとから構成される。

【０００６】

【作用】上記構成の接続装置にカートリッジボンベを接
続する場合は、先ず、カートリッジボンベの口金部を第
３の部材の雌ねじにねじ込んで口金部の周囲に設けたＯ
リングにより気密結合した後、第３の部材を圧縮スプリ
ングの付勢力に抗して移動させてピンを略逆コの字形の
貫通孔の一方の水平部から他方の水平部へ変位させ、第
１の部材のスイッチ棒でカートリッジボンベの気密栓を
押下するようにする。つまり、第１のステップでカート
リッジボンベと接続装置とを気密的に結合し、次いで第
２のステップでカートリッジボンベの開栓を行う。これ
により、瞬時の漏れも生じない接続が可能になる。

【０００７】

【実施例】以下、図面を参照して実施例を詳細に説明す
る。先ず、図４は、カートリッジボンベ１の外形を示し
たもので、全長Ｌが略280mm、直径Ｒが略75mmである。
図５は、カートリッジボンベ１の口金部２周辺の詳細を
示したもので、口金部２は雄ねじになっており、その内
部のガス出口端にゴム等の弾性体３が詰め込まれ、それ
に一端が食い込むようにバルブハウジング４が嵌着され
ている。バルブハウジング４内には栓体５が移動可能に
装着されており、通常はその一端が弾性体３に食い込む
ようにスプリング６により押し付けられている。この栓
体５の食い込みにより、ボンベ内部と外部とは遮断さ
れ、ガスの漏れは全くない。そこで、ガス出口端より棒
状のもので栓体５を強く押すと、図の中心線の右側に示
したように、栓体５がスプリング６の付勢力に抗して押
し下げられ、ボンベの内外が連通して矢印の如くガスが
流れ出る。７は断面が山形形状をしたＯリングである。

【０００８】図１は、本考案の一実施例の接続装置を示
したもので、図３は、その分解斜視図である。図１及び
図３において、11は第１の部材で、板状基体12（ここで
は円板）の一方の面の中央部に、内部にガス通路13と先
端にガス通路13に連通する縦方向の切り込みを有するス
イッチ棒14とを有する円筒体15が立設され、他方の面に
ガス通路13に連通し被ガス供給装置（図示せず）に連結
された配管16が接続されている。17は、円筒体15を同心
円状に取り囲むように板状基体12の一方の面にビス18に
より固定され、側壁の一部に、円内(b)図に示したよう
な略逆コの字形の貫通孔18を有する円筒状の第２の部
材、19は、円筒体15と第２の部材17との間に摺動自在に
配置され、内面の一端寄りに円筒体15との間を気密にす
るためのシール用Ｏリング20と内面の他端にカートリッ
ジボンベ１の口金部とねじ結合する雌ねじ21とを有する
と共に、第２の部材の貫通孔18を通って外部へ突出する
ピン22を有する第３の部材、23はこの第３の部材19の一
端面と板状基体12との間に介在された圧縮スプリングで
ある。なお、24は口金部２をねじ込んだときのストッ
パ、25はそのストッパを固定するバネリングである。

【０００９】次に、上記構成の接続装置に対するカート
リッジボンベ１の接続動作を説明する。先ず、図１にお
いて、カートリッジボンベ１の口金部２を第３の部材の
雌ねじ21にねじ込んで、口金部の周囲に設けたＯリング
７に第３の部材19の端面を圧接させることにより接続装
置とカートリッジボンベ１とを気密結合する。この時点
では、ボンベの栓体５に対して何らの力もかからないか
ら、ボンベの内外は栓体により遮断されたままである。
次に、図２に示したように、第３の部材19を圧縮スプリ
ング23の付勢力に抗して摺動させ、(b)図に示したよう
に、ピン22を略逆コの字形の貫通孔18の下の水平部から
上の水平部へ変位させ、第１の部材のスイッチ棒14の先
端でカートリッジボンベの栓体５を押し下げる。ここ
で、カートリッジボンベ１のガス出口端からガスが出て
スイッチ棒14から円筒体15のガス通路13を通り、配管16
を経て被ガス供給装置に供給されることになる。

【００１０】要するに、接続動作は２ステップからな
り、先ず第１のステップでカートリッジボンベと接続装
置とを気密的に結合し、次いで第２のステップでカート
リッジボンベの開栓を行う。この間、Ｏリング７とＯリ
ング20のシール箇所で外部とは完全に遮断されているか
ら、動作途中で瞬時のガス漏れも発生することはない。

【００１１】本考案で、上記のように２ステップ動作を
行う構成とした理由は次の通りである。即ち、カートリ
ッジボンベの栓体を押し下げてガス流出時の流体抵抗を
十分下げるためには少なくとも栓体を１mm押し下げる必
要があり、さらに、カートリッジボンベと接続装置とを
結合する際に、８kg／cm²の高圧ガスを瞬時の漏れもな
く結合させるためにはＯリングの圧縮寸法が少なくとも
１mm程度必要である。その両方を一つのシール部で、し
かも１ステップ動作で達成しようとすると、接続装置に
対しカートリッジボンベの口金部２をねじ結合しなが
ら、先ずシール部材（例えばＯリング）を、１mm程度圧
縮し、その時点でスイッチ棒の先端が栓体に当接するよ
うにする。次いで、開栓のためにさらに１mm程度押し下
げるようにすると、結局、シール部材を少なくとも２mm
程度圧縮しなければならず、これではシール部材の寿命
が極端に短くなってしまうからである。

【００１２】本実施例によれば、カートリッジボンベと
接続装置とを気密結合する第１のステップで、Ｏリング
７を１mm程度圧縮した後、カートリッジボンベの開栓を
行う第２のステップではＯリング７の圧縮はないので、
シール部の損傷もなく、確実な接続が達成できる。

【００１３】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、接
続装置に対するカートリッジボンベの接続に際し、その
動作途中で瞬時のガス漏れも発生することなく、従っ
て、高価なキセノンガスの損失がなく、確実な接続を達
成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の接続装置の断面図である。

【図２】同接続装置に対するカートリッジボンベの接続
動作の説明図である。

【図３】同接続装置の分解斜視図である。

【図４】カートリッジボンベの外観図である。

【図５】カートリッジボンベの口金部周辺の構成を示す
断面図である。

【符号の説明】

１…カートリッジボンベ、２…口金部、５…栓体、
７…Ｏリング、 11…第１の部材、 12…板状基体、
13…ガス通路、 14…スイッチ棒、 15…円筒体、
17…第２の部材、 18…貫通孔、 19…第３の部材、
22…ピン、 23…圧縮スプリング。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】板状基体(12)の一方の面の中央部に、内
部にガス通路(13)と先端に前記ガス通路に連通するスイ
ッチ棒(14)とを有する円筒体(15)を立設し、他方の面に
前記ガス通路に連通する配管(16)を施した第１の部材(1
1)と、前記円筒体を同心円状に取り囲むように前記板状
基体の一方の面に固定し、側壁の一部に略逆コの字形の
貫通孔(18)を有する円筒状の第２の部材(17)と、前記円
筒体と第２の部材との間に摺動自在に配置し、内面の一
端寄りに前記円筒体との間を気密にするシール用Ｏリン
グ(20)と、内面の他端にカートリッジボンベ(1)の口金
部(2)とねじ結合する雌ねじ(21)とを有すると共に、前
記第２の部材の貫通孔を通って外部へ突出するピン(22)
を有する第３の部材(19)と、該第３の部材の一端面と前
記板状基体との間に介在させた圧縮スプリング(23)とか
らなり、先ず、カートリッジボンベの口金部(2)を前記
第３の部材の雌ねじ(21)にねじ込んで口金部の周囲に設
けたＯリング(7)により気密結合した後、前記第３の部
材(19)を前記圧縮スプリングの付勢力に抗して移動させ
てピン(22)を略逆コの字形の貫通孔(18)の一方の水平部
から他方の水平部へ変位させ、前記第１の部材のスイッ
チ棒(14)でカートリッジボンベの気密栓(5)を押下する
ようにしたことを特徴とするカートリッジボンベの接続
装置。